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日本統一

にほんとういつ

『日本統一』は、ライツキューブより発売されているVシネマ、またはその作品群の総称。
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概要編集

横浜出身のゴロツキに過ぎなかった氷室蓮司田村悠人とその不良時代からの付き合いである山崎一門が日本最大の任侠団体である神戸「侠和会」の盃を受け、侠和会の発展と日本極道界統一を目指して奮闘する姿を描くシリーズである。


1作目がオールイン エンタテインメントより、2013年8月2日にセルリリース、同年8月5日にレンタルリリースされた。全作品ともハイビジョン製作だが、Blu-rayのリリースは3作目までとなっている。BS・CS放送などではハイビジョンで放送されている。


2024年9月現在でシリーズ64巻がリリースされており、オールイン エンタテインメントのオリジナルビデオ作品としては旧ミュージアム時代を含めても『首領への道』の全25巻を超える人気作となっている。


営業総括は1巻から38巻までオールイン エンタテインメントだったが、39巻からライツキューブに移行した。また販売元も1巻から44巻までオールイン エンタテインメントだったが、2021年5月25日リリースの45巻からライツキューブに移行した。


作風編集

基本的には任侠映画らしい抗争や盃外交といった駆け引きをメインにした作品だが、中島といったコミカル担当を筆頭に時折見せるユーモアを取り入れた作風が魅力。


また、主演の本宮泰風氏や山口祥行氏、小沢仁志、和義氏、菅田俊氏のいった昨今の任侠映画界の常連に加え館昌美氏、川原英之氏、松田優氏、岡崎次郎氏、江原シュウ氏、千葉政樹氏といったオールインエンターテイメント、ライツキューブ常連俳優の詰所とでもいうべきキャスティングも印象的。


監督が辻氏に変わってからは本編、外伝問わず時事ネタなどが積極的に取り入れられるようになり、例を挙げると



などなど、任侠vシネマ界のサウスパーク、妖怪ウォッチとでも言うべき作風となった。


これに関して「時事、コミカルネタがあるから面白い」と言う意見と「時事、コミカルネタが作品の面白さを損ねている」という意見があり賛否両論だが工藤の言葉を借りるのであれば「時代が変わればヤクザも変わる」という言葉通り、寧ろそうしたネタを上手く取り込み、尚且つコミカルさとシリアスさを両立できている事は感嘆に値する所業だろう。


無論、「関東編」、「田村悠人外伝」映画「氷室蓮司」のようにシリアスな作風、サスペンスとしての面白さを強調した作品もあるため一概にギャグ一辺倒に走っている作品群というわけではないことに注意されたし。



あらすじ編集

横浜のゴロツキである氷室蓮司と田村悠人とその仲間達は、ヤクザ相手に金を巻き上げたり、そのヤクザのケツモチであるキャバクラで好き勝手騒いだりと、芯のない生活を繰り返していた。

ある日、氷室たちは行きつけのキャバクラでケツモチ(用心棒)の安西組とトラブルになり、安西組の若頭である若宮を半殺しにした事で恨みを買い、仲良くしていたホステスである涼子を攫われ、これに怒った氷室たちは安西組を潰し、氷室の甥である謙太の借金に関する事柄で氷室の漢気を見込んだ若宮の舎弟、秋元の手引きで神戸へ逃れる。


その先で出会った侠和会の川谷に感銘を受け、龍征会を結成するが、その先で侠和会三上組の人間を謙太が殺してしまう。


みかねた川谷の手で手打ちにしてもらった氷室たちは正式に侠和会三上組内龍征会の人間となり、組織の目標である全国極道社会の統一から始まり、ひいてはこの日本から反社の抗争を無くすという理念を氷室は抱き、同じ不良出身の仲間たちと共に極道社会に身を投じて行く。


登場人物編集

山崎一門編集

侠和会の山崎組の出身者及び、その流れを汲む派生組織の総称。一応川谷も一門に該当するのだが、いかんぜん氷室一派の総称としての一面が強い。


演:本宮泰風

初代龍征会会長→侠和会若頭氷室組組長

主人公。渡瀬組若頭補佐ではない。

元は横浜のゴロツキだったが、三上との一件を機に極道となる。


演:山口祥行

龍征会副会長→侠和会本部長兼大阪ブロック長

本作のもう一人の主人公。渡瀬組若頭ではない。

元は横浜の不良だったが、氷室と共に極道となる。


  • 菅谷健太※(すがや けんた)

演:宮崎貴久

氷室の甥(姉の子)。田村以上に粗暴で自分を抑えきれない短気な性格。出世街道には乗っているものの、「氷室の甥だから出世した」と色眼鏡でみられている事に不満を感じており、それが原因でトラブルを起こしてしまった事も。その他にもやらかしがあまりにも多く、ABEMAのコメント欄では(関係ない場面でも)『謙太が悪い』と言われてしまうなど、ファンからの評判はあまり良くない(重光一家の跡目問題をめぐる争いで川上と町田は健太を逃がすために逮捕されてしまい、町田に至ってはそのまま演者のkoji氏の海外移住もありフェードアウト)。

