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概要
- 登場回: 第1話「ライダー3号 その名はV3!」、第50話「小さな友情」(回想シーン)
- 演: 関口英利子
- 年齢(後述)、その他の人物設定: 不明(おそらく未設定)
テレビ本編での登場
本人の登場シーン
- 第1話、風見志郎が改造手術を受ける前の実家でのシーンで、両親とともに登場。
- いたずら好きの性格らしく、コーヒーを飲もうとする兄・志郎を後ろからおどかし、カップを落とした志郎からお目玉をくらうが、そのコーヒーには目撃者・志郎の口を封じるべくデストロンの工作員によって猛毒が盛られており、結果として兄の命を救っている。
- その後、やはりデストロンの行動を目撃して命を狙われた珠純子を志郎が自宅にかくまったことが仇となり、刺客として風見宅に送り込まれた怪人ハサミジャガーにより、まきぞえを食う形で両親ともども志郎の眼前で斬殺される。家族を皆殺しにされ、復讐の鬼となる事を誓った志郎は、その場で1号・2号ライダーに改造手術を懇願するが、ダブルライダーはいったんその申し出を断る(その後V3誕生までの経緯は風見志郎の記事参照)。
- 殺される直前のシーンでは純子を志郎の彼女だと早合点したり、志郎が純子を助けた話に「ロマンチック!」とはしゃいだりと、短い登場時間ながら、陽性でやや能天気ともいえるキャラの肉付けがされている。
- 50話(吸血カメレオンの回)、孤児院の少年・健一にハーモニカを吹いて聞かせる場面で、志郎が雪子のためにハーモニカを吹く回想シーンに登場。志郎が吹いた「埴生の宿」は、彼にとって妹との思い出の曲でもあった。デストロンとの戦いに身を投じて以来久しぶりに、志郎の頬を人間らしい熱い涙が伝う。
- (音源・映像はV3劇中のものとは別)
服装
- 1話ではセミロングの髪をヘアピンで留め、白の丸首シャツ、白いボタンのついた紺色のスカート、黄色のカーディガンといういでたちで登場。50話では赤のブラウスにチェック柄のジャンパースカート姿。
- pixivに投稿されるイラストの大半は、両者のうち、いわば死装束ともいうべき1話の服装をベースに彼女を描いている。
あいまいな年齢設定
- 本編中で雪子の年齢、学年等への明確な言及はない。また演ずる関口英利子についての情報も乏しく、放送当時の彼女の実年齢も不明である。
- 本編映像を見る限り、珠純子(演ずる小野ひずるは放送当時満18歳)より年下で、4話から登場する珠シゲル(同じく川口英樹が満12歳)より年かさとみられるので、中学生(13~15歳)くらいの年齢設定・実年齢と思われる。
- 50話の回想シーンでは志郎(設定年齢1950年生まれの23歳)が学生服姿で登場、これを「志郎の高校生時代」という演出と解釈すれば、この場面は第1話から5年ほどさかのぼるが、だとすれば8~10歳くらいのはずの雪子を引き続き関口が演じている(しかも1話撮影時から1年近く経過して、むしろ若干大人びたようにも見える)ため、彼女の年齢についてのイメージを混乱させる結果になっている。
- pixivの投稿でも彼女の年齢的なイメージについては一致せず、基本、投稿者の解釈・好みに任されていると言ってよい。全体として、ドラマの演者である関口より低年齢の描写(別の言い方をすれば、兄・志郎からみたイメージ・心象風景としての「妹」)が多くを占めているようである。
本人登場シーン以外
- 上述の本人登場シーン以外にも、例えば38話(バショウガンの回)のラスト、デストロンの魔手から無事生還し再会を喜ぶ姉と弟を見守る志郎の独白で、両親とともにその名が呼ばれるなど、雪子は主人公風見志郎の、ヒーローとしての孤独さ・悲劇性を思い起こさせる存在としてしばしば言及される。
- そしてV3のオープニングテーマ曲では、「父」「母」とともに「妹」が歌われる(フルコーラスでは3回リフレインする)。その意味では、雪子は番組に毎回登場し、視聴者の子供たちは、無意識にせよ毎回彼女の存在(と喪失)を再確認していたと言える。
テレビ本編と同時期のコミカライズ作品
本放送と同時並行的にすがやみつるが手がけた2本のコミカライズ作品(テレビマガジン版と冒険王版)では、風見志郎の「妹」が各1カットのみ登場する。
テレビマガジン版
