概要
『仮面ライダーW』の登場人物、照井竜が仮面ライダーアクセルへ変身する際に使用する次世代ガイアドライバー。
アクセルメモリの能力を最大限に発揮することに特化しているため開発に時間がかかっており、シュラウドが照井に渡したのはエンジンブレードより後だった。
オートバイのハンドルとタコメーターを模した形をしており、ダブルドライバーともガイアドライバーとも全く異なる独自のデザインをしている。
メモリスロットは中央に位置し、ここにアクセルメモリを上から装填して右手側のパワースロットルをひねることで装着者をアクセルに変身させる。
メモリ装填時にはエンジンが始動するような音声が流れる。
パワースロットルは、変身した状態でひねることでメモリのパワーを上昇させることができる。
また、左手側のマキシマムクラッチレバーを引いてからパワースロットルをひねることでマキシマムドライブを発動する。
マキシマムクラッチレバーを引いた際は、ギアチェンジのような「カチッ」という音声が鳴る。
バイクフォームへの変形の際は、ベルト部分から本体を取り外し、両手で構えてから変形を行う。変形後はバイクのハンドルのように使用する。
システムとしては単独のメモリの力を引き出すロストドライバーをさらにアクセルメモリ専用に特化させたドライバーであり、アクセルメモリやその適合者である照井の使用が前提の為、アクセルメモリ以外にはアクセルメモリの発展系たるトライアルメモリや本来エンジンブレードで使うギジメモリであるエンジンメモリしか使われていない。
複数のメモリの組み合わせによる汎用性が売りのダブルドライバーとは真逆の発想で作られた一点特化型のドライバーである。
玩具では他のメモリでも遊べない事はないが、ダブルドライバーに合わせた構造の関係上スロットルを捻ったままにしていないとダブルドライバーを閉じた扱いになってしまい変身メロディが止まってしまう。
また、レバーをわずかに引いた状態にするとメモリを抜いた扱いになる。これを利用するとメモリを装填したまま変身待機音をもう一度鳴らす事ができる。
隠された用途
実はこのドライバーを作った開発者のシュラウドの真意は、照井と最も適合率の高いアクセルメモリの力を最大限に引き出すことで照井をフィリップとのエクストリーム化が可能な領域まで強化することである。そして最終的には照井とフィリップで究極のWを完成させることだった。
アクセルドライバーとアクセルはあくまでも究極のWを完成させる為の強化アイテムのようなものであり、いわば"つなぎ"に過ぎなかったのだが照井は自分が究極のWになることを拒否して、本編後も引き続き仮面ライダーアクセルとして活動を続けている。
そして、アクセルとして戦い抜いていくうちにメモリの力を引き出し続けた結果、正統続編風都探偵では······(一種のネタバレ注意!)
デザインについて
片側だけのレバー
アクセルドライバーは、デザインや各部の名称から、バイクのマニュアル車のハンドルをモチーフとしていることがわかる。
ただし多くのマニュアル車の場合、ハンドルには左右に2本レバーがあり、また、左右で全く異なる役割を持つ。
ところがアクセルドライバーには、装着者から見て左側にはレバー(マキシマムクラッチレバー)があるが、右側にはレバーが無い。
つまり、ブレーキレバーがわざわざ設置されていないのである。
仮面ライダーアクセルは「加速」の戦士であるから、「減速」や「停止」を象徴するものは必要ない、といったところだろうか。
アクセルがバイクフォームに変形することや、照井が警察官であることを考えると、イカれたデザインである。
説明するまでも無いが、バイクにとってブレーキは必要不可欠な安全装置である。
だが、そのブレーキを司るブレーキレバーを廃したことで、仮面ライダーアクセルは「加速の記憶」を宿した戦士であり、「バイク」や「自動車」といった記憶を宿した戦士ではない、ということをデザインで表現することに成功している。
また、安全装置を外していることで、照井とシュラウドの並々ならぬ戦いへの覚悟を表しているととらえることもできる。
他には、
- ブレーキが無いことから、
- 照井とシュラウドが大切なものを失っていること
- それを原因として復讐に囚われ、自力では止まれない暴走状態にあったこと
- 照井が死なない(=止まらない)男であること
- 右レバーが無いことから、シュラウドが照井の「右」に該当する存在を想定していたこと
- 不完全なデザインから、翔太郎などからハードボイルドで完全無欠な人物と思われていた照井もまた、完全ではないということ
などを暗示していたと解釈することもできる。
この件について作中で触れられることは無かったが、照井は普段からバイクを愛用しており、右レバーが無いこと、そしてその意味に当然気づいていたことだろう。
また、開発者のシュラウドもバイクに乗っていた描写があることから、設計段階で付け忘れたということも考えにくい。
ちなみに、バイクフォームのタイヤにはブレーキディスクのような造形があり、また作中では普通に減速や停止を行っているため、バイクフォーム自身に制動能力は備わっているものと思われる。ご安心を。
「風都探偵」では
「マキシマムクラッチレバー」を繰り返し引くことで多段マキシマムを発動している。
余談
- バイクフォームに変形した際のドライバーの前後の向きが作品によって異なる。
- 実写版、漫画版風都探偵ではメーターを正面(進行方向)に向けるような向き、玩具、アニメ版風都探偵ではメーターを変身者の手前(後方)に向ける向きになっているという違いがある。
- これは、元々アクセルドライバーのメーター部分が本体の前面に設置されていることと(メーターは基本的に後方に向けて設置するものである)、バイクフォームの際、ドライバーの固定方法が、前輪の近くの部品にドライバーの進行方向側を貼り付ける形になっていることが原因と思われる。
- つまり、バイクフォーム時、通常のバイクと同じようにドライバーを操作したければメーターが見えず、メーターを見えるようにしたければ操作系の前後左右が逆になってしまうということである。シュラウドさん…?
- このことにより、どちらを優先するかで解釈が分かれてしまうのである。
- ちなみに、アニメ版風都探偵では先述の通り操作系が逆になっているはずだが、変わらず右手でスロットルをひねっている。真相は照井のみぞ知る、である。
- 左右非対称で片側が欠損しているように見えるデザインは、元となったドライバーと共通した特徴である。
関連タグ
仮面ライダーアクセル アクセルトライアル アクセルブースター
ギャレンバックル:火属性の赤い2号ライダーの変身ベルト。Aの文字が刻まれたキーアイテムを装着して右側を操作して変身する、適合者の使用が前提であるといった共通点がある。
アマゾンズドライバー:シルエットや変身シークエンスが類似している。
デザイアドライバー:マグナムブーストフォームやブーストマグナムフォーム時にドライバーの片側がアクセルドライバーっぽくなる。
『仮面ライダーW』に登場する変身ベルト一覧
ダブルドライバー | ロストドライバー | アクセルドライバー |
ガイアドライバー | ガイアドライバーrex |
2号ライダー変身ツール
※変身ベルトではない