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概要

シェンムー(英:Shenmue』は、セガドリームキャストで発売したアクションアドベンチャーゲームシリーズ。制作総監督は鈴木裕

大本はセガサターン向けに開発が進められていた「バーチャファイターRPG: 晶の章」で、3D格闘ゲームの始祖と言えるバーチャファイターの主人公「結城晶」を題材に据えた物語になる予定だった。

ドリームキャスト向けに再開発が行われ、その際にタイトルと主人公が変更された。

全11章で構成される予定の大作長編アドベンチャーであり、ドリームキャストを背負って立つ看板タイトルとしての期待をかけられ、ふんだんな予算と派手な広告宣伝を投入して開発・営業が進められた。

1999年、第一作『シェンムー 一章 横須賀』が満を持して発売。その制作費は70億円にも及び、一時期ギネスブックに「世界一制作費のかかったビデオゲーム」として記録されていた(現在は更新されている)。

ゲームそのものの評価は後述の通り高かったものの、肝心の売り上げは約60万本と、莫大な制作費に見合ったものとは言えず、商業的には失敗に終わった。

2001年には、ストーリー第2章を飛ばして3~6章を収めた第二作『シェンムーⅡ』(こちらも制作費は20億円強)が発売されるが、既にセガがゲーム機事業からの撤退を宣言した後のドリームキャスト末期の作品であり、これも15万本ほどの売り上げに留まった。

その後『シェンムーオンライン』『シェンムーⅢ』等が企画されるが、遂に発売には至らず、肝心の本編であるⅢの開発予定だったストーリーについては未完状態のままで、鈴木裕はついにセガを退社してしまう。

2010年、モバゲーからソーシャルゲームとして『シェンムー 街』が配信されたが、これも約1年でサービスを終了した。

この時点で「セガでシェンムーの続編を開発する」という事業は最終的に完全撤退したと発表される。

2015年6月16日、生みの親である鈴木裕により新作『シェンムーⅢ』の製作が発表され、全世界で10年以上待ち侘びていたファンを歓喜の渦へと巻き込む。

クラウドファンディングサイト『Kickstarter』にて資金集めが行われ、その日の内に目標額を達成した。

発売予定は2017年12月だったが後に2019年8月27日に正式決定、予定通りに発売された。

対応機種はパソコンPS4

4gamerでの記事→ 製作発表目標額達成

『Kickstarter』プロジェクトページ→ 日本語版英語版

この際の、100万ドルが集まるまでの1時間42分は『最も短時間で100万ドルを集めたビデオゲーム』として、ギネス認定された。

2015年7月18日午前に締め切られ、最終的に633万3295ドル(1ドル=124円換算で約7億8500万円)が集まった。『Kickstarter』のビデオゲームの調達額としては過去最高額。

2018年4月、一作目&二作目がPS4にてセット発売(2018年発売予定)されることが発表された。⇒公式サイト

こちらはドリームキャストからのHDリマスター版である。

シェンムーⅢの開発・発売に関してはⅠ&Ⅱとは違いセガによるものではなく、企画は鈴木裕の会社であるYsNet、実開発はネイロとスタジオフェイク、販売はDeep Silverが担当する。セガは制作協力という扱いである。

前作と比べると制作スタッフは異なる所も多いが、総監督は引き続き鈴木裕であり、クリエイティブディレクターの平井武史(ネイロ社長)はシェンムーのメインプログラマーだった人物である。他にもサブディレクターの岡安啓司(スタジオフェイクCTO)や、キャラクターデザインの宮脇謙史、サウンドディレクターの光吉猛修、脚本担当の吉本昌弘など、過去作と同じスタッフも多い。

2020年9月にはアニメ化が決定。2022年4月にインターネット配信で先行公開、5月にはTOKYOMXで地上波放送され、7月にはBS日テレで放送された。制作はセガグループの一員であるトムス・エンタテインメントの子会社のテレコム・アニメーションフィルムが担当。⇒アニメ版公式サイト

システム

※シェンムーⅢにおけるゲームシステムの情報を執筆のご協力をお願いします。

基本パートは街中を探索してNPCに話しかけたり、オブジェクトを調べたりして情報収集を進める3Dアドベンチャーゲーム。『一章』では1980年代の横須賀、『Ⅱ』では同じく香港の街が極めてリアルかつ緻密に再現されている。街中を行き交うNPCたちが時間経過によって挙動を変えることで生活感を演出し、フルボイスが実装されたセリフの数々はストーリー展開に合わせて変化する。

ストーリーが進むと、突如として一定時間内に決まったボタンの入力を求められるミニゲームや、バーチャファイター風の格闘ゲームに挑む場面もあり、様々な謎を解き明かしてゲームを進めていく。

街中のオブジェクトに関する小ネタも豊富であり、例えばゲームセンター筐体を調べると、『スペースハリアー』『ハングオン』などの往年のセガの名作タイトルが実際に遊べたりする。また実在の企業とのタイアップも行っており、街中にコカ・コーラ自動販売機が並んでおり、実際に買って飲むことができたりする。

今でこそGTAシリーズなど、こうしたリアルな街中で自由な行動が楽しめるゲームは珍しくないが、当時としては非常に画期的であり、オープンワールド系の始祖の一つとして後に続く多くの作品に影響を与えた。

ストーリー

主人公芭月涼の父親である芭月巌が、かつて中国で手に入れた2枚の銅鏡「龍鏡」「鳳凰鏡」が物語の鍵となる。

シェンムー 一章 横須賀

1986年、横須賀。芭月涼が自宅の柔術道場に帰ると、門人らがなぎ倒され、道場の奥で道場主の父・芭月巌と、謎の中国人藍帝が睨み合っていた。父親を助けに入ろうとする涼だが、逆に藍帝に人質に取られ、父は殺され「龍鏡」が奪われてしまう。

悲劇に見舞われた芭月家には一足遅く、香港から「鏡が狙われている。陳大人を頼れ。」との手紙が届く。復讐を誓った涼は、奪われずに残った「鳳凰鏡」を手に、横須賀の街を舞台に陳大人の消息を追い始める。

シェンムーⅡ

苦心の末に、香港にいるという桃李少老師を訪ねることになり、渡航する涼。様々な困難を経て父の敵である藍帝に近づいていくが、旅の途中で立ち寄った村で玲莎花(シェンファ)という少女と出会う。その姿は、横須賀時代から涼の夢に度々現れていた不思議な少女そのものだった……。

シェンムーⅢ

※ストーリーの執筆お願いします。

評価

莫大な制作費を回収できず、ストーリーも未完のままと商業的には完全な失敗に終わった本作であるが、前述のような緻密に表現された街で繰り広げられる冒険の世界観は評価が高く、根強いファンも多い。

文化庁メディア芸術祭デジタルアート部門優秀賞などを受賞した。

海外でもその世界観の評価は高く、スティーブン・スピルバーグが本作を評価したことでも知られる。

関連タグ

魔王様、リトライ!:アニメ第2話内でシェンムーを懐かしむシーンが存在し、更に次回予告では予告するのをほっぽってひたすら解説している。

湯川専務:『シェンムー』のマスターディスクを持っている湯川専務を護衛する為に街中を探し回るという設定の体験版が存在した(本編でも隠れキャラとして数か所で登場している模様)。

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  • ミニ狼♪俺様主義レン!シリーズ

    ミニ狼♪俺様主義レン!

