「潔く取り立てを受けろ!きっちりとな…!」
データ
概要
違法カジノ『ミリオンコロッセオ』のオーナーで自らもギャンブラーの加賀泰造が、須藤霧彦から購入したマネーメモリを首の後ろに挿して変身したドーパント。
自分と1対1のギャンブルをして、全財産を失ってもなお勝負を渇望する者には、命を担保としたファイナルゲームを持ち掛ける。それにも敗れた場合は、相手の体に端子が付いたコインを挿し、生命を吸い取ってしまう(吸い取られた人間の体は顔色が悪くなった状態で残され、コインには犠牲者の名前が刻まれる)。コインは腹部に貯める事ができ、その状態でメモリブレイクされると生命を吸われた人間は死んでしまうらしい。
客の一人である村雨吾郎(演:亀山助清)に対しては敗北後、取り立てまで3日間の猶予を与えており、生命を吸うタイミングはまちまちである。
能力は厄介だが自身の戦闘力は低く、コインを模した光弾を手から発射できるものの威力はあまり高くない。
しかしマネーメモリは市販メモリの中でもかなり高額らしく、仮面ライダーWとの交戦中、アフターサービスとしてナスカ・ドーパントに助けられている。人間の生命力を吸収する特殊な能力ゆえだろうか。
村雨宅や闇バスの上にいつの間にか現れたりと見かけに反して神出鬼没な存在でもある。
「風花饅頭」で有名な『和泉和菓子店』の一人娘である和泉優子(演:妹尾友里江)の調査にやって来た鳴海探偵事務所一行のギャンブル対決ではWの持つ6本のメモリと犠牲者のライフコインを掛け、高い洞察力やフィリップのトラウマを突くことで逆転に持ち込む。ゲームが成立しなくなったために代打を申し出た翔太郎の提案でババ抜き対決へ変更。亜樹子の檄で正気を取り戻したフィリップ(事前にあらゆるギャンブルの必勝法を検索済み)がダブルドライバーから翔太郎にアドバイスを送ったために敗北。
ライフコインを全て奪われると、仮面ライダーWの変身コンボの前に打ちのめされ、フィリップのトラウマを再び刺激しようとするも不発に終わり、最期はヒートメタルの「メタルブランディング」を食らってメモリブレイクされた。硬貨の怪人なだけに熱には弱かったということだろうか。
皮肉にも、最後のセリフは「まだだ…次こそ自分にツキが来る…はず…」というこれまでギャンブルに落ちぶれた者の遠吠えと同じものであった。なお、加賀は翔太郎によって警察に突き出された模様。
風都探偵第4巻にて、直接は登場してはいないが亜希子の回想で一コマだけ出演。
倒すことが出来れば奪われた生命力が持ち主に戻るパズル・ドーパントとの比較に、"倒しても生命力が持ち主に戻らない厄介な奴"として挙げられた。
なお、この戦いは市民に目撃されることとなり、風都市を守るヒーロー『仮面ライダー』の都市伝説が誕生するのであった。
外見
全身黄金の体色で、太鼓腹が特徴。コインを腹部に貯めると太鼓腹が大きくなる。文字通り私腹を肥やすとはこのことか。全身の丸い部分には硬貨を意識してか数字が書かれている。
ちなみに、指は3本指である。
ミリオンコロッセオ
風都市内のどこかのトンネルにある違法カジノで街の都市伝説になっていた。『天国のカジノ』の異名を取る。
希望者を風都ターミナル行きの路線バスに偽装した闇バスに乗せて送迎する。客はお互いの素性を隠す為なのかアイマスクをするのが特徴で、追跡しようとすれば周囲の車両を御構い無しに事故を誘発させる(従業員は逆に口を黒いマスクで覆っている)。
一度このカジノにハマってしまえば、動機が家族のためであれ、やがては金の亡者と化してしまう(こればかりはメモリの能力ではなく、単なるギャンブル中毒なのが恐ろしいところである)。しかも、名前ありのゲストは加賀と勝負するまではウハウハだったというのだから、やめようにもなかなかやめられない構造になってるのがわかる。
なお、第3・4話を見る限りでは加賀はイカサマを使用しておらず、ルーレットでは球の回転速度から番号を弾き出したり、ババ抜きでは高い人間観察力を発揮して札を引き当てるなどほぼ純粋な実力でこのカジノの頂点に立っている。しかも、負け犬の顔を見るのが楽しみでギャンブルをやっているというのだからタチが悪い。
備考
声と人間態は我修院達也氏が演じた。
後に仮面ライダーOOO第3・4話にも風貌が似たような怪人が登場している。
また、我修院氏はウルトラQ_darkfantasy第22話にもゲスト出演しており、加賀とは対照的な金銭に対する欲のない父親を演じている(この考えは次回作の主人公と似ており、なんと募金を皮肉ったネタも被っていたりする)。また、この話には金銭に関連した怪獣が登場している。
我修院氏はジブリ映画の声優としても知られているが、そのうち『千と千尋の神隠し』で演じた青蛙も金目の物に目が眩んだ結果大変な目にあっている。ただしこちらはその後改心している。
余談
『MOVIE大戦アルティメイタム』ではアンダーワールドの怪人として登場。最後は奇遇にも円盤(メダル)を射出するライダーである仮面ライダーバースのセルバーストを受け、ビースト・ドーパントやクワガタヤミーとともに爆発四散した。
なお、ライフコインは『仮面ライダーW DXサウンド カプセルガイアメモリEX ガイアメモリコンプリートセレクション LIGHT&DARKNESS OF 風都』にて玩具化された。
また、このドーパントはお金の記憶を持っているわけだが、通貨の偽造などのこの手の怪人にありそうな能力は持っていなかった。
マネーメモリに限った話ではないが、ガイアメモリのガイアウィスパー(システムボイス)担当の立木文彦氏は当時「泰三」という名前のキャラを演じている。と言っても読みが同じだけだが。