概要
1971年から1973年まで発売されていたスナック菓子で、当初は東京でのみ発売されていたが、1972年から全国で販売された。
当初は「かっぱえびせん姉妹品」と銘打たれており、一部地域では実際に中身がかっぱえびせんになっていた時期があるがすぐに元に戻った。
売上げは1972年2月の時点で1日100万袋を越え、最終的にはカルビー社内のメモによると15か月間で6億2000万袋に達した。平均すると当時の男子児童1人あたり85袋購入した計算になる。金額換算で約87億円を売り上げたとする資料もある。
1973年に仮面ライダーが放映終了したため、それに伴い販売終了。新番組『仮面ライダーV3』に対応した「カルビースナック 仮面ライダーV3」へと引き継がれたが、あまりのカードが追加されるスピードの速さに子供たちが付いていけなかったためか売り上げは低迷し、同年7月に最終回を前にして生産終了となった。
仮面ライダーカード
1袋に1枚「仮面ライダーカード」が付属していた。開封前に中身を選べない、いわゆるトレーディングカードである。
この商品最大の売りともいえるものであり、カード表面にはライダー、怪人、劇中のシーンなどが、裏面には通しナンバーと表面の写真に関するデータが印刷されていた。
このほかにも従来のブロマイドとは異なり、カード裏面にキャラクターの解説などが記載されていることから「図鑑的要素」を盛り込んでいた。
現在と違い、当時は怪人のデータなどはテレビ本編は殆ど言及されず、子供たちがそれらのデータを知るにはテレビマガジンなどの児童向け雑誌などを読む以外手段がなかった。そんな時に登場した「仮面ライダースナック」は、まさにうってつけの存在だったのである。
番組本編では明かされない怪人の独自データのほか、ゲルショッカーやショッカーライダーの情報にいたってはTV放映を何週間も先取りするなど子供たちにとって最新情報源となっていた。
ラッキーカード
さらにこのカードには「ラッキーカード」と呼ばれるレアカードが存在し、これをカルビー製菓ライダー係宛に送ると、カードを収納できる「仮面ライダーアルバム」をもらうことができるようになっており、ラッキーカードを求めて「仮面ライダースナック」を購入する者も多かった。
仮面ライダーV3に移行してからはラッキーカードは廃止され、カードアルバムは30円分の切手を工場に送る事で入手できた。しかしやはりラッキーカードなしでは受けが悪かったのか途中からV3ポスターがもらえる「大当たりカード」が混入されていたが、それでもポスターは在庫過多に陥り途中からはマジンガーZスナック等他のラッキーカードでも交換できる措置が取られたほどであった。
復刻
1992年に東映ビデオより発売された「仮面ライダー パーフェクトLD-BOX」(25枚組・定価150000円)の特典として、546枚+異種3枚が「提供 カルビー製菓」の表記も含めて原寸大で復刻された。
1999年「仮面ライダーチップス」が発売された際、No.1からNo.72までが復刻された。その後、3期にわたってNo.216までが、2003年からNo.217からNo.546が復刻された。カードの大きさが当時のカードよりかなり大きくなっており、「エラーカード」や「ラッキーカード」も復刻され、「ラッキーカードを送るとアルバムがもらえる」、「『新カードコレクション』という市販のチップス内で復刻できなかったカードや新たに発見されたエラーカードを復刻したカードなどがセットにされたBOXがもらえる」キャンペーンも実施された。
2006年から2008年には『仮面ライダーチップスR』として発売され、そのカードの種類は全999種という金字塔を打ち建てた。
2016年には映画『仮面ライダー1号』の映画館入場者(先着80万名限定)にプレゼントされた「仮面ライダー 魂のトリプルパック!!」において、カルビー全面協力のもと仮面ライダーカードが復刻封入された。(全4種類) 復刻されたのは「仮面ライダーカード」のフォーマットであり、写真自体は映画のスチールカットを用いた新撮画像。翌2017年に発売されたソフトの初回封入特典としても別途に制作された。
このほか、1998年に発売されたゲームソフト『仮面ライダー』の「デジタルカードモード」にはこの商品のカードを元にしたコレクション要素が入っている。
2022年~23年では2023年公開予定映画「シン・仮面ライダー」とコラボで復活。第1弾はピザポテトとコラボし、「シン・ピザポテト」として期間限定販売した。第2弾は「シン・仮面ライダーチップス」(カードは全48種類)を数量限定発売となった。また同時に1971年に発売した「仮面ライダースナック」を復刻し、味わいを再現した「シン・仮面ライダースナック」(「シン・仮面ライダーチップス」の全48種類のカードとオリジナルカードアルバム)も登場。ただしこちらのスナックはカルビー公式オンラインショップ「カルビーマルシェ」にて数量限定発売となる。
社会問題
爆発的なヒットの裏で、スナックを買った子供たちがカードだけを取ってスナックを捨ててしまうという事例が全国で報告された。
こうした状況は教育関係者の目に留まり「ライダースナック投棄事件」として、社会問題にまで発展。学校で注意喚起が行われるほどであった。
カルビー側は「お菓子は残さず食べよう」という一文をスナックの袋に印刷して掲載し、梱包用のダンボール箱に「一人にたくさん売らないように御協力下さい」と小売店向けの指示書を仕込むなどの対策を採った。
店側もスナックを完食した子供にだけカードを渡したり、そもそもカードを付けない等の対策が行われていた。
それ以外にも食べた人たちによると「味付けが甘すぎた」「おいしくないのに量が多かった」「味がないえびせん」等とかなり不評だったようでこれも捨てられる原因になったと思われる。
同様の問題は10数年後のビックリマンブームでも起こっている。
関連タグ
ちびまる子ちゃん…劇中にこのスナック廃棄問題を取り扱ったエピソードがある。
ビックリマンチョコ…同じようにおまけ目当てで購入した者がお菓子を捨てるという問題が起きたお菓子。
井上敏樹…平成ライダーの脚本を何度も手掛けた脚本家。彼もスナックをカード目当てで購入し、お菓子を捨てているところを母親に見つかって怒られたというエピソードを明かしている。
クレヨンしんちゃん…「アクション仮面スナック」というパロディがある。後にカードアルバムやラッキーカードも登場している。アクション仮面VSハイグレ魔王ではチョコビのオマケとして当該カードが付属している。