    シェンムーの二次作品。 とはいっても、ほとんど関係なーい。 キャラクターぐらい。 ファンタジーが入ってる。 オンラインほどではない。が、ほのぼのファンタジーっぽい。 レンがどんな状態ででてきても・・・大丈夫な方。どうぞw ※注意:主人公はオリキャラです。(多分w)※←えw
  • 蜃気楼

    日本編二章 幻の果てに―愚者になりて

    最終章。  貴章が憎むべき陳躍文の息子だと知ってしまう思遠。 逃げ出した思遠を追うことをしなかった貴章。 絡まった糸を解くように残酷な結末へと辿りつく。   □ 『蜃気楼』あらすじ 登場人物 ■耀 思遠(ヨウ シーエン) 年齢:17歳 性別:不明 中国人の父と日本人の母 の間に生まれるが妾腹。 落ち着いた美丈夫な子供 うちに秘めた未知の能力のために白虎以外の人間 を愛せないでいる。 ■耀 白虎(ヨウ ビャッコ) 年齢:17歳 性別:男 思遠の兄であり 正妻の子供。 子供とは思えない巨躯の体躯と 驚愕の破壊力を持つ。 思遠のためだけに、生きる ことが絆だと信じている。 ■シャオリエ 年齢:17歳 性別:男 思遠と白虎と共に七歳から某魔術結社で育つ。 独創的な思念と絶対的な信念を持ち、行動力と独自な残虐さで幹部へ伸し上がる。 ■陳 貴章 年齢:25歳? 性別:男 日本生まれの日本育ち 中国人。 貿易商を営む父について仕事と武術を学びながら 護衛もする。 父に尊敬を持ちながらも、 「これでよかったのか」と疑問をもちつづけてる。 ■アーシュ(導師) 『世界の調和』を唱える魔術結社の最高権力者。 思遠・白虎・シャオリエは、導師に対して親愛の情を寄せている。 ■キース・ロベルト 教会の実力者にして、導師と古い友人。 最高幹部であるが、発言権は導師とほぼ同格である。 ■高輪神父 教会の日本支部責任者。 思遠達を子供の頃から知っている。 ※あくまでも仮定ですので、本編に入ったら若干変わるかもしれません。 ■あらすじ 世界中の財界人や政界などの大物を相手に骨董や美術品を売り払う組織。 それは7人ほどの人間で運営されていた。 その中の一人が『陳大人』。 そして、思遠の父親『耀(ヨウ)』。中国読みこれであってるのか?^^; 彼等のモットーは正規のルートで一般人が到底手に入れられないような品をそれなりの人物にそれなりの値段で売り払う事。 決して、盗品は扱わないこと。 もちろん、正規のルートといってもそれなりの品を扱うならば暗黒組織との綱渡りもあった。 耀はもともとは暗黒組織の出だったので、いまだそれなりのつながりはあった。 現に彼は正妻のほかに妾がおり、彼女が14歳のときに借金の方に買い取ってきた。 名を『香月(かづき)』といい、日本人である。 理由は正妻に子供が出来なかったからだ。 しかし、運のいいことに妾が16になると正妻と同時に二人は身ごもる。 そして、出産。 正妻の子は『白虎』 妾の子は『思遠』 彼等はそれなりの教育を受けて育った。 もちろんゆくゆくは耀の事業を継ぐためだ。 しかし、彼らが13歳のとき白虎は家を飛び出して行方不明となる。 (この当時の中国だとストリートチルドレンなど珍しくないはず^^;) 10歳の頃に母親を失った思遠は、なぜ父に対して愛情がもてなかったのか、その理由を母の死によって理解する。 15の夏を迎える頃。 彼等の父は突然の死を迎える。 父の葬儀の夜。 忍んで戻ってきた白虎から、事の次第を聞かされる。 父の死を目の当たりにしていた思遠は、復讐を決意する。 白虎とともに仇を討つことを誓い合うと、父の財産をすべて売り払い彼等は別れる。 目指すは、日本。 一年後、思遠は日本の地を踏むこととなる。 その歳、わずか16歳。(もっと年齢あげるべきか?^^;) 復讐の炎を纏った思遠は、その忌むべき力を使って父を裏切った人間達を抹殺していく。 「この力さえなければ、誰も私を恐れなかった。       私は本当は、誰にも愛されてなどいなかったのだ」 その言葉を汚物でも吐き出すように叫んだ思遠は、いずれもっとも憎むべき人と出会う。 父に愛されてなどいなかった。 母は私を復習の道具にした。 それは、背中に刻み込まれた古傷が示していた。 長い夜が冷たい時間をつれてくる。 暗闇が私をさらっていく。 「私が愛すべきは白虎と導師様のみ。  誰にも愛される子を慈しんでくれたのは、  同じ日同じ刻に生れ落ちた彼と、敬愛する導師様だけ・・・」 思遠には人には言えぬ、秘密があった。 それは自分が完全な肉体ではないということ。 忌むべき体と恐るべき力を持って生まれた問う言う事実だけが、思遠を彼等の輪からはずしていた。 父が幹部としていつづけた謎の組織。(なんかわらえるな^^;) それは、世界を手に入れようと画策する巨大な秘密結社だった。 子供も頃からその中で育った思遠と白虎は、組織の総裁『導師』と呼ばれる人間を崇拝していた。 組織から逃げるように日本に来た思遠は、すでに結社から見れば裏切り者であった。 父を裏切った人間を求め歩く思遠も、追われる身になっていたのだ。 忍び込んだ屋敷で、思遠はグループの一人を殺害する。 そして、父を破滅に追い込んだ人物の名をはじめて耳にした。 『陳大人』 その人物は今は日本に滞在しており、 いまだグループのルートを手にしていた。 「憎むべきは父を裏切った『陳大人』」 手傷を負った思遠は、屋敷から逃げるさなか車道に飛び出す。 真夜中の2時。 闇に響くブレーキの音。 そして、誰かの声・・・。 それが、憎むべき男の息子だと思遠は知らない。 残酷はいつも突然やってくる。 思遠にとって冷たいだけであった長い夜は、このときから暖かい安らいだ夜となる。 結末は、いつも残酷な御伽噺。 眠れぬ夜は、月を見上げる。 母を思わせる月は、私が生まれた理由を教えてくれる。 そして思遠が月を見上げると、 そっと肩を抱きしめ同じように空を仰ぐ貴章がいた。 月を仰ぐとき思遠は、失った母を思い出す。 母を思わせる月。 手を差し伸べた先には、何があるのだろう? 冷たい氷か、それとも・・・。 それとも、握り返す暖かい手なのだろうか? たとえ物語の終わりは残酷であっても、 決して目をそらすことは出来ない。 結末は残酷であればあるほど、今がいとうおしい。 誰に断罪されようとも、 罪だと糾弾されても、 なによりも、おまえを失うのが怖かった。 そして、めくったページは真っ白のまま。 物語はまだ綴られていない。  
  • 蜃気楼

