「どうだ?自分が操り人形になった気分は。」
データ
概要
病で妻の千恵に先立たれた小説家・堀之内慶應がパペティアーのガイアメモリを顎に挿して変身したドーパント。
白いスーツに黒いズボンという道化師のような身体と悪魔のような黒い頭部を持ち、地味ながらも妙に存在感のある姿が特徴。
メモリが「人形遣いの記憶」であるため大した攻撃手段を持っていないが、恐ろしいのはその特殊能力。両手から放つ糸を使って人形を自在に操るほか、糸で捕縛した人間やドーパント、仮面ライダーの意識を奪い、文字通り「操り人形」にしてしまう。このコントロール能力を解除するには操られた本人、あるいはパペティアー本体にダメージを与える他ない。
一応、銀色のクラリネットから怪音波を放つことも可能だが、相手の動きを止める程度のため本領はあくまでも他者を操ることである。
動機
今は亡き娘との思い出を基に執筆した小説「少女と人形の家」を酷評して娘への愛情を否定した評論家たちへの復讐。小説自体は文学賞を贈られ、サイン会が開かれるほどの人気作なのだが一部の人間には「娘との思い出を面白半分にしている=娘を愛していない」と捉えられてしまったらしく、変身者自身が「身勝手な理屈を並べる奴らに愛娘との思い出を汚された」と憤慨したことで彼らを襲撃した。
ガイアメモリによる毒素もあり、一度娘を侮辱した相手は決して許さず徹底的に追い詰めるなど娘への愛情が暴走した状態になってしまっている。その一方で照井竜の挑発に乗らず冷静に対応する一面も見せていた。
活躍
劇中では当初、フランス人形の「リコちゃん」(CVは里香子役の澤田萌音氏が兼任)を操り、酷評した評論家たちを襲撃していた。
事前にリコと名乗る少女が鳴海亜樹子の前に現れていたため、当初は堀之内の娘・里香子がドーパントの本体と誤解されていたのだが、後に里香子は交通事故で亡くなっていたことが判明する。「リコちゃん」は里香子の残した形見だったのだ。
普段のリコちゃんは可愛らしい顔つきだが、操られた際には口が耳まで裂けた悍ましい形相に変形。サバイバルナイフを手にして敵に襲い掛かる。動きが素早く、サイクロンジョーカーの蹴りをいなしたり、サイクロントリガーからトリガーマグナムを奪って発砲するなど、トリッキーな芸当も可能。仮面ライダーアクセルのアクセルグランツァーを食らったものの、破壊されないほどの耐久性をも備えている。
物陰からリコちゃんを操っていた堀之内はルナトリガーの攻撃で炙り出され、リコちゃんも亜樹子に回収されてしまうが、井坂深紅郎の助けでその場を離脱。口論の際に「あんた自分の娘を愛してないんでしょう!?」と非難した亜樹子を抹殺すべく、井坂から手駒として与えられたクレイドール・ドーパントを操って鳴海探偵事務所を襲撃した。
所内にいたフィリップを追い詰めたものの、ガンナーAの乱入でクレイドール・ドーパントがダメージを受けて意識を取り戻してしまった為、次は亜樹子を直接襲撃。助けに現れた仮面ライダーダブル、アクセルと交戦する。
アクセルを糸で操り、その能力を完全に引き出してダブルを追い詰めたものの、メモリガジェット「フロッグポッド」の音声で騙された隙に反撃を受け、アクセルのコントロールを解除されてしまう。そのままサイクロンメタルのメタルツイスターによりメモリブレイクされた。
変身解除された堀之内は、妻も娘も亡くして全てを失った事を吐露するが、亜樹子から「まだ『リコちゃん』がいる」と諭される。劇中で亜樹子の前に現れていた少女は里香子本人ではなく、パペティアーメモリが人形に影響を及ぼして現れた幻影、或いはリコちゃんの付喪神とでもいうべき存在であり、彼女はずっと堀之内を止めようとしていたのだ。
その言葉を聞いた堀之内はようやく狂気から解き放たれ、慟哭した。
備考
スーツは白いスーツを着たアクターが手袋と頭部を着けただけという簡素な物。類似の低予算怪人マスカレイド・ドーパントのスーツは変身前に着ていた衣服が残ったものという設定だが、パペティアーの白スーツはドーパント体の一部であり変身前後で服装が丸ごと変わる。
W劇場版第2作「運命のガイアメモリ」にもT2パペティアーメモリとしてメモリのみ登場。
人形の声は後に仮面ライダーOOOのキヨちゃんの声に流用された。
ロストヒーローズ2ではハザード・キューブでザコ敵として登場する。前作では登場しなかったがライアー・ドーパントやユートピア・ドーパントも並びに今作に初登場した。(後者はボスキャラ)