概要
一般的に「フランス人形」とは、主にヨーロッパ風の衣装をつけた西洋人形のことを指し、あまり厳密に定義されているものではない。
収集家や研究者は専ら、19世紀半ば以降の頭部が陶磁器で作られたビスクドールのことだけをフランス人形と称している。
14世紀初期にパリの衣装店が王家貴族の女性のために考案した衣装を着せた人形が発達し、18世紀には当時の流行衣装をつけたファッションドールとしてヨーロッパ各国に伝わっていったといわれている。いわゆるマネキンのようなものである。19世紀半ば以降には人形の頭を磁器でつくった幼女形のビスクドールが製作されるようになり、ヨーロッパの代表的人形であるフランス人形として世界に広がっていったのである。日本には明治以降に輸入されるようになり、舶来人形と呼ばれていた。