概要
1989年より展開。略称は「Vシネ」など。
“V”は「ビデオシネマ」【video cinema】の“video”の頭文字をとって付けたもの。
劇場公開せず、オリジナルビデオとして販売されることを前提とした映像作品であり、東映の得意とするヤクザもの、ギャンブルものなど、一般への需要が低いとみられる趣味的でハードボイルドな作品が主戦力。
もとはオリジナルビデオブームの集束期に、極道系作品の生存戦略として定着していったものであり、当初は役者や評論家からの批評も多かった。
Vシネマは劇場公開する映画作品よりも低予算ながら映画に迫る作品が作れる事で黎明期は参入する者が増え、絶頂期には濫造が多くなってしまった。
だが映画作品として矢面に立たない分、自由な発想と大胆な配役が可能だったことから、着実に需要を伸ばしていき、兄貴キャラの定着、劇場至上主義の映画評論家の取り込み、ハード路線映画の地盤の確保……などの結果を残し、現在でも一ブランドとしての地位を確立している。
特撮ヒーロー系Vシネマ
pixiv的にはこれが有名。『スーパー戦隊シリーズ』では、1996年に『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』が発売されて以降、毎年のように新作が撮られている。
上記のように二つの戦隊が共演するのが定番であったが、2009年の『炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』から劇場公開されるようになり、Vシネマではなくなった。
一方で2010年から『帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕』のような単独戦隊の「特別編」(通称「帰ってきたシリーズ」)が作られるようになり、新たなVシネマのラインナップに加わった。
平成ライダーシリーズも『仮面ライダーW_RETURNS』を皮切りに、数作品がVシネマとして制作されており、おもに劇中の番外編として固定ファン層からの需要を得ている。これらは1作品で複数本制作されることが多い。
またライダーシリーズに顕著だが、子供向けとして制作されるテレビや映画よりも規制が少ないため、21世紀のテレビ特撮では見られないような流血や暴力等の描写が盛り込まれる傾向にある。
近年は劇場で期間限定で公開した後、映像作品として販売するというスタイルが主流になり、こちらは「Vシネクスト」という新レーベルでカテゴライズされるようになっている。
旧作の多くはTTFCでも視聴可能。