概要
岡村直宏による『仮面ライダーアギト』のノベライズ。本編のメインライターを担当した井上敏樹が監修を行っている。2013年1月31日発売。
『龍騎』、『キバ』のように本編のリメイク作品。
翔一の担当医、美杉の酒癖の悪さ、G3の量産など『仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身』に由来する要素が散見される。
特徴ならびに原作との差異
- 前作『クウガ』との関連性
『クウガ』と似て非なる世界ではあるが未確認生命体が過去に出現した本編と異なり、突如として不可能犯罪を行うアンノウンが出現している。
G3も最初から対アンノウン用に開発されている。
- あかつき村事件
本作では真魚を主軸に3人の仮面ライダーの物語が展開される。
- アギトの存在
登場人物
美杉家
主人公。山中で倒れていたところを発見された記憶喪失の青年。TV本編と性格はほとんど変わらない。津上翔一という名前は記憶喪失だった彼に仮につけられたことになっている。
料理の腕前に関しては本編同様プロ並みだが、独創的な料理を作ることが多い。
アギトとしては原作におけるグランドフォームのみ登場。並みのアンノウンは難なく倒せるほどの力を持っている。
かつてあかつき村という山村で暮らしていたが、自分以外の村民が全員惨殺され、唯一の生存者となる。
悩み事があると折り紙(特に箱)を折る癖がある…人の心を捨てようとするオルフェノクや獣人とは無関係。
自身の超能力を恐れており、周囲にあまり心を開いていない。
翔一に対しては親愛や恋愛感情などを抱いており、本編と比べて依存気味。
氷川に対しては上述のあかつき村での事件で助けてもらったことで信頼している。
涼に対してはアンノウンに襲われた所を助けてもらったことをきっかけに出会い、人ならざる力を持つ者同士交流を深めていく。
超能力はサイコメトリー、サイコキネシス、回復能力、予知能力を使用。
本作を読んだ人によっては真魚を主軸にした逆ハーレムと比喩されることも。
美杉家の主人で心理学の教授。本編では翔一や真魚と兄弟のように接している実子の太一が登場しないためか、真魚との間にはやや距離がある。過保護な面も強調されており、真魚にボーイフレンドがいる疑惑が浮上した際に翔一に調査を頼むほど。
警視庁
G3装着員としてG3ユニットに所属し、アンノウンと戦う警察官。本編と性格はほとんど変わらない。
本編では明かされなかった家庭事情が判明している。
仮面ライダーの中では地の文で唯一名字で記載されている。
焼肉ではホルモンなどのぐにゃぐにゃした食感のものが好みという設定が追加されている。
G3システム装着員最終審査において氷川を選出した経緯が描かれている。
捜査一課のエリート。小沢とは犬猿の仲で、何かとG3ユニットに突っかかる。
ベジタリアン及び酒臭い息で酔うほどの下戸という設定が追加されている。
上司の河野浩司は登場せず、捜査一課としての活動は描かれない。
G3ユニットのメンバー。何もかもが平均的な男。しかし小沢曰く「むしろそこがいい」らしく、これがユニットのメンバーに選出された理由だと語られている。
葦原涼の関係者
ギルスに変身する能力を手に入れてしまった青年。ほとんど性格は変わらないが、行き着く結末は大きく異なる。
本編で明かされなかった幼少期が明かされたが、父の和雄に関する設定が本編と大きく異なる。
初めてギルスに変身したときの描写は同シリーズのある怪人を思わせるものとなっている。
風谷真魚とは本編とは異なる出会いをし、次第に彼女に魅かれていくが…。
仮面ライダーとしてはギルスの通常形態のみ登場。本編同様涼はギルスに変身するたび老化現象に苦しめられる。
オリジナルキャラクター
- 小林雪紀
スイーツ好きな21歳の大学生。翔一に接近し、真魚に微かな嫉妬心を抱かせる。
アンノウン
本編同様、ある目的のために超能力者を狙い不可能犯罪を起こす怪人。
各ロードの犯行の手口は本編と同じ。TV本編では複数存在した個体でも本作では一体で活動している。
スティングレイロード
最初に不可能犯罪を行ったアンノウン。名前は登場しない。
ハイドロゾアロード、ビーロード、シーアーチンロード、トータスロード
G3のロールアウト前に不可能犯罪を行った。いずれも名前は登場しない。
ジャガーロード
初陣のG3を圧倒するが、突如現れたアギトにより撃破される。
スコーピオンロード
真魚を標的にするが、G3により撃破される。
ジャッカルロード
スコーピオンロードに続いて真魚を狙うが、ギルスにより撃破される。
オクトパスロード
ギルスにより撃破される。
リザードロード
アギトにより撃破される。
マンティスロード
鎌による斬撃の他、カマイタチのような衝撃波を放つ。ライダー同士の戦闘の中で撃破される。
ヘッジホッグロード
本作の事実上のラスボス。
スネークロード
エピローグに登場する。
関連項目
仮面ライダーアギト 講談社キャラクター文庫
すもももももも…本作の監修を務めた井上がシリーズ構成を務めており、著者の岡村が脚本家の一人として参加していた作品。