概要
特撮番組『仮面ライダーW』に登場する仮面ライダーが、ガイアメモリの保有するエネルギーを最大限に増幅した状態のこと。
ガイアメモリで変身した仮面ライダーが、そのガイアメモリのエネルギーを最大まで引き出して放つ「必殺技」がマキシマムドライブである。
マキシマムドライブの必殺技を受けて倒されたドーパントは強制的に変身解除されて人間に戻り、ガイアメモリは強制排出され、砕け散る。これがメモリブレイクである。
これによってライダー達は、ドーパントに変身していた人間を殺さずに無力化させた上で警察による逮捕ができる。
ただし、「生体には」ダメージを与えないもののガイアメモリ以外であっても通常の生体とは異なる異質なエネルギーには大きな作用があり、NEVERは生体兵器という出所故にメモリの排出のみならず身体が耐えきれず消滅してしまう。
一方で、無力化できるのはあくまでメモリ等による能力のみであり、ハイドープによって得られた「その人間自身に備わった超能力」についてはマキシマムドライブでも無力化できず、メモリブレイクによる変身解除直後でもその能力は使用できてしまう。
また、メモリブレイクは本編第1話前にフィリップが改良を加えた機能であり、初期仕様のWや旧式のスカルにおいては、マキシマムドライブを喰らうとメモリの破壊だけでなく使用者も死亡してしまう(詳細はメモリブレイク記事参照)。
運用法
発動させるためにはマキシマムスロットが必要なため、原則的には仮面ライダー用のドライバーまたはガジェットが必要となる。
ダブルドライバー・ロストドライバーは右腰のスロットににメモリを挿すことでアクセルドライバーはグリップを操作することでベルトによるマキシマムドライブが可能。
なお、この際に使用するメモリは必ずしも変身中のメモリである必要は無く、エターナルがユニコーンメモリやゾーンメモリ、アクセルがエンジンメモリをそれぞれマキシマムドライブのみに使用している。
武器(メタルシャフト、トリガーマグナム、エンジンブレード、スカルマグナム、エターナルエッジ)のスロットにメモリを装填してもマキシマムドライブを放つことができる。
この場合、その武器を産み出すメモリ(及び専用ギジメモリ)を装填して放つ基本技と別のメモリを装填することでその属性を付与して通常とは異なる能力を発揮させる特殊技が存在する。
また、生身用のシュラウドマグナムやメモリガジェットでもライダー武器に比べ威力は低いもののマキシマムドライブは使用できる。Wの武器はメモリガジェットと連動可能なため、擬似的にマキシマムスロットを増設するような運用も可能。
ファングメモリやエクストリームメモリの場合は形状上スロットに入れず、メモリやドライバーを操作して発動する。
機能がマキシマムスロットまたはメモリ自体にマキシマム発動操作部が必要なため、ドーパントはマキシマムドライブを使用することはできない。
ガイアドライバー・ガイアドライバーREXにもこの機能は搭載されておらず、「必殺技」というシステムへの考え方の違いが見て取れる。
ただし、クレイドールエクストリームは能力としてメモリブレイクを獲得しており、一定の能力や条件さえあればドーパントも同等のことは可能と思われる。
2人で変身するWにおいては、マキシマムドライブを完璧に成立させるには、変身している2人の呼吸を合わせ、左右のエネルギーやタイミングを最適なバランスにする必要がある。
このため、Wだけはマキシマムドライブを発動する際に必殺技名を声に出しているが、これは翔太郎の趣味によるネーミングであり、役割自体は掛け声さえあれば何でも良い(例としてTV本編でファングジョーカーが制御できる様になって、初の必殺技を放つ時に翔太郎が技名を考えた際にはフィリップが「名前は君の好きにしたまえ」と言っている)。
仮面ライダーWに登場する1人で変身するライダー達はこの必要が無いので技名は口にしない。
この為、フィリップが変身した仮面ライダーサイクロンの必殺技名は無く「マキシマムドライブ」と書かれている。ちなみに技は手刀(所謂ライダーチョップ)である。
