概要
『仮面ライダー555』に登場する巨大企業で、平成一期では珍しく「悪の秘密結社」の体裁をとっている組織。
家電から食品に至るまで様々な事業を手掛ける大企業だが、裏ではオルフェノクの支援を行っている。
元々は普通の一般企業だったが、社長を務めていた花形がオルフェノク化した事を契機に社の売上を流用して自身と同様にオルフェノク化した人々の保護や援助を行い、オルフェノク化に関する原因と本質を解明する為の研究をしていた。また、死んだ人間を蘇生させる技術も所持している。
日本一の大企業と呼ばれるだけあって劇中でも頻繁にテレビCMが流れているが、CMに映る製品は市場には流通しておらず、何をやっているのかよく分からない会社である(第2話のCMで映っているのはファイズショット、ファイズフォン、オートバジンと同型の製品であり、『レンジャーズストライク』における「オートバジンVM」(XG4-059)のフレーバーテキストでも触れられている)。
『仮面ライダーファイズ超全集 上巻』p.73,77にて、ファイズの各部装甲を成型する「超金属・ソルメタル」や、ファイズエッジのブレードのケースを作る特殊強化ガラス繊維「ソル・クリスタル」は、スマートブレインが開発したと記されている。
現在の上層部は殆どがオルフェノクであるが、当初からオルフェノクの集団として組織された会社ではない。また、作中に登場する全ての敵オルフェノクがスマートブレインの傘下に属する訳でもなく、正体を隠しながらごく普通の人間として生きる事を望んでいるオルフェノク達である「はぐれオルフェノク」も多く登場している。
しかし、スマートブレインはオルフェノクを「人間と敵対し殺戮していく存在」と一方的に定義しており、人間と敵対したくないはぐれオルフェノク達を自分達の目的の為に強引にでも従わせようとしており、それを拒否するはぐれオルフェノク達の事は、極めて身勝手な尺度によって「裏切り者」と認定。傘下のオルフェノク達に始末させようとする横暴な側面も持っている。
但しこの様なやり方になったのは現社長である村上峡児の代になってからとの事で、他の上層部は必ずしも村上の強硬路線を支持していなかったらしく(村上の社長就任自体が強引だったということもある)、復帰した花形が木場勇治を新社長に推挙した際には、上層部が殆ど異論を挟むこと無く村上の社長解任と木場新社長の就任を受け入れている。
だが、「木場の心変わり」という花形にとって予想外の事態もあって、自分達に従わないオルフェノクを実験材料として扱う等、村上の社長時代以上に手段を選ばないやり方に走る事態となり、結局の所は自分達の私利私欲の為だけに人間はおろか同胞のオルフェノク達でさえも食い物にする悪辣な集団へと成り下がった。
社長時代に花形は「流星塾」という孤児院を運営しており、現在のスマートブレインも「創才児童園」という孤児院を経営している。どちらも、特に"九死に一生を得た子供"を集めていた。
といっても当然ながら善意でやっている訳ではなく、真の目的は九死に一生を得た子供達の中から、「オルフェノクの王」を探し出すことだった。
仮面ライダーに変身するためのアイテム「ライダーズギア」を開発したのもスマートブレインだが、これは本来「オルフェノクの王を護衛する戦士の鎧」として開発されたものである。
実際に販売された玩具展開もスマートブレイン社の製品という形で行われており、パッケージに必ずスマートブレインのロゴマークがプリントされている。
最終的には再び巧との共闘を決心した木場が戦死し、王も倒された。相次いで要人を失ったために倒産したらしく、ラストシーンで本社ビル内の設備が撤去されていた。
最終回ではスマートブレインタワーなるものが建設される予定だった事が判明しているが、スマートブレインが倒産した今となってはそれがどんなタワーなのかは全く不明。
後のシリーズでは大企業がタワーを建造する事となるのだが、関係性は不明。
スマートブレインの倒産後も、創才児童園は独立した上で存続しており、フリーランスとして運営されていることが仮面ライダー図鑑で明言されている。
『仮面ライダーディケイド』でも、大企業として登場。「ファイズの世界」の舞台では、スマートブレインが経営する高校「スマートブレインハイスクール」を経営している。
しかし、『仮面ライダーアウトサイダーズ』で、倒産したと思われていたスマートブレインが再建され、オルフェノクの王・アークオルフェノクが4代目社長に就任した。これには、新たな脅威から世界を守るために暗躍しているある組織が関わっていた。
『パラダイス・リゲインド』では、政府により企業再生されたようで、かつてアークオルフェノクに殺されてその亡骸を喰われたはずの北崎が社長に就任、本編とは打って変わってオルフェノクの殲滅を標榜している。そのための戦力として仮面ライダーミューズやライオトルーパーを擁する殲滅隊が存在している模様。さらに強力な助っ人が力を貸しているようだが……?
