「さあ……振り切るぜ!」
演:木ノ本嶺浩(TV本編、劇場版、Vシネマ及び他ライダー映像作品客演時、ゲーム「バトライド・ウォー」シリーズ)、上野凱(舞台版「風都探偵 The STAGE」)
CV:古川慎(ゲーム「KAMEN RIDER memory of heroez」、『風都探偵』)
変身する仮面ライダー
概要
家族を皆殺しにしたWのメモリを持つ男を追って風都警察署にやってきた刑事。
年齢は28歳前後(後年発売された『仮面ライダーチェイサー』のファンブックにて、演者の木ノ本氏が「W本編では28歳くらいという設定だった」と発言している)。
MOVIE大戦2010ラストで先行登場した後、本編では第18話ラストにて初登場、第19話にて鳴海探偵事務所に依頼人として現れた。先行登場時はアクセルメモリを起動するだけで変身はしていない。
また、第16話ラストより事務所に何度か出没していたビートルフォンの持ち主でもある(登場時点でWや事務所の内情を把握していたため、偵察に用いていた模様)。
ドーパントによる事件専門の部署である超常犯罪捜査課のトップで、この若さでありながら階級は警視(わかりやすく言うと相棒の杉下右京やルパン三世の銭形警部より階級が上。当然ノンキャリアでは非現実的なのでキャリアの警察庁採用かと思われる)。刃野刑事や真倉刑事の上司に当たる。
同話以前からガイアメモリ犯罪に対応するために物語の陰で活動や根回しを続けていたらしく、風都署に対ガイアメモリ犯罪のセクションである超常犯罪捜査課を設置するように持っていったのも彼である。こういった背景もあってか警察上層部にも顔が利くようである。
性格は正真正銘のハードボイルドにして一匹狼。クールに何事も完璧に熟すタイプ。
しかし、あまりに真っ直ぐ過ぎて空回りすることも。女性に対してはかなり初心でリリィ白銀から頬にキスをされた際には激しく取り乱したり、映画撮影でキスシーンを求められた際には脱走する(下記)と言う一面も見せた。但し彼自身は女性には結構モテる方な模様。
赤いライダースーツに革ジャン(たまに青や黒も着る)を着て風都で起こる奇怪な事件に立ち向かう。身に付けているペンダントは、妹の春子から贈られた昇進祝いのプレゼントにして彼女の形見(照井のお気に入りのブランドの物らしい)。
シュラウドから託されたアクセルメモリとアクセルドライバーを使って風都のもう一人の仮面ライダー、仮面ライダーアクセルに変身する。
家族構成は父の雄治、母の真由美、そして妹の春子(何れも照井の物語初登場時点で故人)。
普通の何処にでもいる平凡な家庭で警察官であった父に憧れて自分も警官になり、順調に仕事で成果を挙げる日々だったが、ある日帰宅した彼の目に飛び込んできたのは、既にドーパントの手に掛かり凍結され、文字通り冷たくなっていた家族だった。
悲しみと怒りに打ちひしがれる最中に現れたシュラウドから家族の仇である「Wのメモリの男」の話とエンジンブレード(後にアクセルドライバーとアクセルメモリも)を受け取って以降、ドーパント及びガイアメモリ犯罪に強い憎しみを燃やし、陰に日向にそれらと苛烈に戦っていく事となる。
それ故、当初は風都もガイアメモリ犯罪の温床になっていた事から八つ当たりで毛嫌いしており、彼の登場直前に死亡した風都を愛する敵幹部とは対照的になっていた。
しかし、鳴海探偵事務所の面々との関わり合いの末、復讐と憎しみに燃えていた思考も徐々に変化が訪れる。
そしてインビジブル・ドーパント事件を経て「自分を心配する者がいるのに、自ら命を捨てることは愚か」であることを学び、翔太郎達から仮面ライダーの仲間として認められた(彼曰く、「仮面ライダーの流儀」に乗るとの事)。
以降は頻繁に事務所に出入りする様になり、復讐では無く人を守る為に井坂と戦う様になり、人命が掛かっている場合は井坂よりそちらを優先するようになる(但し井坂への止めは自分で刺そうとしており、敵討ち自体は諦めていない)。
