概要
『仮面ライダーW』は"風都"という架空の町を舞台としている。
鳴海探偵事務所は町中に名の知れた存在であり、次々に依頼が舞い込んでくる。
特にドーパント絡みの事件は、本編第19話まで警察に対策部署がなかったこともあり、駆け込み寺となっていた模様。
超常犯罪対策課が出来て以降は、照井が調査の依頼を兼ねて来訪する事が多くなった為、関わる頻度も増えた。
主人公である二人の探偵・左翔太郎とフィリップが所属している、物語の中心地である。
所在地は「風都風花町一丁目二番地二号『かもめビリヤード場』二階」。
建物として探偵事務所とビリヤード場どちらがメインなのかは明らかにされてないが、秘密ガレージ等の存在を鑑みると建物自体は鳴海家のものであり(本編1話で見せた権利書の範囲によるが)、そこにガレージを増設したと考えるのが納得しやすい。(ニチアサ30分前枠の中小企業のように家賃取り立てシーンがないのとリボルギャリー等の大規模な装置を駆動させてもクレーム等が来ていないことが根拠)
ビリヤード場のほうは昔からのテナントか壮吉時代からの副業のどちらかと考察される。
翔太郎とフィリップの住居でもあり、所長である亜樹子は宿暮らしの後、照井と住む事になった風都市内の自宅から出勤している模様。
翔太郎は事務所とは別にアパートを借りているのだが、事務所での寝泊りが常態化してしまっている為ほとんど帰っておらず、もう彼にとっては事務所のほうが実質的に家のようなものである。
その為そちらは、後に加入した新人助手へなし崩し的に貸す事となった。
一見古びた建物だが、地下には大型装甲車"リボルギャリー"を格納できるほどの秘密ガレージがある。
続編である『風都探偵』では、風都のとある廃線にこの秘密ガレージへの通路がある事が判明しており、リボルギャリーが地上に出るための手段であることが間接的に明かされた。
これだけの規模の施設を維持するだけでも相当な費用がかかると深読みできるが、先代が長期休業した時期や現在のメンバーが生活に困っている描写がないため資金面もどうにかなっているようである。大半は先代の協力者からの引き継ぎと推測は容易だが、後々にとんでもないクラスの遺産をとある筋から相続する可能性がある人物がいるため、この先も心配はなさそうである。
主要メンバー
各々の詳細は、下記の歴史の欄を参照。
レギュラー
- 左翔太郎:主人公の自称ハードボイルド探偵。主に情報集めや行動役を担う。ダブルのボディサイド。
- フィリップ:翔太郎の相棒で主人公。地球の本棚による検索など、頭脳面のサポートをする。ダブルのソウルサイド。
- 鳴海亜樹子(照井亜樹子):事実上の所長。事務所を切り盛りする。後に照井の妻になったため戸籍的には照井性だが、仕事上は鳴海性で通している。
ビギンズナイト関連
風都探偵
- ときめ:記憶喪失の謎多き女で、保護観察も兼ねて探偵助手をすることになった。破損したガイアメモリを持つ。
協力者
- 照井竜:警察の超常犯罪対策課に属する刑事で、事務所とは協力関係。アクセルに変身。また、亜樹子の夫でもある。
- 風都イレギュラーズ:情報収集をするときに頼りになる、翔太郎の友人たち。全員個性豊かで様々な人物がいる。
- ミック:かつて園咲家の飼い猫だったが、今は事務所で保護という形で飼われている。たまに帰ってくる。
歴史
以下、ある程度のネタバレを含みます
開所当初
その活動スタイルは、荘吉が事件の現場調査や聞き込みなどで外部を歩き回る足での捜査担当、マツこと松井が図書館などで事件に関連のありそうな過去の資料を総当りにして情報を集める頭脳労働担当と、(意図的にその活動スタイルをWが形を変えて模倣したかは不明だが)奇しくも事務所の後継者である翔太郎&フィリップと似た形となっており、後年にその頃の光景を見ることとなった亜樹子もそれを認めている。
事務所を構えたのが園咲家のお膝元である風都ということもあり、ミュージアム絡みの事件にも何度となく関わっていた。
その件で荘吉は(松井の知らないところで)自分の幼馴染でもあるシュラウドとも協力体制を築いており、荘吉が使っていたスタッグフォンをはじめとするメモリガジェットの類や、ハードボイルダー&リボルギャリーの前身であるスカルボイルダー&スカルギャリーなどの提供も彼女からであった。
そしてある日、亜樹子に似た印象を持つ、風都の歌姫と名高い少女メリッサから、ストーカー被害解決の依頼を受け……。
荘吉はシュラウドからスカルメモリとロストドライバーを提供され、仮面ライダースカルとして9年間人知れずドーパントの脅威と戦い続けていく事になる。
ビギンズナイトまで
