概要
『クレヨンしんちゃん』の劇場版第1作。1993年公開。監督は本郷みつる。
現在ではゴールデンウィークの恒例行事となったクレしん映画だが、本作は夏休み映画として公開され、映画の舞台も夏休みとなっている。
また、OPも2作目以降恒例のクレイアニメーションではなく、TVと同じものになっている。
日常編ではまず行えないSF・ファンタジー要素やおバカなアクション、変態極まりない敵組織、濃すぎるオカマなど後々のクレしん映画の礎を築いた記念すべき初作品である。
漫画版は単行本6巻に収録されているが、並行世界への移動方法や終盤のハイグレ魔王とのバトルなど大幅に内容は異なっている。また、漫画版ではあくまで「アクション仮面が実在するという世界」として登場していた並行世界は、映画版ではアクション仮面と言う存在の根幹に関わる重要な設定になっている。
興行収入は22.2億円。第1作目ながらこの記録は2015年公開の23作目『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』に塗り替えられるまでクレしん映画最高興収記録を22年間保持していた。その後2023年公開の『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』によって最高記録が更新され2024年現在は歴代3位となっている。
あらすじ
原作版
海水浴に行くも渋滞に巻き込まれた野原一家はしんのすけの要望でアクション仮面ハウスに足を運ぶ。そこはぼったくりな入場料を取るだけのインチキ商売施設だったがアクション仮面が描かれた鏡は管理人も知らぬ間にアクション仮面が実在するパラレルワールドへの扉になっており、野原一家はアクション仮面次元にやってきてしまう。
アクション仮面次元はハイグレ星人の侵略を受け、アクション仮面は敗北。自分たちがパラレルワールドに来たことを知った野原一家はすぐに元の次元に返ろうとするがアクショングレートビームの素カプセルをしんのすけが間違って食べてしまった為、しんのすけごとアクション仮面基地に連れていくことになり、野原一家の別次元冒険が始まった。
映画版
しんちゃんたちはチョコビについてくるおまけカードである「アクション仮面カード」を集めており、No.99と呼ばれる幻のカードを探していた。ある日しんのすけは買い物帰りの途中に立ち寄った古風な駄菓子屋にてチョコビを買ったところ、黄金に輝くNo.99のカードを見事引き当てた。
幼稚園が夏休みに入ったころ、唐突に海に行きたくなった野原一家は渋滞を抜け砂浜にやってくる。そこには巨大なアクション仮面が立っていた。しんのすけは支配人らしき人にNo.99のカードを見せると奥へ案内される。アトラクションの乗り物に乗り込んだしんのすけ達が見たのは、こちら側に向かってくる『自分たち』であった。
ゲストキャラクター
余談
映画版でアクション仮面カードについて、幻のカードであるNo.99のカードが話題にのぼった際に、「ゾロ目のカードはなかなか出ないので、あえて作ってる数を少なくしているのではないか?」と子どもたちが推測する場面がある。
しかし、100までにゾロ目の数自体が11、22、33、44、55、66、77、88、99の9つしかないため、2つの世界を繋ぎ、アクション戦士を探すためにある特殊なNo.99はともかく、生産数が同じであってもゾロ目のカードがそうでないカードより出にくいのは当然の話である。
大人になってからその事に気がついた当時の子供だった方もいるのではないだろうか?(ただし、実際のところは不明)
ちなみに、ネネちゃんによると3がつくカードはミミ子のカードになっている。
また、プレミアムバンダイにてアクション仮面ソフビ&アクションカードとしてNo.99のゴールドカードは商品化された事があり、チョコビを模した箱に入れられていた。
関連項目
大魔王の逆襲:スーパーファミコン専用ソフトとして発売された後日談。
暗黒タマタマ大追跡:ひまわりの映画デビュー作。そのためか、ひまわりが本作のしんのすけと同様の行為をし、それが物語に大きく関わる。
仮面ライダースナック:特撮ヒーローの仮面ライダーカードのオマケもとい、カードがオマケとしてついていたお菓子。カードアルバムがもらえることなど、アクションカードの元ネタと思われる。
『世界忍者戦ジライヤ』、『特捜ロボジャンパーソン』:同局の特撮ヒーロー繫がりもあってか、この2作品を意識した音楽が劇中で流れる。また、後者は本作の同年作品でもあり、カードを投げつけての登場も見られる。
超時空の大決戦:本作の原作とは逆に主人公がテレビの中の特撮ヒーローとして描かれている並行世界を訪れる話。
次作→ブリブリ王国の秘宝