また、フィリップ自身の成長ぶりに追いつけなくなり始めていた翔太郎を見限って、自分と手を組もうと提案したフィリップに対して「つまらない質問をするな」と拒否したことからも彼の心情の変化が窺える。
そして第35話にて井坂によってメモリを植え付けられかけていた少女島本凪と遭遇する。彼女に妹の面影を見出だした事もあって、復讐ではなく純粋に凪を守る為に第36話にて強化形態の力を会得し、遂に宿敵を撃破した。
なおその際、警察官としての職務を果たす為か、あるいは復讐心を振り切ったことの表れか、トドメを刺さずに拘束されていた凪を解放すると手錠を取り出し改めて井坂の元に向かおうとしていた(残念ながらその井坂はメモリの過剰使用のツケが回ってきたことで法の制裁を受けることは無かったが)。
終盤、シュラウドが井坂にウェザーメモリを渡した張本人である事を知り、彼女に挑発された事もあって再び憎悪に囚われかけるも、彼女の真意を見抜き、彼女を自ら許すことで自身のみならずシュラウドの憎しみをも完全に振り切った。
「俺はダブルではなく、仮面ライダー……アクセルだ!」
若い年齢に見合わぬ、警視という高すぎる階級(それも家族を皆殺しにされてから1年足らずの間で)と言う、同じ刑事且つ仮面ライダーで特殊な事件と戦ってきた泊進ノ介(※ロイミュードとの戦いを完遂して巡査→巡査部長)と比較しても異常な昇進スピードや風都署への超常犯罪捜査課の創設も元々の彼の(通常の警察の捜査では難し過ぎる)ガイアメモリ犯罪に対する高い対処能力を警察上層部に評価されての物と思われる(当然ながらその後に実際に高い検挙率を挙げている事も高く評価されていると思われる)。
しかし、設置当時に新たに配属された刑事がメモリ犯罪者だった件が尾を引いているのとドーパントと遭遇する危険が高いので単純に誰もやりたがらないと言う理由から、超常犯罪捜査課のメンバーは照井、刃野、真倉の3人から変わっていない(実際にこの3人で回っていると言うのも大きいだろう)。
基本的に刃野と真倉が他の風都署の通常部署との連絡や橋渡しをしているが、実際に超常犯罪捜査課からの出動や協力要請はドーパントと遭遇することがほぼ確定な為に嫌な顔をされる事が多いらしい。
その一方でメモリ犯罪の捜査は通常の人間が起こす犯罪の捜査基準では誤認逮捕や捜査遅延が起きかねない為に基本的には超常犯罪課は他の通常の部署とは独立した独自の捜査基準で捜査を行うので基本的には通常の部署の刑事が捜査に直接関わってくるのは嫌っている。
事実、小説版では状況を理解せず、規定通りの行動しか取らない殺人課の面々を威圧したり、Vシネでも捜査中のスリ集団が関わっていると言う理由から三課との合同捜査になった時、照井たちは苦い顔をしていた。
こうした状況下ではあったがそれでもそれなりの長期にわたって風都署が「警察の対ガイアメモリ犯罪専門部署」として活動を続け、検挙実績や押収されたガイアメモリ(ブレイク前、ブレイク済問わず)も蓄積されてきたことで、TV本編終了後の正統続編漫画「風都探偵」では、押収されたメモリやドーパント犯罪のデータを集積・研究し、超常犯罪捜査課をバックアップする部署である、ガイアメモリ特殊研究施設(通称「特殊研」ないし「G研」)が風都署内の地下エリアに設立されていたことが明かされた(「gが死へ招く」より)。
ちなみにハードボイルド故の不器用さも見られる彼だが、実は料理が得意である。
鳴海探偵事務所に寄り付くようになってからは、事務所のコーヒーメーカーで照井が事務所の面々にコーヒーを淹れることも多くなってきたが、その淹れるコーヒーが同じコーヒーメーカー、同じ豆を使い、長年の事務所暮らしで明らかに慣用期間が照井より長いはずの翔太郎のものよりも美味しい(フィリップによると、この事で翔太郎は秘かに対抗意識を抱き、陰で美味しく淹れる練習をしている程との事)。
亜樹子と結婚してからの夫婦生活でも家にいる時は照井が料理を作る事が多い模様。
