木野薫
きのかおる
『仮面ライダーアギト』の登場人物。アナザーアギトに変身する。
あかつき号事件でアギトの力に目覚めた者の一人。年齢32歳。あかつき号の乗客達のリーダー的存在。
第35話より登場したが、他のあかつき号事件の関係者と同様葦原涼の父親・和雄の手帳に名前と住所が記されており、存在自体は物語当初から示唆されていた。第14話では手帳に記されていた住居を去っている事、第27話では相良克彦に涼を殺害する様、指示したことがそれぞれ言及されている。
彼の戦いぶりや生き様は、津上翔一や涼等アギトの力を持つ者達に大きな影響を与え、医者になることを強要された事で親に反発し家出していた少年・真島浩二も、彼が命懸けで手術をする光景を見て嫌っていた医者への道を志す様になった。
元々は医者であったが、雪山で遭難した際に目の前で弟の雅人を喪い、自らも右腕を凍傷で失い弟の腕を移植された。その際手術は不可能と判断した医学界により医師免許を剥奪され(現実世界ではそういった四肢の欠損や障害等で手術が不可能と判断されても医師免許が剥奪されるという事は無い)、以後は闇医者として活動。法外な報酬と引き換えに確実に手術を成功させる闇の名医として名を馳せていた。
その実力は本物で、本来3時間は掛かると言われる手術を約40分で終わらせたり、同時に複数の人物を執刀する程。とはいえ、神霊の類は専門外であり、死んだと判定した光の力はまだ生きていた。
元々は温厚で困っている人を放って置けない好人物だったが、弟を目の前で喪うという経験からトラウマと後悔の念に囚われてしまい、その光景が何度も悪夢として彼を苦しめる様になり「救いを求める人間は全て自らの手で救わねばならない」という考えを抱く様になった彼は「アギトは自分だけで良い」という歪んだ考えを持つ様になってしまった。
また医療手術も先の考えから他の医師は決して補佐に付けず、単独での施術に固執する。
他のアギトに覚醒した者、もしくはアギトの因子を持つ人間を襲撃、排除しようとしたがその度に弟から移植された腕が拒絶反応を起こした為、いずれも失敗している。
この内、人質を取って動けなくした所を一方的に攻撃したりとかなり悪党の様な行いもしており、アナザーアギトの見た目も悪役寄りなので傍から見ると完全に悪役の行為に見えてしまっている。
闇堕ちを決定打にしたのはあかつき号に乗船し、光の力からアギトの力を得て、アナザーアギトに覚醒してしまった(+水のエルに残された時間はそう長くないと宣告された)事による所が大きく、それまでは真島浩二に酔い止めを渡す、自棄になって命を粗末にする発言を軽々しく行った浩二を引っ叩く等、生命を何より大事にする人物である事が窺える。その時の木野の発言は嘗て自身が生死を彷徨い、弟を失った事もあってか、発言の一つ一つが重々しい。
とはいえ、闇堕ち後も度々人の良さを見せており、翔一のバイクが故障した様を見て修理を請け負っていた。
生身での戦闘力も高く、第42話ではオウルロードに背負い投げを浴びせていた。
第15話から登場した榊亜紀を始めとしたあかつき号事件の被害者達と陰から連絡を取り、翔一の行動を監視させていた。
更に亜紀には力の覚醒を促進させる実証実験として、翔一に張り付いておく様に指示し、結果として実験は成功するも沢木哲也の介入で完全覚醒を遂げ、涼(=仮面ライダーギルス)を仮面ライダーアギトと勘違いの末に追い詰めた北條透への復讐に奔らせ、命を落とす結果となる。
暫くは残ったメンバーに連絡を取っていたが、途中から音信不通となる。
第35話まで長らく行方不明だったが、アナザーアギトへと覚醒して本格的に登場し、真島を襲ったフィッシュロードを鮮やかに撃滅してみせた。
そこから闇医者として各所から依頼をこなしつつ、“アギト”としてアンノウンの討伐もこなしていく。
また、涼やG3ユニットの氷川誠に自身の信条を明かし、その高潔さで彼等から尊敬の念を持たれる事になる。
だが、途中から弟を喪った日の悪夢に魘される内に、隠されていた独善性が浮き彫りになっていく。
同時期にバイクを故障させた翔一とも接触し、この直前にアギトとギルスがアンノウンを撃破する様子を目撃したため、翔一がそのどちらかであると当たりを付けていた。
そして真島が力の覚醒の兆候を見せると、遂に心の闇が爆発して真島の抹殺に踏み切る。真島が助けを求めた涼がギルスに変身したのを見て、涼も抹殺対象に認定。並外れた戦闘力でギルスを圧倒し、胸にアサルトキックを叩き込んで致命傷を負わせた。
木野の魔の手から逃れた真島は、涼の治療法を探して翔一と風谷真魚に協力を求め、市内の病院で手術を受けさせる事に成功する。しかし執刀医に木野が呼ばれてしまい、手術室に運ばれた涼を見た木野は涼の暗殺を思い立つ。しかしいざ殺そうとした瞬間に腕が疼き、更にそのタイミングで涼も目を覚まして手術室から逃亡する。