    香港編ー17歳の誕生日(後編)

    貴章が登場しますが、日本編からとなります。 香港編は登場人物の紹介みたいな感じです。 貴章しか読みたくない方は、香港編を飛ばして、あらすじを読んでから日本編へお進みください。 □ 『蜃気楼』あらすじ 登場人物 ■耀 思遠(ヨウ シーエン) 年齢:17歳 性別:不明 中国人の父と日本人の母 の間に生まれるが妾腹。 落ち着いた美丈夫な子供 うちに秘めた未知の能力のために白虎以外の人間 を愛せないでいる。 ■耀 白虎(ヨウ ビャッコ) 年齢:17歳 性別:男 思遠の兄であり 正妻の子供。 子供とは思えない巨躯の体躯と 驚愕の破壊力を持つ。 思遠のためだけに、生きる ことが絆だと信じている。 ■シャオリエ 年齢:17歳 性別:男 思遠と白虎と共に七歳から某魔術結社で育つ。 独創的な思念と絶対的な信念を持ち、行動力と独自な残虐さで幹部へ伸し上がる。 ■陳 貴章 年齢:25歳? 性別:男 日本生まれの日本育ち 中国人。 貿易商を営む父について仕事と武術を学びながら 護衛もする。 父に尊敬を持ちながらも、 「これでよかったのか」と疑問をもちつづけてる。 ■アーシュ(導師) 『世界の調和』を唱える魔術結社の最高権力者。 思遠・白虎・シャオリエは、導師に対して親愛の情を寄せている。 ■キース・ロベルト 教会の実力者にして、導師と古い友人。 最高幹部であるが、発言権は導師とほぼ同格である。 ■高輪神父 教会の日本支部責任者。 思遠達を子供の頃から知っている。 ※あくまでも仮定ですので、本編に入ったら若干変わるかもしれません。 ■あらすじ 世界中の財界人や政界などの大物を相手に骨董や美術品を売り払う組織。 それは7人ほどの人間で運営されていた。 その中の一人が『陳大人』。 そして、思遠の父親『耀(ヨウ)』。中国読みこれであってるのか?^^; 彼等のモットーは正規のルートで一般人が到底手に入れられないような品をそれなりの人物にそれなりの値段で売り払う事。 決して、盗品は扱わないこと。 もちろん、正規のルートといってもそれなりの品を扱うならば暗黒組織との綱渡りもあった。 耀はもともとは暗黒組織の出だったので、いまだそれなりのつながりはあった。 現に彼は正妻のほかに妾がおり、彼女が14歳のときに借金の方に買い取ってきた。 名を『香月(かづき)』といい、日本人である。 理由は正妻に子供が出来なかったからだ。 しかし、運のいいことに妾が16になると正妻と同時に二人は身ごもる。 そして、出産。 正妻の子は『白虎』 妾の子は『思遠』 彼等はそれなりの教育を受けて育った。 もちろんゆくゆくは耀の事業を継ぐためだ。 しかし、彼らが13歳のとき白虎は家を飛び出して行方不明となる。 (この当時の中国だとストリートチルドレンなど珍しくないはず^^;) 10歳の頃に母親を失った思遠は、なぜ父に対して愛情がもてなかったのか、その理由を母の死によって理解する。 15の夏を迎える頃。 彼等の父は突然の死を迎える。 父の葬儀の夜。 忍んで戻ってきた白虎から、事の次第を聞かされる。 父の死を目の当たりにしていた思遠は、復讐を決意する。 白虎とともに仇を討つことを誓い合うと、父の財産をすべて売り払い彼等は別れる。 目指すは、日本。 一年後、思遠は日本の地を踏むこととなる。 その歳、わずか16歳。(もっと年齢あげるべきか?^^;) 復讐の炎を纏った思遠は、その忌むべき力を使って父を裏切った人間達を抹殺していく。 「この力さえなければ、誰も私を恐れなかった。       私は本当は、誰にも愛されてなどいなかったのだ」 その言葉を汚物でも吐き出すように叫んだ思遠は、いずれもっとも憎むべき人と出会う。 父に愛されてなどいなかった。 母は私を復習の道具にした。 それは、背中に刻み込まれた古傷が示していた。 長い夜が冷たい時間をつれてくる。 暗闇が私をさらっていく。 「私が愛すべきは白虎と導師様のみ。  誰にも愛される子を慈しんでくれたのは、  同じ日同じ刻に生れ落ちた彼と、敬愛する導師様だけ・・・」 思遠には人には言えぬ、秘密があった。 それは自分が完全な肉体ではないということ。 忌むべき体と恐るべき力を持って生まれた問う言う事実だけが、思遠を彼等の輪からはずしていた。 父が幹部としていつづけた謎の組織。(なんかわらえるな^^;) それは、世界を手に入れようと画策する巨大な秘密結社だった。 子供も頃からその中で育った思遠と白虎は、組織の総裁『導師』と呼ばれる人間を崇拝していた。 組織から逃げるように日本に来た思遠は、すでに結社から見れば裏切り者であった。 父を裏切った人間を求め歩く思遠も、追われる身になっていたのだ。 忍び込んだ屋敷で、思遠はグループの一人を殺害する。 そして、父を破滅に追い込んだ人物の名をはじめて耳にした。 『陳大人』 その人物は今は日本に滞在しており、 いまだグループのルートを手にしていた。 「憎むべきは父を裏切った『陳大人』」 手傷を負った思遠は、屋敷から逃げるさなか車道に飛び出す。 真夜中の2時。 闇に響くブレーキの音。 そして、誰かの声・・・。 それが、憎むべき男の息子だと思遠は知らない。 残酷はいつも突然やってくる。 思遠にとって冷たいだけであった長い夜は、このときから暖かい安らいだ夜となる。 結末は、いつも残酷な御伽噺。 眠れぬ夜は、月を見上げる。 母を思わせる月は、私が生まれた理由を教えてくれる。 そして思遠が月を見上げると、 そっと肩を抱きしめ同じように空を仰ぐ貴章がいた。 月を仰ぐとき思遠は、失った母を思い出す。 母を思わせる月。 手を差し伸べた先には、何があるのだろう? 冷たい氷か、それとも・・・。 それとも、握り返す暖かい手なのだろうか? たとえ物語の終わりは残酷であっても、 決して目をそらすことは出来ない。 結末は残酷であればあるほど、今がいとうおしい。 誰に断罪されようとも、 罪だと糾弾されても、 なによりも、おまえを失うのが怖かった。 そして、めくったページは真っ白のまま。 物語はまだ綴られていない。
  • 蜃気楼

