この男たち、刑事で仮面ライダー!
概要
ウルトラマンシリーズやメタルヒーローシリーズに比べて、仮面ライダーは行政機関に所属していない事が多い。
そもそも警察という組織そのものは正義の味方ではなく国家の秩序の味方であるため、秩序に縛られずに個人の正義を貫くヒーローとは相容れず、場合によってはヒーローを秩序を乱す犯罪者と認定することもある。
初代『仮面ライダー』の「秘密結社と戦う改造人間」のような設定では警察組織の公式な支援は最初から期待されておらず、正体が露見すれば帰るべき日常を失う異形のヒーローが主役である場合も多かった。故に滝和也のような捜査官個人の協力という形で描かれていた。
平成ライダーの1作目である『仮面ライダークウガ』においては無差別に人々を殺傷する未確認生命体に対し、民間人でありながら未確認生命体認定された仮面ライダークウガと協力体制を確立した警視庁未確認生命体関連事件合同捜査本部が共に捜査・解決に尽力するという手法が取られ、やはり警察官が変身することは無かった。
しかし、次作『仮面ライダーアギト』では主要な仮面ライダーの1人として警視庁未確認生命体対策班により製造された仮面ライダーG3が登場、『仮面ライダー龍騎』では汚職警官のライダーが登場し、以降の作品においても度々警察に所属する仮面ライダーが登場するようになった。『仮面ライダードライブ』でついに主人公が警察官となったが、一方で警察は正義の味方であることを否定する発言もある。
タイプとしては、現職の警察官だが個人的な理由で怪人と戦い、かつ装備も独自のルートで手に入れたものを使う“二足の草鞋”としての仮面ライダーと、警察組織が最初から対怪人用の装備として開発したものを組織に属する警官が運用する“正規の隊員”としての仮面ライダーに分けられる(前者はシザースやアクセル、後者はG3やドライブが該当する)。
映像作品
『仮面ライダーアギト』
所属 | 警視庁未確認生命体対策班・G3ユニット |
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ライダーとしての活動 | 公的 |
本作の2号ライダー。「未確認生命体」の再出現に備えて設立された対策班が完成させた特殊強化装甲服であるG3の装着員を務める。
強化後の仮面ライダーG3-Xは当初氷川には扱えなかったものの、紆余曲折を経て氷川が引き続き装着員を務めることとなった。
- 北條透/仮面ライダーG3
所属 | 警視庁未確認生命体対策班・G3ユニット(本来は捜査一課) |
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ライダーとしての活動 | 公的 |
G3装着員を志願していたものの叶わなかった経験からその座に固執していた。
第9~11話では警察幹部と取引して氷川から装着員の座を奪ったものの失態を演じ捜査一課に戻される。第22話ではG3-Xに対抗する新システムであるV-1(仮面ライダー扱いではない)の装着員を務めたがV-1開発者の1人である高村光介がプロジェクトから降りたことで、V-1ではなくG3-Xの装着員に一時的に就任。しかし一度も装着することなく氷川が正規装着員となった。
第49話では、氷川を排除し目的を一変させた新生G3ユニットでG3-X装着員を務め仮面ライダーアギトの前に立ち塞がったが、最終的に氷川に奪還された。
- 尾室隆弘/仮面ライダーG3
所属 | 警視庁未確認生命体対策班・G3ユニット(新生) |
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ライダーとしての活動 | 公的 |
元々はG3ユニットでオペレーターを務め氷川のサポートをしていたが、新生G3ユニットでは北條に従いG3の装着員を務めた。
最終決戦において氷川が北條からG3-Xを奪還した際は、G3を装着することなくオペレーターとして氷川/G3-Xをサポートした。
『仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身』
登場するポリスライダーの性質がG3とはやや異なるため分けて記載。
- 尾室隆弘/仮面ライダーG3マイルド
所属 | 警視庁未確認生命体対策班・G3ユニット |
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ライダーとしての活動 | 公的(G3ユニットとしての活動とは無関係) |
誰にでも扱えることをコンセプトに開発されたG3の量産型であり、警察官の尾室がテスト装着員を務めたが、募集時点では経験・所属・資格は不問であったため設定上はポリスライダーになる必然性は無い。
『仮面ライダー龍騎』
所属 | 小竹署(本編)、警視庁(TVSP) |
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ライダーとしての活動 | 私的 |
刑事でありながら悪事を働き、ライダーの力を手にしたことで悪事を隠蔽していた。またライダーバトルで頂点に立つために、契約モンスターのボルキャンサーに警察官として守る対象であるはずの民間人を捕食させていた。