また『超バトルDVD』ではエンジンブレードで食材を切断し、キャラ弁風アクセル丼なる鶏そぼろ丼を作ってみせた(赤はパプリカとケチャップ、目はブロッコリー、ツノはきゅうりで再現したもの)。
一方で後の妻である亜樹子の料理の腕は…お察しいただきたい(一応フォローすると、この超バトルDVDでは亜樹子も同じくキャラ弁の部類に入る「W丼」を完成させていたり、後にも彼女のお手製らしき料理を振舞うシーンがあるがメシマズ強調エピソードにはなっていないため、成長していると思いたいが…)。
決め台詞(というか、彼のお決まりの常套句)
「俺に質問するな」と「振り切るぜ」、そして「絶望がお前のゴールだ」がよく用いられる。
- 「俺に質問するな」
他人から詮索される様な事を好まない為、気に入らない相手の発言を一蹴する場合と信頼を築いた相手からの気遣いに対する「心配するな、聞かれるまでも無い」と言う返事の場合の、二つの意味合いを持った、彼一流の返句。
子供に詰め寄られた場合は流石に「俺に質問…しないでくれるかな?」とマイルドにしていた。
しかし子供からの(本来は大人子供問わずと言うべきだが)質問に答えないのは警察としてどうなんだろうか…。子供達からは謎反応としてウケていたが。
風都探偵の仮面ライダーアクセル初登場シーンではメガネウラ・ドーパントの増殖させたヤゴに対処する最中、フィリップの「そっちは片付いたかい、照井竜」という問いに対して「“片付いたか”···だと?フィリップ、俺につまらん質問をするな(『俺の実力を知っているなら、聞くまでもないだろう?』という意味であろう)」という台詞と共にアクセルの姿で登場し、ファンを沸かせた。
一応フォローすると現実でも無関係な一般人に事件を触れさせない為に緘口令を敷かれたり、凄惨な殺人現場を見せない様に隠す、事件の詳細をやみくもに話さないなど徹底しており上述の様なキツイ言い方をするが照井自身いち刑事であるため、警察官として普通の対応しているに過ぎない。
- 「振り切るぜ!」
何らかの面倒な案件(大概が事件捜査やライダーとしての荒事等)に挑む際の、直ぐに終わらせて過去の物にしてやる、と言う気合をこめた一言。
とどめの決め台詞。ガイアメモリ犯罪に手を染めた者に、決定的な終わりの一撃を見舞った際に叩き付ける。
なお、アクセルトライアル変身時のトドメの台詞は「9秒××。それがお前の絶望までのタイムだ!」。これは、アクセルトライアルのマキシマムドライブに10秒の時間制限があるため。その時間を刻むトライアルメモリのストップウォッチに因んでいる。
照井を象徴する決め台詞ではあるのだが、この台詞を吐いた際は大体仕留め損なっている事でも有名で物語終盤のテラードラゴン戦にて漸くこの台詞での撃破成功になった(ちなみにこれは前述の「絶望までのタイムだ」の登場より大分後の出来事である)。
ちなみに照井が唯一屈した場面では派生形が登場。自主制作映画の監督をし始めた亜樹子にキスシーンを無茶振りされた際のことである。
流石の照井も尻尾を巻いて(と言うより「振り切って」ご丁寧に「絶望が俺のゴールだ…」と呟きシグナルカウントサウンド付きで)逃げ出した。
その後、それすらも「克服した!」とヤケクソ気味に宣いながら事務所に舞い戻り、見事に熱いキスを成し遂げて見せた。
……………………………翔太郎に。
身体能力と精神耐性
第22話のサブタイトル「死なない男」、そして本人もしばしば「俺は死なない」と口にしている通り、戦いでどんなに酷い大怪我を負っても無事に生還する不死身の男でもある。ついた異名が「死亡フラグをへし折る男」。
生身だろうと変身後だろうと必ず生きて生還するので頑強さではどっこいどっこいな一条薫刑事共々話題に上がりやすい。
- 照井の家族を皆殺しにした仇敵……を装った犯人に工事現場に誘い出され、変身前の生身の状態で頭上から鉄骨の束を落とされて大怪我をするも、犯人の前にそのまま駆けつけ、戦闘に参加してドーパントを撃破。
