「___一つ、俺はいつも傍にいる仲間の心の闇を知らなかった。
二つ、戦う決断が一瞬鈍った。
三つ、そのせいで街を泣かせた。
俺は自分の罪を数えたぜ、
演:吉川晃司、永徳(吉川不在時。後ろ姿のみの時など)/CV:津田健次郎(風都探偵)
変身する仮面ライダー
概要
鳴海探偵事務所の先代所長で、左翔太郎の探偵業の師匠であり、フィリップの恩人にして名付け親。また、ヒロイン・鳴海亜樹子の実父でもある。
本編では既に故人。翔太郎からは「おやっさん」と呼ばれている。
ミュージアムから逃走してきたシュラウドから渡されたロストドライバーとスカルメモリを使い、仮面ライダースカルに変身していた。
元々、ガイアメモリを風都にばら撒き人々を泣かせてきたミュージアムの悪行を憎み彼らと戦ってきた経緯や、当時はガイアメモリの技術自体も未熟で毒性が強くメモリブレイクすることは相手の殺害も意味することもあってか、探偵として「ガイアメモリを仕事に使わない」をポリシーとしていた。
シュラウドからドライバーとメモリを受け取り、覚悟を決めスカルに変身して戦い始めてからも、ドーパントが出てこない限り(少なくとも最下級であるマスカレイド級まで)は極力変身せず、生身とメモリガジェットのみで戦っていた。
自身がスカルであるのを徹底して秘匿・秘密裏に行動しており、協力者のシュラウド以外に自身の正体を明かすことも無かった(その為、風都でスカルは「都市伝説の骸骨男」として知られているだけであり、彼の正体を後に知った翔太郎達、直接の関係者以外の風都の住民達からは仮面ライダーとは認知されていない)。
また、結果論ではこの姿勢がある意味、彼の命取りとなった。
本編開始1年前に起きた「ビギンズナイト」(本編第1話のプロローグおよびMOVIE大戦2010のWパート)で死亡したが、彼の生き様は翔太郎とフィリップに少なくない影響を与えている。
自らの死に際に、翔太郎へ自身の帽子を託し、そして仮面ライダースカルの車両「スカルギャリー」も「リボルギャリー」へと強化改造されて彼らに受け継がれた。
人物
いかなる事態にも冷静さを保ち、自らの感情を押し殺しても為すべき事を為すと、正に翔太郎が憧れるハードボイルドを体現したような人物。
その一方、内心では身近な人々への熱い情や風都への強い愛を持っている漢。この様な渋くカッコいい人物である為、既婚者だと知っていても寄ってくる女性は後を絶たなかったらしい。
探偵としても依頼人を何より大事にして、昔に功を焦って翔太郎が依頼人にケガをさせた時は「自分を頼って来てくれた人なんだぞ」と本気でゲンコツ付きで激怒したらしい(翔太郎曰く「怖かったけどカッコ良かった」)。
探偵としての実力も非常に優秀だったらしく、作中でも未だに「名探偵」と呼ばれるシーンが多い。この依頼人を信じ抜いて守りきる探偵としてのスタンスは、翔太郎や亜樹子達、現在の鳴海探偵事務所のメンバーにも引き継がれている。
帽子に対する拘りも強く「男の目元の冷たさと優しさを隠すのが帽子の役目」として、半人前の翔太郎には自分が一人前になったと認めるまでは帽子を認めないとしていた。
またレイモンド・チャンドラーの小説の愛読者で、その主人公のハードボイルド探偵フィリップ・マーロウを「俺の好きな男の中の男」と呼んでおり、彼の台詞を引用する場面もある(フィリップの名前の由来でもある。地球の本棚にもレイモンドの著書「長いお別れ」が確認できる。まるで荘吉のその後を示唆するように……)。
翔太郎のことは半人前としつつも、後述する少年期の彼とのやり取りもあって、彼の「弱い者には決して力を振りかざさずに手を差しのべようとする心根」は内心では高く買っていた。実際、マツの事件後休業していた探偵稼業を復活させたのは他でもない幼少期の翔太郎の勇気によるもの。