一度破門され堅気になるものの復帰して龍征会を任され、後に丈治の教育を任されたことで見違えるほどに成長する。

しかし第20話にて、睦会との抗争の中で財前の裏切りにあった氷室を庇い命を落としてしまう。

最期の言葉は「おじさんさ、俺、すげぇ楽しかったよ…ありがとう」

このことをきっかけに氷室は本家若頭就任の決意を固め、彼が会長を務めていた龍征会は氷室が再び受け持ち、後に出所した斉藤が四代目となる。また、石沢が彼の名前を受け継いだ組である謙勇会を発足するなど、山崎一門にとって彼の死は大きなターニングポイントになった。

演じた宮崎氏は現在は俳優を引退し、居酒屋を営んでいる。


※「健」「謙」と回によって表記にばらつきがある


  • 中島勇気(なかじま ゆうき)

演:舘昌美

暴走族総長→初代龍征会組員→三代目侠和会幹部 四国ブロック長 中島組組長

暴走族総長であったが、龍征会発足に伴う人材集めに伴いとりあえずのノリで田村にボコボコにされ、氷室の仲間になる。

大の風俗好きで、女性に対する気持ち悪いスキンシップが災いして度々顰蹙を買うことも。何故か氷室名義で良く風俗を予約したがる癖があり、エピソード集や外伝ではそれが命取り(死んでいない)になることに…

なお、借金などでやむなく風俗嬢になった女性には全く手を出さず、それどころか借金を肩代わりするという男気溢れる一面もあり、彼に救われた女性は多いそうである。

暴走族時代はアダルトグッズなどの横流しなどで金を稼いでいた過去があったので、極道になって以降は経済に明るいインテリヤクザとしての一面もある(株に稼いだ金を全部突っ込むなど頭脳方面でかなり怪しい一面もあるが‥)。


  • 川上章介(かわかみ しょうすけ)

演:中澤達也

不良→初代龍征会組員→三代目侠和会直参 四代目藤代組組長

氷室や田村とは不良時代からの仲であり、最古参にして良き相談役。丈治に組を継がせるために敢えて彼に発破をかけた事も。シリーズ初期は金髪であった。

ガンプラづくりが趣味な他極度のドルヲタであり、推しアイドル絡みになると人が変わってしまう。外伝最新作である「雨のオランダ坂」ではなんと過去にアイドルグループジャミーズジュニアのオーディションを受けていた事が明かされた。

演じる中澤氏は元暴走族の現役格闘家で、2022年大みそかのRIZINにも参戦、山崎一門出演者がセコンドについた。


  • 斉藤浩樹(さいとう ひろき)

演:勝矢

不良→初代龍征会組員→龍征会四代目会長

氷室とは学生時代からの仲(ケンカで配下となった)で、のちに三上の大宮殺しの罪を被って12年間服役し、出所後に龍征会会長を任される。

かなりの大喰らいで、食べなければパワーが出せなくなってしまうほど。また、幽霊や怪談の類が苦手という意外な一面も。


  • 町田 駿(まちだしゅん)

演:koji

山崎組内町田組組長

氷室とは学生時代敵対していたが、斎藤と共に喧嘩で敗れた為に彼の配下になった。

名古屋攻めの際に柳ヶ瀬連合会の襲撃を受け謙太を逃すべく重傷を負い刑務所に収監されてしまう。

演者のkoji氏の海外移住に伴いフェードアウトしたため、のちの小堺に比肩しうるレベルの不遇キャラである。

一応忘れ去られたわけではなく、21にて学生時代のことが語られているが、やはりその後も彼がどうなったのかは触れられないまま。


  • 石沢勇将(いしざわ ゆうしょう)

演:本田広登

暴走族→三代目侠和会四代目山崎組若頭補佐 謙勇会会長

暴走族(上記の中島の舎弟)であったが、龍征会発足に伴い氷室の部下となり、後に3次団体である謙勇会を発足する。

アリサと真理沙という妹がおり、外伝では真理沙が初登場するとともに大きく絡むことになる。

かつて貧乏であるが故に闇金融などを襲ったり、車上荒らしなどの盗みを繰り返して妹を養っていたという重たい過去があった(当人は現在この事を恥じている)。

のちに格下であった丈治の下につくこととなるが、当人は全く不満にしている様子はない。

なぜか初期は「ニシザワ」と表記されていた。(おそらく「い」と「に」の発音が似通っている影響)


  • 山村義明(やまむら よしあき)

演:川崎健太

二代目侠和会三代目山崎組二代目龍征会組員→三代目侠和会四代目山崎組謙勇会理事長。

一応15より登場してはいるが、本格的な活躍は37付近。

虎や田村と行動することが多い武闘派で、喧嘩も強いタイプ。

孤児だったらしく幼い頃から国本夫婦という在日韓国人の老夫婦の世話になっていたが、その夫が発狂した菊村と列を組んだ近藤という堅気の悪徳社長に殺害されるという憂き目に遭う(しかも山村がヤクザであったから狙われたのではなく、国本が善意で菊村を助けたのにもかかわらず恩を仇で返されたのだから余計にやるせない)。

大のアニメ好きで、エピソード集ではあの鬼滅の刃を田村に勧めているシーンも。


  • 大成虎雄(たいせい とらお)

