概要
見た目は現実のボクシングで「ピーカブースタイル」と呼ばれる構えそのものであり、一見すると腕で顔を護っているだけに見えるが実際はそうではなく、ボディや足に関する防御力も上がる。全身が鉄のような固さになり、さらに敵から受けた攻撃エネルギーを吸収して自分のエネルギーにする事ができる。徹底した防御力を得ることができ簡単には傷一つ負わない。
ただし、弱点や急所への攻撃は防ぎきれないらしく、作中キン肉マンは幼少の頃に負った左脇腹の傷をウォーズマンに蹴りを入れられた際はあまりの痛さに悶絶していた。
鉄の硬さゆえに超人硬度で上回る相手や鉄柱をも砕くような技相手には破られることもある。
キン肉マンの祖父・第56代キン肉大王ことキン肉タツノリは敵に捕らわれの身になっても、三日三晩この肉のカーテンを続けた事で無事に生還したという。
アニメでは「キン肉ガード」という技名に変更されているが、バリアのようなエネルギーの幕が発生する点以外は肉のカーテンと変わらないほか、「肉のカーテンは地球人が行ってもあまり効果が無い」と言及されている。
キン肉族の肉体を前提としたような技だが別にキン肉族でなければ習得できないという訳でもなく、真の絆で結ばれたタッグパートナーになら得意技は習得できるとの理屈でケビンマスクはいつの間にか習得している。
超神編でフェニックスが模倣して使うも、こちらは(恐らく咄嗟に優れた防御手段として模倣したために)まがい物扱いされ若干固いガード程度に留まり、すぐに破られてしまっていた。
ザ☆農村マンは明らかにキン肉族に関係ない経歴でありながら集中力に欠ける万太郎に「赤ちゃんチューチュー作戦」で身に着けさせることに成功しており、後にカオス・アヴェニールにも万太郎が同様の指示で繰り出して防御に成功していることから優れたセコンドがいれば実戦で学べる方法として中々革命的な手段だったのかもしれない。
キン肉マンⅡ世ではキン肉王族始祖(中興の祖、みたいなもんだろう。後述の『完璧超人始祖編』で語られた惨状を見る限り)のキン肉タツノリが開発したとされる。
一方で、完璧・無量大数軍編では完璧超人始祖の一人にしてキン肉族と正義超人の開祖であるシルバーマンの絶対防御「パーフェクトディフェンダー」が源流であるとされている。これは肉のカーテンとほぼ同じ防御姿勢を起点に相手の攻撃を耐えるに留まらず、受け止め、受け流し、時にはカウンターを返す変幻自在の防御法となっており、無量大数軍のネメシスはこの技を使用した事で完璧超人へと迎え入れられた。
タツノリの弟であるネメシスによれば、肉のカーテンはタツノリが「パーフェクトディフェンダー」のおぼろげな伝承を元に完成させた技であるという(後付けながら上述の設定の矛盾をスマートに解決している)。
守勢に徹する「肉のカーテン」と常に反撃を意識した「パーフェクトディフェンダー」の違いは、正義超人と完璧超人の理想の違いでもある。それでもネメシスは尊敬する兄の技である「肉のカーテン」を直接貶めることはしていない。
関連項目
以下、ネタバレ注意
ネメシス「おかしいとは思わぬのか、その話」
さて、上記のタツノリの逸話について改めて考えてみれば、1国の国王、それも宇宙最強と称される一族の長が敵に捕らわれ、3日間もぶっ続けで攻撃を受け続けるということは何かおかしくないだろうか。
普通ならば、間違いなく援軍が来るはずである。なにせキン肉星は500億光年離れた地球ともホイホイ行き来できるだけの情報網と機動力を有しているからだ。
では何故なのか?・・・その答えは残酷なモノだった。
真弓「助けは…出なかったのじゃ……」
実は援軍は、最初から来なかったのだ。
当時、清廉潔白なタツノリ政権を疎む旧王家の派閥出身者たちは、身を隠しタツノリに対し刺客を送り込むことでクーデターを目論んだ。しかしタツノリは強かったため悉く刺客を返り討ちにしていた。旧派閥はあろうことか悪行超人と組んで邪魔となるタツノリを討ち果たそうとしていたのだ。
そして即位20周年記念式典で、旧派閥の裏切りで手引きを受けた悪行超人軍団にタツノリは捕まってしまい、そのまま三日間の地獄の如き拷問を受けることとなった。
しかし72時間に及ぶ拷問で音を上げたのは悪党どものほうで、過労で倒れた悪行超人たちのスキをついてタツノリは脱出し王座に舞い戻った。(敵の攻撃エネルギーを吸収できる肉のカーテンだからこそ三日間の責め苦に耐えきれたわけであり、もしも攻防一体技であるパーフェクトディフェンダーを使っていれば生き延びれなかったかもしれない)
その強さと慈悲の心に胸打たれた旧派閥はしばし鳴りを潜め、キン肉王家は奸臣たちの手を離れ、真弓・スグルの治世へと持ち越されることとなる。…キング・トーンのことはいったん忘れよう。
ネメシスも兄を助けにいこうとするも、完璧超人で超人墓場で暮らしており、下界に降りる事を許されず、ミラージュマンに制止されていた。
この事件によりタツノリを敬愛するネメシスが抱いてたキン肉族に対する希望は跡型もなく消し去ることとなり、彼がキン肉王家を滅ぼす決意を固める最大の理由となった。