演:要潤
変身する仮面ライダー
概要
「仮面ライダーになろうとする現在に生きる男」
『仮面ライダーアギト』の登場人物の1人。
警視庁未確認生命体対策班(通称S.A.U.L)のG3ユニットに所属する警部補で、仮面ライダーG3及びG3の強化型である仮面ライダーG3-Xの装着者。23歳。何らかの理由でG3ユニットを外された場合は、捜査一課で活動していた。
運転免許証には、本籍は東京都品川区西品川、住所は東京都文京区弥生3-24-6中野ビル、と記載されている(第10話で確認されているが、見切れている箇所もあるため、視認可能な部分からの抜粋)。
アンノウンとの戦いを通して津上翔一や葦原涼と出会い、彼らと理解を深めていった。
同時に、戦士として成長を遂げた。
人物
元は香川県警の巡査。瀬戸内海沖で遭難したフェリーボートから一人で乗客を救出したあかつき号事件を経て、スカウトされた。
生真面目で責任感が強い反面、思い込みをしやすい不器用な性格。ちなみに手先という意味でもかなり不器用であるが、本人は認めようとしない。真面目過ぎるせいでダジャレやジョークの類いも理解に時間を要してしまうため、翔一が唐突に入れてくるギャグもよく真に受けて硬直してしまう。当初は氷野だの、湯川だの、金剛寺だの、苗字を間違えられまくっていた。
ともすれば青臭いと言われるような言動も多いが、だからこそ冒頭のコンセプトが際立つと言ってもいいだろう。
また、勘のいい一面があり、トータスロードに殺された被害者宅で見つけた100円玉の入らないはずのビンに100円玉が入っていたことからアンノウンに襲われた人々が普通ではない=超能力者であることに気づくなど、ただ不器用なだけの人物というわけではない。
高校時代にテニスのインターハイで準優勝したことがある。
美杉一家や翔一との交流は、上官である小沢澄子の大学時代の縁を頼って超能力に関する調査を始めたことに端を発する。
以来、彼らとはアンノウンと被害者の関連を探るため美杉教授を訪ねるごとに関わり、徐々に親交を深めていくことになった。
不器用ではあるが、同時に不撓不屈の男でもある。ただの人間にもかかわらず、奇怪な様相を呈するあかつき号に臆せず近づき、アンノウンに歯が立たず何度打ちのめされようとも決して後退せず、たとえ装着者の資格を失おうともアンノウンへの対抗策を模索し、暴走の恐れのある仮面ライダーG3-Xの運用に怯まず挑むなど、警察官ひいてはアンノウンから市民を守る戦士として泥まみれになりながらも決して諦めない姿勢を貫いた。その不屈さは劇中で小沢に決して逃げたことがない男と評された。パラレルワールドである『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』でもその不屈さを評価されており、仮面ライダーG4に苦戦していた際には「氷川誠」として戦うように鼓舞された。
名台詞
「ただの人間だ!」
最終回(第51話)より。
創造神である闇の力直属の地のエル・強化体&風のエルに応戦し、地のエルに「お前はアギトではない。何故これほどの力を…。何者なんだ、お前は!」と言わしめた際に、それに対して毅然と言い放った返答。
このシーンは『アギト』の物語で積み上げてきた氷川誠というキャラクターの集大成であり、G3が一貫して超人に変身するライダーではなく、ただの人間が装着するライダーとして戦い続けたからこそ言えるセリフだろう。
「もういい……もういいだろ!!」
仮面ライダーG4としての戦闘中に絶命した装着員・水城史朗の死体を起こしてまでG4を動かそうとするAI。その無慈悲なAIにトドメを刺す際に放った台詞。
これは台本には元々無かった、要潤によるアドリブである。詳細は当該記事を参照。
氷川誠不器用(+α)リスト
- 美杉家のノコギリを2本折る(第8話)
- ノコギリが悪かっただけと言い訳
- 組み立てたベッドを運搬するも、階段を上がりながらのカーブがうまくいかない(第8話)
- 煎れたお茶が不味い(第10話)
- 草むしりで根っこを残す(第14話)
- 第17話にして北條透が嫌な奴だったと気がつく
- 津上翔一と生クリームの取り合いの結果、背広に生クリームをぶちまける(第19話)
- 木綿豆腐はなんとか掴めるが、絹ごし豆腐は掴めない(第23話)
- 当時から視聴者にネタにされていた他、後に小説仮面ライダーシリーズでもネタにされている(後述)。
- 翔一の手伝いをしようとして皿を割ったり、バケツを壊したりする(第24話)
- 手品のタネは素直に分からない(第25話)
- ラーメンと冷やし中華を同時に食べてむせる(第29話)
