『エクストリーム!』
フィリップ「なんだ…この沸き起こる力は…?まるで地球そのものと一体化したような……!」
翔太郎「それだけじゃねえ。俺たちの、心と体も……」
翔太郎&フィリップ「「一つになる!」」
亜樹子「だだだだだ、Wが開いたぁ~!しかも中見えた!」
概要
サイクロンメモリとジョーカーメモリを取り込んだエクストリームメモリをダブルドライバーに装填することで変身する、仮面ライダーWの最強フォーム。
厳密に言うとメモリの適合率がもっとも高いサイクロンジョーカーの強化形態という形式であり、いわゆる「全部乗せ」のような従来のフォーム全ての上位互換ではない特殊な最強フォームである。エクストリームメモリがフィリップの肉体をデータ化して取り込み、この状態でダブルドライバーにセットし(これも自動的にセットされるが、この際ドライバーから黄緑と紫の光のガイドラインが放たれ、沿うように装填される。Wが直接装填することもある)展開することでメモリからXのイニシャルが書かれた風車型中央機構「エクスタイフーン」が露出。
エクスタイフーンから風が巻き起こりつつ、虹色の無数のアルファベットと数字をWを中心に展開。
そしてWが分割線からボディを引っ張ってはだけるように外側に開くという、まるで一皮剥けたかの様な変身プロセスを遂げる。
風都探偵のアルコール・ドーパント戦では『W』本編と似たアングルや演出で変身。いわゆるセルフオマージュの演出が取られた。
変身プロセスの都合上、これまでのWの問題点であった変身後のフィリップの身体の安全確保が容易にできるため、最強フォームでありながら中間フォームのファングジョーカーより変身しやすいという利点がある。
ただし、変身前のフィリップに危険が迫るとファングジョーカーで戦わざるを得なくなるため、このフォームへの変身は間接的に封じられてしまう。劇場版ではファングジョーカーの変身を解除された後、改めて本形態に変身し直す描写が見られた。
また、原則的にサイクロンジョーカーに一度変身してからの二段階変身が必要となっており、生身の状態から直接変身したのは最後の変身でサイクロンジョーカーへの変身中にエクストリームを割り込ませた際くらいである。また、変身解除後はその場に2人が現れることになる。
またこの仕組みを応用して、クレイドールエクストリームに取り込まれたフィリップを強引に救出するという離れ業もやってのけた。
一体化するという特性上、変身には翔太郎とフィリップの出しうるパワーが完全に釣り合い、調和を保った状態が必須となるため、どちらかの力が何らかの要因で増減して釣り合っていない場合は変身が安定しない。
そもそも、エクストリーム化による地球の記憶との直結でもたらされる膨大なエネルギーを制御できるだけの力や適性を両者が持っていなければ、この形態へは変身できない。
このため、エクストリームメモリが登場してからもしばらくは翔太郎側の資質不足により変身できない状態にあった。
正統続編「風都探偵」では、第3集の第26話「閉ざされたk8/究極は二人で一人」にて初変身。他のフォームで倒せない相手のための切札として温存されているが、敵のメモリの能力が本編以上に強力であったりする場合も多く、登場機会そのものは多い。出番は第3・5・8~10・12・15集。
能力
身長 | 195cm |
---|---|
体重 | 85kg |
パンチ力 | 5t |
キック力 | 10t |
ジャンプ力 | 120m |
走力 | 100mを4秒 |
よくある最強フォームの中でも、このフォームの最大の特徴は解析力。
体中央の透き通る部分「クリスタルサーバー」によってフィリップは地球の無限のデータベースへと直接アクセスし、様々な情報を自由自在かつリアルタイムで引き出すことができる。
これにより敵の行動の先読み・弱点を解析し的確に攻撃するなど戦闘を有利に進めることができる。
また、クリスタルサーバーから取り出される専用武器「プリズムビッカー」は剣のプリズムソードと盾のビッカーシールドに分離可能。
上記の解析力で常に相手の先手を取り続け、盾で防いで剣で斬るという、全く無駄の無い質実剛健な戦闘スタイルを基本とするようになる。
さらに「結晶の記憶」を内包するプリズムメモリの特性により複数のメモリの力を集束し、これにより今までのWでは逆に大ダメージを受けていた複数のメモリによる同時マキシマムドライブを最大4本同時にノーリスクで発動できる。
