仮面ライダーG3マイルド
かめんらいだーじーすりーまいるど
『仮面ライダーアギト』の番外編に当たるTVスペシャル『仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身』に登場する仮面ライダーの一人。
キャラクターとしての正式名称は記事名の通り「仮面ライダーG3マイルド」。作品内設定における正式名称は「第三世代型対未確認生命体戦闘用強化外筋及び外骨格簡易生産化試験版」で、作中のセリフでは「仮面ライダー」の語が登場しないことから、単に「G3マイルド」とのみ呼称される。
その名称からも窺えるように、G3マイルドは「G3システムの量産型」として開発されたものであり、G3をベースとしつつも仮面ライダーG3-Xに続いて「オートフィット機能」が実装されている他、バッテリーもG3-Xのそれと同規格とされ、さらにガードチェイサーの使用も可能となっている。そのため実際の使用例こそ確認されていないものの、ファンの中には武装としてガードアクセラーも使用可能ではないかと指摘する向きもある。
外見上もG3のそれを元に、胸部装甲ユニットがG3-Xと同型とされており、カラーリングもGシリーズで多用されている青を基調に、一部を白や銀へと置き換える形で差異が付けられている。
作中で登場したのは試作の1機のみであり、左肩装甲ユニットには試作型であることを表すかのように赤い「00」のマーキングが施されている。
こうした機能や要素の数々は、G3マイルドの開発に当たって「誰にでも扱えるスーツ」がコンセプトとして掲げられているがゆえのものであり、実際にテスト装着員の募集要項にも「経験・所属・資格は一切問いません」との文言が記載されている。
また、対アンノウンにおける後手の対応と、氷川誠が装着するG3-Xの戦力依存への改善および脱却を図るべく、将来的には部隊を編成できるほどの大量生産・配備を視野に含めてもいる。
身長 | 185cm |
---|---|
体重 | 125kg |
パンチ力 | 1t |
キック力 | 2t |
ジャンプ力 | ひと跳び5m |
走力 | 100mを13.5秒 |
開発コンセプト自体は悪くはなかったのだが、試作型ということもあって戦闘能力は(ただでさえアンノウン相手には貧弱極まる)G3にすら及ばず、また量産を考慮する都合上、従来のGシリーズにあった様々な機能もオミットされていたりする。
実際、作中でも尾室隆弘がテスト装着員を務め、G3-Xを装着した氷川とともにビートルロードと相対するも、パンチ一発でKOされそのまま戦闘不能に追い込まれるという失態も演じている。とは言えビートルロードはG3-Xはおろか、仮面ライダーアギト バーニングフォームですら圧倒されるほどの強豪であり、こればかりは前述したマイナス面を考慮に含めたとしても、流石に相手が悪すぎたとしか言いようがないのも確かである。
それでも、ビートルロードに殺されかかった警官を救出したり、G3-Xがバッテリー切れに追い込まれた際にはどうにか立ち上がり、自らのバッテリーと交換してG3-Xを再度活動可能な状態とするなど、TVスペシャルにおける「陰の功労者」と評しても差し支えない奮闘ぶりも見せているのだが・・・この一件で満足の行く結果を残せなかったのも事実であり、G3システムの量産化も中断されることとなる。
「G3の量産」という展開は、以下の各事例のようにTVスペシャル以外でも描かれることもあるが、いずれもG3マイルドとは異なるアプローチがなされており、G3マイルドがG3の量産型として位置付けられたケースは、2023年現在TVスペシャルのみとなっている。
2013年刊行。エピローグにて、北條透の発案によりG3の量産化が実現している。
2019年に放送された同作の第31・32話にてアギトがフィーチャーされた際、G3の量産についても作中にて取り上げられている。
ここではG3マイルドではなく、「10年前の旧式」であるはずのG3がそのまま量産化されており、尾室がG3ユニットの統括者であるにもかかわらず、彼が関わったG3マイルドや後述のG5ユニットの存在については特に言及されていない。
厳密な意味での「G3の量産」とは言い難いものの、TVシリーズ最終回では尾室を主任とした「G5ユニット」なる30名前後のチームが新たに発足している。このG5ユニットも量産型の特殊強化装甲服の装着・運用を目的としているようで、TVスペシャルでは頓挫したG3量産計画が形を変えて実現したものとも言えるが、G3などの開発に関与していた小沢澄子の手を離れている(※)こともあり、実際にこの特殊強化装甲服が従来のGシリーズの延長線上にあるものなのかどうかについてまでは、公式な言及はなされていない。
(※ TVシリーズ最終回にて、アンノウンとの最終決戦の後に警視庁を去っていることが語られている。ちなみにTVスペシャルでの上層部とのやりとりから、G3マイルドの開発計画にもノータッチであろうことが示唆されてもいる)
『S.I.C. HERO SAGA』のエピソードの一つである『MASKED RIDER AGITΩ EDITION -PROJECT G1-』に登場。同作ではボディをG3-X、それ以外をG3のリカラーとしつつ、頭部が新規に造形されており、映像作品とはやや趣を異としている。2008年に東映ヒーローネット限定受注生産で商品化された際には、オリジナル武装としてショットガンも付属している。
G3マイルドの名称は、尾室役の柴田が吸っていた煙草に由来するものであるという。柴田が軽めのマイルドに変えたのを、メインライターである井上敏樹が目撃し、その会話の中で「軽め、誰でも着れる、人に優しい」というコンセプトを思い付いたとのことである。また、尾室の「変身」についてはそれ以前から柴田が直談判していたという経緯もあり、聞き入れて貰えなかった際のやり取りが脚本にも取り入れられている。
2021年にNHK-BSプレミアムにて「全仮面ライダー大投票」が放送された際には、G3マイルドには投票枠が設けられていなかった。ライオトルーパーなどの量産型ライダーもカウントされていないため、同様にノーカウントになったと見る向きもあるが、実際にそうであるのか単なるミス(この投票企画では、武神鎧武がいなかったり仮面ライダーアークワンが個別カウントされていたりといったミスも散見されている)なのかまでは明らかにされていない。
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