演:小手山雅

二代目侠和会三代目山崎組三代目川谷組組員→三代目侠和会三代目川谷組若頭 悠成会会長

田村の子分筋であり、彼を理想の親分と呼び慕う仲。

敵対者には容赦ないものの、惚れた女の為に尽力したりするなど人情には厚い。だが登記がわからなかったりと余り容量はよくなく、どちらかというとギャグ担当。

茨城にシマを任されるなど出世するが、本編第54章において敵対する若松一家の襲撃から田村と翁長を逃がすために囮となり、逮捕されてしまう。


  • 翁長照邦(おなが てるくに)

演:喜矢武豊

三代目侠和会三代目川谷組悠成会若頭

一門では竜次よりさらに後に登場し、逮捕された虎に代わる悠成会代表として活躍する。

沖縄出身で、劇場版「氷室蓮司」では沖縄琉球会と薬物の取り引きしようとした黒龍幇との戦いにはそれが縁なのか呼ばれており、外伝9「世にも奇妙な山崎一門」でも披露する怪談は沖縄絡みであった。

かつて妹が居たが、沖縄の悪徳在日米軍兵に性的暴行をされかけて舌を噛み切り自殺してしまい、彼自身もその米兵を殺害して極道に身を堕とした重たい過去があった(外伝8 警視庁vs山崎一門より)。

若者らしいノリだがバカではなく、鋼会が歌舞伎町のヘルスにみかじめを断られた末にビルに放火した事件に対して呆れるなど、山崎一門としての自覚はきちんとある。


  • 渋谷誠吾(しぶや せいご)

演: 石原和海(1・2・3)※財前と二役 / 千葉誠樹(4-26)

三上組組員→山崎組幹部 三代目三上組組長→三代目侠和会幹部 兵庫ブロック長 三代目三上組組長

三上組の古参幹部であったが、後輩である田村に追い抜かれてしまい、格下になってしまうが本人は全く気にしておらず、三上組若頭となった彼を補佐していた。その事もあり田村からの感謝の意として三上組組長の頭を譲られた。このこともあってか氷室たちのことを恨んでいるようなそぶりはなく寧ろとても友好的で、また一度揉めた相手である山崎組の面々ともすっかり打ち解けていた。

のちにブロック制度導入に伴い兵庫ブロック長を任されるが、座布団(位)が上である木島の上司になったことで彼の恨みを買い、さらに破門された身である渡部らに会っていたことを注意したのをきっかけに更に逆恨みされ、川谷を襲った犯人を教えるふりをした彼に襲撃されてしまい応戦するも多勢に無勢で生き絶えてしまった。

しかし彼の死が村上に裏切る意思を無くす結果となり、工藤共々図らずも侠尽会の弱体化に貢献することとなった。

なぜか4より演者が石原氏から千葉氏に交代しており、しかも沖田とは異なり石原氏は降板した訳ではなく同作で財前を演じている。


  • 長谷川大輔(はせがわ だいすけ)

演:大山大介

二代目侠和会三代目山崎組組員→三代目侠和会直参長谷川組組長

氷室の付き人としてシリーズ初期から活躍しているが、特にこれといった活躍もなく、「他の一門には一歩及ばない」と手厳しい評価を下されており、当人もそれをコンプレックスとしていた。

タレントの海老沼との一件で手柄を立てようとするが、逆に返り討ちにあい意識不明の重傷を負う。その後八王子に事務所を構えようとした矢先に暗殺されてしまう。

その後は回想シーンを除いて出番はなかったが、外伝「やまざきいちもん」では…?

「そうだよなぁ 死んじまったら2度と出れねぇもんなぁ」


  • 坂口丈治(さかぐち じょうじ)

演:北代高士

二代目侠和会三代目山崎組組員→三代目侠和会直参 四代目山崎組組長

川谷の実子。当初は粗暴かつ態度の悪さが災いして謙太にボコボコにされていたが、やがて一門として熱心な態度を見せ始め、それを評価されて部屋住みから組員として徐々に成長していく。

権田の息子である凌一とは反りが合わなかったが、徐々に認め合う仲になっていく。とんでもなく酒癖が悪く、外伝では酔った勢いで動物を勝手に連れてきた挙句飼育放棄したり、挙げ句の果てには山崎との兄弟分であった真崎組からから金をせびったりと悪行を重ね、禁酒を宣言されてしまった。


  • 権田凌一(ごんだ りょういち)

演:小柳心

初代権田組組員→三代目侠和会直参 二代目権田組組長

初代侠和会会長・権田誠蔵の実子で、若干二十歳にして信闘会残党数名を討ち取ったと言われるほどの有名人。丈治とは互いを認め合うライバル。事あるごとにぶつかりあう仲であったが、共に行動する内に深い絆で結ばれてゆき、名古屋抗争では丈治と組んで戦果をあげる。

後に権田組の組長となり、将来を有望視されている若手の一人となるが、身内であろうと容赦なく追い詰める丸神会の汚いやり方に憤り三田を襲うものの誤って庇った鶴見を誤射してしまい、代議士である荒巻を押さえ込んだ丸神会による侠和会への頂上作戦の引き金を引いてしまう不祥事を起こし、

更に丸神と繋がっていた節のある警官たちによる完全な人権侵害な取り調べを受け、最期に

「頭や田村の兄貴や皆んなに会うて…良かったわ…お前と兄弟になれてほんまに良かったわ!!楽しかったで!!」と言い残し、警官に殺害された。彼の遺品であるネクタイは丈治に託され、彼の大切な宝物となる。