「男の仕事の八割は決断だ。そこから先はおまけみたいなもんだ」との名言にもある通り、「物事の決断」を重要視している。過去に決断が鈍ったせいで街を泣かせてしまった苦い経験談がある為、自戒を込めているのかもしれない。
来歴
作品発表順に記載。
時系列的には、『スカル』→『風都探偵』「sの肖像」→『ビギンズナイト』→『運命のガイアメモリ』の順となる。
ビギンズナイト
シュラウドからの依頼で『運命の子を救出する』依頼を受けてミュージアムの研究島に潜入を試みる。
しかし、彼の身を案じた翔太郎が事務所に置いていったはずのシュラウドから託された、ダブルドライバーと6本のガイアメモリが入ったトランクを持って自分の後を追って来てしまい、仕方なく彼と共に潜入する。
施設内で潜入に気付かれてトランクを翔太郎に預け、単身で施設警備員のマスカレイド達や園咲冴子が変身したタブー・ドーパントと戦闘を行う(この時にタブーの攻撃で帽子に傷が入った)。
その後はタブーと相討ちになり、ロストドライバーを破壊されるも何とか一時的に敵を退けたが、翔太郎が独断で動いて運命の子と接触して、彼をガイアタワーに転送してしまい、事態をややこしくする。
そんな翔太郎をゲンコツ付きで叱った荘吉は即座にガイアタワーに向かい、そこでスカルメモリの特性を利用して、地球の本棚の中に引きこもっていた運命の子に強制的に接触する(この反動でスカルメモリは消滅してしまった)。
言われるがままに興味が赴くままに生きてきただけの彼に対して、「自分のやるべき事を自分で決めて行動する」ように諭し、彼に上述の通り自分が尊敬するフィリップ・マーロウから"フィリップ"の名前を与える。
そして、自らの意思でガイアタワーを内側から破って脱出した彼を助けて、スカルへの変身能力を失った荘吉はWへの変身を決意するが、フィリップを戦いに巻き込むのはミュージアムと同じではないかと迷いが生じてしまったところを凶弾に斃れてしまう。
後は前述の通り、本編第1話冒頭の展開に繋がる。
また、同作のラストでは、別の世界の鳴海荘吉が登場する。
そちらはソウキチを参照。
運命のガイアメモリ
Wの力を失った翔太郎の前にスカルの姿で突然現れ、ロストドライバーを託して消滅する。
何故彼が風都探偵事務所に現れたのかは不明。上記の『ディケイドから託されたスカルのカードによるもの』、『スカルメモリの効果で死後も霊体で風都を見守っている』、『シュラウドが成りすました姿だった(DC版にてシュラウドが包帯を巻き直すシーンがエンディング後に追加されていることが由来)』等の様々な説がある。
脚本家によれば何かしらの形でこのシーンの裏付けを描けたらと語っているが、、、?(仮面ライダースカルの肖像のパンフレットより。)
仮面ライダースカル メッセージforダブル
MOVIE大戦COREのWパートで、荘吉は事実上の主役となる。
ビギンズナイトよりも更に過去、荘吉が初めてスカルに変身した経緯や大阪にいる家族と会えなかった理由が描かれる。
時は1999年、物語は相棒のマツこと松井誠一郎と共に人気歌手メリッサに届いた蜘蛛男の脅迫状の調査から始まる。
シュラウドこと園崎文音とは幼馴染でミュージアムを出奔した彼女を探偵事務所の奥部屋(現フィリップ部屋)に匿っている。
彼女はそこでライダーシステム並びにメモリガジェットなどを完成させ、彼に託した。
メリッサ所属事務所での戦いにおいてシュラウドに無理矢理ドライバーを装着される形で初めてスカルに変身したが、ガイアメモリを必要しないという心の迷いから頭部がクリスタル状の不完全な姿となってしまった。