ただし解析力に基づく総合的な戦闘力こそ高いが、実は純粋な身体的スペックはファングジョーカーに劣っている。
能力の無効化や防御力の大半はプリズムビッカーに依存している部分が大きく、たとえ相手の能力を解析できたとしても、それを踏まえた上で的確に対応できなければ相手の攻撃を無効化できない。
そのため、こちらが対処できないような能力を持っていたり、敵の方が素早かったり攻撃力が高かったり弱点もなく純粋に強過ぎる場合は苦戦を強いられることもある。
また、地球の本棚が諸事情で使用不能になった際は、敵の解析ができず本来なら楽に勝てた相手に苦戦を強いられたこともあった。
そもそも先述のように、あくまでサイクロンジョーカーの強化形態であるため、他のフォームで使用するメモリの能力はフルに発揮できない事、翔太郎の感情によっては翔太郎とジョーカーメモリの力を逆にフィリップに釣り合うよう制限してしまうケースもあるため、他のフォームの方が相性で有利という場面も多い。
しかし、後述するWの構想もあってか、プリズムビッカーや解析力に頼らないフィジカル面においても、幹部クラスの強敵相手にも通用するほどの高い実力を有している。
TV本編では、これまでのWとアクセルでは歯が立たなかったウェザー・ドーパントの気象攻撃をノーガードかつ無傷で耐え切るほど防御力を見せながら、そのまま単独で殴り飛ばして、終始圧倒しており、それ以降は井坂も(とある目的が達成するまで)このフォームと戦うのを何度も避けている。また、高速移動を行う相手やそれ以上の反射速度の相手に対しては、自身の解析能力と併せたカウンターアタックを仕掛ける事で、極端な不利に陥る事なく渡り合っている(前者に至っては終始優位に立てている)。
よってこのフォームは、強敵相手にも渡り合える高いポテンシャルこそ備わっているが、あくまで良くも悪くも弱点を見つけて突く事に特化したフォームと言える。
必殺技
必殺技の際は通常フォームと同じように技名を叫ぶ。(初登場のビースト&ゾーン戦を除く)
二人の息を合わせなければメモリブレイクができない通常フォームと異なり、二人が一体化しているため実のところマキシマムドライブの際に技名を叫ぶ必要はないように思えるが、一体化しているとはいえ意識は独立しており、息を合わせることが重要なことに変わりはないものと思われる。
プリズムビッカーを用いた技は当該記事を参照。
単体マキシマムドライブ
ビッカーシールドやベルトのマキシマムスロットにメモリを装填し、単独でマキシマムを発動することも可能。
ルナ |
|
ヒート | 『風都探偵』で披露。斬撃に炎を付加、シールド全体に熱をまとわせて攻撃を防いだり、熱線を発射することもできる。 |
サイクロン | 『風都探偵』で披露。技名はビッカーサイクロンシュート。プリズムソードに風のエネルギーを込め、音速を超えるスピードで投擲して標的を貫く。シザーズ・ドーパントの空間切断能力をも突破して貫き、ダブルエクストリームに繋げた。 |
プリズム | 『風都探偵』で披露。体中から閃光を放ち相手を怯ませ、ダブルエクストリームに繋げた。 |
ダブルエクストリーム
ベルトのエクストリームメモリを再度開閉する事で発動。
中心のエクスタイフーンから発生させた緑と黒の竜巻に乗って浮き上がり(竜巻で相手を拘束させることも)、強烈なドロップキックを叩き込む。
なお、他のマキシマムドライブではメモリをマキシマムスロットに装填した際に待機音と待機モーションに突入するが、こちらはエクストリームメモリを閉じた段階では何も起きず待機音が存在しない。
ダブルプリズムエクストリーム
ユートピア・ドーパントとの最終決戦で披露した、プリズムメモリとエクストリームメモリのツインマキシマム。通常のマキシマムドライブ同様に右腰のスロットでプリズムマキシマムドライブを発動しつつ、
プリズムメモリの特性とマキシマムを利用してのエネルギー収束を活用し、ダブルエクストリームと併用して行う強化必殺技。左右交互に連続で足踏みするようなキックを叩き込む。誰が呼んだか地団駄キック。
風都探偵のリアクター・ドーパント戦で再び披露(しかも前述の人質に取られたときめを奪還した流れで抱えたまま)。その際の翔太郎の説明によると「体内にとんでもない量のエネルギーを溜め込んだ敵に対して有効な技」であり、連続キックにより膨大なエネルギーを相手の体内に叩き込んで、相手の持つエネルギーと合わせて許容量を越えさせ自壊させるという地味にエグい技であるということが判明した。