  • 宇垣 竜次 (うがき りゅうじ)

演:岸田タツヤ

四代目藤代組組員

元は藤代組の構成員であったが、組が侠和会入りするに伴い一門に加入した。

「クスリでダメになった奴を何人も見てきた」と語っており、薬物御法度の丸神会で薬物を取り除くべくヤクザになったことが示唆されている。

外様である川上のことは嫌っている様子はなくむしろ心の底から慕っている。

藤代組傘下系列の組員の友人たちがおり、渡世と立場の違いなどにも苦心しながらも仲を取り持っていたが、中森組との対立の末に若頭の広野に友人やその母親までも殺されてしまうという山村に劣らぬ不運に見舞われる。

ちなみに昔スーパー戦隊が好きであったらしく、よく喧嘩の時に大袈裟なポーズを取るため石沢からは「仮面ライダーにでも変身するんじゃねぇか」と揶揄われている。


  • 川谷雄一(かわたに ゆういち)

演:小沢仁志

侠和会初代山崎組若頭 初代川谷組組長→侠和会三代目会長

てっぺん取った世界線の堂島組若頭補佐ではない。

氷室たちの親分に当たる。人情にあふれ茶目っけも有る人間。不快感の少ないキャラクターではあるものの、後述の理由があるとはいえ極道の世界では半ばタブーである親替えを三上に打診するなど、一組織の人間としてはかなり危ういところもある(あくまでも氷室と川谷、三上らの仲が良好であったが故に成立したのであり、氷室は当然山崎組の人間からは当初反発されていた)。

実は氷室の実の父親である藤代正光の世話になったことがあり、棟方とも五分の兄弟分である。一度ドスを持った暴漢に襲われた際に藤代の命を助けた際に氷室に一度顔を見られていた。恩人である彼の息子を担ぐことは彼にとっても義理を通す事に当たる為、氷室を欲していた。

上記の氷室の親替えの件で氷室と大宮が対立し三上が大宮を殺め、真実を知らぬまま出所した田村が氷室と一時対立してしまったり、棟方を引き抜こうとするも加盟後自殺されてしまったり、関東進出の下準備をさせていた岸本と鈴森の存在を黙っていたために田村だけでなく妻の美南にまで一時的に不信感を抱かれてしまうなど、多いわけではないのだが自ら動いた為に裏目に出てしまうこともある。


  • 村上 良彰(むらかみ よしかげ)

演: 高原知秀

山崎組若頭→本部長・神戸ブロック長

元は二代目山崎組の若頭であったが、後に山崎組の舎弟頭となる。山崎組では比較的古参で、氷室の処遇をめぐって暴走した大宮に拉致されたこともあったが彼に助けられた事によって親しき仲になり、氷室が山崎組に移った際に親替えと取られ反発された時には唯一彼だけが味方であった。

しっかりしているようで実は自分に自信を持てないタイプで、渡部が反川谷派の団体である侠尽会を設立しようとした際には氷室の命令で侠尽会側に潜入していたが、

内心では今の本部長の地位は氷室が先輩である自分を立ててのことと考えて内心プレッシャーを感じていたこともあり本気で裏切ろうと考えていた。

そのため侠尽会では珍しい、身分無相応な役職を勤めていることに悩んで裏切ろうとした人間である。

渋谷の一件もあり裏切る気を無くし、自身が得た情報を山崎組にリークしたが、すでに自分が氷室に追い抜かれて終わった男だと感じていたこと、

(真意を知らなかったとはいえ)部下が組を割ることに断固反対していたことが原因で自分に人望が無いと感じていた(一応彼の若衆らはあくまでも彼を慕っていたからこそ説得したのだが)事もあり、村上組の若頭であった清水勲(演:真柴幸平)にシマを譲り引退した。


  • 三上哲也(みかみ てつや)

演:古井榮一

侠和会直参上田組内三上組組長(3次団体)→堅気

上田組の若頭であったが、後に独立して直参となる。

当初は龍征会と敵対していたが、兄弟分である川谷の仲介で手打ちとなった後は氷室らを三上組に迎え入れる。

敵対者には冷徹だが、その一方で身内にはとことん情に厚く、一度は敵対した田村を快く出所後に迎えれたり、氷室と田村が仲違いした際にはひたすら彼らの身を案じていた。

のちに兄弟分である大宮が氷室の処遇をめぐり問題行動を起こし続けた為にやむなく破門するが、それが彼の怒りを買い川谷らと敵対してしまう。

自分の恩人が謀反を起こしたと思えば今度は大切な兄弟分が問題を起こしてそれをきっかけに氷室と田村が仲違いし、前科者の世話を始めれば以前勤めていた薬中が殺人を起こし謂れのない風評被害に遭うなど、沖田に比肩しうるレベルの苦労人。

出番は少ないものの、古井氏の人情味溢れる演技も相まってシリーズでも特に人気の高いキャラクターの一人であり、過去を舞台にした作品で再登場したり、引退後も堅気としてシリーズに顔を出すなど根強い人気を誇る。

なお、田村からは「親父は人に罪着せて知らん顔する汚い人間じゃない」と言われるほど信用されているものの、のちに斉藤と再会した際には完全に存在を忘れており、これには斉藤に(そもそも斎藤は三上の罪を被っての懲役だったうえ、田村に年賀状の書き直しを迫られストレスが溜まっていたこともあり)「殺す!!」と迫られてしまった。