    日本編一章 海を渡りし大地の果てで―残酷な子供達

    陳貴章(チン・キショウ)の父、陳躍文(チン・ヨウブン)等が組織する古美術商グループ。 ある日を境にグループのメンバーが惨殺されていく。 桜が舞う中、貴章は愛車で思遠を跳ねてしまう事からストーリーが始まる。   □ 『蜃気楼』あらすじ 登場人物 ■耀 思遠(ヨウ シーエン) 年齢:17歳 性別:不明 中国人の父と日本人の母 の間に生まれるが妾腹。 落ち着いた美丈夫な子供 うちに秘めた未知の能力のために白虎以外の人間 を愛せないでいる。 ■耀 白虎(ヨウ ビャッコ) 年齢:17歳 性別:男 思遠の兄であり 正妻の子供。 子供とは思えない巨躯の体躯と 驚愕の破壊力を持つ。 思遠のためだけに、生きる ことが絆だと信じている。 ■シャオリエ 年齢:17歳 性別:男 思遠と白虎と共に七歳から某魔術結社で育つ。 独創的な思念と絶対的な信念を持ち、行動力と独自な残虐さで幹部へ伸し上がる。 ■陳 貴章 年齢:25歳? 性別:男 日本生まれの日本育ち 中国人。 貿易商を営む父について仕事と武術を学びながら 護衛もする。 父に尊敬を持ちながらも、 「これでよかったのか」と疑問をもちつづけてる。 ■アーシュ(導師) 『世界の調和』を唱える魔術結社の最高権力者。 思遠・白虎・シャオリエは、導師に対して親愛の情を寄せている。 ■キース・ロベルト 教会の実力者にして、導師と古い友人。 最高幹部であるが、発言権は導師とほぼ同格である。 ■高輪神父 教会の日本支部責任者。 思遠達を子供の頃から知っている。 ※あくまでも仮定ですので、本編に入ったら若干変わるかもしれません。 ■あらすじ 世界中の財界人や政界などの大物を相手に骨董や美術品を売り払う組織。 それは7人ほどの人間で運営されていた。 その中の一人が『陳大人』。 そして、思遠の父親『耀(ヨウ)』。中国読みこれであってるのか?^^; 彼等のモットーは正規のルートで一般人が到底手に入れられないような品をそれなりの人物にそれなりの値段で売り払う事。 決して、盗品は扱わないこと。 もちろん、正規のルートといってもそれなりの品を扱うならば暗黒組織との綱渡りもあった。 耀はもともとは暗黒組織の出だったので、いまだそれなりのつながりはあった。 現に彼は正妻のほかに妾がおり、彼女が14歳のときに借金の方に買い取ってきた。 名を『香月(かづき)』といい、日本人である。 理由は正妻に子供が出来なかったからだ。 しかし、運のいいことに妾が16になると正妻と同時に二人は身ごもる。 そして、出産。 正妻の子は『白虎』 妾の子は『思遠』 彼等はそれなりの教育を受けて育った。 もちろんゆくゆくは耀の事業を継ぐためだ。 しかし、彼らが13歳のとき白虎は家を飛び出して行方不明となる。 (この当時の中国だとストリートチルドレンなど珍しくないはず^^;) 10歳の頃に母親を失った思遠は、なぜ父に対して愛情がもてなかったのか、その理由を母の死によって理解する。 15の夏を迎える頃。 彼等の父は突然の死を迎える。 父の葬儀の夜。 忍んで戻ってきた白虎から、事の次第を聞かされる。 父の死を目の当たりにしていた思遠は、復讐を決意する。 白虎とともに仇を討つことを誓い合うと、父の財産をすべて売り払い彼等は別れる。 目指すは、日本。 一年後、思遠は日本の地を踏むこととなる。 その歳、わずか16歳。(もっと年齢あげるべきか?^^;) 復讐の炎を纏った思遠は、その忌むべき力を使って父を裏切った人間達を抹殺していく。 「この力さえなければ、誰も私を恐れなかった。       私は本当は、誰にも愛されてなどいなかったのだ」 その言葉を汚物でも吐き出すように叫んだ思遠は、いずれもっとも憎むべき人と出会う。 父に愛されてなどいなかった。 母は私を復習の道具にした。 それは、背中に刻み込まれた古傷が示していた。 長い夜が冷たい時間をつれてくる。 暗闇が私をさらっていく。 「私が愛すべきは白虎と導師様のみ。  誰にも愛される子を慈しんでくれたのは、  同じ日同じ刻に生れ落ちた彼と、敬愛する導師様だけ・・・」 思遠には人には言えぬ、秘密があった。 それは自分が完全な肉体ではないということ。 忌むべき体と恐るべき力を持って生まれた問う言う事実だけが、思遠を彼等の輪からはずしていた。 父が幹部としていつづけた謎の組織。(なんかわらえるな^^;) それは、世界を手に入れようと画策する巨大な秘密結社だった。 子供も頃からその中で育った思遠と白虎は、組織の総裁『導師』と呼ばれる人間を崇拝していた。 組織から逃げるように日本に来た思遠は、すでに結社から見れば裏切り者であった。 父を裏切った人間を求め歩く思遠も、追われる身になっていたのだ。 忍び込んだ屋敷で、思遠はグループの一人を殺害する。 そして、父を破滅に追い込んだ人物の名をはじめて耳にした。 『陳大人』 その人物は今は日本に滞在しており、 いまだグループのルートを手にしていた。 「憎むべきは父を裏切った『陳大人』」 手傷を負った思遠は、屋敷から逃げるさなか車道に飛び出す。 真夜中の2時。 闇に響くブレーキの音。 そして、誰かの声・・・。 それが、憎むべき男の息子だと思遠は知らない。 残酷はいつも突然やってくる。 思遠にとって冷たいだけであった長い夜は、このときから暖かい安らいだ夜となる。 結末は、いつも残酷な御伽噺。 眠れぬ夜は、月を見上げる。 母を思わせる月は、私が生まれた理由を教えてくれる。 そして思遠が月を見上げると、 そっと肩を抱きしめ同じように空を仰ぐ貴章がいた。 月を仰ぐとき思遠は、失った母を思い出す。 母を思わせる月。 手を差し伸べた先には、何があるのだろう? 冷たい氷か、それとも・・・。 それとも、握り返す暖かい手なのだろうか? たとえ物語の終わりは残酷であっても、 決して目をそらすことは出来ない。 結末は残酷であればあるほど、今がいとうおしい。 誰に断罪されようとも、 罪だと糾弾されても、 なによりも、おまえを失うのが怖かった。 そして、めくったページは真っ白のまま。 物語はまだ綴られていない。  
  • スマッシュクロスアドベンチャーズ

    スマッシュクロスアドベンチャーズ 55話

    (追々記:風邪の上にインフルエンザまでかかったりとペースダウンの連続となってしまいました。申し訳ありません。それとインフルエンザは特効薬のおかげで完治しました。) *場合によっては変更・修正があります。それでもよければお願いします。 だんだんと寒くなってくるはずが、まだ暖かさが残ってますね。 ペースダウンしてしまいましたが、それでも頑張って投稿します。
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  • 蜃気楼

