「あなた達がこれから出会うはずだった男ですよ。私には会議室でのんびり待っている時間も無いのでね、こうして自分から足を運ばせてもらいました」
演:小川敦史
曖昧さ回避
※注意
このキャラクターは、その所業故にアンチが非常に多く、時折過剰なキャラヘイト表現や、「似たような人物」など本来の記事内容の趣旨からズレた書き込みが行われる事があり、それが原因となって編集合戦へと発展する事も多々あります。
原則中立性のある記事を保つ為、そして無益な編集合戦及び、演者また同名の人物への風評被害を防ぐ為にも、そういった悪意を含んだ書き込みは極力控えるよう、お願い致します。
概要
警視庁の高官を務める男。
何らかの要因でオルフェノクの存在を知った彼は、「このままではオルフェノクに人類が滅ぼされる」と思い込んでおり、密かに『オルフェノク撲滅』のため、非公式で『対オルフェノク機関』を設立していた。
オルフェノクから人間性を取り除いて『怪物』として、合法的に始末するための非人道的かつ狂気的な研究を日夜進めており、そのために付属する研究所内にて拉致したとあるオルフェノクをモルモットとして使い、様々な人体実験を繰り返していた(そのためか、そこに拉致された彼は体の半分以上を機械化され、人間としての姿に戻れなくなってしまっている)。
「自身が利用できると判断した者は徹底的に利用して使い潰す」のを信条とする、道徳からかなりかけ離れた思考の持ち主で、時に「オルフェノクの情報を最も多く掴んでいる」のを理由からスマートブレインと連携し(流石に村上始め組織の構成員全員が、自身が撲滅しようとしているオルフェノクである実態は知らなかったようだが……)、またある時は「自分の計画の障害になる」と判断するや否や、沢村刑事をバットオルフェノクを使って謀殺を企てるなどの行動を起こしている。
その姿から、今まで登場した人間の心を捨て怪物と化したオルフェノク達とは、全く別ベクトルで"人間の姿を保ったまま心を捨て怪物と化した人間"として徹底的に描かれたキャラとも評価できる。
劇中、自身の持つ権限を使い、機動隊を投入するなどして新たなモルモット確保のため、勇治や結花を捕獲しようと画策するが、その過程でオルフェノクの種に隠された「急激に進化し過ぎたがために肉体の寿命が短い」秘密を知ったため、村上に『最重要危険人物』と判断され、ラッキークローバーのメンバーに抹殺対象として狙われるようになる。
もっとも、それより以前にラッキークローバーの1人である冴子の暗躍により結花が殺害されており、丁度その前に彼が機動隊を使って結花を殺そうと企てていた経緯も手伝って、勇治から「結花の死を招いた張本人」として認識(誤認)されてしまい、彼の逆鱗に触れ激昂した勇治の襲撃を受けて研究所は壊滅。
自身も彼の手により『魔剣ホースソード』で心臓を刺し貫かれて、灰と化し絶命する自業自得の最期を迎えた……が、その死の間際、南は「お前達オルフェノクは決して人間には勝てない」との捨て台詞を残して絶命する。
最後の最後まで視聴者にその外道っぷりを見せ付けながら最期を迎えるその姿は、人類側としては防衛本能から来る仕方ない行為だったのかもしれないが、当時の視聴者に強烈な印象と後味の悪さを残すものであった……
だが、オルフェノクの王であるアークオルフェノクが倒され、巧や海堂、琢磨、スマートレディ等々、生き残ったオルフェノク達は人間として残り少ない命を全うしているため、その呪詛は叶いはしなかった。
本編の20年後を描く正当続編である『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』には彼の意志と執念を引き継いだかのような、政府の息のかかった対オルフェノク機関が登場する。
余談
演じた小川氏は仮面ライダーアギトにて物語の重要人物である沢木哲也を演じていた。
物語序盤で木場や結花を裏切った人々も同様だが、「心が怪物では意味がない」のが作品としての『555』のテーマであり、「人の心を持った怪物」が巧や木場だが、南は「心が怪物同然の人間」であり、その意味では『人間とオルフェノクの共存』に対する集大成・最大の試練とも呼べる人物である。
仮にオルフェノクが実在し、自分自身もオルフェノクに恐怖や憎悪を抱いていたとしても「彼のような人物には賛同できない」との意見を述べる視聴者も数多いが、南の行動が意図的にそう思えるようにできているのが『555』ならではの演出である。
彼は確かに悪人であったが、彼はライダーでもオルフェノクでもないごく普通の人間である以上、異形の存在への恐怖心や嫌悪感を抱くのは致し方ない面もある。
またスマートブレインの息がかかっていないオルフェノク達も、大半は力に溺れて人間を襲ったり、自身の欲の為に行動しているほか、パラレルワールドの劇場版ではオルフェノクが地球の覇権を握り、生き残った人類を虐殺している始末である。
たとえ南が何の行動も起こさなかったとしても、南のような存在は現れていたのかもしれない……
関連タグ
水原(仮面ライダー555):劇場版における同類項。もっとも、南は彼なりの大局的な正義感で動いていたが、水原は小悪党そのものな偽善で動いており、人間性は雲泥の差である。
深海理沙、呉島天樹、御堂英之助:同シリーズにおける歪んだ正義を掲げるマキャベリスト。深海とはプロデューサーと脚本家が同じ作品に登場する、目的の為なら何でもする非情な性格、最終的には怪人によって殺害される因果応報な最期を遂げる点も共通している。御堂とは「一見すると紳士かつ穏やかな人物だが、その本性は人間の傲慢かつ醜い一面を体現したかのような性格の冷血漢」「怪人を見下しており、殲滅されて当然と考えている」「最終的には主要人物に殺害される」「演者が別の特撮作品にも出演している」などの点も共通している。
須藤雅史、仁良光秀:こちらも同シリーズにおける極悪警官。ただし、彼らは自分のエゴの為に人を殺している為、南よりも質が悪い。
五十鈴大智:令和ライダー4作目の登場人物で、とある人物の大切な女性の命を結果的に奪ったことで闇堕ちの原因を作ったという共通点がある。こちらも須藤や仁良同様に自分のエゴの為に人の命を奪っているが、彼は最終的に改心している。