- テラー・ドーパントが召喚したテラードラゴンに噛み砕かれ(しかもこの時はアクセルトライアルに変身していた為、防御力はアクセルより低い状態)瀕死の重傷を負うも、次の回でベッドから這い出してバイクモードとなって戦闘に参加。アクセルタービュラーとなり、リベンジを果たす。
- ユートピア・ドーパントの攻撃を受けて火だるまになり変身解除。そのまましばらく生身のまま焼かれ続け病院送りとなったが、包帯ぐるぐる巻き状態で無事生存。
- オウル・ドーパントの分身体に不意をつかれて腹を触手で刺され、巨大な拳で殴り飛ばされ、建物の(少なくとも五階以上にある)窓を突き破って外の歩道に転落し、血溜まりが出来る程出血しておきながら立ち上がって変身し、一時は苦戦するもさらなる強化形態に変身してオウルを撃破。
- ↑の怪我があるにもかかわらず、トラッシュ・ドーパント事件では凄まじい巨体を誇るブラキオサウルス・ドーパント相手に猛烈なラッシュで奮闘。更には蒼炎群のアジトを壊滅させた後、クラブ・ドーパントの変身者達を確保(この時点で上記による怪我は完治している)。
- そこからしばらく後、以前から付け狙われていたスクリーム・ドーパントとの決戦においてはブースター変身用のアダプターやエンジンブレードの刀身まで破壊され、そこからの追撃で上述のオウルの時以上に手酷く腹に穴を開けられて一度は本当に心停止に至るも、そこからかつての仇敵にあの世から現世に送り返されるという臨死体験を経て復活&再変身(本件についてフィリップは、この臨死体験中にも照井の体は無意識にエンジンブレードの「エレクトリック」で自身に電気ショックをかけており、それが心肺蘇生用のAEDの役割を果たしていたからでは、と考察している)し、スクリームに勝利。
- それでも救急車で緊急搬送が必要なレベルの重傷であることに変わりはないのに、あろうことかスクリーム撃破直後にそのズタボロの体のまま木枯坂のケーキ屋に足を運んで亜樹子に約束していた人気の特製ケーキを購入し、家に帰って亜樹子にプレゼントするまでやりきった流石にそこまでが限界で直後に卒倒し、仰天した亜樹子に救急車を呼ばれたが)。
そのタフネスぶりに、翔太郎は頼もしいと思いながらもツッコミを入れざるを得ず、亜樹子は風都探偵にて「きっと動き回ってた方が早く治るのよウチのダンナは」と諦めた様子を見せている(流石に上記のスクリームとの決着直後の所業にはたまりかねたらしく、照井の病室でつきっきりになり「良くなるまで病院から一歩も出させへん」と血眼になって見張っており、亜樹子が仕事復帰してる155話の時点でも入院している)。
ひょっとしたら彼もまた異能生存体なのかもしれない。この事から一部のファンからは天然NEVERと評される事も。
ちなみにアクセルドライバーを渡されるまでは、切っ先を下にして落とせばアスファルトに突き刺さり、投げつけられたコンクリートの壁が砕けるほど重いエンジンブレードを生身で引きずりながらドーパントに立ち向かっていた。ムチャにも程がある。
そんな戦い方を続けていた経験や、アクセルになるために鍛えていた事もあってか、変身していない生身での戦闘能力もかなり高く(流石に怪人級相手では分が悪いが)、鳴海亜樹子にアクセルドライバーとメモリを没収されていた劇場版『MOVIE大戦CORE』では生身のままでエンジンブレードを振るってプテラノドンヤミーに応戦しており(劇場版『AtoZ/運命のガイアメモリ』ではNEVERのスナイパー・芦原賢相手にもブレードを使って戦っている)、またVシネマ『仮面ライダーアクセル』内でも、コマンダー・ドーパントが作り出した手下のコマンド部隊や、人間のマフィア十数人を一度に相手取り、その全員を(特に後者は徒手空拳のみで)叩きのめす大立ち回りを演じたりもしている。
またシュラウド曰く「ドーパントの精神干渉波による攻撃に先天的な耐性がある体質」らしく、彼女からは恐怖を操るテラー・ドーパントへ対抗できる人材として期待されている。