  • 大宮和也(おおみや かずや)

演:小沢和義※

二代目侠和会初代三上組舎弟頭 初代大宮組組長

三上の舎弟。上田を殺害して刑務所行きとなった田村と親しくなる。意気地になりがちな一面があり、「親を捨てる氷室を認めることはできない」と彼のことを冷遇し、次第に山崎組の人間を拷問したりするなど問題行動を起こして尾本にも「あんなヤクネタ」呼ばわりされるほどに暴走し最終的に破門されてしまうが、それに納得できず山崎の若頭である村上を誘拐し氷室との一騎打ちに挑むが、駆けつけた三上に射殺される。

しかし、この事が田村に湾曲されて伝わった事に加え、当人達が本当の事を中々言い出せなかったことも相まって、氷室と田村の関係を拗らせる羽目になってしまった。

実は外伝に登場した中国人であるメイファと結婚しており、子供がいる事が語られた(しかも三上曰く意外にも子煩悩であったとのこと。ご丁寧にも新規映像付き)。

そしてその子供である隼人らが中国マフィアとの騒動に巻き込まれてゆくことになり…

なお後にエピソード集で彼の存在に触れられた際にはあれほど慕われていた田村からは呼び捨てにされた挙句「最悪のヤクネタ」呼ばわりされるなど散々な言われようであった(ただし、「大宮のような思想を持たないやつは極道じゃねぇ」とも語っている)。


※川谷雄一役の小沢仁志氏の実弟


侠和会を取り巻く人々編集


  • 権田誠蔵(ごんだ せいぞう)

演:千葉真一

侠和会初代会長

最初に極道会日本統一を夢見た人物であり、カリスマ性は川谷以上だったが既に老齢であり2代目である工藤に野望を託す。

シリーズ1作目の時点で「今度のオヅ一家(小津?)一家の件が落ち着いたら引退する」と宣言しており、8年後である2の冒頭で引退。

彼が突然引退しなければその後の跡目争いが激化することもなかっただろうが、そうすれば川谷が立ち上がる事もなかっただろう。

後に、実子である権田凌一が侠和会入りし氷室の下に付く。

出番は極めて少ないものの、千葉氏の貫禄ある演技力も相まってとてつもない威厳を感じさせる。


  • 工藤雅信(くどう まさのぶ)

演:白竜

侠和会若頭→二代目侠和会会長

近江連合本部長ではない。

1作目では権田(初代会長)を支えるトップ2(若頭)で、権田の引退により、2作目からは侠和会会長に就任。権田に劣らずカリスマ性は高く、冷静沈着で視野が広く上に立つものの素養としては突出している。

権田の悲願である日本統一の野望を継ぐもシリーズ中盤で西日本睦会に銃撃され、

さらに自身の部下にあたる工藤組幹部である財前がどさくさに紛れて氷室を襲うという不義理を働き責任を取る形で引退(前々から川谷に跡目を継がせることを決めており、今回がたまたま良いきっかけになったと発言している)、川谷に会長の座を譲る事に。

後に渡部らに反川谷派の旗印になるよう期待されるが強く反対し、図らずも侠尽会の弱体化に貢献した。しかし彼が渡部に相談していれば渡部の暴走もなかった可能性がある為、その一点で言えば彼には非があるかもしれない。


  • 山崎義政(やまざき よしまさ)

演:誠直也

侠和会若頭補佐→二代目侠和会若頭 直参山崎組組長

アカレンジャーでもないしファイヤーマンでもない。

当初は侠和会若頭補佐だったが、侠和会の初代会長権田が退いた事により侠和会若頭となる。

川谷にとっての親分であり、人情に厚く氷室はもちろん田村もかわいがってくれる人物たったが、信闘会の襲撃により重症を負い、その傷も治らないうちに二度目の信闘会による手打ち破りに伴う襲撃で死亡してしまう。

人生劇場が好きだったらしく、よく川谷を連れて見せに行っていたらしい。また、後に登場する真崎とは五分の兄弟分であったことが語られている。

彼の遺した山崎組は後に氷室たちによって「山崎一門」となり、山崎組は川谷の実子である丈治に受け継がれ、日本極道会統一における主戦力となる。

人情味のある人物ではあるものの、相手の実力を過小評価しがちな悪癖があり、現に1ではシマを荒らし回っていた龍征会のことを「愚連隊の集まり」と称してオヅ一家との抗争にかかりきりでろくに手をつけなかったり(一応この件では何もしていなかったわけではなく、川谷を氷室に接触させて取り込む準備にかかっていたが上田の横槍により振り出しに戻ってしまったので擁護はできる)、信闘会として組を割った上田のことを「自分のシマ内を守ることしか頭にないロートルどもの集まり」と評価して油断した後に銭湯に行った結果襲撃されたりと、詰めの甘い描写が多い。


  • 上田秀次(うえだ ひでつぐ)

演:岡崎二朗

侠和会若頭補佐→信闘会幹部。

若頭補佐として初代会長権田を支えていた幹部の一人で、三上にとっては自分を育てた親分であり、当初三上組に属していた氷室や田村にとっても重要な大親分であった。

工藤が侠和会2代目体制では古い考えは支持されず最高顧問に追いやられてしまう。本人もそれを自覚しており、「死ぬまで極道でいたい」という自分のわがままを通すために三上と揉め事を起こさせ、三上を直参入りさせる。しかしその際のやり方が悪すぎたために三上からは愛想を尽かされてしまう。

