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「選手交代さ。あんた達の相手は……俺がする」

演:綾野剛

概要

元・流星塾生の一人であり、スパイダーオルフェノクの正体。

人間性を捨てようとする激しい攻撃性を見込まれてスマートブレインにスカウトされ、後にJクロコダイルオルフェノク)の後任という形でラッキークローバーのメンバーに加入した。

オルフェノク態に関しては、スパイダーオルフェノクの記事を参照。

人物

本来は明るい性格で、木村沙耶たちと共にオルフェノクと戦うなど仲間思いの人物であったようだが(同窓会のビデオ映像で他の塾生と談笑しながら騒いだりしていた様子からもそれが窺える)、オルフェノクに覚醒してからは無関係な一般市民をオルフェノクの力で平然と殺害する冷酷な人格へと変貌した。

音楽を好んでいるようで、常に身に着けているヘッドフォンからはヒップホップ系の音楽が大音量で流れている。

オルフェノクとして人間を襲う際には、マッチを擦って自分が折った折り紙に火をつけ、それが燃え尽きるまでに相手を始末するというルールを取っている。

ちなみに彼が愛用しているマッチは紙マッチ(ブックマッチ)と呼ばれるタイプで本来は台座から1本ずつ千切って着火するのが普通とされるが、彼は台座から外さず直接親指で弾くように擦って着火していた。

流星塾時代は同期である園田真理に想いを寄せ、好意の裏返しから彼女を苛めてばかりいた。その感情が人間であることを捨てオルフェノクとして生きる決意を阻害させていたために再会した真理の命を執拗に狙い、その過程で何人もの流星塾時代の仲間達を殺害していくことになる。その「人間の心を完全に捨てること」に固執し続ける姿は、高い攻撃性と相まって村上峡児に目をつけられることとなった(後述)。

素直になれないいじめっ子であった上、理不尽な理由で真理に殺意を向ける澤田だが、過去に真理を泣かせてしまった際には謝罪代わりに折り紙を手渡したりもしており、真理当人からは「本当は優しい人」として憎からず思われていた。折り紙は彼の幼少からの趣味だったようでゲーム感覚の殺人のように見える上記のルーティンも「人間としての自分との決別」を自らに言い聞かせるためだった可能性がある。

人間であることへの未練を覗かせながらも自分勝手な都合の為に多くの罪の無い人々を殺め、本命である真理にも手をかけるが……。

活躍

登場時、折り紙に火をつけるルールを用いて一般市民をオルフェノクの力で殺害しており、デルタギアを巡って流星塾の仲間同士が争い合った際は、自身がデルタギアを所有していると勘違いした徳本と新井に呼び出され、真理を人質にデルタギアを持ってくるように要求されるも真理を助けるためではなく命を奪うために来たことを宣言。2人をオルフェノクの力で殺害する。

大規模な殺人行為を派手に行っていた攻撃性や、怪人の心への固執ぶりは村上から「上の上」と評されるまで見込まれ、ラッキークローバーの候補生に選ばれる。

そして正式なラッキークローバーのメンバー入りの条件として「デルタギアの奪還」を言い渡された結果、デルタギアを所有していた沙耶を乾巧や草加の目の前で殺害。彼女の所有していたデルタギアは北崎の手に渡ることになり、澤田は正式にラッキークローバーのメンバー入りを果たす。

ラッキークローバー加入後、ソードフィッシュオルフェノクに襲われた真理を守ったこともあった(澤田の人間への未練を見抜いた影山冴子の企みであり、後に澤田はこれに激怒している)ため、真理と巧は彼にも人間の心が残っているのではないかと儚い希望を抱くが、それはあくまで他の誰でもなく自分の手で殺したいという拘りに過ぎなかった。遂には情に訴えかけて巧を欺き、和解出来たものと安堵する真理に致命傷を負わせ意識不明の重体に陥らせてしまう。何故かこの際だけ使徒再生を行わなかったために灰化は免れたが、やがて真理は命を落とす。