彼女が彼に執着していた理由もこの為で、実は彼女の本来の計画では、フィリップと共に究極のWを完成させるのは彼の予定だった(その為アクセルの装備は最初からWと互換性がある)。
またこの耐性のためか作中どんな障害や敗北に対しても屈する事は無かった。
ちなみにたまに誤解する人が居るが、彼が耐性を持っているのは「精神干渉波」であってライアー・ドーパントやナイトメア・ドーパントの様な干渉波を伴わない精神操作系の能力やパペティアー・ドーパントの様な物理的に相手を操る能力は普通に通じる。
また、ユートピア・ドーパントの様に精神干渉波は無効化しても攻撃自体は防ぎ切れず、更にそこから物理攻撃で追い打ちを受ける場合もあるので決して万能では無い。
これはデータ化の影響なのかやはり元々の体質なのかは不明だが、同じ耐性を持つフィリップも同様である。
これらの要素ゆえ、本作のファンからは主人公よりも主人公属性があると言われることも。実際、彼の主役回は翔太郎とフィリップよりも主人公感が満載である。
と言うより、上記の通りシュラウドの計画では本来彼がフィリップの相棒として究極のWを完成させるハズだったため、事実として仮面ライダーWの主人公になる筈であった人物である。
死なない男の秘密
以下ネタバレ
後にこの異常とも言える耐久力や身体能力(特に耐久力)のカラクリについて、万灯雪侍の見解という形で判明。
アクセルメモリを使い続けた事で実質的なハイドープとしての能力が身体に蓄積され、生物として加速度的に進化しているという、どこぞの完全生物のような道を進んでいたためであった。この特性が生命の危機に発現し、その危機を脱して生存するための回復能力や危機回避能力として顕著になったことで、死にかけるほどに強くなっている。
まさかのメモリ、ひいては公式による補正であった。
上記の「事実上主人公になるはずだった」点も踏まえると実質的に主人公ではないながらも主人公補正を得ていることになる。
なお、この特性は単純なダメージを負った際に人間離れした速度で回復するだけでなくこれから死ぬであろうことを直前に察知し、回避と心肺蘇生のための予備動作を無意識に実行するという常識離れした事象も含んでおり、本人にはこうした能力や回避行動についての自覚が一切無い。
また、こうして死の淵に立った際に当人は精神世界のなかで地獄に行き井坂深紅郎に治療され地獄から追い返されるというツッコミどころ満載の体験を披露している。
スクリームとの決着をつけたアクセルドライバーの機能で威力を上げた多段マキシマムドライブも普通の仮面ライダーやダブルであれば死に急ぐような技であるためフィリップも照井でなければ出来ないとその不死身性も合わせて呆れている。
これにより、公式に死なない理由が説明されたと同時に、「地獄から出入り禁止されたので死ねない男」というさらなる要素まで増えてしまった。
人間関係
左翔太郎ら鳴海探偵事務所の3人とは、上述のドーパント犯罪への憎悪や、照井からすればそれに比して甘過ぎる事務所のスタンスから当初は馬が合わなかったが、幾つかの事件解決に協力する内に打ち解けていく様になる。コーヒーを淹れるのが得意で、彼らに振舞う事も。
但し、他人を名前で親しく呼ぶ事に照れがあるのか、翔太郎を「左」と苗字で亜樹子のことも「所長」と呼んでいる(フィリップは当時はまだ本名不詳だったのでそのまま「フィリップ)。
鳴海探偵事務所の面々と付き合っていく内に、亜樹子とは劇場版『AtoZ 運命のガイアメモリ』で「一緒に風都タワーへ花火を見に行こう」とデートの約束をする様な仲になり、後のオーズとのコラボ劇場版『MOVIE大戦CORE』で遂に結婚。幸せな家庭を破壊されると言う過去の絶望を振り切り、新たに幸せな家庭を築いて行くと言うゴールインを果たした。
ちなみに亜樹子と結婚してからの夫婦生活でも亜樹子の事は名前で呼ばず、前述の通り一貫して「所長」と呼び続けている。