メリッサのコンサート会場での戦いやメリッサ所属事務所社長の襲撃事件から、 一連の事件の背後にガイアメモリ流通組織『ミュージアム』がいることに気付き調査を進めていくが…
蜘蛛男ことスパイダー・ドーパントの正体は荘吉の相棒であるマツだった。
マツは何事も強く決断できる荘吉を強く羨み、そして自分の愛するメリッサが荘吉に好意を持っていることを強く妬んでいた。
そんな彼の初めての"決断"がガイアメモリを使いメリッサを守ること。
メリッサの所属事務所の黒い噂を聞きつけ、ミュージアムのセールスマン・小森絵蓮からスパイダーメモリを購入しドーパントとなった。
だがメモリに心を喰われ次第に暴走していくマツ。遂には自身の特殊能力により大量の人間を爆殺する。
「結ばれるは俺とメリッサだけだ!全ての恋人達に絶望を!!」と。
このことが相棒と闘う決意が鈍る荘吉の逆鱗に触れ…。
マツを追う荘吉の前に立ちはだかるバット・ドーパントこと小森。
「後は最後の一暴れをしてくれれば、松井さんはもう用済み」と言い放つバットに荘吉は、
「どけ。用済みはお前だ。」
そう告げるとスカルのメモリで変身。彼の決意と怒りが、"完全なるスカル"へと姿を変える。
自身の能力でトレーラーを操るバットだが、"怪物マシン"ことスカルギャリーから放つスカルパニッシャーには適わず敗北する。
「助けて…くんなまし…!」
トレーラーに押し潰され、必死に命乞いをするバット。
「無理だな……」
その願いが荘吉に届くことはなく、爆発四散するトレーラーと響くバット=小森の断末魔。
荘吉がその光景を振り返ることはなかった。
スパイダーのいる場所へと到着する荘吉。
既に暴走状態にあるメモリを砕けば、マツは死ぬ。
その事実のせいで一度は決断が鈍った荘吉だったが、もう歩みを止めることはない。
たとえマツが死ぬことになろうとも、彼を止める。相棒として、そして友として…。
「一つ。俺はいつも側にいる仲間の心の闇を知らなかった。」
「二つ。闘う決断が一瞬鈍った。」
「三つ。そのせいで街を泣かせた。」
「俺は自分の罪を数えたぜ…マツ。」
「さぁ、お前の罪を……数えろ」
勝負は一瞬だった。荘吉の迷いのない一撃がスパイダーに直撃し、メモリは四散。
倒れるマツに、荘吉は一言だけを告げる。
「眠れ…相棒。」
その言葉を聞き、安心したかのように笑い、ゆっくりと眠りにつくマツ。
マツを止め切れず殺してしまった荘吉を化け物と揶揄するメリッサ。
心に深い傷を負ってしまった荘吉…。
こうして、風都最初のガイアメモリ犯罪は幕を閉じたのだった…。
荘吉が妻子と一緒に暮らせなかったのは、この事件が原因である。
スパイダー・ドーパントの能力は「植え付けられた人間が、愛するものに触れた時、愛する者を爆殺する」子蜘蛛を植え付けるというもの。
この子蜘蛛は、メモリブレイク後も消えず、荘吉は愛する妻子を二度と抱きしめられなくなったのである。
正統続編『風都探偵』
第6巻収録の「sの肖像」にて、 MOVIE大戦COREで語られた事件のその後と、幼い翔太郎との出会いが明かされる。
メリッサとだけは完全に関係が切れる事を免れたが、今回の事件で相棒も仲間も立て続けに全て失い、妻子にも会えなくなった喪失感は彼にとっても耐え難いものであり、探偵業を休業し半ば自暴自棄な日々を過ごしていた。
だが、その事件を目撃して彼に憧れた少年・左翔太郎が、自分を弟子にするように求めて事務所に連日来るようになる。
