概要
根とは性根、根性などを表す言葉であり、精神性の根底を示す。この「根」が暗い性格やその持ち主のことを「根暗」(ネクラ)という。
具体的には、内向的、内在的な部分が強い人、陰気な人、人見知りな人などを指すことが多い。
起源には諸説あるが、タモリが1970年代後半ごろよくラジオなどで発言していたのが流行の始まりとされている。
対義語には根明(ネアカ)があるが、現在は殆ど使われていない。
「根が暗い」と言った時、「本当は奥底に暗い部分を持っているが表面上は明るい」という場合と、「根っから暗い性格である」という場合の二通りの解釈ができる。先述の流行の発端となったタモリによれば前者を指す表現であり、当初はジョークを飛ばした時に相手からの反応がよくなかったら「暗い性格!」と笑うような、あくまで言葉遊び、冗談の一環として用いられていたという。
その後は「性格の明暗」を安易に分けるような表現に変化していき、定着した。
なお、タモリ本人はこの使われ方の変化や、「暗いこと」を単純によくないことだとするような風潮には否定的な感情を持っていることを当時のインタビューなどで言及している。
基本的に根暗というのは否定的な性格であり、フィクションでは「影のある美形」などの萌え要素として扱われることがある。また、近年では「根暗」という単語にマイナスのイメージがある為か、「ダウナー系」などの別の言葉に言い変えられている。
根暗/根明に近い表現として陰キャラ(陰キャ)/陽キャラ(陽キャ)があるが、後者には「いけてる」、つまり対外的な魅力について判断する部分や、コミュニケーション能力の有無・高低を指す向きもあるため、必ずしも意味が完全に同じとはいえない。
また、この場合の「キャラ」は、コミュニケーションの場における振る舞いや、それによって示される立ち位置を類型化したものであるといえるため、「性根」である根暗/根明と、「その場その場で表現される人格」である陰キャ/陽キャは性質が異なるという見方もある。