「生の執着がある限り、十分な戦いはできない。だが、今の俺は死を背負って闘っている」
「俺の答えは解っているはずだ。どうする?俺は死を背負い、お前は生を背負っている。どちらが正しいか今この場で答えを出すか!」
演:唐渡亮
変身する仮面ライダー
概要
映画『仮面ライダーアギト PROJECT G4』に登場する仮面ライダーG4の装着者。
元々は自衛隊員で、(深海理沙の管轄の施設の1つと思われる)『超能力開発研究所』の護衛を担当する部隊に所属していた。
人物
基本的に寡黙で口数が少ないが、その内には「兵士」としての非常に強いプライドを秘めている。
ある日研究所は超能力の発動を感知した大多数のアントロードたちの襲撃を受け、その時の戦いで部隊は壊滅。ただ一人生き残った彼は己の無力さを痛感した事で、それ以来“死を背負うからこそ恐怖を振り払い実力以上の力を発揮できる”という偏った考えを抱く人間へと変わっていってしまった。
この様な性格に変貌した理由は、自身を含め誰一人守れなかったという悲しみではなく、自身の力がアンノウンに通じずむざむざと生き残った事で、兵士としてのプライドが傷つけられたという屈辱感からであった節がある。
事実、その後の信念は自分だけではなく他者にも強要する危険な領域へと陥っており、誘拐同然にESPシステムに利用された風谷真魚にも当て嵌めるシーンが存在している。
自らの姿勢に対して、仮面ライダーG3-Xの装着者である氷川誠からはは「死に近づき過ぎて生きる事の意味を忘れてる」と反論しているが、そんな言葉を“甘ちゃんの戯言”と言い捨てている。
そんな氷川とは写し鏡とも言える関係で、人々を守る為に「仮面ライダーになった男」であるのに対し、仮面ライダーに相応しい力を持ちながらも己の独善の為に守るべき人間を生贄にしてまで力を誇示する様は、さながら「仮面ライダーになったつもりでいる男」とも呼べる。
G4の計画に参加以降、研究所にあった青い小鳥のフェナキストスコープを携帯している。
劇中の様相
“G4システム”を強く推進している深海理沙によるG4の実験によって何人もの同僚達がG4装着者となり、命を落としているのを見届けてはいたが、「死を背負う力」としてG4の圧倒的な力に魅入られていた水城は、その危険を承知の上で自らG4ユニットの装着者となる。
そしてアンノウンを撃破していく中、更なる力を求めていた事で、“G4システム”の糧とするべく、同じく『超能力開発研究所』の生き残りである加原沙也加、本木レイ、そしてずば抜けて超能力者としての資質が高い真魚を拉致する任務の為に暗躍する。
そんな中、氷川が語った津上翔一の「無条件に人生は素晴らしいという」人生観、および氷川の「僕は生きるために戦う。生きることを…素晴らしいと思いたい」という言葉を聞いて心が揺らぐ。
その直後、氷川の言葉を嘲笑う深海の指示でG4の出動準備に取りかかるも、帽子を取るその手には一瞬の躊躇いが見えるのだった。
そして………。
余談
演じる唐氏は「ミラーマンreflex」にて影山鑑役を演じている。
関連タグ
劇場版限定ライダー変身者
劇場版仮面ライダーボスキャラクター
水城史朗 → 鏡像の城戸真司
以下、映画のネタバレに付き、映画を見ていない方は注意して下さい。
物語の終盤、深海里沙の自衛隊施設へと拉致された真魚たちを救出する為に基地へと乗り込んできた生きるために戦う決意をした氷川=G3-Xと互いの信念をかけた決闘を展開。
戦いは性能の違い故に一方的にG4が圧倒するという形ではあったが、最後は多くの装着者がそうであったように、“G4システム”の負荷に耐え切れず、その生涯に幕を下ろす。しかし…。
生き途絶える瞬間の様子は、フェナキストスコープの動きが徐々に止まっていく演出で描かれている。