    日本編一章 海を渡りし大地の果てで―ふれた指のあたたかさ

    陳貴章(チン・キショウ)の父、陳躍文(チン・ヨウブン)等が組織する古美術商グループ。 ある日を境にグループのメンバーが惨殺されていく。 桜が舞う中、貴章は愛車で思遠を跳ねてしまう事からストーリーが始まる。   □ 『蜃気楼』あらすじ 登場人物 ■耀 思遠(ヨウ シーエン) 年齢:17歳 性別:不明 中国人の父と日本人の母 の間に生まれるが妾腹。 落ち着いた美丈夫な子供 うちに秘めた未知の能力のために白虎以外の人間 を愛せないでいる。 ■耀 白虎(ヨウ ビャッコ) 年齢:17歳 性別:男 思遠の兄であり 正妻の子供。 子供とは思えない巨躯の体躯と 驚愕の破壊力を持つ。 思遠のためだけに、生きる ことが絆だと信じている。 ■シャオリエ 年齢:17歳 性別:男 思遠と白虎と共に七歳から某魔術結社で育つ。 独創的な思念と絶対的な信念を持ち、行動力と独自な残虐さで幹部へ伸し上がる。 ■陳 貴章 年齢:25歳? 性別:男 日本生まれの日本育ち 中国人。 貿易商を営む父について仕事と武術を学びながら 護衛もする。 父に尊敬を持ちながらも、 「これでよかったのか」と疑問をもちつづけてる。 ■アーシュ(導師) 『世界の調和』を唱える魔術結社の最高権力者。 思遠・白虎・シャオリエは、導師に対して親愛の情を寄せている。 ■キース・ロベルト 教会の実力者にして、導師と古い友人。 最高幹部であるが、発言権は導師とほぼ同格である。 ■高輪神父 教会の日本支部責任者。 思遠達を子供の頃から知っている。 ※あくまでも仮定ですので、本編に入ったら若干変わるかもしれません。 ■あらすじ 世界中の財界人や政界などの大物を相手に骨董や美術品を売り払う組織。 それは7人ほどの人間で運営されていた。 その中の一人が『陳大人』。 そして、思遠の父親『耀(ヨウ)』。中国読みこれであってるのか?^^; 彼等のモットーは正規のルートで一般人が到底手に入れられないような品をそれなりの人物にそれなりの値段で売り払う事。 決して、盗品は扱わないこと。 もちろん、正規のルートといってもそれなりの品を扱うならば暗黒組織との綱渡りもあった。 耀はもともとは暗黒組織の出だったので、いまだそれなりのつながりはあった。 現に彼は正妻のほかに妾がおり、彼女が14歳のときに借金の方に買い取ってきた。 名を『香月(かづき)』といい、日本人である。 理由は正妻に子供が出来なかったからだ。 しかし、運のいいことに妾が16になると正妻と同時に二人は身ごもる。 そして、出産。 正妻の子は『白虎』 妾の子は『思遠』 彼等はそれなりの教育を受けて育った。 もちろんゆくゆくは耀の事業を継ぐためだ。 しかし、彼らが13歳のとき白虎は家を飛び出して行方不明となる。 (この当時の中国だとストリートチルドレンなど珍しくないはず^^;) 10歳の頃に母親を失った思遠は、なぜ父に対して愛情がもてなかったのか、その理由を母の死によって理解する。 15の夏を迎える頃。 彼等の父は突然の死を迎える。 父の葬儀の夜。 忍んで戻ってきた白虎から、事の次第を聞かされる。 父の死を目の当たりにしていた思遠は、復讐を決意する。 白虎とともに仇を討つことを誓い合うと、父の財産をすべて売り払い彼等は別れる。 目指すは、日本。 一年後、思遠は日本の地を踏むこととなる。 その歳、わずか16歳。(もっと年齢あげるべきか?^^;) 復讐の炎を纏った思遠は、その忌むべき力を使って父を裏切った人間達を抹殺していく。 「この力さえなければ、誰も私を恐れなかった。       私は本当は、誰にも愛されてなどいなかったのだ」 その言葉を汚物でも吐き出すように叫んだ思遠は、いずれもっとも憎むべき人と出会う。 父に愛されてなどいなかった。 母は私を復習の道具にした。 それは、背中に刻み込まれた古傷が示していた。 長い夜が冷たい時間をつれてくる。 暗闇が私をさらっていく。 「私が愛すべきは白虎と導師様のみ。  誰にも愛される子を慈しんでくれたのは、  同じ日同じ刻に生れ落ちた彼と、敬愛する導師様だけ・・・」 思遠には人には言えぬ、秘密があった。 それは自分が完全な肉体ではないということ。 忌むべき体と恐るべき力を持って生まれた問う言う事実だけが、思遠を彼等の輪からはずしていた。 父が幹部としていつづけた謎の組織。(なんかわらえるな^^;) それは、世界を手に入れようと画策する巨大な秘密結社だった。 子供も頃からその中で育った思遠と白虎は、組織の総裁『導師』と呼ばれる人間を崇拝していた。 組織から逃げるように日本に来た思遠は、すでに結社から見れば裏切り者であった。 父を裏切った人間を求め歩く思遠も、追われる身になっていたのだ。 忍び込んだ屋敷で、思遠はグループの一人を殺害する。 そして、父を破滅に追い込んだ人物の名をはじめて耳にした。 『陳大人』 その人物は今は日本に滞在しており、 いまだグループのルートを手にしていた。 「憎むべきは父を裏切った『陳大人』」 手傷を負った思遠は、屋敷から逃げるさなか車道に飛び出す。 真夜中の2時。 闇に響くブレーキの音。 そして、誰かの声・・・。 それが、憎むべき男の息子だと思遠は知らない。 残酷はいつも突然やってくる。 思遠にとって冷たいだけであった長い夜は、このときから暖かい安らいだ夜となる。 結末は、いつも残酷な御伽噺。 眠れぬ夜は、月を見上げる。 母を思わせる月は、私が生まれた理由を教えてくれる。 そして思遠が月を見上げると、 そっと肩を抱きしめ同じように空を仰ぐ貴章がいた。 月を仰ぐとき思遠は、失った母を思い出す。 母を思わせる月。 手を差し伸べた先には、何があるのだろう? 冷たい氷か、それとも・・・。 それとも、握り返す暖かい手なのだろうか? たとえ物語の終わりは残酷であっても、 決して目をそらすことは出来ない。 結末は残酷であればあるほど、今がいとうおしい。 誰に断罪されようとも、 罪だと糾弾されても、 なによりも、おまえを失うのが怖かった。 そして、めくったページは真っ白のまま。 物語はまだ綴られていない。  
  • 蜃気楼