その後三上にシマを譲れと言われたのを機に信闘会理事長として与し、侠和会にクーデターを起こすも自身と決別する為に決意を固めた三上、そして山崎を死に追いやりかけた事に責任を感じた田村に撃たれて死亡した。


  • 渡部 圭太(わたべ けいた)

演:奈良坂 篤

侠和会本部長→ 侠尽会理事長。

統合防衛軍の官僚ではない。

工藤が現役の頃はさして目立つこともなく、淡々と工藤のフォローをしていたが、川谷らの派閥が躍進するのとと同時に手柄を氷室らのものにされたり(一応氷室は邪魔をしようとしていたわけではなく、会全体の事を考えた末の行動である)したこともあり、部下である財前が氷室を銃撃する不祥事を起こし工藤の引退のきっかけを作り破門されてしまい、川谷らを逆恨みするようになる。

その後は懇意にしていた倉本建設の倉本をスポンサーとして川谷を銃撃するなど暗躍した挙げ句、川谷や氷室を失脚させるために侠尽会を発足するも失敗続きで、焦りのあまり理性を失い暴走状態となり、倉本らとも縁が切れて孤独に追いやられる。最期は川谷による説得で理性を取り戻し、工藤や侠和会への懺悔の気持ちを胸に自害した。


  • 財前 直也(ざいぜん なおや)

演:石原和海

二代目工藤組内財前組組長。

工藤組を押しのける勢いで成長してゆく山崎組、もとい氷室や川谷のことを快く思っておらず、睦会との抗争という内輪揉めしている場合でない時に半ば言いがかり同然の形で中島と揉め事を起こしたりするなど、ファンからは「知恵の浅く欲の深い男」と身も蓋もない評価を受けている。

西日本睦会との抗争の最中に野城と組んで氷室を暗殺しようとする不義理を敢行するが、結局謙太が庇ったことにより暗殺計画は失敗し、返り討ちに遭い射殺された。

仲そのものは良好であったはずの工藤と川谷の部下の仲が悪化し、その工藤が引退する決意を固める原因になった最大の原因(彼自身は前々から引退する予定であったが)であり、後の侠尽会発足の遠因に繋がるなど深すぎる業を持つキャラである。また自分たちが侠和の本流であると主張する工藤組組員たちの言動を見る限り彼らは半ば工藤の人望に甘えていた節があり、後の30における鶴見の言葉を借りるならば「名門(工藤組)の金看板に胡座かいた寝ぼけた連中」であり、渡部ら工藤組勢と後の辰巳共々、それが親である工藤や自分の巣である侠和会を踏み躙る不忠義者という形で結実してしまったのは否めないだろう。

なお、演者の石原氏は1〜3までの渋谷を演じているため、中の人ネタとしては「いつの間にか工藤組に親替えした渋谷」とも言える。


  • 馬場伊左雄(ばば いさお)

演:桑田昭彦

侠和会舎弟頭兼東北ブロック長 直参馬場組組長

縁の下の力持ち的な存在として組織を支え続けてきたベテランであり、川谷が3代目になった頃に侠尽会の会長候補として鞍替えしたかに思われたが、実は氷室の指示でスパイとして潜入していた。

侠尽会として潜入していた際には余りにも杜撰な計画を立てる渡部らの醜態に終始呆れ続ける事になり挙げ句の果てには逆恨みで殺されかけるなど、氷室らとは別のベクトルで苦労を重ねる羽目になってしまった。

スパイとしての報酬に侠和会本部長のポストを要求し、酔った勢いで4代目会長の座を目標に掲げるが、裏切りに憤った渡部の轢き逃げ※に遭い身体中の骨がバラバラになる重傷を負うが、なんとか復帰する。

その後も本部長へのポストへの執着は変わらなかったが、自身の古い仲であったみちのく一家の揉め事を山崎一門が平定したことに加えて氷室の説得により本部長の座に田村を推薦し、舎弟頭としての役職を全うする。

その後も僅かながら再登場し続け、「田村悠人外伝」では本部長の座を田村に譲られかけるが、この頃は役職に対する執着も無くなり、逆に自分の顔を立てるためにも本部長としての役職を全うしろと跳ね除けた。ある意味、彼もまた氷室らとは別ベクトルで成長したと呼べる人物だろう。


(※このシーンでは氷室と川谷が馬場の出世欲の強さを危惧して秘密裏に暗殺したかのような描写がなされており、直前で脚本の変更があったとファンからは考察されている。もっとも渡部が裏切った馬場に対して殺害を決意するシーンがあるので、脚本上の矛盾は無い。ちなみに作中ではいまだ真相は闇の中である。自分で倉本の車あたりを運転して轢き逃げでも敢行したのだろうか…?)