『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』
所属 | デンライナー署・チームデンライナー |
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ライダーとしての活動 | 公的 |
「イマジン」による犯罪を解決するために警察の特殊組織として設立されたデンライナー署に所属しており、超法規的権限をもってイマジンを逮捕する。
『仮面ライダーディケイド』
- 芦河ショウイチ/仮面ライダーG3
所属 | 警視庁 G3ユニット |
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ライダーとしての活動 | 公的 |
未確認生命体に対抗するシステムであるG3の装着員を務めていたが、「アギトの力」に覚醒してしまいアンノウンに命を狙われるようになったため、システムの完成を前に行方をくらませた。
所属 | 警視庁 G3ユニット |
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ライダーとしての活動 | 公的 |
G3を経て完成したG3-Xの正規装着員を務めていたが、扱いきれずにその任を辞した。
古屋の辞任後は海東大樹および小野寺ユウスケが装着員を務めたが、いずれも一般からの公募によるもので正式な警察官ではない。
『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』
- 芦河ショウイチ/仮面ライダーアギト
所属 | 警視庁 G3ユニット |
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ライダーとしての活動 | - |
真の力に覚醒しG3ユニットに復帰したが、アギトとして人々を守る活動が公的なものかどうかは不明。
『仮面ライダーW』
所属 | 風都署 超常犯罪捜査課 |
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ライダーとしての活動 | 私的 |
家族を殺害した人物への復讐のために変身アイテムを獲得し、ドーパントによる犯罪を捜査する中で私的に仇を探していた。一貫して、同僚には仮面ライダーであることを秘匿しながらと戦っている。
『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』
所属 | 時間警察 |
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ライダーとしての活動 | 公的 |
G電王は「時間警察の電王」であり、変身アイテムが時間警察捜査官としての黒崎レイジの身分証明でもある。
『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』
所属 | 不明 |
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ライダーとしての活動 | 私的 |
『オーズ/OOO』本編以前はエリート刑事だったが、組織の理念に賛同したために鴻上ファウンデーションに加わったという経緯を持つ。
本編終了後のライダー変身者はそれぞれの生活に戻っており後藤は警察官に復職したが、仮面ライダーポセイドンが出現したため鴻上光生に召喚され、再び変身した。
『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』
所属 | インターポール |
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ライダーとしての活動 | 私的 |
『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』のゲストキャラクターであるインガ・ブリンクを同僚として世界中を飛び回り、必要に応じてメテオに変身している。
『劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land』
所属 | 不明 |
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ライダーとしての活動 | 私的 |
「魔法の国」の住人が共通して変身できる仮面ライダーに刑事の大門凛子が変身した。
『仮面ライダードライブ』
所属 | 警視庁特状課 |
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ライダーとしての活動 | 私的→公的 |
警察官が主役ライダーとなった初のケース。
当初は秘密の戦士として活動していたが、進ノ介が大勢の前で変身したことを機に正体が公表された。
二次元媒体
仮面ライダー扱いかどうか不明瞭なケースもあるが、便宜上まとめて掲載する。
『仮面ライダーSPIRITS』
所属 | FBI |