アニメ版ではOPのPrivate_Eyeをバックに披露という、胸熱かつ少々オシャンティーな演出で披露した。
究極のWの構想
「鳴海荘吉の遺志を受け継いだWは戦闘マシンであってはならない、
それがもし、弱さだとしても 僕は受け入れる」
「………ありがとよ……フィリップ……」
本来の「究極のW」に関し、シュラウドはサイクロンアクセルエクストリームを構想していた。
これは、本来のWのボディサイドのはずであった鳴海荘吉の死、それに伴い「半人前」が勝手にWになり明らかに力不足であったことによる計画変更を踏まえた、「テラー・ドーパント撃破に特化した形態」としての構想であった。
しかし、現実にはその前に『AtoZ 運命のガイアメモリ』のエターナル戦で敗れていた可能性が高い。
結果論ではあるが、万灯雪侍の分析としては、荘吉・照井のWではテラーには勝てても、エターナルやユートピアには勝てなかった可能性が高い。
精神干渉波への耐性を持つフィリップと同じく耐性を持つ人間・メモリでの組み合わせならば、テラーだけを倒すのであれば効果的である。
しかし、エターナル撃破のための奇跡や、ユートピアの能力を容量以上の強い感情でショートさせるといった荒業は、感情の強さで上限を超えるジョーカーメモリを基本フォームとし、その適合者である翔太郎が変身者であったことで実現できたものである。
このため、本来の構想から外れたイレギュラーの失敗作と思われたこの姿こそが、感情の強さと、街の人々の想いの風を受け、『究極を超える』領域へたどり着ける想定を超えた姿であった。
レジェンドアイテム
ウィザードリング
音声は「ダブル!」
変身音は「ライダライダライダー!」
ロックシード
音声は「エクストリーム!」
変身音声は「ダブルアームズ!サイクロン!ジョーカー!エクストリーム!」
必殺技は「エクストリーム!マキシマムドライブ!」「プリズムビッカー!」「ダブルプリズムエクストリーム!」
ライドウォッチ
地球の記憶と一つになる!2人で1人の究極戦士!ダブル エクストリーム!
究極・極限・ダブル!エ・ク・ス・ト・リ・ー・ム!エクストリーム!
「DXダブルサイクロンジョーカーエクストリームライドウォッチ」として一般販売。
必殺技は「エクストリーム」。
余談
- 正式名称が長いため、劇中では「エクストリーム」、関連雑誌や公式サイト、ファンの間では「CJX」と略されている。
- 変身音の元ネタはリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭部分と思われる。
- ちなみに、スーツは透明部分の素材の関係で下半身部分が動かし辛く、スーツアクターが屈んだり足を拡げたりするのが不可能であるせいか、生身で派手なアクションはしていない。
- スーツアクターの高岩成二氏によれば、アップ用に至ってはなんとスーツだけで自立するほどで、歩くこともままならないため移動の際は台車に乗せてもらっていたとのこと。(風都探偵巻末インタビューより)
- 現在主に使用されているスーツは経年劣化によりクリスタルサーバー部分が黄ばんできており、冗談でゴールデンエクストリームになる途中と言われてしまうことも。
- アニメ風都探偵のスタッフのメイキングによると、これまでのダブルの形態やロード等登場したドーパントの作画や合成以上にエクストリームをどうしようと頭を悩ませ、特にクリスタルサーバーのところはサイクロン、ジョーカー、プリズムの三本分のメモリのため、かなりカロリーを使ったようである。その分アニメでは実写より派手に動いている。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
サイクロンジョーカー エクストリームメモリ サイクロンジョーカーゴールドエクストリーム サイクロンアクセルエクストリーム
Extreme_Dream:専用曲にして挿入歌。ただしテラーとユートピアの最終決戦のみでしか流れておらず、ファンからは「ラスボス戦専用挿入歌」「エクストリーム登場時に流しすぎず、ラスボスと戦う時のみ流すのが良い(要約)」と言われている。
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