人間の心を捨てるにあたって最大の障害であった真理を殺すことに成功した澤田だったが、何を思ったかその後北崎から気紛れで渡されたデルタギアを草加達流星塾のメンバーに返還。この行動を問い質してきた村上に対して人を舐めきった態度でまともに答えなかった結果怒りを買い、ローズオルフェノクに変身した彼に滅多打ちにされて逃亡。一転してスマートブレインから追われる身となる。

逃亡後、スマートブレインの村上直属のエージェントであるライノセラスビートルオルフェノクスタッグビートルオルフェノクの追撃を受け、そこに乱入した草加によって難を逃れるのだが、その後は言い争いをしている流星塾生達の前に現れ、同級生の一人である太田をオルフェノクの力で殺害する。

しかしその直後、真理をスマートブレインの蘇生技術で生き返らせることを決意した巧が現れ、ラッキークローバーに入るべくウルフオルフェノクへと変貌。徹底的に叩きのめされる事になり、自身を倒した証拠としてオルフェノク態の武器である六方手裏剣を奪われるも、彼はしぶとく生き延びていた。

最期

その後は暫く姿を消していたが、再び巧や草加、そして蘇生された真理と邂逅。澤田が不在の間、真理が断片的に同窓会の記憶を取り戻したことや村上の企みが重なり、巧は同窓会で流星塾生を襲った犯人ではないかという疑惑を向けられていた。再び襲われるかもしれない恐怖を抱えながら、それでも巧の無実を証明したいと真相を知る自分に会いに来た真理の懸命さに心動かされた澤田は、ついに流星塾の同窓会で起きた事件の真相について口を開く。

流星塾の同窓会で起きた事件を引き起こした張本人は、同級生の青沼が変貌したスロースオルフェノクドラゴンオルフェノクこと北崎の2人であった。自身もこの際に他の流星塾生達と共に死亡していたのだが、澤田が命を落とすより前に偶然通りかかった巧がウルフオルフェノクに変貌して乱入。スロースオルフェノクを撃破するも、ドラゴンオルフェノクには全く敵わず敗北してしまい、負傷のショックで巧は当時の出来事を忘れていた。村上はこれを利用し、当時の襲撃の記録映像を「編集した上」で巧に見せることで、自分が流星塾生達を襲撃したと思い込ませていたのだ。

巧と入れ替わりに意識を取り戻した澤田はドラゴンオルフェノクから真理を庇おうとするが、力及ばず殴り飛ばされ絶命。その後遺体をスマートブレインに回収され、記憶操作とともに体内にオルフェノクの記号を埋め込まれる。その適合率の高さから流星塾生で唯一オルフェノクとしての覚醒に成功、全てを思い出すが、その彼もオルフェノクとしては「失敗作」でしかなかったようで、異常に早く灰化が始まっていた。

真相を知った巧に自身も「被害者」であると同情された澤田は、巧を気絶させて真理に巧の居場所を教えた後ラッキークローバーに狙われていた巧の身代わりになる形で刺客に挑むも、1対3の圧倒的不利な状況で終始劣勢に追い込まれる。

更にそこへ、自身への復讐心を募らせていた草加の変身する仮面ライダーカイザが乱入し、彼の手加減なしの猛攻撃を受けた挙句にトドメの一撃にゴルドスマッシュを叩き込まれたのが、致命傷となってしまった。

最後は真理と巧の二人に看取られ、自らのしてきた取り返しのつかない行為を後悔しながら、灰化して死亡した。

「真理……すまない。俺は…人間としても…オルフェノクとしても…生きられなかった…」

真理「そんな事ない…! 澤田くんは人間だよ…! 昔の優しかった澤田くんのままだよ…!」

「真理……」

彼の死は、オルフェノクとの戦いに迷いを抱いていた巧に人間として生きてファイズとして再び戦う決意を固めさせるきっかけとなった。

余談

2014年に「ザ!世界仰天ニュース」にゲストとして演者の綾野剛が登場。平成ライダーの中の人はイケメンの一覧表何故か他のライダー俳優に混じってスパイダーオルフェノクも取り上げられて注目を再び集めた。

「悪の怪人ですけど、人間の心持ってたんですね。で、ライダーを守って死ぬんですよ」(綾野)

