「ど~いたしまして。アタシは男じゃないもん。オ・カ・マ☆」
概要
記念すべきクレしん映画第一作目である『アクション仮面VSハイグレ魔王』のラスボスとして登場した、しんのすけ達の世界とは別次元の地球に現れた侵略者たちの首領。
「魔王」という名称だが実際はハイグレ星人という宇宙人であり、配下に「Tバック男爵」、「ハラマキレディース」といった幹部を始め、頭にパンティストッキングを被った様な風貌の「パンスト団」という戦闘員を大量に率いている。地球の文明を遥かに上回る科学技術を持ち、乗ってきた巨大な円盤を東京都庁に重ね乗っ取る形で変形、本拠地としていた。
作戦立案を始めとした戦略に長け、同時に自分の命令を絶対とし失敗や口答えをする部下には厳しく罰を与え、自分に刃向う存在は容赦なく全滅させようとするなど冷酷で傲慢な性格をしている。
容姿
淡い青色の肌をし、普段は黒いマントにピンクのハイレグのレオタードを着用し、顔には青と黄のピエロじみた笑みを象ったホラーマスクを着けている。
物語序盤においてテレビを消した際に一瞬彼が映るシーンはかなり怖い。
髪は赤毛にモヒカンヘアで後ろ髪は三つ編みでまとめているという一見するとかなり奇抜な外見だが、仮面を外した素顔は美しく整った端正な顔付きで、しんのすけでさえ一瞬女性と見間違えたほど。
しかし、性別はしっかりと男であり、自他ともに認めるオカマである。
いうなれば彼は映画クレヨンしんちゃんでは半ば恒例となるオカマキャラの元祖でもある。
劇中において
地球侵略の為に邪魔な存在であるアクション仮面を、テレビ撮影の為にしんのすけの世界に訪れていた(凄い設定だ)ところを爆発事故に見せかけて負傷させ、平行世界を渡るために必要な力の源であるアクションストーンを強奪。単独では元の世界に帰れなくさせる。
その後関東中に手下を送り装備させたハイグレ銃の光線を人々に浴びせ、次々と洗脳しハイグレ人間化させ支配下に置いていった。色んな意味で恐ろしい魔王である。
アクション仮面を呼び戻すために北春日部博士が作ったもう一つのアクションストーンの存在を察してからは既に洗脳したまつざか先生をスパイとしてしんのすけ一同に潜り込ませ、
アクション仮面の秘密基地を場所をあぶり出し、ハラマキレディースとパンスト団全軍を差し向ける。
ハラマキレディース、Tバック男爵が石の奪取に失敗し、しんのすけが本拠地に乗り込んだ際は、ホログラムを用いて自分の部屋へと誘導。
自身の顔立ちを利用し油断して近づいたしんのすけを捕らえると超能力を用いて体内のアクションストーンを抜き出し目の前で破壊した。
アクション仮面の帰還の手段を完全に潰し勝ち誇っていたが、最初に奪ったアクションストーンは既に手にある余裕からか自分のイヤリングの中に隠しており、それを見つけたしんのすけに一瞬の隙を突かれ奪い返される。
そしてその石としんのすけの持っていたカードが合体したことでアクション仮面の帰還を許してしまった。
……予備の石は破壊しておいて、なぜこちらは後生大事に隠し持っていたのかは謎である。何らかの形で囮として使う予定だったのだろうか。
アクション仮面との対決はまず自分自身を象った巨大像を用いた早登り競争を行い、接戦の末結局同着ゴールとなる。
その場合として今度はお互い剣による勝負となり、夕陽を背景に壮絶な殺陣の末に自分の剣を弾き飛ばされ敗北した。
が、それでもなお諦め悪く自分の敗北を認めず、「男らしくない」というアクション仮面の指摘に「オカマだから関係ない」と堂々と開き直る。
そして奥の手として異形の姿に変身し、アクションビームすらものともせずアクション仮面を追い詰めるが、アクションストーンの効果によってしんのすけが放ったアクションビームの二段重ねには流石に耐え切れず遂に爆発、焦げた元の姿となりその場に倒れた。
しかし死亡したわけではなくすぐに立ち上がったが、しんのすけとアクション仮面の強さを認め、「あんた達みたいな強い男の子がいない時代にまた来るかもね」と言い残し、投げキッスと共に宇宙へ帰って行った。
クレヨンしんちゃんの映画における「ファンタジー世界のラスボス」の中でも、最後まで生き残ったのはかなり珍しいパターンだったりする。
能力など
劇中においては主に青白い電撃のような攻撃と、短い距離での空中浮遊、そしてしんのすけが飲み込み体内にあったアクションストーンを胃の中から体をすり抜けるようにして取り出すなどの超能力を見せている。
また身体能力もアクション仮面と互角以上に渡り合うスペックを持ち、剣の対決でもかなりの剣術の腕を見せた。ちなみに型はどちらかと言えば中国剣術に近い。
奥の手でもある変身は、体の色が青紫色に変色し、骨格がなくなり軟体動物のように全身をグニャグニャと不気味にくねらせ、声にもホラーじみたエフェクトが入る。
ハッキリ言ってかなり怖い。
体はかなり強い酸性となっているらしく、触手の様になった腕をアクション仮面の剣に巻きつけた瞬間に一瞬で溶解させている。
さらに耐久力も高くアクションビームの直撃を食らっても平然としており、そのままビームを受けながらジリジリと歩み寄り、笑いながらアクション仮面の首を絞める場面は軽くトラウマものである。
上述の通りしんのすけとのアクションビームの二段重ね攻撃には負けたが、実際には変身が強制解除される程度のダメージでしかなく、致命傷を与えるには至らなかった。
この変身した姿が彼の本来の姿なのか、単純なパワーアップ形態なのかは不明。
漫画版
全体的なストーリーが映画版と異なっており、此方では仮面を着用せず、加えてあやとりが趣味という独自設定がある。
アクション仮面との戦闘は主に肉弾戦のみで、パワーアップ変身をしようとした際、
傍で排便に苦しむしんのすけにイラついて変身に集中できず、
その隙を突かれてアクションビームを受けて敗北するというあっけないものとなっている。
敗北後は宇宙船に乗って慌てて逃げ帰っていった。