食物連鎖
生物は生きるために他の生き物を食べる。
これが生命の基本構造であるが、ある者を栄養源とするものはまた別のあるものに栄養源とされる。
例えば植物を鹿が食べ、鹿を虎が食べる、しかし鹿や虎の死骸や糞は微生物に分解され植物の養分となる。
これが食物連鎖である。
もっとも、示した例は「植物と鹿と虎と微生物」しかいない場合であり、食物連鎖は生態系が多様化すれば上図のようにより複雑に絡み合い、単純な輪ではなくなる。これを食物網と呼ぶ。
またこれらは特定の地域の生物の種類の分布を元に実際の観察や推察を元に考察されるものである。
また、自分で栄養を製造する生物は独立栄養生物、自分で栄養を製造できず、他の生物を食べて栄養を得る生物は習俗栄養生物という。独立栄養生物は生産者、習俗栄養生物は消費者、分解して栄養を得るものは分解者という。
- 前述の例だと植物は生産者、鹿は第一次消費者、虎は第二次消費者、微生物は分解者となる。
また、この概念のわかりやすい例図として、この概念などを元に作成される生態ピラミッドと呼ばれるものがある。
ヒエラルキーの例
:これは特定の地域における食物連鎖の優位段階をわかりやすく確認できる好例である。
上述のように単純にあの生き物はあの生き物より強いから一方的に貪れる立場にあると断じるのは間違いであり、環境や成長段階によって被捕食者と捕食者が逆転するといった事例やお互いに食う食われるの関係にあるといった事例もある。例を挙げてみよう。
- カマキリは幼虫の段階では捕食者の格好の餌食であるが、成虫になればかつては捕食者であったカエルやトカゲも食べてしまう。
- 小さいヘビを食うクジャクも卵や雛の段階ではヘビのターゲットである。基本的にクジャクは大きなヘビには敵わないし襲わない。
- オニヤンマとスズメバチはお互いに肉食昆虫の中では強者に位置し、片や強い顎と飛行能力、片や強い毒針(スズメバチのテリトリーであれば、数の暴力も使える)の持ち主である為、オニヤンマがスズメバチを食べることもあれば、逆もありうる。
- 一般的に弱い生き物と認知されているネズミも鳥の卵や雛を食べてしまう。時にネズミはアホウドリ等の大きな鳥をも襲う。
- また、人間やグンタイアリなどの『野生化では成体の個体も含めて中型以上の肉食・雑食生物の多くから捕食対象とされうるが、多様な生物を捕食対象とする』という極めて特殊な捕食/被捕食の関係を持つ生物である。これは前者は道具の保持、後者は個体数によるものである。
- また、ヤドリキや食虫植物のように、生産者と消費者の両方を兼ねる生物もいる。
また、これを鎖やピラミッドではなく「生命の環」と表現される場合もある。これは『ライオンキング』がきっかけで広まった呼び方である。その原理は以下の通り。
1:草食動物が植物を食べる
2:肉食動物が草食動物を食べる
3:肉食動物が死ぬとその体は分解され土に還る
4:その土は植物の養分となる
という無限ループが所謂輪っかのようなものに例えられることがこの表現につながるのだ。
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