- ゲルショッカー壊滅・ブラック将軍=ヒルカメレオンvsダブルライダー直接対決と並行して描かれたV3第1話で、デストロンの大攻勢によって、風見宅を含む東京の街が破壊された場面(大地震あるいは空襲に見舞われたような風景)に、志郎の両親が犠牲者(遺体)として描かれる(この時点で「妹」の描写・言及はない)。
- その後V3がシーラカンスキッドを倒した後ライダーマンと和解し、ともにデストロンと戦うことを誓って終わる回で、ライダーマンを説得するV3の回想カット(家族団らんのシーン)に「妹」が初めて(というより唯一)描かれる。なおテレビマガジン版の「V3」はこの回がラストで、次号から「X」の連載が始まった。
- このカットでの志郎の「妹」は、ツインテールの髪型でオーバーオールを着た、小学生くらいの女の子に描かれている(イメージ的には鋼鉄ジーグの司馬まゆみに近い感じ)。
冒険王版
- 前作のショッカーライダーの回で、志郎の父(生化学者という設定)がゲルショッカーとは別の謎の組織・正体不明の怪人に殺されるという形で、志郎とデストロンがプレ登場する。なおこの怪人は「V3」第1話でハサミジャガーと判明するが、この回の執筆時点ではデストロン怪人について未設定であったのか、姿を特定できないシルエットでの登場である。
- 続くゲルショッカー壊滅の回のラストカットで、ゲルショッカー本部のスクリーンに炎に包まれる東京の街が映し出され、次回「V3」の第1話冒頭に直結する。
- 第1話で、テレビマガジン版と同様の状況のもと、風見宅の跡地に志郎の母と妹(志郎からは「アキコ」と呼ばれる)が、黒焦げの焼死体となって横たわる光景が描かれる。
- ちなみにこの直後に初登場する珠純子・シゲル姉弟は風見一家と以前からの知己(ご近所?)であったような描写で、自分たちは親せきの家に遊びに行って難を逃れたが、両親は殺されたと純子が語る。
仮面ライダーSPIRITSでの登場
- 上述のように風見志郎=V3の生きざまにかかわるキャラとはいえ、やはり本編での登場シーンが極めて限られていた雪子の存在感は、昭和ライダーシリーズのサブキャラの中でもことのほか希薄で、テレビ本編の放送終了後、長らく事実上忘れられた存在であった事は否めない。
- そうした中、村枝賢一の漫画『仮面ライダーSPIRITS』において、エジプトでタカロイドと対決するV3の意識下に、両親とともに雪子が登場する。本放送時から四半世紀ぶりに雪子を可視化した村枝の功績は大きく、現在のpixivでの雪子関連の投稿の大半は、この『SPIRITS』での登場カットにインスパイアされたものと言ってよい。
- 佐久間ケンや沼田五郎など、他の多くの昭和ライダーサブキャラと同様、雪子についても村枝はその「中興の祖」といえる。
オマージュキャラ
- 映画『仮面ライダーTHENEXT』はテレビ本編とは別個の世界観で、風見志郎についての設定も大きく異なるが、同作品にも、「ちはる」という志郎の妹がキーパーソンとして登場する。
- 彼ら兄妹にとって運命のターニングポイントである、ナノロボットによる改造人間製造を指揮したのは、これまたハサミジャガーのリメイク怪人であるシザーズジャガー(演:田口トモロヲ)であり、その悲劇的な結末も含め、ちはるは雪子のオマージュキャラとみていいだろう。
昭和ヒーローの妹キャラ一覧
*作品・番組名(通称)の五十音順。
*他ジャンルの妹キャラについては妹の記事を参照。
- 梅田カオル(ウルトラマンレオ) *主人公おおとりゲンではなく、梅田トオル少年の妹。番組終盤、雪子に劣らぬ悲劇的な運命に見舞われる。
- 秋月杏子(仮面ライダーBLACK) *シャドームーンこと秋月信彦の妹。主人公南光太郎とも兄妹同様に育つ。
- グレース・マリア・フリード(グレンダイザー )
- 司馬まゆみ(鋼鉄ジーグ)
- アミア(ザ☆ウルトラマン) 兄・ジョーニアスと一体化した地球人・ヒカリ超一郎に恋心をいだくややこしい人。
- 春日ひとみ、はるか(シルバー仮面) 長女ひとみはすでに成人しており、ジャイアント編では津山博士の娘の母親代わりにもなる。次女(末っ子)はるかは、ジャイアント編に入る前にフェードアウト的に降板。
- 早瀬ユリ/オレンジファイター(トリプルファイター)
- アイリ(北斗の拳) *レイの妹。
- 防人蛍/ゾーンエンジェル(流星人間ゾーン) 防人明/ゾーンジュニアにとっては姉。
- ヤマトみゆき(レインボーマン) 雪子同様、兄・ヤマトタケシがヒーローとなる動機付けに関わる存在だが、こちらは最終回で大願成就・ハッピーエンドを迎える(もちろん本人も無事)。