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ライダーとしての活動 | 私的 |
アメリカに帰国し組織内の閑職に追いやられていた滝だが、再び敵組織が現れたことにより自作のプロテクタースーツを着用した姿を「仮面ライダー」と名乗って戦いに身を投じる。
『小説 仮面ライダークウガ』
所属 | 警視庁捜査一課、特殊犯捜査第四係 |
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戦士としての活動 | 私的 |
長野県警警備課に配属されていた頃に、「第二の遺跡」を発見しプロトタイプのアークルを手にしてしまった。
「HEROES」連載『仮面ライダークウガ』
所属 | 警視庁 未確認生命体対策本部 |
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戦士としての活動 | 公的 |
警察独自の未確認生命体への対抗手段として、クウガから得たデータによって開発された強化外骨格。なお一条の他にも、未確認生命体対策本部に所属する駿河徹也が装着者候補となっていた。
ポリスライダーとしての条件が不足しているケース
仮面ライダーとしての活動以前・以後の職業が警察官
警察官でありかつ仮面ライダーだった時期は無い。
作品 | キャラクター | 説明 |
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『仮面ライダー響鬼』本編以前 | トドロキ/仮面ライダー轟鬼 | 大学卒業後に警察官として勤務していたが、偶然鬼と出会いザンキに師事するようになった。 |
『仮面ライダーカブト』最終話 | 加賀美新/仮面ライダーガタック | エピローグ(最終決戦の1年後)では警察官として勤務していた。 |
仮面ライダーの変身者が一時的に警察官として務めていた
本来の職業は警察官ではないため、ポリスライダーとは言い難い。
作品 | キャラクター | 説明 |
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『仮面ライダーカブト』第25〜26話 | 天道総司/仮面ライダーカブト | ZECTに近づきマスクドライダー計画について調べる為警視庁本庁から来た警察官として一時期活動していた。 |
『仮面ライダーディケイド』第2話 | 門矢士/仮面ライダーディケイド | 「クウガの世界」での役割が警察官だった。 |
警察官擬似ライダー
変身後のキャラクターが仮面ライダーではない。
警察官としての活動を仄めかされている仮面ライダー変身者
仮面ライダー自身が警察官になっていることが明言されているわけではない。
作品 | キャラクター | 説明 |
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『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』 | 警視総監 | 仮面ライダー生誕30周年記念作品として本郷猛/仮面ライダー1号役の藤岡弘が演じており、本郷自身である可能性も仄めかされている。 |
『仮面ライダーギーツ』最終話 | 桜井景和/仮面ライダータイクーン | エピローグにて警察官を目指している様子が描かれる。実際に叶ったのかどうかは不明。 |
共演情報
映像作品
『ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー』
2016年4月20日(水)より発売中の『仮面ライダードライブ』のVシネマ作品。仮面ライダーアクセル/照井竜が参戦し、2人のポリスライダーズが共演した。
この共演は、照井役の木ノ本嶺浩がアクセルと共通項の多い『ドライブ』への出演を望んでいたという噂を『W』と『ドライブ』のメインライターである三条陸が聞きつけたことで実現したものである(木ノ本は、出演のきっかけになったその噂は事実ではなかったことを述べている)。
ゲーム作品
『ガンバライジング』
チームに組み込む仮面ライダーによりチームボーナス称号が発生するが、その中にはポリスライダーに関連したものもある。
組み込むライダー | チームボーナス称号 |
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仮面ライダーG3-X、仮面ライダードライブ | 「平和を守る刑事」 |
仮面ライダーG3-X、仮面ライダーアクセル、仮面ライダードライブ | 「刑事で仮面ライダー!」 |
『ライダーレボリューション』
G3-Xとアクセルがドライブに仮面ライダー王蛇の検挙を打診している(時系列は先述の『ドライブサーガ』の後という設定のようであり、既にアクセルとドライブの間に面識がある)。
関連タグ
兼業ライダー変身者カテゴリー一覧
ニートライダー カードライダーズ スペースライダーズ ミライダー
超スーパーヒーロー大戦……登場チームの一つに「チーム刑事」が存在し、アクセルとG3-Xが所属している。
詩島霧子…警察官。変身を試みてはいるが、変身完了には失敗している。