只この呼び方も、亜樹子に対する愛情が無いと言う訳では無く(寧ろ作中描写を見る限りラブラブ?)、照井なりの彼女に対する愛称である。だが、当の亜樹子は名前で呼んで貰えない事に不満やよそよそしさ的な不安を感じていた様で、これがVシネマ『アクセル』における離婚の危機に繋がって行く事になる。
Vシネマのラストで事件と危機が解消された後でも翔太郎たちに「所長」呼びが元でからかわれ……
照井「所長は、所長だ……」
フィリップ「では僕たちが亜樹ちゃんの事を名前で呼ぶのはどうだろう?」
周囲一同&亜樹子「亜樹子」「ハイ」
「あーきーこ」「はーい」
照井「人の妻を気安く呼ぶなぁ~~っ!?」
と、顔面崩壊しながら狼狽した。
『仮面ライダーチェイサー』に出演した際には、亜樹子との間に娘の春奈が生まれていた事が明らかとなった(亜樹子のことは相変わらず「所長」呼び)。娘にはかなり甘い様で、電話越しに話していた際には普段の堅物っぷりからは想像も出来ない様なデレっぷりを披露している。
また、「風都探偵」で存在が明かされた上述の超常犯罪捜査課の支援部署・特殊研(通称:G研)では、4人の女性が主要メンバーとして活動しているのだが、その全員がドーパント犯罪の被害者・犠牲者であり、照井が警察官として(また、仮面ライダーアクセルとしても)救い、手を差し伸べてきた人物であるため、(照井がアクセルの変身者ということまでは知らないが)全員が照井の事を強く慕っており、この件でG研のことを知った亜樹子が、上述のVシネ「アクセル」事件以来の夫への不安と嫉妬を燃やす一幕もあった(さすがに照井も先の離婚騒ぎの教訓もあってか、このとき即座に亜樹子への愛情を示しフォローしている)。
「風都探偵」から登場したときめとは、最初は「T字路の魔女」騒動に絡む人食い殺人事件の参考人および便乗犯(殺人事件の犯人ドーパントではなかったが、そのドーパントの行動に便乗し「T字路の魔女」として追い剥ぎ・ひったくりを行っていた)として彼女が風都警察署に出頭したところから超常犯罪捜査課の事件捜査責任者として関わり合いになり、ときめがメモリ犯罪関係者かつ記憶喪失・素性不明という事情を鑑みて、妻の亜樹子が所長を務めている探偵事務所での保護観察処置を決定。
その後発生した風祭メグの殺害予告・襲撃事件の捜査現場で実際に顔を合わせ、さらに後の錐通村で起きた鏡野家邸宅内殺人事件においては、実際に照井がアクセルに変身して戦うところまで見ることとなり、警察官としても亜樹子の夫としても事務所およびWと共闘する仲間としても、その実力と手腕からときめにも信頼を置かれている(ときめからの呼称は、所長である亜樹子の夫だからか「旦那さん」)。
クロスオーバー作品では本編では故人であるスカル(鳴海荘吉本人)と対面する機会が多く、『超クライマックスヒーローズ』や『ライダーレボリューション』では狼狽する様子が見られた。
流石にお義父さん相手では照井も敬語になるらしい。
正統続編『風都探偵』での活躍
記念すべき第1章『tに気をつけろ』のラストで登場。とある人物がメモリを刺す寸前で腕を掴み阻止。荒れ狂う犯人を鋭い視線で黙らせた。
「だ、誰だぁ!?」
「俺に質問するな」
続いて『最悪のm』でも登場。(アニメでは上記シーンはカットされてるのでここが初登場)
風祭メグの護衛と犯人の逮捕に奔走し、サプリで強化されたメガネウラ・ドーパントの作り出した大量のヤゴ軍団を一人でほぼ全て駆除していた。
『閉ざされたk』では遭難した先の屋敷でガイアメモリ犯罪に出くわした二人の増援として亜希子とときめ共々登場。バイクフォームの初お披露目と長い因縁の相手となるスクリーム・ドーパントとの初会合にもなった。
ヒデヨシ
「天下分け目の戦国MOVIE大合戦」では照井のそっくりさんとして武将「ヒデヨシ」が登場。大阪辺りを支配しているらしい。軍配には「俺に質問するな」と書かれている。
武神Wを倒した武神鎧武にエンジンブレードで斬り掛かったが、亜樹子のそっくりさん「チャチャ」にスリッパならぬ草履で止められた。