最初は、彼が未成年であった上に探偵業が危険である事をろくにわかっていない事を原因に弟子入りを断っていた(一応、弟子入りについて家族に話すよう強要するところもある)。しかしアントライオン・ドーパント事件も含めた彼との交流の中で彼のドーパントへの啖呵を聞いて「街の涙をぬぐう探偵」としての気骨を取り戻し、仮面ライダースカルに再び変身して探偵業も再開。
やがて高校生になって「自分のためではなく人のために」我慢ができる翔太郎の人間性を確認すると、自分もかつてのドーパント事件以来、翔太郎が気になっていた事実を明かして弟子入りを認め、翔太郎の高校卒業を境に助手として事務所で働かせるようになった。
一方で仮面ライダースカルの正体が自分であるのは翔太郎に明かしておらず、スカルとして戦う際は何も言わずに姿を消していたのが翔太郎に少なからぬ不満・不安・不信を与え、ビギンズナイトでの翔太郎の行動の遠因となった(≒結果論かもしれないが、秘密主義が過ぎる姿勢と翔太郎に自分がスカルだと教えなかったのが命取りになってしまった)風に示唆されている。
また、回想シーンを通じて、翔太郎に様々な薫陶を与えており、ディープ・ドーパントのエピソードの際には
「悪魔と踊る前に三つ数えろ」
「自分自身と、」
「信じる者と、」
「愛する者。」
「そのすべてに恥じないかどうかを、な」
との名言を遺している。
「ライダージェネレーション」〜「ライダーレボリューション」
「この世界で会った仮面ライダーは…、皆、お前さんのようにイジケちゃいなかったぜ。たとえ、望まぬ形で異形となっても…、人のために戦える、本物の男たちさ。その誇り高き、名前を、勝手に穢しちゃいけねえな!」
2から「仮面ライダースカル」として登場。2ではゴウラの企みで異空間に飛ばされて来た形で登場。いつのスカルかは不明だが、少なくともマツを倒した後ではある模様。「仮面ライダーオーディン」の異常性に勘付く等、探偵らしい勘の鋭さも健在(続編ではグレムリンが罪人である事も見抜いている)。セリフも本編以上に推理小説のような洒落た言い回しが多くなっている。
続く「ライダーレボリューション」でも登場。ここでもキャラクターが掘り下げられており、彼が白色を好む理由は「仕事ができる男が着ることを許される色」=一人前の証拠であるからだと明かされ、ユートピア・ドーパントや仮面ライダーエターナルとの会話から、財団X等にも名が轟いているらしい事が窺えるが、彼自身は"伝説の探偵"等ではなく、一人の"平凡な探偵"のスタンスを自認している。
自分達を「半端者」と称する地獄兄弟に対しては「何かを始めなきゃ、何にもなれやしない。何を始めるかは自分次第だ。」だとアドバイスしたり、ハート・ロイミュードに対しては、欠点を指摘して興味を持たれる等、敵に対してはただ冷静に倒すばかりではなく、時に人情を見せる事もある。一方で過去の苦い経験から『対象を救えない』と見なせば、一切の手加減なく撃破も辞さない(しかしながら、直接的な表現を使わず、「相手を休ませる」と表現している辺り、これも彼なりの優しさなのである)。
ここでも「依頼」を最後までやり抜くポリシーは徹底しており、サジタリウス・ゾディアーツに「自分達を嗅ぎ回っているのか?」と問われた際には否定し、あくまでも「ネヴァンを倒す」依頼に基づき、彼らを撃破している。ちなみに、この作品で彼が初めて対峙したボスはよりにもよって蜘蛛の怪人であった。
尚、初期に活躍したライダーの位置づけにある為か、シャドームーンやレデュエからは嘗められていた(結果は御察しの通りである)。
婿との絡みもあり、普段は冷静な彼も緊張で取り乱していた。
関係人物
娘。『スカル』時点では彼女は大阪、自身は風都におり、長らく会えていない状態だった模様。
初めてスカル(クリスタル)に変身したときに亜樹子から電話をかけており、その日が彼女の誕生日だったため、重機で押しつぶされそうになりながらも通話に出て、誕生日を祝った。
