概要
英語で「場違いな工芸品」を意味する「out-of-place artifacts」が名前の由来。
歴史的価値を持つ品物の中でも、それが作られたであろう当時の技術では開発不可能(であるはず)なのに存在しているものの事。要は、過去におけるオーバーテクノロジーであり、現在から見たロストテクノロジーの産物である。
オカルティスト(オカルト好き)の人々からは、「宇宙人や未来人の仕業である」という説が毎度毎度主張される。
基本的に「自然の産物だった」「考えすぎだった」「古代人を馬鹿にしすぎ」「捏造された」というオチが多い。ロストテクノロジーに関してはいくらか実例がある。
最近では、単なるミステリアスな歴史的産物もオーパーツと呼ばれる事がある。
有名なオーパーツ
※の後に真面目な解説。
ここに無いオーパーツを知っている方は追記をお願いします。
水晶の加工技術が無いはずの時代の遺跡から見つかった工芸品。世界中に十数個が存在する。一部のオカルトマニアの間では不思議な力があるともされていた。
※近代工具で作られた加工痕が見つかっている。そもそもこの存在を世に知らしめた「ヘッジスの水晶髑髏」は、サザビーズのオークションで購入されたものと言うことが今では判明してあり、古代の遺物であると言う証拠自体が存在していない。
黄金シャトル
または「黄金ジェット」。コロンビアの遺跡から出土したもの。黄金を削って作られた、スペースシャトルに酷似した手の平サイズの遺物。航空力学的にも「飛べる」と保証された合理的なフォルムをしている。
※同じような黄金細工は複数見つかっており、黄金シャトルはその衝撃的な形状からひと際有名になったもの。他のものと同じく魚や鳥の姿をデザインしたものがたまたまスペースシャトルに見えるだけという説が有力。
デンデラの電球
エジプト・デンデラにあるハトホル遺跡(紀元前1世紀頃)の壁画に描かれた、電球じみた筒状の物体。エジプトのピラミッド内部には光が届かず、明かりを取るために火を焚いたような痕跡は見つかっていない……。
※神話をモチーフに描かれたハスの花とヘビの壁画とされる。
古代ギリシャの沈没船から見つかった紀元前1世紀頃の歯車付き装置で、ケースにギリシャ語で書かれた取扱説明書がついていた。再現したところ、天体の位置を計算する機械式コンピューターである事が判明した。古代の幼稚な工作技術ではこのような精巧な機械が製作できるとは思われず、このレベルの機械が出現するのは18世紀まで待たなくてはならない。
※古代ギリシャで、天動説に基づいて作られた科学計算機とされる。その複雑さ、精巧さは18世紀の技術にも引けを取らないのは事実だが、古代では普通にできたことが中世の暗黒時代に忘れられてしまい、18世紀にようやくそのレベルに追いついたと言うだけの話である。あまりに洗練された機械であるため、先行した同様の機械や、少なくとも試作品に相当するものが多数あったと思われる。紀元前3世紀にアルキメデスが天体の運行を計算する機械を発明したという記録があり、アンティキティラ島の機械はこれを発展させたものではないかと言われている。
複数の挿絵と、暗号と思わしき未知の言語で構成された古文書。
文字には規則性が見られるため、デタラメに作られたものではないと思われるが、暗号解読の天才ウィリアム・フリードマンが挑戦しても解読が失敗に終わり、挿絵から内容を推測する試みも失敗し続けている。
※現代の研究では昔の詐欺師か何かが「錬金術の秘密を記した魔道書」として好事家の貴族に売りつけた偽書という説が有力。仮に解読に成功したとしても、難易度に見合った内容が描かれているとは思われておらず、創作上の小道具としての出番が多い(ネクロノミコン)。
テキサスのハンマー
テキサス州で発見された数億年前のハンマーの化石とされるもの。
鉄部分からは塩素が検出されており、現代の科学を凌駕する超古代文明の証拠とされる。
※木製の柄の部分が化石化していない点などの点が有り、単に労働者が置き忘れたハンマーに砂が堆積して化石のように見えただけ。
コスタリカの石球
コスタリカで発見された多数の石の玉。限りなく真球に近い。