  • 尾本 考明(おもと たかあき)

演:野口 雅弘

2代目侠和会本部長一考会会長(一度だけ若頭代行を請け負ったことがある)→舎弟頭

シリーズ最初での登場人物で、侠和会川谷や工藤をはじめ部下にも慕われる義理人情に厚い人物。

自身が懇意にいている赤石ゴムとの総会屋とのトラブルをきっかけに勃発した広島玄誠会や西日本睦会と勃発した広島明石での抗争の責任として引退を決意するが、暴走する憂国義勇党(極道ではなく政治結社、いわゆる右翼)の猪塚により暗殺されてしまう。

尾本の死で、丸く収まるはずだった広島での抗争は激化していく事になってしまい、さらに後目であった木島が数々の不義理を起こすなど、死してなお不憫な目に遭う羽目に。

なお、2では正考会会長と呼称されていたが、それ以降は一考会とされている。現実でも暴力団が組織の名称を変えるのは珍しいことではないが…


  • 木島 一茂(きじま かずしげ)

演:GDXakaSHU(本作の音楽プロデューサー並びに2の上田組組員 モリヤスも兼役)

侠和会若頭補佐二代目一考会会長

当初は氷室と肩を並べる武闘派として描かれ、若い世代では有力株とされていた。序盤は共に直参に昇格した氷室を素直に賞賛したりするなど余裕があったが、川谷が3代目会長になったあたりから(破門された身である渡部と近かったこともあり)立場が悪くなり失墜、さらに格下であるはずの渋谷の部下になったことで彼に恨みを募らせ殺害、侠尽会に鞍替えする。※

しかし上手くいけば本当に味方につくはずであった村上が渋谷を殺した事で裏切る気を無くし、さらに渡部らのクーデターも失敗続きかつ澁谷殺害の共犯であった工藤組組員も田村達に凄惨なリンチを受けて死亡したことを聞いて、

恐怖に怯えるあまりあれだけ侠和会が禁止していたはずの薬物を服用して徹底的に親である尾本や会の代紋に泥を塗りまくり、あげく罠に嵌めたはずの馬場に逆に陥れられ田村と氷室に射殺された。


(※ただし渡部らが川谷を襲った事を語った際には怒りを露にして掴みかかるシーンがあるので、おそらく渋谷に注意されるまではまだ良識的な感性を持っていたが、倉本から金品を受け取ってしまったこともあり後戻り出来なくなったと感じていた事も裏切りを決意した有力な原因)


  • 植木尚人(うえき なおと)

演:永倉大輔

初代極山会直参→植木組組長→初代極山会幹部 植木組組長→三代目侠和会幹部。

当初は刑務所で氷室と揉めるが、彼の漢気に惚れて兄弟分の杯を交わす。後に極山会と丸神会における抗争の末に松永会長が引退した際に独立し、侠和会に加入した。平川からは「人が良すぎる」と言われるほどのお人好しで、みちのく一家の河本に襲われた際には平川は馬場の仲裁も受け付けないほど激怒していた。


  • 平川進(ひらかわ しん)

演:松田一三

東北神農会 青森 進友会会長→初代極山会幹部→三代目侠和会幹部。

当初は東北神農会の人間であったが、則坂の策略により内部抗争を経て極山会に加入した。植木とは極山会に加入してからの兄弟分。人情深いがかなりの頑固者であり神農極道の意地を貫くあまりに侠和会や丸神会などの博徒系極道を毛嫌いしており、極山会が丸神会に吸収されても最後の最後まで「博徒の杯は受けない」と植木の説得すら受け付けないほどであった。後に氷室との一騎打ちとの末に敗北し、彼の「侠和の代紋で日本中の神農を纏める」という言葉に感銘を受け、侠和会に加盟した。


丸神会編集

長年に渡り抗争を続けてきた関東2大組織である丸打組水神会が合併して丸神連合を介して結成された組織。丸神会そのものは最初から二代目であり、丸神会にとっての初代は遡って初代丸神連合。

  • 秋元照政(あきもと てるまさ)

演:哀川翔

丸打組安西組舎弟→丸神連合二代目三田組組長

ヤクザみたいな金貸しではない。こっちは本職である。

元は若宮の舎弟で、彼の陰湿なやり方に嫌気がさして脱退するが、後に彼を子分として秋元組をこさえる。

曲がった事や筋の通らない事は許さず、人情味があり知性派という意味では彼と似通った部分もある。氷室とは謙太の闇金に関するトラブルで知り合い、彼の漢気を見込んで彼らを関西に逃した。その後信闘会との手打ち破りの件で獄中送りとなった氷室と再開して兄弟分となる。

丸打組と敵対する水神会との合併に尽力した立役者で、相手に銃を放たれても一歩も引かない度胸の持ち主でもある。一度出所したものの、再度入所してしまい侠和会と丸神連合がもめるという肝心な時に不在となってしまい、その後病魔に襲われ急死してしまう。棟方や若宮の引退、そしてライバルである彼の死は氷室に丸神と対決する意思を大きく固めさせるきっかけとなった。


  • 若宮猛(わかみや たけし)

演:川原英之(1のみ「HIDE」名義)

安西組若頭→丸神会幹部

元々は安西組の若頭で秋本の兄貴分だったが、安西組壊滅に伴い逆に秋本の子分となった。不良時代の氷室や田村と揉めていた頃は陰湿で性格が悪く、堅気の人間を人質に取るという卑劣なやり方も相まって秋本とは反りが合わなかった。しかし様々な経験を経て改心し、元は部下だった秋本を親父とした事で別人のように漢気のある性格に変貌、(ついでに再登場した際にも演者の名義が変わっている)秋元の収監時にも様々な結果を叩き出すなど、山崎一門もかくやといわんばかりに成長した。しかし、親父分であった秋元の病死に伴い失意の内に引退してしまった。