尤も、澤田は木場勇治のようにオルフェノクとしての宿命から足掻こうとせず、「人間の心を捨ててオルフェノクとして生きていく」という自分勝手な都合のために、大勢の罪の無い人間だけでなく、真理を含む5人もの流星塾の仲間(真理、沙耶、徳本、新井、太田)を殺害しているため、オルフェノクになってしまったことは不幸でも、その行いからとても同情出来る人間とは言えず、草加が激しい殺意を抱き最終的に殺害するに至ったのも無理もないと言える。

その為、綾野氏も当時の子供達からの澤田に対する評判については、

「多分、嫌われてたと思いますよ」

と言葉を濁していた。

また、この頃から現在の綾野氏を形作る要素の一つである並々ならぬオーラはあったようで、石田秀範監督は彼の演技について「台詞は酷過ぎたが、役者に一番必要な雰囲気はあった」と当時の彼について語っていた。

実際、綾野氏は本作にてファーストシーンの撮影だけで23テイクを要するという途轍もない洗礼を喰らっており、監督陣からは「伝わってこねーんだよ、お前の芝居」などと罵倒されていた。勿論、これはまだ演技経験が不十分な上に役者として生きていく覚悟もどこか中途半端だった彼に対する「ムチ」としての側面だと思われる。

そんな制作スタッフ達に対して綾野氏は後に「限りなく殺意に近い思いはあった」と正直に吐露している。しかし、「生意気な若者に対し、大人達が胸倉を掴んで逃がしてくれなかったことが素直に嬉しかった」とも語り、真摯に向き合ってくれる人達がいることに感動し、特に石田監督に関しては本格的に役者の道を志したきっかけになったと当時のことを回顧していた。

なお、脚本担当の井上敏樹氏は当初澤田を7話程度登場させてあっさり退場させようとしていたが、思った以上にキャラクター性が面白かったようで退場回が引き伸ばされ、結果15話程に渡る登場となった。

因みに劇中では終始犬猿の仲だった草加雅人だが、それとは対照的に演者の村上幸平氏とは当時から親睦が深い。シナリオの都合上澤田は変身することが無かったので休憩時に村上氏にベルトを巻かさせてもらったりしていたとのこと。

また、そういった関係性もあってか2人は澤田と草加の関係を「元親友」と仮定して演じており、同窓会の回想では肩を組んで笑い合うなどの仲睦まじい様子を垣間見れる。

また、『555』放送終了後に中野サンプラザホールで開催された『555ファイナルステージ』でも、

綾野「草加…またな」

村上「じゃあな…実は俺、死んだんだ」

と抜群に息の合ったトークを披露していた(尚、この直後に木場勇治役の泉政行氏が村上氏に向かって「すいません、オレ殺しました」と謝罪していた)。

設定面

名前と流星塾生の寄せ書きの文体から初期設定では女性だったのでは?とする考察があるが、実際の所は不明。

幼少期に真理に贈った折り紙の動物は狸。また、スマートブレインの命令で木場を狙った際には彼のオルフェノク態を意識してか馬の折り紙を折っている。

本編や劇場版ではオルフェノクが殺人を行う理由については人間との生存競争の一環と捉えるもの(第5話の戸田)、人間に裏切られた反動によるもの(木場)、ディストピア的世界観にありがちな人間狩り(パラダイス・ロスト)など様々なケースが見られたが、彼の場合はオルフェノクによる殺人衝動を行動原理の一つとして挙げている(第28話)。

本編ではあまり掘り下げられなかった動機だが、メインライターの井上敏樹氏が執筆したパラレルワールドを描く「仮面ライダーファイズ正伝 異形の花々」やTVシリーズの続編に当たる「パラダイス・リゲインド」でも掘り下げられている。

関連タグ

仮面ライダー555 オルフェノク スパイダーオルフェノク ラッキークローバー 人間体

園田真理 草加雅人

悪役化 哀しき悪役 同情出来ない被害者

流星塾

関連・類似キャラクター

  • ピッコロ:最初は主人公と敵対していたが紆余曲折を経て仲間となり最後は主人公にとって大切な存在を守って退場したキャラクター。綾野氏も「澤田の生き様はピッコロと似ている」とインタビューで語っていた。

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