技術関連
- ライダーズギア
王を護るためのベルト。
- SB-555 M スマートパッド
- 蘇生オペレーション
- オルフェノクの記号
- スマートブレイン・テクノロジー
- スマートブレイン・モータース
- スマートブレイン・インダストリアル
- スマートブレイン・マテリアル
- イーグルサット
第39話のブラスターフォーム初登場シーンで、はじめて全体像が描写された。
- ホークアイ
施設関連
- スマートブレイン研究所
第1話冒頭に登場した施設。完成した3本のベルトの実験を行っている最中に、ゴートオルフェノクの襲撃を受けた。
- 創才児童園 フレンズホーム
- スマートブレイン社病院
最終回では意識を失い搬送された巧を実験台にして、オルフェノクの滅びの仕組みを調べる実験を行った。
- Smart Brain Peculiar Medical Laboratory
- スマートブレインタワー建設予定地
- スマートブレイン・スーパーアリーナ
花形が創始した施設。詳細は当項目を参照。
- オルフェノク研究機関
主な所属者
ほぼ全員オルフェノクである。
社長
幹部
配下のオルフェノク(○はラッキークローバーの配下のオルフェノク)
- スティングフィッシュオルフェノク
- エレファントオルフェノク
- オックスオルフェノク
- カクタスオルフェノク
- マンティスオルフェノク
- スクィッドオルフェノク
- スカラベオルフェノク
- スコーピオンオルフェノク ○
- ワームオルフェノク ○
- シーキュカンバーオルフェノク ○
- ソードフィッシュオルフェノク
- ライノセラスビートルオルフェノク
- スタッグビートルオルフェノク
- ピジョンオルフェノク ○
- バーナクルオルフェノク
- オクラオルフェノク ○
配下の仮面ライダー
黒幕
劇場版『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』にのみ登場したスマートブレインの実質的な支配者と思われる3人の人物。
3人とも壮年の男性で、劇中、頭部のバーチャルビジョンのみしか登場しておらず、諸事情から頭だけの姿で辛うじて生き残っていた村上峡児に指示などを出していたが、それ以外の出番はなく、結局その正体は謎に包まれており、その後の顛末も不明のままである。
ちなみにこの3人の男性を演じた納谷悟朗氏、飯塚昭三氏、加藤精三氏はいずれも昭和ライダーシリーズにおいて悪の組織の首領または大幹部を演じた経験のある人物である。
ちなみに映画はパラレルワールドが舞台となっているため、TV本編のスマートブレインの背後に彼らは存在しないのであしからず。
仮面ライダースーパーライブでは
21世紀初頭にスーパーコンピューター「マザー」を完成させていたが、あまりにも高性能すぎたが故に自我を獲得して叛逆されてしまう。23世紀には配下としてバイオロイドを生み出し、人類を絶滅の危機に追い込み、いずれは完成したタイムマシンによる歴史の掌握を目論む。恐らく、自我を得たという設定から、オルフェノクも絶滅の危機に追い込まれたのだろう。(恐らくこの影響でブレイド以降の仮面ライダーも生まれていないと思われる。)
ある意味でこれらの作品を予期していたと言っても過言ではない。
ちなみに、このショーの設定ではオルフェノクのみならずグロンギ、アンノウンやミラーモンスターを使役しているという設定である。本当にどうなってんだこの会社。
23世紀からやって来た未来のマザーは仮面ライダー達の正義の心に共鳴した未来のファイズフォンを装着して強化したファイズのスパークルカットを受けて機能停止した。
- バイオロイド
リーダー格はシャドウと呼ばれており、仮面ライダー達を凌ぐ強さを持った強化形態に変身する事ができる。
この他に名前の判明している個体はイーグロイド、サイロイド、エレキロイドの三体で、他に女性型が確認できる。また女性型の持つ武器には人間を石像に変える能力があり、この能力でクウガ〜龍騎までの三大ライダーを倒し、配下に加えていたが、カイザやトリプルライダーが加勢に現れた事で武器を破壊されると、復活したクウガらの必殺技で全員地獄へ送られた。
最期はそれぞれ以下の通り。
- サイロイド:シャイニングクラッシュ/バーニングセイバー/カラミティタイタン
- イーグロイド:カイザスラッシュ/カラミティタイタン
- エレキロイド+女性型:シャイニングライダーキック/ドラゴンライダーキック(サバイブver.)
- ゼノバイター&メガゼール&名称不明:トリプルライダーキック
- シャドウ:クリムゾンスマッシュ
余談
現実世界に人材派遣会社「株式会社スマートブレイン」が実在している。なお、奇しくも「555」放送中の2003年5月に設立されている。
HEROSAGA『ウィザード編』『ディケイド・オーズ&鎧武の世界編』でもお遊び的に存在が語られた。
鴻上ファウンデーション、ユグドラシル・コーポレーションと共に「日本三大何をやってるのかわからない企業」という括りで呼ばれている。
なお、平成二期では他に『フォーゼ(野座間友子の紹介する都市伝説)』『ウィザード(本編最終回後の特別編)』『春の大戦映画』『仮面ライダー4号』などでファイズの存在が確認されており、ファイズギアがスマートブレイン製という事実から考えるとこれらの世界にもスマートブレインは存在する(していた)可能性が高い。
漫画版初代ライダーの続編である『仮面ライダーEVE』では仮面ライダーガイアの使用するバイク「クルセイダー」に使用されているパーツの開発元として登場。
シン・ゴジラの劇中のとあるシーンで名称のみ登場している。
仮面ライダージオウに登場する「ファイズフォンⅩ」にも会社のロゴが確認できる。
東映公式サイトの「スマートブレインのできるまで」によれば、当初は「パラサイト社」で、「スマートワイズ」を経て「スマートブレイン」の名に決まったようである。
関連タグ
仮面ライダー555 パラダイス・ロスト
流星塾
仮面ライダーファイズ 仮面ライダーデルタ 仮面ライダーカイザ ライオトルーパー 仮面ライダーサイガ 仮面ライダーオーガ
アークオルフェノク
腹黒企業 悪の組織
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- 幻夢コーポレーション:仮面ライダー達の変身ベルトと量産型ライダーを開発し裏では怪人と共謀している悪徳大企業。こちらは最終的にはホワイト企業になった。
- 難波重工:悪徳大企業、兵器密造、ある目的の為に孤児院で孤児を育てていた、最終的には壊滅する等の点が似ている。