- GX-05の3桁の暗証番号をド忘れ \バンゴウガチガイマス/(第29話)
- 何とかロック解除に成功したものの、銃弾は悉く外れ、しまいには逃走を許してしまう始末。
- 手巻き寿司でご飯を取りすぎる(第30話)
- そして、そのまま口に入れた結果むせる。
- 「女性はガラス細工」と、botのように繰り返す(第32話)
- 上記は、真魚への対応について小沢に相談したとき、彼女から言われたことをそのまま受け売りした結果。
- 結果、美杉から「いくらのガラス細工なんだ!」とツッコまれる(なお、「5万ぐらい」と答えたら答えたで「真魚の価値はお金で換算できない!」と支離滅裂なことを言われる)。
- いちごをスプーンで潰せない(第34話)
- 翔一がアギトだとは露ほどにも気がついていない(第39話など)
- 緊張のあまりインターホンが押せなかったり、お茶をこぼしたりする(第40話)
- 栗をスプーンで掬えない(第40話)
- そして殻ごと食べようとして口の中を傷つける。
- GX-05の3桁の暗証番号をド忘れ(2回目) \バンゴウガチガイマス/(第40話)
- 涼にギルスになった経緯をしつこく問い詰めすぎて、(殴らないと言われていたにもかかわらず)殴られる(第41話)
- 私服は黒づくめ(第50話)
- 美杉家の面々と焼肉をすると肉が食べられない(劇場版ディレクターズカット)
- これらの不器用エピソードの代名詞と呼べる台詞が「何ですか〇〇なんて! こんなものは〇〇すればいい話だ!」(第23話と第40話)。
- 口論に弱く「それはそうですが」のような返答が多い(第32話や第40話など)。
- G3のテーマがないと言われてあると反論するが、翔一に「あったとしても氷川さん不器用だしな〜」と言われる(ドラマCD「百獣戦隊ガオレンジャーvs仮面ライダーアギト」)
- 尾室に煽られて北條のコイントスを真似しようとするが、失敗する(小説版)
小説作品での登場
『小説 仮面ライダーアギト』
本編とは大幅に異なるパラレルストーリーのノベライズではあるが、その真面目さの理由が明かされた。
警察官である父が少年犯罪に巻き込まれて死亡したことを切っ掛けに肉体改造を重ね、何事も真剣に取り組むようになったという。おかげでせっかくモテていたにもかかわらず、男女ともに敬遠されてしまったとか。
本作における氷川は、才能がないことをわかっているからこそ人一倍努力家になったのである。
なお、警視庁にスカウトされたきっかけはあかつき号事件ではなく、台風災害での救助活動となっている。
ちなみに真魚に語った欠点は、絹ごし豆腐が箸で掴めないことである……。
『小説 仮面ライダーキバ』
『アギト』と同じく井上敏樹がメインライターを務めた『仮面ライダーキバ』のノベライズ。
氷川であると明言されていないものの、テレビドラマの登場人物として箸で豆腐をつまめない不器用な刑事が登場する。
俳優による言及
演じた要潤は『アギト』での撮影で得た経験が、後の俳優人生の糧になっているとしばしば語っている。このことから氷川誠を演じたことについては非常に思い入れが深く、しばしば言及しつつ客演のオファーを願っている。
また、個人で開いたチャンネルでは(ネット層に仮面ライダーファンが比較的多く集まるためでもあるが)視聴者から『アギト』にまつわるトークで大きな反響を得たため、以降もしばしば『アギト』関係の動画を投稿するようになった。
また、要は自身が開設したチャンネルで、氷川は豆腐の掴み方に問題があったから掴めなかったのではと分析しており、実際に検証してみたところ、木綿豆腐を掴むことに成功したが、絹ごし豆腐は掴むのに失敗していた。やはり絹ごし豆腐は劇中でも言っていた通り、スプーンを使ったほうが良さそうである。ちなみに氷川がやっていた掴み方で木綿豆腐を掴んだところ、見事に豆腐が崩れてしまった。
なお、要は氷川について私生活がダサい人物と捉えている。
余談
後期OP「仮面ライダーAGITO 〜24.7 version〜」のOP映像ではバッジを叩き付け、小沢澄子にGM-01を向けるシーンがあるが、劇中にそのようなシーンはない(最悪の未来の可能性を表したものという説がある)。
ちなみに、漫画『死役所』のとあるエピソードの登場人物が、「仮面ヤンダーヤギト」いうアギトをモチーフにしたヒーロー番組のファンでヒョウカワという氷川をモデルにしたキャラの役者が作中に登場する。
関連イラスト
関連タグ
芦河ショウイチ:別世界の仮面ライダーG3。彼の名前は葦原涼と氷川誠、津上翔一の3人が由来。
2号ライダー変身者
氷川誠 → 秋山蓮