「正義は…勝つ!!」
概要
主人公・野原しんのすけが敬愛する、劇中の特撮番組『アクション仮面』の主人公。
名前の由来は、当時『クレヨンしんちゃん』が連載していた雑誌「漫画アクション」から。
仮面ライダーやウルトラマンを彷彿とさせる、いかにも特撮ヒーロー的な外見をしている。
登場時や敵を倒したときにポーズをとって「ワッハッハッハ!」と笑う、特撮ヒーローにつきものの「様式美」も備えている。
性格はヒーローらしく正義感強く、また公共マナーに厳しい面がある。
(メケメケ団のボス・メケメケZが咥え煙草を捨てるたびに「タバコのポイ捨てはやめろォ!!」と声を荒げて怒っている。)
後にメケメケ団壊滅後は「アクション仮面Z」や「アクション仮面フィーバー」を経て再び「アクション仮面」にタイトルが戻った。
アニメ「探せ!30のアクション仮面だゾ」の話ではサトーココノカドーで「探せ!アクション仮面」という30ヵ所に点在させたアクション仮面のオブジェに置かれたスタンプを集めると、ご褒美が貰える大規模なアトラクションまで開かれるなど、作中での大人気が窺える。ただクレヨンしんちゃんという作品の作風のせいか、正統派なオブジェはシークレットの「勝利のアクション仮面」くらいで僅かであり、駅の自動改札で止められるアクション仮面というヒーローがするには格好悪い物もある謎チョイスまであった。
ちなみに普段の姿は郷剛太郎(ごう ごうたろう)という青年。役名・俳優名ともに同名である。バーナビー・ブルックスJr.のようだ。
アニメ版ではたびたび、ほぼ1話分の尺を使い「アクション仮面」を放送している他、映画第一作『アクション仮面vsハイグレ魔王』では物語の重要なキーパーソンとして登場している。
同映画内では、平行世界を行き来しながらしんのすけの世界では俳優、もう一方の世界では本物のヒーローとして活躍しているという設定を与えられて、しんのすけとともに巨悪に立ち向かい、深い友情を育んだ(なお、この設定はアニメ映画オリジナルであり、原作単行本に収録された『VSハイグレ魔王』では並行世界の同一人物という設定になっているため、原作漫画における現実世界の郷剛太郎はフツーのアクションスターである)。
その後のエピソードや映画作品でも、しんのすけと旧知の友人であるかのような会話をするなどしており、「平行世界のヒーロー」という設定も生きているかもしれない。
中でも劇場用作品『嵐を呼ぶジャングル!』では、「アクション仮面!」 「やぁ、しんのすけ君!しばらく!」と言った具合に会話を弾ませた。映画開始前のブザー音が鳴ると「(映画が)始まるよ?」 「変身しないの?」 「映画の中でね♪ あとでショーもあるから♪」とより親しい友である描写がなされている。
一方、一部の映画や番外編ではしんのすけの妄想やおもちゃなどが具現化し、しんのすけを助けるというのがあり、その為かこちらは本物のヒーローであり、アクションビームなども出すことができる。
アマゾンプライムオリジナルの「おもちゃウォーズ」ではおもちゃのオバーンに生み出されたアクション仮面GOLDとしんのすけが愛用しているアクション仮面人形が登場し、アクション仮面GOLDは子供からおもちゃを奪うスパイとして潜りこんでいたが短い間とはいえ、しんのすけに遊んでもらった為、名残惜しさを感じていた。
アクション仮面人形のほうは長い事、大切にされていた為か、誰よりもオバーンの悪だくみに気付き、おもちゃ達を説得しようとしたり、洗脳された時もしんのすけの呼びかけで躊躇う場面があった。完全に洗脳された時もチューコーネン仮面の作戦により正気を取り戻した。
また同じおもちゃのカンタムとは同じお気に入りだった為、親しげだったがこちらはオバーンに感化されてしんのすけを敵とみなしてしまう。最終回ではカスカベ防衛隊のみんなと遊ぶことで復讐心がなくなり、和解をした。
後に原作漫画ではメケメケ団を滅亡させた後に戦いによる過労で引退を表明し、アクションパワーを受け継いだ少女・八潮ミサトを二代目アクション仮面「アクション仮面ムスメ」に任命し、療養の旅に出た。八潮ミサトは後述のスピンオフでも登場している。
こちらはアニメ化されていない。
なお、アクション仮面の出自には二通りの説があり、「クレヨン大忠臣蔵」では「へっぽこ改造人間」だと呼ばれていた他、主題歌では「アクション星から来た」とある。
『アクション仮面』自体が仮面ライダーの要素が強い為に改造人間設定の方がしっくり来るような気がするが(実際にアクション仮面の開発者として郷博士が登場している)、ビームが必殺技というウルトラマンの要素も持つ以上、宇宙出身でも全くおかしくはない。アクション星からやって来た改造人間と考えた方が一番矛盾がない解釈になるのだろうか。