途中、沢木が現れ2人の殺害を止める様に忠告するも、聞く耳を持たず捜索を続ける。
そこから執拗に真島と涼を付け狙うが、再び沢木の介入で真島の力が涼に譲渡される。そしてアギトと仮面ライダーG3-Xの共同戦線を跳ね除け、G3-XからサブマシンガンのGM-01〈スコーピオン〉を奪ってアギトに変身した翔一を変身解除まで追い詰めるも、涼が寸前で仮面ライダーエクシードギルスに覚醒して形成が逆転。
トドメを刺されそうになるが真島が涼を咄嗟に止め、涼に埠頭から蹴り落とされた後、彼自身に救出される。
目を覚ました後、涼に自分を救った理由を尋ね彼の甘さを糾弾するが、それでも自分の過去から逃げずに自分を貫こうとする姿勢に、感じ入るものを見出し、漸く翔一達と共闘する道を歩み出した。
しかし、終盤で闇の力によって翔一・涼と共に変身能力を奪われた上に、諸事情から互いの繋がりが空中分解しかける危機に直面。
木野もアギトになれない事に絶望して翔一達の下から去ろうとするが、涼が戦う力を失って尚、最後まで翔一を守ろうとする姿勢に強く心を打たれる。
そこへファルコンロードとヘッジホッグロードが襲撃を仕掛け、木野はファルコンロードの攻撃を生身で受けてしまい、翔一に至ってはヘッジホッグロードの「人間を水に変える毒針」を撃ち込まれて絶体絶命の危機に陥る。
翔一の命の危機に、木野はヘッジホッグロードの針を受けた翔一を叱咤激励しながら麻酔無しの緊急手術で救い出す。一命を取り留めた翔一も直前まで真魚と仲違いして塞ぎ込んでいたが、真魚と和解して発破を掛けられて復活。G3-Xを装着して孤軍奮闘する氷川の下に駆けつけた翔一の活躍で変身能力を取り戻すと、ヘッジホッグロードをアギト・ギルス・アナザーの3連続ライダーキックで討ち果たした。
だが木野の肉体は、既にファルコンロードから受けたダメージで限界を迎えていた。
「浩二……コーヒーを頼む……」
そして自宅で真島にコーヒーを頼んだ後、涼と真島に看取られて静かに息を引き取った。
彼が最後に見た光景は、弟と共に雪山から生還するというものであった……。
過去の軛に囚われて暴走する正義を振り回していた男は、最後に紛れもなくアギトとして戦い救うべき命を守ってみせたのだった。
演じた菊池隆則は当時、上京したばかりの友井雄亮(葦原涼役)に演技のレクチャーもしていたため、初登場回では友井が緊張の余りNGを出してしまった。
バイク（ライダー）でキノ（木野）という事で『キノの旅』を想起する人も少なくないとか。またどういう偶然か彼はゴライダーで実際に喋る二輪車と共演している…
第36話ではZIPPOを所持しているシーンがある。作中では描かれなかったが喫煙者なのだろうか...?
結城丈二：元祖仮面ライダー4号。自分のものではない右腕、主人公と当初は反目・敵対する、後に和解する等、2作目繋がりで踏襲・意識した部分が多く存在する。
一条薫：前作の登場人物。実は二作連続で「薫」の名を持つ人物が登場している。
花家大我：闇医者でサブライダー。「仮面ライダーは俺一人で十分だ」と似た様な発言もしている。但し、彼は本編最終回でゲーム病専門医として正式な活動が許可されている。
ブラック・ジャック：法外な報酬を受ける凄腕の闇医師。事故に遭った経験を持つ点も同じだが、こちらは腕どころか全身がバラバラになる程の大怪我を負った事がある。
4号ライダー変身者
木野薫→浅倉威
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今回は仮面ライダー龍騎、それからアギトです。エピソードが複数 真司くんと蓮が出てくるけどよそよそしいんでご注意くださいませ。 龍騎は映画が素晴らしい出来だよね。スピンオフは見てないから知らないよ。 ※※あてんしょんぷりーず※※ 魔法のiらんどの仕様変更にともないまして、引っ越すことにした話です。 そのため既読の方もいるかと思いますが、そのあたりはご了承ください。 執筆時点で視聴済みの作品だけを扱っているのと、視聴途中の作品があるため不自然な部分もあるかと思いますので、ご理解ください。 でかままは腐女子だよ。良い男たちが仲良くしていると喜んじゃう。いがみ合いとか基本好きじゃないけど、すれ違いはやぶさかではないです。 ※特殊設定が散見しますが、やんわりと受け止めてくださいませ。 ※※シリーズ内取り扱い作品 アギト 龍騎 555 響鬼 カブト 電王 キバ ディケイド W オーズ ※※※剣に関しては当時は未視聴のため、取り扱っていません。555は視聴途中だったため思いっきり不自然さがあります。ご了承ください。6,778文字pixiv小説作品
