「市民を守るのは仮面ライダーだけでなく、警察官の使命です」
「私は、私に出来る事をするだけです」
演:片岡鶴太郎
概要
重加速という異常現象に絡む犯罪を捜査する警視庁特殊状況下事件捜査課の課長。階級は警視。
身長161cm、体重47kg。妻子あり。趣味はゴルフ。占い好きで、その日のラッキーカラーでネクタイの色を決めている。
公私混同はないもののノリが軽い人物であり特状課の面々や親しい人物を「ちゃん」付けして呼ぶことが多く、飄々としたどこかマイペースな雰囲気である。
事あるごとにアラビアン調のSEが鳴る(下記のガラケーの通知音にも同じものが採用されている)。
良く言えば穏健派、悪く言えば事なかれ主義な公務員タイプで上司や捜査一課長などに接待ゴルフをして媚を売ったり、連続予告爆破事件の容疑者を独断で連行しようとするなどちゃっかりしている。
それ故かパイプはあるようで『暗黒の聖夜』事件の際には進ノ介が悩んでいる姿を見て事件を解決する鍵になるかもしれない服役中の犯罪者と進ノ介との面会を即座にセッティングする見事なバックアップを行った。
また、サボり癖のある泊進ノ介のお目付け役として詩島霧子を任命したのも彼である。
一応はチームワークを気にしてはいるようで自分の課の人間関係には頭を悩ませる事もあるが、課の人間が活躍した際は嬉しそうな様子を見せている。
これまでトライドロンやドライブピットなど仮面ライダーに関する情報を知っていた素振りは見せず、それどころかシフトカーを「泊ちゃん(あるいは泊先生)のミニカー」と単なる玩具としか見ていなかったり、第22話の偽造死体事件では咄嗟に投げたシフトワイルドが偽造死体を撃退したことからその後より「特状課の守り神」と崇める程であった。
ちなみに前述の占いについては主にガラケーの占いサイトを愛用しており(しかもこのサイト、かなり的中率が高い模様)、更に占い関係の知識も豊富な様で第15話では現場に残されていたタロットカードの正体、それが複製品などでは無くオリジナルの品であることを一目で見抜いてみせた。
第15話で彼について調べたブレンからの評価は「とても不可解で不可思議で理解不能な男」。
正体とその目的
しかし第25話終盤にて、その正体がクリム・スタインベルト、すなわちベルトさんへの最大の支援者であり、特状課も全て進ノ介をドライブとして活動させる隠れ蓑にする為に彼が組織したものであったことが判明する。
この事は進ノ介どころか霧子、りんなにすら知らされていなかった(実は第21話にて伏線が貼られており、追田がドライブとマッハが別個の存在のライダーだと報告した時にタイプワイルドとタイプテクニックまで一人とカウントして進ノ介、霧子、りんながずっこける中でドライブの事を知らないはずの彼も同じリアクションを取っていることからドライブの支援者だということを暗示している)。
上記の事実が判明した後は、ロイミュード001の脅威に対抗すべく仮面ライダーの情報を敢えてマスコミにリークしたり(彼曰く「敵に先手を打つ」為で第28話で001もこの件に触れ一定の評価を下した)、正義感が強い為に良くも悪くも熱くなりやすい進ノ介に温かくも厳しい言葉を掛けて冷静さを取り戻させる等、主人公達の上司にふさわしい一面も数多く見られる様になっている。
また、第32話では進ノ介を失う事を恐れるあまりに彼と喧嘩してしまったクリム=ドライブドライバーを腰に巻いたりといつものおちゃらけた様子も織り交ぜながら彼なりの激励の言葉を掛けている。
冒頭の台詞や第25話以降の描写から彼と言う人間の本質は「自分の出来る事を最後までやり遂げる人物」であると言え、第11話のサポートやこれまでのコネ作りも彼の心情に基づいた行動と言える。