    日本編一章 海を渡りし大地の果てで―絡まりし糸

    陳貴章(チン・キショウ)の父、陳躍文(チン・ヨウブン)等が組織する古美術商グループ。 ある日を境にグループのメンバーが惨殺されていく。 桜が舞う中、貴章は愛車で思遠を跳ねてしまう事からストーリーが始まる。   □ 『蜃気楼』あらすじ 登場人物 ■耀 思遠(ヨウ シーエン) 年齢:17歳 性別:不明 中国人の父と日本人の母 の間に生まれるが妾腹。 落ち着いた美丈夫な子供 うちに秘めた未知の能力のために白虎以外の人間 を愛せないでいる。 ■耀 白虎(ヨウ ビャッコ) 年齢:17歳 性別:男 思遠の兄であり 正妻の子供。 子供とは思えない巨躯の体躯と 驚愕の破壊力を持つ。 思遠のためだけに、生きる ことが絆だと信じている。 ■シャオリエ 年齢:17歳 性別:男 思遠と白虎と共に七歳から某魔術結社で育つ。 独創的な思念と絶対的な信念を持ち、行動力と独自な残虐さで幹部へ伸し上がる。 ■陳 貴章 年齢:25歳? 性別:男 日本生まれの日本育ち 中国人。 貿易商を営む父について仕事と武術を学びながら 護衛もする。 父に尊敬を持ちながらも、 「これでよかったのか」と疑問をもちつづけてる。 ■アーシュ(導師) 『世界の調和』を唱える魔術結社の最高権力者。 思遠・白虎・シャオリエは、導師に対して親愛の情を寄せている。 ■キース・ロベルト 教会の実力者にして、導師と古い友人。 最高幹部であるが、発言権は導師とほぼ同格である。 ■高輪神父 教会の日本支部責任者。 思遠達を子供の頃から知っている。 ※あくまでも仮定ですので、本編に入ったら若干変わるかもしれません。 ■あらすじ 世界中の財界人や政界などの大物を相手に骨董や美術品を売り払う組織。 それは7人ほどの人間で運営されていた。 その中の一人が『陳大人』。 そして、思遠の父親『耀(ヨウ)』。中国読みこれであってるのか?^^; 彼等のモットーは正規のルートで一般人が到底手に入れられないような品をそれなりの人物にそれなりの値段で売り払う事。 決して、盗品は扱わないこと。 もちろん、正規のルートといってもそれなりの品を扱うならば暗黒組織との綱渡りもあった。 耀はもともとは暗黒組織の出だったので、いまだそれなりのつながりはあった。 現に彼は正妻のほかに妾がおり、彼女が14歳のときに借金の方に買い取ってきた。 名を『香月(かづき)』といい、日本人である。 理由は正妻に子供が出来なかったからだ。 しかし、運のいいことに妾が16になると正妻と同時に二人は身ごもる。 そして、出産。 正妻の子は『白虎』 妾の子は『思遠』 彼等はそれなりの教育を受けて育った。 もちろんゆくゆくは耀の事業を継ぐためだ。 しかし、彼らが13歳のとき白虎は家を飛び出して行方不明となる。 (この当時の中国だとストリートチルドレンなど珍しくないはず^^;) 10歳の頃に母親を失った思遠は、なぜ父に対して愛情がもてなかったのか、その理由を母の死によって理解する。 15の夏を迎える頃。 彼等の父は突然の死を迎える。 父の葬儀の夜。 忍んで戻ってきた白虎から、事の次第を聞かされる。 父の死を目の当たりにしていた思遠は、復讐を決意する。 白虎とともに仇を討つことを誓い合うと、父の財産をすべて売り払い彼等は別れる。 目指すは、日本。 一年後、思遠は日本の地を踏むこととなる。 その歳、わずか16歳。(もっと年齢あげるべきか?^^;) 復讐の炎を纏った思遠は、その忌むべき力を使って父を裏切った人間達を抹殺していく。 「この力さえなければ、誰も私を恐れなかった。       私は本当は、誰にも愛されてなどいなかったのだ」 その言葉を汚物でも吐き出すように叫んだ思遠は、いずれもっとも憎むべき人と出会う。 父に愛されてなどいなかった。 母は私を復習の道具にした。 それは、背中に刻み込まれた古傷が示していた。 長い夜が冷たい時間をつれてくる。 暗闇が私をさらっていく。 「私が愛すべきは白虎と導師様のみ。  誰にも愛される子を慈しんでくれたのは、  同じ日同じ刻に生れ落ちた彼と、敬愛する導師様だけ・・・」 思遠には人には言えぬ、秘密があった。 それは自分が完全な肉体ではないということ。 忌むべき体と恐るべき力を持って生まれた問う言う事実だけが、思遠を彼等の輪からはずしていた。 父が幹部としていつづけた謎の組織。(なんかわらえるな^^;) それは、世界を手に入れようと画策する巨大な秘密結社だった。 子供も頃からその中で育った思遠と白虎は、組織の総裁『導師』と呼ばれる人間を崇拝していた。 組織から逃げるように日本に来た思遠は、すでに結社から見れば裏切り者であった。 父を裏切った人間を求め歩く思遠も、追われる身になっていたのだ。 忍び込んだ屋敷で、思遠はグループの一人を殺害する。 そして、父を破滅に追い込んだ人物の名をはじめて耳にした。 『陳大人』 その人物は今は日本に滞在しており、 いまだグループのルートを手にしていた。 「憎むべきは父を裏切った『陳大人』」 手傷を負った思遠は、屋敷から逃げるさなか車道に飛び出す。 真夜中の2時。 闇に響くブレーキの音。 そして、誰かの声・・・。 それが、憎むべき男の息子だと思遠は知らない。 残酷はいつも突然やってくる。 思遠にとって冷たいだけであった長い夜は、このときから暖かい安らいだ夜となる。 結末は、いつも残酷な御伽噺。 眠れぬ夜は、月を見上げる。 母を思わせる月は、私が生まれた理由を教えてくれる。 そして思遠が月を見上げると、 そっと肩を抱きしめ同じように空を仰ぐ貴章がいた。 月を仰ぐとき思遠は、失った母を思い出す。 母を思わせる月。 手を差し伸べた先には、何があるのだろう? 冷たい氷か、それとも・・・。 それとも、握り返す暖かい手なのだろうか? たとえ物語の終わりは残酷であっても、 決して目をそらすことは出来ない。 結末は残酷であればあるほど、今がいとうおしい。 誰に断罪されようとも、 罪だと糾弾されても、 なによりも、おまえを失うのが怖かった。 そして、めくったページは真っ白のまま。 物語はまだ綴られていない。  
  • 莎木if貴章香港へ

    莎木if貴章香港へ②

    もしも『シェンムー 一章』で貴章が怪我をせず、『Ⅱ』での涼の旅、香港へと貴章も同行したとしたら?という妄想を小説にしました。 オリジナルよりさらにちょっとゲーマーな涼と、様々な葛藤をする貴章との二人旅。 ちなみに、貴章は桃李少老師と、少しだけ面識がある設定。 注 貴章とジョイとの恋愛アリ。 桃李少老師を訪ね、ご奉仕の毎日を送る涼と貴章。 その日々に、涼は徐々に鬱屈を溜めていく。
  • 蜃気楼