※発見から時間がたっており、実際の所は検証不可能である。ただし仮に真球とまではいかずとも、誤差0.数%程度なら当時の技術でも製造可能な事が証明されている。
製造目的は諸説あり、未だ定説と言えるものはない。
ペルーで発見された地上に描かれた巨大な絵。目的が不明なのと規模の巨大さ、宇宙人にも見える。
※目的はともかく描くだけなら初歩的な数学知識が有れば当時の技術で十分可能であり、当時のナスカ文明の偉大さを知らしめている。
ご存知金字塔。航空機も無いのに、古代人に作れるはずもない非常に正確な測量が行われている。
※「古代人を馬鹿にしすぎ」の例。ただし目的はよく分かっていないのは事実(墓場なのかも確証が持てない)。
メキシコで発見された、素焼きの土偶。もう絶滅して久しい恐竜に似た姿をしており、恐竜は絶滅していなかったのではないか、と話題になった。
※ドラゴンや龍のモデルは、ワニや蛇、トカゲ、深海魚などであり、中米にはバシリスクという恐竜みたいな見た目のトカゲがいる。また、イグアノドンがかつて、巨大なイグアナとして復元されたのは有名な話である。そもそも素焼きというのは、焼く時に特別な技術も焼き釜も不要なため、偽造が可能である。その姿が発見当時の恐竜の復元とそっくりなため、偽造の可能性もある。
番外
オーパンツである、おっぱんつではない。
スラング的用例
- 昔のものとは思えないクオリティの作品に対して、褒め言葉として使用される。
- 過去の時代を舞台にしたマンガや映画、ドラマ等で、不十分な時代考証が原因で画面に紛れ込んだ現代的なもの(例:1990年代初頭を舞台にしたドラマに、時間旅行がテーマでもないのにガラケーやスマホが出てくる)を「オーパーツ」とジョーク的にネタにすることがある。役者のうっかりで時代物なのに腕時計を外し忘れたなどのケースも稀にある。
- なお、仮面ライダーキバのように、大がかりな処理で風景を加工したり当時の小物を揃えたりするなど作品の下準備をするだけでも相当な手間が掛かっているため、制作サイドからすればちっとも笑い話ではない。 現代ではCGなどで修正できるので編集段階で気づけば直しやすくなったが、昔は気づいても修正できなかったり、録り直すには惜しすぎるよい演技だったりで、例えば西部劇なのに背後遠くをバスが通過しているにもかかわらずそのまま上映されるといったこともあった模様。
- これをわざとやっているのが必殺シリーズ。有名なものは仕事人の必殺忠臣蔵で新幹線と籠が並走したり、赤穂城跡の石碑や車を映すカット。ほかにもTVの取材を受けるシーンを移したり現代のコンクリ壁が移っていてもをそのままにしたり、仕事人V・旋風編に至ってはワープロで事務仕事する話を作ったりとやりたい放題。とはいえ割と時代劇はコメディ調の話ではわざとやっている事が多いが。
- これとは逆に、その時代には既に廃れていた古い道具などが使われているということもある。存在はしているので完全に間違っているとは言い切れないが、不自然なことに変わりはないのでわざわざ古いものを使うには何らかの理由付けをしたほうがいい。
- 各種陰謀論や大手メディアの飛ばし記事、ネットで撒かれる作り話でも当時の時代背景を無視した出鱈目が混じることが度々あり、これらも「オーパーツ」と揶揄されることもある。
- 異世界転生や異世界転移物、タイムスリップ物における現代アイテムの持ち込みや現代知識(現代知識チート)も、一種のオーパーツとして扱われる。一例を挙げると、『ゼロの使い魔』のタイガー戦車など、『自衛隊彼の地にて、斯く戦えり』の自衛隊装備各種、『異世界はスマートフォンとともに。』のスマートフォン(神様によるカスタム仕様)、『ジパング』のイージス・システム等多くの例があるが、陳腐な手法ともされている。キャラクターの存在そのものがオーパーツなドラえもん(キャラクター)のような例もある。
- 劇中では直接オーパーツ呼ばれることはないことが多いが、中世といった剣等が主であった時代や西部劇といった世界観で人型ロボット等を出す為に使われることもあり、先史文明の遺産という形で登場させる使い方もされている。
- おしりたんていの用語として→お・パーツといった感じで改名していたりもする。