後述のコミカライズでは人間を怪人化させる「憎しみの種」を郷が内包している為に力を行使できるという設定になっているが、自分から拳を振るおうとすれば「憎しみの連鎖」が発動して暴走に陥ってしまう為、怪人が自責の念で顕わになった憎しみの種をアクションビームで直接破壊するという方法で戦わざるを得ない。つまり、本家とは戦闘スタイルが全く異なるのである。
ちなみに、第497話「荒野のカスカベウエスタンだゾ」においては、「アクション鉄仮面」という名称になっている。
必殺技
- アクションビーム
両腕からビームを放つ。
最も出番が多く、破られた回数も多い。他にも「アクショングレートビーム」「アクションミレニアムビーム」といった強化版もある。
- アクションビームボール
アクションビームをチャージし、ボール状にして放つ高威力の技。
何故か最初期しか使用していない。
- アクションパンチ、アクションキック
主題歌にも登場する格闘技。
- アクションローリングサンダー
空中で丸まり、縦回転しながら突撃する。
新必殺技の視聴者応募キャンペーンにて、しんのすけが考え、見事採用された技である。
- アクションファイヤー、アクションジェット
主題歌にのみ登場する。謎の技。
- アクションスライサー、アクションリングシュート
ビームで切断する技。後者は輪っかを使った飛び道具。
この他にも「アクションロータリーシューティングスター」、「アクショングリグリ」という技が確認されている。
装備品
いくつか外付けの装備品が作られており、作中で玩具化されている。
- アクションブルブル
アクション仮面をパワーアップさせる手持ちのマッサージ機。だが使い方は股間に押し当ててスイッチを入れるという変態的なもの。
- エレキガード・ベルト
静電気を抑える。以上。
- アクションロッド
ピンク色の小ぶりなロッド。
- ブレスレット
どんな硬いものでも消滅させる「ダイヤモンドビーム」を放つ。
- アクションソード
切れ味抜群のブロードソード。
未使用時はアクション仮面の腰にある、シンボルマークに格納している。
ガードの中央にシンボルマークがついており、そこから刃が伸びているのが特徴。
ライバル
メケメケZ
最初に戦った悪の親玉。
顔はドクロ風。悪の組織ブラック・メケメケ団の首領。
キカイダーのように体色が2つに分かれており、色は黄土と赤紫。
シンプルな見た目ながら、アクション仮面を圧倒する実力と確かなカリスマを感じさせ、同時にコミカルさも覗かせる。アニメでは青野武の怪演も見どころ。
アクション仮面に倒された幹部、怪人は無論のこと、戦闘員の正確な数まで把握しているなど実はなかなか部下思いな一面も。愛煙家で珈琲も好きらしい。
ウミウシ長官ビジョー、チンパン総督モンキッキ、カマキリ将軍ギリギリ、イグアナ大臣ズビズバからなるブラック四天王という強力な怪人4名に幹部を担当させている。うちビジョーとギリギリは女性幹部である。
イーグルヘッド
秘密結社「雀の涙」の幹部。
鷲のような格好をしていて、イーグルショットというビームが必殺技。
ブラック仮面
見た目は色違いのスーツを着た太ったアクション仮面。
「まんがことわざ辞典」で登場し、仲間であるはずのアクション仮面の人気を妬んで、攻撃してきた。
スカイバット
彼もまた「まんがことわざ辞典」で登場。
コウモリをモチーフとした悪役で、アクション仮面に敗れたが、命までは取られずに見逃される。
次週の放送では味方としてアクション仮面を助けに駆けつけた。
スピンオフ
2013年5月より創刊した『月刊アクション』の創刊号からスピンオフ作品『アクション仮面』が2015年まで連載されていた。
作者は西脇だっと。
アクション仮面のデザインはクレしん劇中のものをベースに変更を加えたもので、作品はリアル調の絵柄。
『VSハイグレ魔王』戦での台詞、「罪を憎んで人を憎まず」をテーマに描かれている。
ただし、全ての設定を汲むと矛盾があるにしろ、リアルやオリジナル性の重視でもしたかったのか、ブラックメケメケ団などのアニメ初期共通テーマだった設定も無視され、結果的にアクション仮面でなくてもよかった作品になってしまっている。
余談
変身前の郷 剛太郎の名前の由来は、本『郷』猛(仮面ライダー1号その人)+佐々木『剛』(仮面ライダー2号こと一文字隼人を演じた役者)+南 光太郎(仮面ライダーBLACKその人)もしくはウルトラマン『タロウ』からと思われる(単純にGOGOの意味合いもあるが)。
仮面ライダーがモチーフの一つとされており、特にデザインは口元が露出しているライダーマンを彷彿とさせる。
怪人オバーンの回ではアクション仮面のフィギュアが命を与えられた存在として登場。本家とは違って悪のためかイラついた表情を見せている。
『ウルトラマンタイガ』第3話でウルトラマンタイタスが「ジードレットを使いなさい!」と言いながら、アクション仮面のポーズをするシーンがある。