何所の世界でも照井は照井である。
何の因果か、ヒデヨシとチャチャを演じた役者は関西地方の生まれである(更に言うとチャチャの元ネタも大阪生まれなので、そこから大阪辺りを支配している設定になったのだと思われる。また、現実でも豊臣家と縁の深いエリアだったりする)。
後輩との共演
『ドライブ』以降は『W』からの客演率は照井が非常に高く、下手をすればWよりも出番に恵まれている(警察かつ超常犯罪に対処する部署の人間である為、必然的に遭遇しやすいということなのだろうか……。メタ的にはW役の2人が売れっ子ということもあって多忙であるからという理由もあるが……)
2016年4月20日(水)より発売中の『仮面ライダードライブ』のVシネマ作品、『ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー』に出演。こちらの作品でも風都署超常犯罪捜査課の刑事として登場する。
劇中では、ロイミュード051のコピー元と見られる人物の死体が東京都と風都との境目で倒れていたことから本庁と捜査権の取り合いになり、進ノ介と剛と出会う。
そして死体の正体であるロイミュード077の変身した、ビースト・ドーパントとの戦いで進ノ介たちと共闘した(奇しくも、『W』本編で勝てなかったビースト・ドーパントへのリベンジを成功させている)。
なお、『W』から『ドライブ』までの間も続けていたたゆまぬ鍛錬の賜物か、W本編中においては生身だと「地面に引きずるか両手で抱えなければ保持できなかった」重量武器であるエンジンブレードを「片手で柄を握り、刃を上に向けて保持する」と言う生身でのパワーアップぶりを披露していた。
『仮面ライダードライブ』及び同作の主役ライダーとは脚本家が同じ・仮面ライダーの変身者が刑事・変身するライダーのメインカラーが赤・乗り物(バイク/車)がモチーフなど共通点が多く、今回の共演はこれらの理由による物と思われる。
因みにドライブの変身者である泊進之介とは上記に加えて、メインヒロインと結婚し後日談で子宝に恵まれている繋がりもある。
また、同じく共演した詩島剛/仮面ライダーマッハとはバイクがモチーフの2号ライダー、大切な人を亡くした過去を持つ、当初は憎しみを抱いて戦っていた繋がりがある。
所属する部署が「通常の警察の捜査セクションでは対応出来ない超常的な犯罪・事件への対応部署」と言う共通点もあるが、特状課の設立は2014年度初頭のグローバルフリーズ発生以降であり、稼働開始が2010年である超常犯罪捜査課には数年及ばない。
照井が「超常的な犯罪・事件への対応部署」を新設する事を認めさせ本庁から責任者として出向して来たと言う背景を考えると、特状課設立が認められた背景には成果を挙げている前例の存在もあったのではないかと推測される。
また、ロイミュードの離反が2000年に発生していた事を考えると、超常犯罪捜査課の設立承認には利害が一致していた同階級の本願寺純の後押しがあった可能性も考えられる。
但しこれはあくまでもドライブの世界の話であって、仮面ライダージオウでも改めて明言されているが、平成二期のライダーも世界観は基本的にバラバラで完全に同一では無い。あくまでも「ドライブの世界における可能性」の話である。
階級が階級(この若さで、進ノ介ら特状課のボスである本願寺課長とタメである)だったためか、進ノ介からは「下手な事をしたら自分の出世に響く」と終始恐縮されており、剛が照井に馴れ馴れしいタメ口をきいた際には、その無礼を進ノ介から大慌てで侘びられていた。
尚、進ノ介も一度だけ照井の事を「福井警視」と名前を呼び間違えており、本人から即座に「照井です」と訂正されている(進ノ介役の竹内氏が素で呼び間違えたらしい)。
平成ライダーシリーズ20作品目となる仮面ライダージオウのVシネマ『ゲイツ、マジェスティ』にも登場。ジオウの物語において、Wは本編より本編外の方が客演したキャストが多い事になる。また、これを受けて所長役の山本ひかる氏がTwitterで反応している。
