「…………消えろ、愚民ども。…………ここは我が聖域。…………我が城だ!」
概要
『風都探偵』のエピソード「迷路棟のh」に登場するドーパント。
何者かが「ハサミ」の記憶を宿す「シザーズメモリ」で変身する。
東風都大学のH棟=通称「迷路棟」に潜伏し、足を踏み入れた部外者を追い払うような行動を取っている。また、裏風都とも何らかの関わりがある様子。独特な仕草から、左翔太郎の親友である本条隼人が変身者と思われるが……。
身体のあちこちにハサミで出来たような切れ目があり、切れ目のような目が右上に存在している。また、左右に計4本の腕が生えており、人差し指と中指に鋭い刃のようになっている。
見る人によってはハサミで作った紙細工もしくは紙人形に見えるかもしれない。
能力
メモリ名のハサミの使い方である「切断」。
人差し指と中指を動かし閉じた瞬間、対象を瞬く間に切り裂くことができる。
直接触れたものを切り裂くだけでなく、遠く離れた物体であっても簡単に切断してしまう。切断の威力も非常に高く、劇中では自動車はおろかダブルの中でもっとも硬いメタルのボディに傷をつけ、メタルシャフトすら両断していた。
予備動作が極端に小さい上に発動までのタイミングが短い為、少しでも気を抜けば文字通り首を「チョキン」とされてしまう。
しかも腕が4本あるため、絶え間なく切断攻撃を飛ばし続けることが可能。
また、この「切断」は実体のある物質に限らず、空間そのものを断ち切る能力も有している。
ルナトリガーの「トリガーフルバースト」のビーム弾を全て切断して防いだほか、特殊合金などで硬く閉ざされた部屋に入口を作り出し、侵入することすら可能。
なお、こちらの能力を発動する際は仮面ライダーのフォームチェンジのように体色が白く変化する。
発動時は対象となる空間に「切断」効果のある光の輪が発生し、その輪を境目として空間を切り開く。
この光が消えると自動的に切られた空間は復元されるが、光が発生している間にその部分で何らかの動きがあった場合、慣性によって片方が切り飛ばされてしまう。
例として腕に持った武器で攻撃しようとした際に肩口部分の空間を切られた場合、その腕があらぬ方向へと切り飛ばされることとなる。
逆に言えば「じっとしていれば切れない」ため、この光が消えるまで動かなければ切断されることはない。
そのため、相手の身体に合わせるように光を発生させれば一切の身動きを取れなくすることが可能。
そこで従来の姿に戻り、物質を切断する能力で確実に断ち切るという必殺のコンボも有している。
その能力による攻撃はプリズムビッカー以外では受けることすら出来ず、防御面では遠隔攻撃はほぼ通じないどころか、敵の接近に合わせて放てば動きを止めてしまう事もできる。
さらには能力抜きの肉弾戦闘でサイクロンジョーカーエクストリームを押し切る程の高いフィジカル性能を併せ持つ。
全体的にほとんど隙が無い、強力なドーパント。
余談
メタルを切り裂いたドーパントだと同作に登場したクラブ・ドーパントもいるが、あちらは斬撃を衝撃波としてぶつける物理的な攻撃に対し、シザーズの場合は「切断」という特殊能力である点が異なる。
関連タグ
関連・類似項目
- ハサミジャガー、ハサミンブラッド、シザーズロストスマッシュ:モチーフにハサミが組み込まれたライダー怪人。
- 仮面ライダーシザース:ハサミを武器としたダークライダー。
- 蟹屋敷モニカ:同じく指を使ってモノを切断できる能力者繋がり。
- マゼンタ・シザー:同様の能力繋がり。
- クリーム、ザ・ハンド、スティッキィ・フィンガーズ:某奇妙な冒険シリーズにおける、同じく空間に直接作用する能力や攻撃達。後者2つは(1つは右腕限定だが)「腕を振るう」と動作が小さい点も似ている。スティッキィ・フィンガーズに至っては「切断能力の応用で空間を切ることができ、ワームホールのように使える」「様々な物質を切ったり切り取ることが可能」「発動時に対象空間に特徴的な境目が発生する」という共通点がある。
この先ネタバレ注意
正体は翔太郎の親友である東風大学准教授本条隼人ではなく、彼と同じ特殊生物化学科の研究員である羽柴ひろみであった。隼人に心酔し全て知ろうとするあまり隠された財団X用の秘密研究施設発掘計画書と候補のガイアメモリを見つけ出しその中からシザーズのメモリを使用して隼人に代わって発掘をしていたというのが真相であった。
ひろみとシザーズの適合率は異常に高く、前述の「空間を裂く白い姿」はその高い適合率によって到達したもの。
親友・隼人を信じて接触しそのわだかまりを解いた翔太郎や、彼らと合流した照井の前に、ドーパントの姿で出現。そのままダブル(エクストリーム)・アクセルと交戦に入る。
その能力でアクセルの動きを止め、肉弾戦でビッカーシールドを弾き飛ばしコンボ攻撃でダブルを倒す寸前まで行くが、そこにときめが介入。
ときめがシールドを投げ渡したことで危機を脱された上、「空間を切る能力を使うときに甲高い音が聞こえる」と教えた事でダブルが攻撃を見切る事ができるようになる。
最終的に、「ビッカーサイクロンシュート」でプリズムソードを突き立てられ、ソード目掛けて放たれた「ダブルエクストリーム」で貫かれてメモリブレイクされた。
なお、出紋大騎のアジトに遺されていたガイアメモリにもシザーズのガイアメモリが存在しており、回収され特殊研で保管されていたが、五条一葉の部下である内通者のディーバ・ドーパントに盗まれており、一葉がガイアドライバーrexを使ってスクリームに能力を付与するためのものとして扱われている。