翔太郎が変身する仮面ライダージョーカーは必殺技を叫んでいる。
特殊なマキシマムドライブ
マキシマムスロットが複数運用できる場合、併用によりさらに強力な必殺技を発動することができる。
メタル・トリガー系統なら武器のスロットと右腰のスロットを併用することで2本同時にマキシマムを発動できることは翔太郎・フィリップも当初から認識しており、ツインマキシマムと呼称している。
だが、通常のWでは翔太郎の肉体への負担があまりにも大きいため、フィリップは忌避している。
さらには本来想定していないことを表しているのか、通常「(メモリ名)マキシマムドライブ」と一度だけコールされる所が「マキシマムドライブ」を狂ったように連呼し続ける異常動作を起こす。
本編では登場は一度のみ。ウェザー・ドーパントとの戦闘で危機に陥ったダブルがヒートトリガーで発動。その後翔太郎の意識が失われた。
こうした危険なシステムであるためか、上述の「メモリガジェットを装着した武器」によるマキシマムドライブにおいても、やはりいずれか1つのスロットしかマキシマムドライブは発動させていない。
また、W・ファングジョーカーとアクセルの同時マキシマムドライブ攻撃(いわゆるダブルライダーキック)に対し、翔太郎は「ライダーツインマキシマム」と名付けている。
3人の息を合わせなければいけないというハードルはあるが個々のマキシマム発動操作自体は通常と同じであるため、上記のツインマキシマムとは比にならないほど安全。
ツインマキシマムの翌話にやはりウェザー・ドーパント相手に使用し撃退に成功しているため、「独りよがりで危険な技」であるツインマキシマムと対比されているものと思われる。
サイクロンジョーカーエクストリームにおいては完全なバランスの実現により上記デメリットは克服され、実質的にサイクロンとジョーカーの2本分の力を持つエクストリームメモリも問題無くマキシマムドライブが可能。
また、専用武器であるプリズムビッカーのプリズムシールドにメモリを最大4本まで装填することで4つ同時にマキシマムドライブが発動可能になった。プリズムメモリの結晶の記憶には、単体での敵能力無効化攻撃に加え、本来は不安定な複数のメモリによるマキシマムを束ねて安定化する機能があり、実際にはビッカーに装填される1~4本+プリズムでのマキシマムドライブとなっている。使用時には各スロットにメモリを装填するとそれぞれのメモリのマキシマムドライブ音声と待機音が鳴り、最後に攻撃時にプリズムマキシマムドライブの音声が流れ一斉に全てのマキシマムが発動する。
ユートピア・ドーパントとの決戦ではエクストリームメモリの「ダブルエクストリーム」に加えプリズムメモリをマキシマムスロットに装填してツインマキシマム状態で「ダブルプリズムエクストリーム」 を発動している。
後に「風都探偵」のリアクター・ドーパント戦でも使用された。
仮面ライダーエターナルはベルト右腰・マックスジャケット・エターナルエッジのスロット全てを使い、26本というケタ違いの本数による同時マキシマムドライブを発動できる。
数が多すぎるためベルトでゾーンマキシマムドライブを発動し、ゾーンメモリの能力で残りのスロットにメモリを転送する形で一斉発動される。
その威力は風都タワーの巨大な風車を切断してしまうほど。
仮面ライダーアクセルのアクセルドライバーはマキシマム発動操作を連続して繰り返すことで、「エネルギーを肉体にチャージし続ける」機能を持つため、これを応用するとマキシマムを重ねて一気に放出する多段マキシマムドライブが可能。
ただしこれはフィリップ曰く、「彼でなくては実行できない、恐ろしく危険な技」。
ちなみに彼の場合、オールド・ドーパント戦にてトライアルメモリと武器のエンジンブレードによる事実上のツインマキシマム「マシンガンスラッシャー」を披露しているが特に負荷に苦しめられる描写は無い。Wとは色々と仕様が異なるとは言え、流石死なない男である。