劇中ではオーラの父親が知り合いだと言う警視総監のツテで、柔道大会で怪我を負い選手生命を絶たれていた明光院ゲイツと対面。かつては復讐のために動いていたが、そんな自分を仲間が変えてくれたと言う自身の過去をゲイツに語り、その上で「生きる上で大事なのは何になるかでは無く、自分が人に何を出来るかだ」、「君は人に何がしたいんだ?」と問いかけた。
その後、カッシーンに攫われた常磐ソウゴがいる廃工場までゲイツをバイクで連れて行き、自身はアクセルに変身してカッシーンと対決。途中でカッシーンが2体に増えた事で苦戦するが、戦う覚悟を決めて再びライダーに変身したゲイツと共闘し、彼とのダブルライダーキックで見事カッシーン達を撃破したのだった。
これまでと同様に風都署超常犯罪捜査課の刑事として登場。
ジョージ・狩崎と接触し、デッドマンでは無い怪人に変身する事のできる謎の黒いバイスタンプの情報を与える。
更に沢芽市の凰蓮・ピエール・アルフォンゾや城乃内秀保とも、本作の事件を捜査する中で接触している(凰蓮が「久しぶり」と言っていた事から、それ以前に何らかの事件で既に邂逅している可能性もある(現に鳳蓮の得意分野の記憶を持つ怪物も彼が住む街には存在するため可能性は低くはない)。
終盤では事件の黒幕と対峙する五十嵐一輝たちと共闘している。
また、黒幕に対して復讐に囚われた過去の自分の経験を踏まえた
「復讐は悪魔と同じだ!心を支配し誰かを傷つけ、憎しみを生み出す!」
と説得する場面も。
またリバイスがイーグルゲノムにゲノムチェンジした際には、
「本当に悪魔と相乗りするライダーか!」と感慨深そうに見ていた。事件が終わった後はしあわせ湯で一風呂浴びて風都に帰還した。
そしてスピンオフ第2弾ガールズリミックスでは、妻の亜樹子が一輝の妹である五十嵐さくらと共演。さくらから「一輝兄がお世話になりました」と礼を言われた。
なお、レジェンドライダーが戦った怪人のうち、オルフェノクやファンガイアについてはジョージ・狩崎から話を聞くまでは全く認知していなかった。
余談
- よく酢昆布がネタにされるが、これはライアー・ドーパントとの戦いで、ライアーの能力で暗示にかけられメモリブレイクしたと思ってガイアメモリを回収したつもりが酢昆布だった為。
- 公式解体新書によると、台本段階では空き缶の破片だったという。
- 死なないことに定評のある照井だが、彼が乗るバイクのナンバープレートも4771(死なない)だったりする。
- ちなみに、このバイクは石森プロの田嶋秀樹氏の私物であるらしい。
- 彼の性格について、初期では今に近い性格と後の泊進ノ介に近い性格の二つの案があった。そのため、MOVIE大戦2010では後者の名残があったと言う。
- 照井と入れ替わりに退場した霧彦の強い人気については演者である木ノ本氏の耳にも届いており、両者の風都に対する価値観が対照的なのもあって相当なプレッシャーがあったらしい。しかし照井もまた霧彦に勝るとも劣らない程の人気を見事獲得してみせたのは周知の通りである。
- また、木ノ本氏はエンジンブレードがフロップの時点でかなり重かったため、片手で持てるようになるためにかなり鍛えたと語っている(風都探偵3巻巻末インタビューより)。
所持メモリおよびガジェット
- アクセルメモリ
- トライアルメモリ
- エンジンメモリ&エンジンブレード
- ビートルフォン
- ガイアメモリ強化アダプター(Vシネ『アクセル』終了後)→スクリーム・ドーパント戦にて破損(その後フィリップに修理を頼んだかは現時点では不明)
- ガンナーA(ガジェットというより大型サポートメカだが便宜上記載)
関連イラスト
関連タグ
てりやき:彼の妻になる鳴海亜樹子とのカップリングタグ。
照綾:超常犯罪捜査課の同僚だった九条綾とのカップリングorコンビタグ。
2号ライダー変身者