演:佐久間雅子
概説
『仮面ライダーアギト』の登場人物。初登場は第15話『罠の始まり』。
年齢24歳。出張で不在の美杉義彦に依頼され、美杉家に訪れたという家政婦の女性。美杉太一が高熱を出して倒れた際、手際の良い看病で太一を快復させたのが最初の登場だった。
城北大学出身で元ソフトボール部だったという。
美人に弱い津上翔一や太一が見惚れるかなりの美女であり、亜紀自身も何かと2人にかいがいしく世話を焼いてくれる。そのため、風谷真魚からはやっかみもあって、あまり印象が良くない。
亜紀も特に翔一に対して積極的にコミュニケーションを図っており、気のある素振りを何度か見せている。
一方で真魚の女の勘も決して外れているわけではなく、盗塁でリードをすると反則になるソフトボールのルールを失念していたり、ジャッカルロードに襲撃されたり、突然翔一に「あなたの恋人だった」と言って自分のアパートでの同棲を申し出たり、裏で何者かと密通していたりときな臭い言動や、氷川誠の顔を見て逃げ出すなどの怪しい行動が、回を増すごとに増えていった。
※ネタバレ注意
「私もどう生きていけばいいかわからないの。あかつき号で事件に遭ってから」
実は彼女、あかつき号事件の関係者の1人にして生存者グループのメンバーであり、氷川に救助されていた。
かつては看護師を夢見て上京してきたが、夢破れた帰路にあかつき号に乗り合わせ、事件に巻き込まれてしまった。ジャッカルロードに襲われたのも、当人にある素質が眠っていたからに外ならない。
グループのリーダーの指示で翔一がアギトであるかを探り、さらにそれが本当ならばさらに接近して取り入るよう指示されていた。
一方で、あかつき号事件で素質に目覚めて以降、他人とは違う自分を受け入れることができない苦悩を抱えており、強か外面とは裏腹に自分以外の「別の何かにすがろう」とする弱さも隠している。
第15話で父親の形見の手帳に書かれた人物を追う葦原涼と出会い、仮面ライダーギルスに覚醒したためにすべてを失った涼の孤独に共感し、徐々に涼に惹かれていく。しかし、北條透が立案したアギト捕獲作戦でギルスが機動隊の一斉射撃で倒れたのを見て涼が死亡したと誤認し、一度は姿を消した。第18話で翔一にアパートの鍵を預けている。
そして、第20話で生存者グループのアジトに移っていたことが判明。さらに、メンバーの持ってきた資料をテレキネシスで手元に引き寄せられるほどの力を発揮した。
仲間の一人の相良克彦は亜紀が仮面ライダーアギト(=翔一)に接触したことで、亜紀に眠っていた力が短期間で覚醒したのではないかと推測していた。
沢木哲也と接触し、闇の力から力の一部を譲渡された沢木によってさらなる力を覚醒させ、強力なサイコキネシスを操れるまでに急成長する。その力でアギト捕獲作戦に参加した機動隊員を次々と襲い、涼のために復讐を開始する。
しかし、生きていた涼と再会し、2人で一緒に生きていこうと説得されるも、能力を得た高揚感と一度火の点いた憎悪を止めることができなくなり、執拗に北條を狙い始める。
その最中、ジャガーロード・パンテラス・ルベオーとクイーンジャガーロード・パンテラス・マギストラの襲撃を受け、能力を利用して逃走。途中ルベオーに追いつかれて涼に逃がしてもらうも、最期は街路樹の陰に潜んでいたクイーンジャガーロードに首の骨を砕かれて命を落としてしまった。この悲劇が、直後にアギトvsギルスという対決を生み、さらにそこからG3ユニットの介入を加えてアギト&仮面ライダーG3vsギルスに発展。G3に至ってはギルスの猛攻でシステムが大破し、仮面ライダーG3-Xの開発に至るばかりか、G3-XvsV-1という因縁まで発展する。
ここから3大ライダーによる物語が本格的に動き始めたことを見ても、亜紀の死がストーリーのターニングポイントとして大きな役割を果たしていることがわかる。
残された謎
氷川と再会した際に逃げ出した理由(真島浩二も氷川と再会した際に逃げ出したが、理由は不明)、翔一が美杉家に居候していること、美杉家の住所、自身が美杉家を訪れた際に美杉が出張中であることを、どうやって調べ上げたのかのは不明。
余談
登場時は白をベースとした清楚な雰囲気のファッションを好んでいたが、第20話で覚醒した後は黒いドレスに身を包んでいる。さながら弱い自分を偽って立ち回る不安定な女性から、復讐心という闇に身をやつした魔女への変化を表現しているように見える。
なお上述の通り、平成ライダーで何気に(首が折れる音)ネタを早期から(おそらくほぼ最初に)受けた重要人物だったりする。
ちなみに第22話では、モブ刑事がビーロードに首を折られて殉職している。
『小説 仮面ライダーアギト』では彼女が元ネタと思われる小林雪紀というキャラクターが登場しており、一部の人物像や作中での行動が共通している。