演:小川敦史
概要
『仮面ライダーアギト』の登場人物の一人。35歳。第12話のラストシーンで初登場した。
三浦智子を殺害したことにより逮捕され警察病院に入院させられた謎の青年(闇の力)に面会しに来ている。
初登場シーンでは面会希望用紙に一度「津上翔一」と書いたが、すぐに「沢木哲也」と書き直しており、本名は津上翔一であることが示されている。
以来、闇の力の側近を務めており、彼の命令に従っているものの、「貴重なサンプル」とみなした仮面ライダーアギトに助力するべくマシントルネイダーの強化を提案するという不可解な行動を取っており…?
闇の力からの離反
第20話にて、闇の力にその権限の一部を得ることを願い出た。その能力はアギトに覚醒し得る者の覚醒を促進することであり、アギトを忌む闇の力にとっては紛れもなく離反であったが、闇の力はこれを承諾した。
力を得た沢木の右手には闇の力と同じ紋章が出現し、闇の力は「二度と津上翔一には戻れなくなった」と告げたが、沢木は「そんな名前はとっくの昔に捨てている」と言い放ち、闇の力の下を去った。
沢木は得た能力により、あかつき号事件の生存者である榊亜紀と相良克彦の超能力を引き出した。
物語後半のネタバレ注意!!
津上翔一を名乗る本作の主人公こそ「本物の沢木哲也」であり、両者の名前が入れ替わっていた。哲也が記憶喪失の影響で名前を忘れてしまっていた為、唯一の手掛かりである握っていた封筒の送り主である「津上翔一」を名乗った為、同じように津上翔一が沢木哲也を名乗った事が「本物の津上翔一」と呼ばれる要因である。
元は日生大学で風谷真魚の父である風谷伸幸教授の元で超能力者の研究に努めていたが、彼の実験で偶発的に誕生した「最初のアギト」である恋人の沢木雪菜が力を暴走させてしまった為、彼女の願いを聞き入れて殺害(ビルの屋上から飛び降りではあるが、一度は掴んだ彼女の手を離した)した事が闇の力の目に留まり、雪菜の後を追って自殺した彼を蘇生させ、使徒として迎え入れたのであった。
雪菜を殺してしまった一件を後悔しており、彼なりの贖罪としてアギトを救う力を求め、アギトを覚醒させる能力を得たのである。
作中の行動は謎の青年からすれば裏切りに等しいのだが、人類をこよなく愛する彼(彼女?)に取ってはアギトではない沢木を殺すのは気が引けたのだと思われる。
闇の力の人類滅亡計画が仮面ライダー達によって阻止された後の時間軸…ある洋館にて人類がアギトを滅ぼす流れに向かった為、直接滅ぼしに掛かる事は必要なくなった旨を伝えに来た謎の青年に対し、「あなたは人間を作りながら、人間の事を何も知らない。人はAGITΩを受け入れるだろう。人間の無限の可能性として」と返す。青年は彼の言葉に興味を示したのか彼の言葉が正しいのか見定めるべく、人類を見守っていく決心をして消滅する。
本来ならば、彼は使徒として悠久の時を生きる権限を与えられていたが、あくまで人間の未来を信じる者として、一人の人間として、人間のまま生を終える事を望んだ彼は満足げな笑顔のまま眠るように2度目の死を迎えた。
その後の人類史においてヒトがAGITΩを受け入れたかは定かではない。この壮大な賭けの勝利者は誰なのかは我々視聴者の想像に委ねられている。
「きっと俺が…勝つさ!」
余談
劇中で「沢木哲也」と名乗ったのは先述の初登場シーンのみである。他のキャラクターとの会話においても、闇の力からは「君」、翔一(本当の沢木哲也)からは「あなた」など二人称で呼ばれる。
尾室隆弘役の柴田明良は、右手の紋章を見せる沢木の仕草がかっこいい、としばしば述べている。
関連タグ
仮面ライダー555:彼の発言へのアンチテーゼとも実質的な続編とも取れる作品。この作品での小川が演じた人物は沢木とは全くの正反対の人物である。
仮面ライダークウガ(HEROES):名前の似ている駿河徹也という傭兵が登場する。