そして、「早く会いに来ないと、お嫁に行ってしまうかもしれんで?」と言われ、(彼女の結婚式まで)「まだ死ねん…!」と戦意を増した。
しかし『スカル』の顛末にて、愛する人間と触れ合うことができなくなったため、彼女と直接会うことはなかった。
彼女が大阪から風都へ来たのは、行方がわからなくなった荘吉を探すため。『ビギンズナイト』にてフィリップの口から荘吉の死が明かされるまで、その事実を知らなかった。
『スカル』では、プテラノドンヤミーが持つメモリーメモリの特性により、荘吉がスカルに変身し、マツの命を奪うまでの顛末を知る。
愛弟子。『スカル』後、探偵としても戦士としても第一線から退こうとしていたときに現れた少年。
最初は疎んじていたが、彼が自分同様に風都を愛していることを知り、その存在を認める。
弟子にすることは、彼が未成年であることなどを理由に認めていなかったが、高校生になった彼が同級生をかばって喧嘩をしたときに手を出さなかったことから、かつて指摘した「我慢弱さ」が改善されたと判断し、弟子入りを認めた。
親友である文音/シュラウドの息子。彼女の依頼で、ミュージアムに利用されていた彼を助け出そうとする。
出会ったときは人形のように無機質だった彼に、フィリップの名前と、自分で決断すること、そして罪を数えることを教える。
幼馴染。
『スカル』時点では、自分を対ミュージアムの戦士にしようと色々してきた存在で、ロストドライバーやスカルメモリ、各種装備品などを荘吉に渡してきた。
彼女は「私のことはシュラウドと呼んで」と言っていたが、荘吉は「今更、幼馴染をそんなあだ名で呼べるか」と拒んでいた。
演者
下記の2名の他、ゲーム『ライダージェネレーション』シリーズでは神奈延年が演じている。
吉川晃司
実写作品にて担当。
主人公・翔太郎がハードボイルドにあこがれる人物である為、「その師となる人物はハードボイルドを体現できる人物でなければならない」として、吉川晃司に白羽の矢が立った。その名演はもはや語るまでもあるまい。
後に正統続編『風都探偵』のアニメ版のEDテーマ『罪と罰とアングラ』の楽曲プロデュース兼コーラスを務めることとなる(一緒に歌うのは大道克己役松岡充氏)。
劇場版『仮面ライダースカルの肖像』では主題歌として『似合う男になれ』を提供している。
2022年に吉川氏がアルバム収録用の新曲として上記の『罪と罰とアングラ』のソロアレンジ版『ギムレットには早すぎる』を制作したが、これはレイモンド・チャンドラーの小説に登場するフレーズの1つであるため、制作の段階で自身が演じた荘吉のことも意識していたのかもしれない。
津田健次郎
アニメ『風都探偵』の劇場版『仮面ライダースカルの肖像』で担当。
『仮面ライダー電王』でオクトイマジン、『仮面ライダー鎧武』でレデュエ、『仮面ライダージオウ』でカッシーン、『仮面ライダーリバイス』でデモンズドライバーのシステムボイス、ベイルのCVを務めている。
ベイルは仮面ライダーベイルに変身している(宿主の身体に憑依する形)ため津田氏が仮面ライダーに変身したのは二人目。
奇しくも、『リバイスレガシー』で因縁を持つ白波純平を演じた和田雅成氏は『風都探偵TheSTAGE』で左翔太郎を演じている。
余談
本作『仮面ライダーW』の初期案では、1人の青年探偵フィリップ(…という名の翔太郎ポジションの主人公)が変身ベルトを介して自身の肉体(ボディ)に彼の心の師であるおやっさん・鳴海荘吉の魂(ソウル)が宿ることで2人で1人の仮面ライダーに変身するというものもあった。