    日本編一章 海を渡りし大地の果てで―断ち切れた糸

    陳貴章(チン・キショウ)の父、陳躍文(チン・ヨウブン)等が組織する古美術商グループ。 ある日を境にグループのメンバーが惨殺されていく。 桜が舞う中、貴章は愛車で思遠を跳ねてしまう事からストーリーが始まる。   □ 『蜃気楼』あらすじ 登場人物 ■耀 思遠(ヨウ シーエン) 年齢:17歳 性別:不明 中国人の父と日本人の母 の間に生まれるが妾腹。 落ち着いた美丈夫な子供 うちに秘めた未知の能力のために白虎以外の人間 を愛せないでいる。 ■耀 白虎(ヨウ ビャッコ) 年齢:17歳 性別:男 思遠の兄であり 正妻の子供。 子供とは思えない巨躯の体躯と 驚愕の破壊力を持つ。 思遠のためだけに、生きる ことが絆だと信じている。 ■シャオリエ 年齢:17歳 性別:男 思遠と白虎と共に七歳から某魔術結社で育つ。 独創的な思念と絶対的な信念を持ち、行動力と独自な残虐さで幹部へ伸し上がる。 ■陳 貴章 年齢:25歳? 性別:男 日本生まれの日本育ち 中国人。 貿易商を営む父について仕事と武術を学びながら 護衛もする。 父に尊敬を持ちながらも、 「これでよかったのか」と疑問をもちつづけてる。 ■アーシュ(導師) 『世界の調和』を唱える魔術結社の最高権力者。 思遠・白虎・シャオリエは、導師に対して親愛の情を寄せている。 ■キース・ロベルト 教会の実力者にして、導師と古い友人。 最高幹部であるが、発言権は導師とほぼ同格である。 ■高輪神父 教会の日本支部責任者。 思遠達を子供の頃から知っている。 ※あくまでも仮定ですので、本編に入ったら若干変わるかもしれません。 ■あらすじ 世界中の財界人や政界などの大物を相手に骨董や美術品を売り払う組織。 それは7人ほどの人間で運営されていた。 その中の一人が『陳大人』。 そして、思遠の父親『耀(ヨウ)』。中国読みこれであってるのか?^^; 彼等のモットーは正規のルートで一般人が到底手に入れられないような品をそれなりの人物にそれなりの値段で売り払う事。 決して、盗品は扱わないこと。 もちろん、正規のルートといってもそれなりの品を扱うならば暗黒組織との綱渡りもあった。 耀はもともとは暗黒組織の出だったので、いまだそれなりのつながりはあった。 現に彼は正妻のほかに妾がおり、彼女が14歳のときに借金の方に買い取ってきた。 名を『香月(かづき)』といい、日本人である。 理由は正妻に子供が出来なかったからだ。 しかし、運のいいことに妾が16になると正妻と同時に二人は身ごもる。 そして、出産。 正妻の子は『白虎』 妾の子は『思遠』 彼等はそれなりの教育を受けて育った。 もちろんゆくゆくは耀の事業を継ぐためだ。 しかし、彼らが13歳のとき白虎は家を飛び出して行方不明となる。 (この当時の中国だとストリートチルドレンなど珍しくないはず^^;) 10歳の頃に母親を失った思遠は、なぜ父に対して愛情がもてなかったのか、その理由を母の死によって理解する。 15の夏を迎える頃。 彼等の父は突然の死を迎える。 父の葬儀の夜。 忍んで戻ってきた白虎から、事の次第を聞かされる。 父の死を目の当たりにしていた思遠は、復讐を決意する。 白虎とともに仇を討つことを誓い合うと、父の財産をすべて売り払い彼等は別れる。 目指すは、日本。 一年後、思遠は日本の地を踏むこととなる。 その歳、わずか16歳。(もっと年齢あげるべきか?^^;) 復讐の炎を纏った思遠は、その忌むべき力を使って父を裏切った人間達を抹殺していく。 「この力さえなければ、誰も私を恐れなかった。       私は本当は、誰にも愛されてなどいなかったのだ」 その言葉を汚物でも吐き出すように叫んだ思遠は、いずれもっとも憎むべき人と出会う。 父に愛されてなどいなかった。 母は私を復習の道具にした。 それは、背中に刻み込まれた古傷が示していた。 長い夜が冷たい時間をつれてくる。 暗闇が私をさらっていく。 「私が愛すべきは白虎と導師様のみ。  誰にも愛される子を慈しんでくれたのは、  同じ日同じ刻に生れ落ちた彼と、敬愛する導師様だけ・・・」 思遠には人には言えぬ、秘密があった。 それは自分が完全な肉体ではないということ。 忌むべき体と恐るべき力を持って生まれた問う言う事実だけが、思遠を彼等の輪からはずしていた。 父が幹部としていつづけた謎の組織。(なんかわらえるな^^;) それは、世界を手に入れようと画策する巨大な秘密結社だった。 子供も頃からその中で育った思遠と白虎は、組織の総裁『導師』と呼ばれる人間を崇拝していた。 組織から逃げるように日本に来た思遠は、すでに結社から見れば裏切り者であった。 父を裏切った人間を求め歩く思遠も、追われる身になっていたのだ。 忍び込んだ屋敷で、思遠はグループの一人を殺害する。 そして、父を破滅に追い込んだ人物の名をはじめて耳にした。 『陳大人』 その人物は今は日本に滞在しており、 いまだグループのルートを手にしていた。 「憎むべきは父を裏切った『陳大人』」 手傷を負った思遠は、屋敷から逃げるさなか車道に飛び出す。 真夜中の2時。 闇に響くブレーキの音。 そして、誰かの声・・・。 それが、憎むべき男の息子だと思遠は知らない。 残酷はいつも突然やってくる。 思遠にとって冷たいだけであった長い夜は、このときから暖かい安らいだ夜となる。 結末は、いつも残酷な御伽噺。 眠れぬ夜は、月を見上げる。 母を思わせる月は、私が生まれた理由を教えてくれる。 そして思遠が月を見上げると、 そっと肩を抱きしめ同じように空を仰ぐ貴章がいた。 月を仰ぐとき思遠は、失った母を思い出す。 母を思わせる月。 手を差し伸べた先には、何があるのだろう? 冷たい氷か、それとも・・・。 それとも、握り返す暖かい手なのだろうか? たとえ物語の終わりは残酷であっても、 決して目をそらすことは出来ない。 結末は残酷であればあるほど、今がいとうおしい。 誰に断罪されようとも、 罪だと糾弾されても、 なによりも、おまえを失うのが怖かった。 そして、めくったページは真っ白のまま。 物語はまだ綴られていない。  
  • 莎木if貴章香港へ