上述の事件で相棒のマツや仲間達を失い、一時は本気で探偵業を辞めようとまでしていた荘吉(妻子の元へ帰る事も、ある事情により無理だった)。
だが、彼に憧れ弟子入りを熱望してきた少年・左翔太郎と出会った一連の事件によって、再び探偵の道を歩く事を決意。
その後も自身を慕い続ける翔太郎に根負けし、彼の高校卒業を機に、弟子として事務所で働かせ面倒を見るようになる。
荘吉の活躍もあり、町中から厚い信頼を得ていた。
その名声は、当時から一年以上は経過している本編中でも、荘吉を頼りに来た市民が登場するほど。
だが、本編第1話から一年前に舞い込んだ"ビギンズナイト"の事件により、荘吉は命を落とす。
ビギンズナイトから第1話まで
所員は左翔太郎と、"ビギンズナイト"で出会い、その事件を機に翔太郎と二人で仮面ライダーWに変身する力を手に入れた記憶喪失の少年・フィリップの二人組。
鳴海荘吉は不在だが、翔太郎がまだ未熟なこともあり、事務所の象徴として「鳴海」の看板を掲げている。
だがこの頃の二人は、荘吉を失ったばかりで後継者としての焦りもあり未熟だった翔太郎と、記憶喪失かつ組織に飼い殺しにされていた事もあって人付き合いや他者への共感・同調性がまるで育っていなかったフィリップという状態であったため、あまりうまくいっておらず、一時期はコンビ解消まで至ったこともあった。
また、翔太郎がハードボイルドぶって依頼を選り好みしすぎていたため、事務所の経営は逼迫していた。
そしてそのほぼ一年後、鳴海亜樹子が大阪からやってくる(第1話)。
第1話から第48話まで
所員は左翔太郎、フィリップ、鳴海亜樹子の三人。
事務所の権利書を握っているのは亜樹子で、立場上も所長を名乗っている。
亜樹子の提言によりペット探しなどの依頼も引き受けるようになった(ただし翔太郎本人は不服)ため、収入は倍になった。
亜樹子の装飾した看板やホームページ開設もあって事務所の評判が上がる一方、翔太郎のイメージするハードボイルド像からはどんどん離れていく。
翔太郎とフィリップは、仮面ライダーWとして数々の事件をともに乗り越え、強い絆で結ばれていき、刑事の照井竜/仮面ライダーアクセルという心強い仲間もできる。
だが一年がたったとき、ある事情によりフィリップは姿を消す。
第48話から
所員は左翔太郎、鳴海亜樹子の二人。
フィリップがいなくなって一年。翔太郎は仮面ライダージョーカーとして、風都の平和を守り続けていたが……。
第49話から『風都探偵』第7話まで
所員は左翔太郎、フィリップ、照井亜樹子(結婚して苗字が変わったが、仕事上では鳴海姓を通している)。
フィリップの事務所復帰から、いくつかの大きな事件に遭遇しつつも、ミュージアム壊滅後もなお風都に蔓延るガイアメモリ犯罪や住民の困りごとの依頼などの解決に汗を流す日々。
そんなある日の夜、翔太郎は港で、妖艶な魅力を持つ美女・ときめと出会う。
『風都探偵』第8話以降
所員は左翔太郎、フィリップ、照井亜樹子、そしてときめの四人。
ロード・ドーパント事件後、記憶喪失等の事情を鑑みて身柄が事務所預かりとなったときめは、亜樹子の裁量により翔太郎の探偵助手として働くこととなった。
事件解決に奔走するにつれ、"街"を名乗る集団裏風都の存在、長年ガイアメモリを使用し続けた結果一種の超能力に目覚めた者たち"ハイドープ"の存在が明らかとなり……。
余談
事務所の外観として埼玉県川越市連雀町にある元芝居小屋「鶴川座」が使用されていたが、建物の老朽化等の理由で2019年に解体され、ホテルが建設されることになった。
そのためいわゆる聖地巡礼は現在不可能。見るにしてもW本編を観るしかできなくなった。
アニメ風都探偵では、特撮では描かれなかった「かもめビリヤード」から事務所に通ずる道を丁寧に描かれている。監督の椛島洋介監督含めたスタッフ達は、かもめビリヤードを詳しく描くために超全集等当時の資料を探したが、事務所の内装を詳しく描いたものが無かったため手詰まりになりかけたところ、てれびくんに載っていた事務所の図面を発見、参考資料としている。
事務所からガレージに通ずる階段もテレビ本編の時より少し長くなっている。
さらなる余談だが、仮面ライダー電王で登場するライブラリカフェ「ミルクディッパー」(野上良太郎のバイト先にして彼の姉愛理の経営店)の外観として使われた洋食店「モダン亭太陽軒」もこの近くにある。こちらもかなり築年数が経っているものの、こちらは文化財に指定されて保護されており現在も健在。興味がある方は訪れてみてはいかがだろうか。なお、最寄り駅は本川越/川越市駅である。
関連タグ
外部リンク
鳴海探偵事務所 - 仮面ライダーW(ダブル)まとめ@Wiki
平成二期ライダー活動拠点
鳴海探偵事務所→クスクシエ