データ
車種:メルセデス・ベンツ・アクトロス(初代、MP1)
全高:3,480mm
全長:11,980mm
全幅:2,490mm
最高出力:394馬力
最高速度:200km/h
乗員:3名(※)
(※ 運転自体は1名からでも可能)
概要
G3ユニットの移動基地として活用される大型トラック。
普段は警視庁の駐車場で待機しており、G3本体や各種装備、それにガードチェイサーのメンテナンスなどに活用される他、アンノウン出現時にはG3ユニットの面々(小沢澄子・尾室隆弘)を載せて現場へと急行する。
キャブの運転席は最大3名まで乗車可能であるが、通常はドライバー1名のみが搭乗しており、このドライバーと前出の2名が基本的な乗員となる。
車体はミサイルをも跳ね返せる程に堅固なジュラルミン合金製で、さらに特殊強化ゴムで造られたチューブレスタイヤは、パンクすることのない仕様となっているなど、特別な武装は施されていない代わりに耐久性を重視した造りとされている。
コンテナ内部には、戦闘オペレーションの際に指示を出すオペレーター席が配備されており、小沢達はここで戦闘中のG3から送られてきた情報を分析し、的確な指示を出す(第46話では視覚異常に襲われた氷川のサポートを北條が行うファインプレーを見せた)。
また装着員はこのコンテナ内部でG3の装着作業を行い、然る後にガードチェイサーに搭乗の上後部ハッチより発進、現場へと急行する。
このガードチェイサーの発進時には、伸縮式のマシンタラップを展開し、さらに空気駆動式のカタパルトによってバイクを後方へと押し出すことで、バックの状態でも減速することなく発進を可能としている。またタラップの格納の都合上、コンテナの床は三層構造とされている。
タラップにはコロが付いているため、この発進シークエンスはGトレーラーの走行中であっても問題なく可能。
第1話ではジャガーロードの出現に際し、氷川は運転席から乗り込み、そのままコンテナ内部へのG3の装着シーンに移行している。
また、コンピュータからの遠隔操作で「GS-03 デストロイヤー」などの装備の起動や「GX-05ケルベロス」のロック解除(ここではガードチェイサーのマウントを解除するという意味である)も行っている為、Gトレーラーを押さえられるという事はG3が満足に戦えない事を意味する。
詰まる所、G3の抑止装置としての役割も持っているのだが、第39話ではアナザーアギトによって「GM-01 スコーピオン」が奪われた際にはトリガーカットを行うも無効化されたというケースがある。
最終盤ではG3ユニットがアンノウンを守る方針に切り替わってしまったためにアンノウンから人々を守るという本来のあり方から逸脱しかけたが、北條がGトレーラーの使用権を乗り込んできた小沢らに移譲した為に最悪の結果を免れている(とはいえ、警察側にとっては内部反乱を許したも同然であり、本来であれば不祥事として扱われてもおかしくない案件であるが…)。
劇場版では深海理沙に侵入された挙句にG4に関するデータを奪われるといった失態こそあれど、アンノウンによって攻め込まれた事は一度たりとも無かった。
その他あれこれ
- 『仮面ライダーディケイド』第12話~第13話はGトレーラーではなく、専用の司令室から指示を飛ばしている。
アクトロスとは?
東西再統一から6年が経過した1996年秋季にドイツで誕生した、当時のメルセデス・ベンツの商用大型車SKシリーズの後継車種。
高出力・低燃費のV6またはV8ディーゼルターボエンジンに機械式16速ATと電子制御を組み合わせ、ボルボやスカニアと並ぶ欧州トラックの代表的な車種として君臨。
日本より厳しいとされるEU域内自動車排出ガス規制をクリアさせながら、2018年には5代目(MP5)まで進化を遂げ、2021年にはEV仕様も開発されている。
当時のプロモーションビデオ
日本には1998年に輸入販売が開始されたが、国内4大メーカーの牙城を崩すには至らず、2代目(MP2)の途中となる2006年に販売が終了しており、3代目以降は正規輸入されていない。
マイナーチェンジ
作中ではG3システムの改修に合わせる形で、Gトレーラーもマイナーチェンジが行われている。ナンバープレート自体はマイナーチェンジ前後を通して同一のものを使用。
このマイナーチェンジは撮影上の都合によるもので、当時のメルセデス・ベンツ車の輸入元であったダイムラー・クライスラー日本(現・メルセデス・ベンツ日本)に車両提供の交渉に及んだ際、当初想定していた青一色の車両がドイツ本国のダイムラー本社へ特注せねばならず、外国車のため納入までに大幅な時間を要する一方で、撮影に入るまでの準備期間もあまり残されていなかった。
妥協策として、その時点(2000年12月)で在庫があり、すぐに使用可能な白い車両を先に提供してもらった上で、さらに後から納車された青い車両へと変更された、という経緯がある(参考リンク)。
そもそも何故、国内メーカーではなく欧州車を選んだのかという理由としては、スタッフの中にトラックマニアがいた為で、雑誌やモーターショーを見るなり即決した模様。
1号車
第8話まで使用されたもので、ベース車両には2535型を採用。
車体色は白をベースに、フロントからサイドにかけて青いラインが入ったものとなっている。
コンテナ内のG3本体は剥き出しの状態で安置されており、「試作段階」といった趣がある。
2号車
第9話以降に使用されたもので、ベース車両はエンジン高出力型の2540L型へと改められている。
車体色も青一色に、さらにキャブ上部の形状や当時装着が義務化されていた速度表示灯等を除く各種ランプ類の配置も変更されている他、G3本体もコンテナ壁面のロッカーに収納されるようになり、車内の見た目がすっきりとしたものとなった。
備考
撮影には前述の実車両の他にも、別途組まれたコンテナ内部のセットも併用されており、実車両の車高を考慮してその床の高さも地上約2メートルという、この手のセットとしては異例の超高層となった。巨大なセットとは言え、撮影においてはスタッフのスペースを確保すべく、備え付けのモニターもディスプレイを外すことで中から撮影できるようにするなど、様々な仕掛けが施されてもいる。
「走行中のトラックから、バイクがバックで発進する」という印象的な出動シークエンスは、スタッフ間でも議論の的となったようで、タラップの長さや格納方法をどうするかという点に始まり、さらには発進時のバイクの向きについても、進行方向に対して前進すべきという意見と、実際の作中描写に採用されたバックでの発進とすべきという意見とで二分される格好ともなった。
パイロット版(第1・2話)における夜間シーンは実に10夜にまで及んでいるが、件の出動シークエンスの撮影はこのうち1/3に相当する3夜に亘って行われ、カメラ・照明用の車両に加えてガードチェイサーの安全を確保するために、都合3台の牽引車両も動員された(参考リンク)。
関連タグ
リボルギャリー:『仮面ライダーW』に登場するマシンの一つ。Gトレーラーと同様に、ライダーマシンを搭載・運搬する役割を担う大型車両であるが、一方でこちらは実車両が存在せず、走行時の概観についてはフルCGで描写されている、などといった相違点も見られる