シュラウドが当初荘吉とフィリップをダブルの変身者として想定していたのはこの初期案の名残といえる。
「Nobody's Perfect」PV(こちら)ではテラー・ドーパントを圧倒している事から、質問を許さない刑事やフィリップと同様にガイアメモリの精神干渉波能力への耐性があったのではと言われている。
但し、PVの中では裏路地で一人苦しむ様子が描写されている事から、自らの弟子と同じように恐怖を乗り越えたとも取れる演出になっている。
とは言え、当時のシュラウドが(幼馴染とは言え)精神耐性の無い者にドライバーとメモリを渡すとは考え難い為、荘吉も干渉波への耐性があったと考える方が自然だろう。
またあるいは彼自身の耐性ではなく、『風都探偵』で明らかになったスカルメモリの特性で無効化できた可能性もある。
更に『風都探偵』でシュラウドは、上記の通り本来は彼とフィリップでWを完成させる計画だった事実も明かされた経緯から、やはり彼もテラー系の力に対して何らかの耐性を持っていた可能性がより高まった。
ちなみに珈琲を直火で煎れる等、翔太郎がしている拘りは大抵が彼の真似がほとんどなのだが、翔太郎は格好だけであり「あまり似ていない」だの「形だけ」だのと言われてしまっている(タイプライターでのローマ字表記の報告書作り等)。
ただし、荘吉自身も珈琲を煎れるのは趣味だったが不得手だったらしく、最初に飲んだ翔太郎はあまりのマズさから、差し入れに風都で一番美味いコーヒーを扱うお店の豆を届けようとしていた(ただし、荘吉はその豆を最初から使っていた)。
相棒のマツからも「自分が作成した資料通りに煎れる」ように言われていたが、荘吉は「コーヒーは『俺の人生のパートナー』」と称して頑なに拒み、独学でコーヒーを煎れるのに拘っていた。
ちなみに当時の翔太郎にあまりの不味さに驚かれた時は、流石にショックだった模様。
更に何も知らない翔太郎からスカルを「気持ちの悪い骸骨男」と評された時もショックを隠しきれていなかった。 子供は残酷である……
もちろん、後の翔太郎もまねをして珈琲を煎れているが、やはり同じく下手な様子。
だが、「下手の横好きでも少しは進歩したい」と荘吉と同じような発言をしており、これには鈴鳴珈琲の店主も翔太郎から荘吉の面影を感じたそう。
段階的にその人生が明かされていった荘吉だが、『スカル』以前の過去は未だ謎に包まれている。
出身はどこなのか(風都出身とも明言されていない)、なぜ風都で探偵業を営むことになったのか、妻(亜樹子の母)とはどこでどういう風に出会い、結ばれるに至ったのか、なぜ『スカル』以前から妻子と別れて生活しているのか。
「sの肖像」で翔太郎との出会いが描かれたように、今わからないことも、今後『風都探偵』で描かれるかもしれない。
関連動画
「Nobody's_Perfect」PV
関連タグ
仮面ライダーW 仮面ライダースカル おやっさん ハードボイルド
MOVIE大戦2010(ビギンズナイト) MOVIE大戦CORE
関連キャラ(ライダー関係)
滝和也:番外作品で骸骨の戦士に変身する。骸骨の戦士でありながら、その胸には確かに正義を愛する魂が燃えているのである。
葵連:骸骨がモチーフの劇場版限定ライダーに変身する。彼は逆に子供を失っている。
罪を憎んで人を憎まず:翔太郎にあって、荘吉には欠けていた信念。壮吉の命取りとなった要因のもう一つはこの心が欠けていた事であった。
本郷猛:『仮面ライダー(漫画)』の彼と同様、敵の凶弾に倒れるも彼の意思を継ぐ仮面ライダーの誕生に繋がる点が共通している。
関連キャラ(ライダー以外)
番場壮吉:『名前繋がり』・『白いスーツやソフト帽を見纏っている』・『白色の戦士に変身する』などの共通点を持つ。