    莎木if貴章香港へ 貴章の休日

    香港での目的を成し遂げた涼は、白鹿村へと旅立った。貴章を残して。 貴章は涼を追う決意を固めているが、少しだけジョイとの時間を過ごしたいと、香港にとどまることにした。 そんな夜。滞在している部屋にジョイがやってきて……。 ※ただただふたりがイチャイチャしてるだけの話だよ⭐︎
  • 蜃気楼

    香港編ー10歳の誕生日

    莎木‐シェンムーⅢ発売記念に。 古いファイルを引っ張り出してみました。 □ 貴章が登場しますが、日本編からとなります。 香港編は登場人物の紹介みたいな感じです。 貴章しか読みたくない方は、香港編を飛ばして、あらすじを読んでから日本編へお進みください。 □ 『蜃気楼』あらすじ 登場人物 ■耀 思遠(ヨウ シーエン) 年齢:17歳 性別:不明 中国人の父と日本人の母 の間に生まれるが妾腹。 落ち着いた美丈夫な子供 うちに秘めた未知の能力のために白虎以外の人間 を愛せないでいる。 ■耀 白虎(ヨウ ビャッコ) 年齢:17歳 性別:男 思遠の兄であり 正妻の子供。 子供とは思えない巨躯の体躯と 驚愕の破壊力を持つ。 思遠のためだけに、生きる ことが絆だと信じている。 ■シャオリエ 年齢:17歳 性別:男 思遠と白虎と共に七歳から某魔術結社で育つ。 独創的な思念と絶対的な信念を持ち、行動力と独自な残虐さで幹部へ伸し上がる。 ■陳 貴章 年齢:25歳? 性別:男 日本生まれの日本育ち 中国人。 貿易商を営む父について仕事と武術を学びながら 護衛もする。 父に尊敬を持ちながらも、 「これでよかったのか」と疑問をもちつづけてる。 ■アーシュ(導師) 『世界の調和』を唱える魔術結社の最高権力者。 思遠・白虎・シャオリエは、導師に対して親愛の情を寄せている。 ■キース・ロベルト 教会の実力者にして、導師と古い友人。 最高幹部であるが、発言権は導師とほぼ同格である。 ■高輪神父 教会の日本支部責任者。 思遠達を子供の頃から知っている。 ※あくまでも仮定ですので、本編に入ったら若干変わるかもしれません。 ■あらすじ 世界中の財界人や政界などの大物を相手に骨董や美術品を売り払う組織。 それは7人ほどの人間で運営されていた。 その中の一人が『陳大人』。 そして、思遠の父親『耀(ヨウ)』。中国読みこれであってるのか?^^; 彼等のモットーは正規のルートで一般人が到底手に入れられないような品をそれなりの人物にそれなりの値段で売り払う事。 決して、盗品は扱わないこと。 もちろん、正規のルートといってもそれなりの品を扱うならば暗黒組織との綱渡りもあった。 耀はもともとは暗黒組織の出だったので、いまだそれなりのつながりはあった。 現に彼は正妻のほかに妾がおり、彼女が14歳のときに借金の方に買い取ってきた。 名を『香月(かづき)』といい、日本人である。 理由は正妻に子供が出来なかったからだ。 しかし、運のいいことに妾が16になると正妻と同時に二人は身ごもる。 そして、出産。 正妻の子は『白虎』 妾の子は『思遠』 彼等はそれなりの教育を受けて育った。 もちろんゆくゆくは耀の事業を継ぐためだ。 しかし、彼らが13歳のとき白虎は家を飛び出して行方不明となる。 (この当時の中国だとストリートチルドレンなど珍しくないはず^^;) 10歳の頃に母親を失った思遠は、なぜ父に対して愛情がもてなかったのか、その理由を母の死によって理解する。 15の夏を迎える頃。 彼等の父は突然の死を迎える。 父の葬儀の夜。 忍んで戻ってきた白虎から、事の次第を聞かされる。 父の死を目の当たりにしていた思遠は、復讐を決意する。 白虎とともに仇を討つことを誓い合うと、父の財産をすべて売り払い彼等は別れる。 目指すは、日本。 一年後、思遠は日本の地を踏むこととなる。 その歳、わずか16歳。(もっと年齢あげるべきか?^^;) 復讐の炎を纏った思遠は、その忌むべき力を使って父を裏切った人間達を抹殺していく。 「この力さえなければ、誰も私を恐れなかった。       私は本当は、誰にも愛されてなどいなかったのだ」 その言葉を汚物でも吐き出すように叫んだ思遠は、いずれもっとも憎むべき人と出会う。 父に愛されてなどいなかった。 母は私を復習の道具にした。 それは、背中に刻み込まれた古傷が示していた。 長い夜が冷たい時間をつれてくる。 暗闇が私をさらっていく。 「私が愛すべきは白虎と導師様のみ。  誰にも愛される子を慈しんでくれたのは、  同じ日同じ刻に生れ落ちた彼と、敬愛する導師様だけ・・・」 思遠には人には言えぬ、秘密があった。 それは自分が完全な肉体ではないということ。 忌むべき体と恐るべき力を持って生まれた問う言う事実だけが、思遠を彼等の輪からはずしていた。 父が幹部としていつづけた謎の組織。(なんかわらえるな^^;) それは、世界を手に入れようと画策する巨大な秘密結社だった。 子供も頃からその中で育った思遠と白虎は、組織の総裁『導師』と呼ばれる人間を崇拝していた。 組織から逃げるように日本に来た思遠は、すでに結社から見れば裏切り者であった。 父を裏切った人間を求め歩く思遠も、追われる身になっていたのだ。 忍び込んだ屋敷で、思遠はグループの一人を殺害する。 そして、父を破滅に追い込んだ人物の名をはじめて耳にした。 『陳大人』 その人物は今は日本に滞在しており、 いまだグループのルートを手にしていた。 「憎むべきは父を裏切った『陳大人』」 手傷を負った思遠は、屋敷から逃げるさなか車道に飛び出す。 真夜中の2時。 闇に響くブレーキの音。 そして、誰かの声・・・。 それが、憎むべき男の息子だと思遠は知らない。 残酷はいつも突然やってくる。 思遠にとって冷たいだけであった長い夜は、このときから暖かい安らいだ夜となる。 結末は、いつも残酷な御伽噺。 眠れぬ夜は、月を見上げる。 母を思わせる月は、私が生まれた理由を教えてくれる。 そして思遠が月を見上げると、 そっと肩を抱きしめ同じように空を仰ぐ貴章がいた。 月を仰ぐとき思遠は、失った母を思い出す。 母を思わせる月。 手を差し伸べた先には、何があるのだろう? 冷たい氷か、それとも・・・。 それとも、握り返す暖かい手なのだろうか? たとえ物語の終わりは残酷であっても、 決して目をそらすことは出来ない。 結末は残酷であればあるほど、今がいとうおしい。 誰に断罪されようとも、 罪だと糾弾されても、 なによりも、おまえを失うのが怖かった。 そして、めくったページは真っ白のまま。 物語はまだ綴られていない。

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