そして物語序盤における一見他人任せに思える行動も自分や部下の能力とその限界、周囲の情勢を把握する能力に長けているが故の行動・自分に出来ない事はその事が出来る部下に任せて彼らを信じ抜くと言う姿勢と言い換える事が出来るかもしれない。
泊親子との縁
そして、彼は泊親子とも浅からぬ縁がある。
進ノ介の父親である泊英介とは彼が初めて捜査一課に配属された時の同僚と言う間柄で彼の事を「本庁の人間で彼を知らない人間はいない」と称賛している。その為、彼の死を防げなかった事に対して強い後悔の念を抱いている(その日の占いでは「大凶」が出ており、英介本人にはそれを伝えなかった)。
そんな中、詳細は不明ながらクリムと出会い彼の死の裏側に潜む陰謀を察知、彼の無念を晴らす日を待ち望んでいた。
また、彼の息子で自分の部下でもある進ノ介の事も気に掛けており、前述の様に日々ロイミュードと戦い続ける彼を自分なりのやり方で支えている。
そして何より、「仮面ライダードライブは泊進ノ介ただ1人で誰にも彼の代わりは務まらない」と言う信念を持っている(第11話にてクリムも同じ趣旨の発言をしている)。その為、第33話で仁良課長が進ノ介の死を悼まなかったばかりか「早く次の仮面ライダー(に変身できる人間)を見つけてくれよ!」と無神経な発言をした際には、普段の温厚な様子からは想像もつかない程の激しい怒りを見せており、その際の口調もいつもの調子とは比べ物にならない程の威圧的なものになっている。
そして遂に…!?
第44話にて残りのロイミュードを殲滅する為、「ピコピコ4号」と並行して開発されていたとある装備の量産型試作機を自ら使用した。
そして、その装備で変身した姿こそ!新しい仮面ライダー、「仮面ライダー純」!!
残りのロイミュードを殲滅する為の新たな戦力として自ら前線に出る、はずだったのだが……?
その後の詳しい事はこちらを参照。
そして全てが終わり…
第47話にて蛮野の野望が砕かれロイミュードも全滅した後は特状課もその役目を終えて解散する事になる。
皆が身の回りを整理している特状課。そこではかつての様な「仲間達が騒がしくも仲良く過ごしている」、「進ノ介が特状課に顔を出さず霧子が彼を探している」と言う懐かしい風景が繰り広げられていた(進ノ介が特状課に顔を出さないのは身の回りの片付けを終えて特状課と完全に別れる事に抵抗があったから)。
進ノ介を心配する声が上がる中、霧子が彼を追っているとの知らせを受けた彼はいつもの柔らかな笑顔を浮かべてこう言った。
「大丈夫、来ますよ。今日の彼の運勢、『最高』ですから」
いつも彼が見ているガラケーの占いサイトには「大吉」の文字が映っていた。
なお同話のエンディングにてロイミュード撲滅の功績を認められて任務が殺到した事や後に彼が警視庁副総監にまで登り詰める事、「困った時の本願寺参り」と言う言葉が流行る程の名声を獲得する事になる事が語られた(余談)。
ちなみに彼は特状課課長の前に警視庁総務部主任、警務部主任、交通部主任、警備部係長、地域部課長補佐、公安部課長、刑事部課長、生活安全部部長、組織犯罪対策部管理官と様々な課を経験している(第15話のブレンのタブレットより)。
やはり彼は仮面ライダーの上司にふさわしい人物であったのだった。
第48話では管理職の理事官となっていた。
余談
最終的に就いた副総監という階級だが、他作品で言うと『相棒』の内村完爾や社美彌子、『踊る大捜査線』の沖田仁美よりも上である。
度々西城究の事を「究ちゃん」と呼び、稀に裏声で「おはよ きゅ~~~ちゃん」などと間延びして呼ぶことがあるがこれは演者の片岡氏の持ちネタ。いわゆる中の人ネタである。
関連タグ
照井竜(『仮面ライダーW』)、木崎政範(『仮面ライダーウィザード』)・・・歴代ライダーにおける階級が警視のキャラクター。ただしこの2人は比較的若い。
他力本願…名前の由来。