  • 棟方龍治(むかなた りゅうじ)

演:樋口隆則

丸神会理事長補佐兼3代目藤代組組長

アナザーアギトではない。

藤代組は氷室の実父が初代組長だったので、氷室のことは子供時代からの仲であり、「若」と呼んで慕っている。川谷とは五分の兄弟。

昔ながらの極道であり、鶴見や若宮とも仲は良好であったが、「あんたが侠和会とつるんでいる限り丸神の人間とは看做せない」と苦言を呈されていた。

丸神会と侠和会の両方を立てようとして苦しむ立場に有り、侠和会の氷室と闘う覚悟を持てず後に脱退し、川谷や氷室から声をかけられ侠和会に鞍替えするものの、すぐに自殺してしまう。


  • 鶴見 憲吾(つるみ けんご)

演:大沢樹生

水神会系鶴見組組長→丸神会理事長補佐直参鶴見組組長

丸神会理事長補佐で鶴見組組長。元々は水神会系の極道であり、丸打組と連合を組むことには反対していた。水神会の滝島が丸神会会長であったころは静かにしていたが、元丸打組の三田が会長になることが決まったことで「丸打組の人間に食われる」と反発し丸神会内部に亀裂を産んでしまう。

さまざまな入れ違いの末に本部にカチコミを入れた後に極道としての生き様を貫けない現状を嘆き、自殺を敢行しようとするも滝島の説得により会心し以降三田の忠臣となる。

氷室とは名古屋で知り合い、棟方の自殺の件を巡り一時険悪な仲になるが(鶴見自身、棟方の遺書を隠匿・改ざんしている)、半グレグループを共に撃退したことでひと時の奇妙な友情を築く。しかし後始末兼口封じのため自分ごと氷室たちを消そうとした丸神に怒りを抱いた(実際は沖田の暗躍と思われる)凌一の銃弾から三田を庇い死亡してしまう。


  • 沖田学(おきた まなぶ)

演:東村久也(10-14)→軍司眞人(18以降)

丸神会理事長→水神会会長

三田を会長とした丸神会においてのNo.2。

元は水神会で、秋元の説得もあり敵対していた丸打組と合併後、丸神連合になってからは三田に尽くす。

この事が丸打組との合併にも反対だった弟分の鶴見と争うきっかけとなってしまう。その後、三田会長の子分であった辰巳が出所し、菊村も丸神に加入してからは彼らに振り回される、抑え役として招き入れた迫田には(最高顧問という上の立場に就かれたこともあり)しばしば苦言を呈される、藤代組跡目争いに敗れた中森の世話を半ば無理やり押し付けられるなど、作中屈指の苦労人キャラである。

何故か途中で演者が東村氏から軍司氏に交代している。


  • 小野寺 和昌(おのでら かずまさ)

演:吉沢眞人

丸神会理事長補佐直参極山会ニ代目会長

もとは的屋(神農)系極道組織である極山会の理事長であったが、前会長であった松永の引退に伴い二代目を継承、丸神会の理事長補佐となる。

東北の的屋系極道をまとめる極山会の2代目平川や植木とは馴染み。

争い事を好まない穏健派であり、辰巳に勝手に自分の部下を使われ、彼の尻拭いをさせられた挙句弾かれかけ、親交のあったみちのく一家の揉め事を収めようと苦心する羽目になるなど沖田に比肩しうるレベルの苦労人であり、後に沖田と共に迫田に助けを求める姿は敵ながら涙を禁じ得ない。60にて何者かの密告により刑務所に収監されてしまう。

(メタ的理由としては演者の吉沢氏がガンの闘病に入ったためと思われる)


  • 三田太源(みた たいげん)

演:菅田俊

丸神連合理事長 七代目丸打組組長→丸神会会長

10人目の仮面ライダーではない近江連合舎弟頭でもない

元は滝島を支える身であり、滝島の引退に伴い丸神会会長に就任する。

丸神連合会長になってからは警察や政治家との慰着も辞さなかったものの本心ではなかったようで、頂上作戦中止後はそれらとの関わりを一切断ち、正々堂々とした態度で氷室と敵対するようになる。

辰巳から沖田を庇って撃たれて以降は傷の影響か病気がちとなり、丸神会の集まりも彼の邸宅で行われるようになった。


  • 菊村重政(きくむら しげまさ)

演:結城貴史

丸神会理事長補佐 直参二代目鶴見組組長

先代である鶴見が凌一により殺されてしまった事で侠和会を恨んでおり報復を誓うが、抗争を始める事を良しとしない沖田、小野寺らと対立してゆく。漢気のあった先代の鶴見と違い、相手を逆撫でするような陰湿な物言いや作戦が目立ち、それらが余計に沖田らとの対立を深めていった。

同時期に出所した辰巳と意気投合し、沖田を追い落とすクーデターを画策するも看破されて除名処分を受けるも、「もう自分は極道ではない」と開き直った挙句川谷の妻である美南と若い衆を人質にとったことで川谷の怒りを買い、怒りのあまり飛び掛かろうとした三上に気を取られた隙に川谷、駆け付けた氷室と田村の一斉射撃を受け死亡したかに思われたが、特注の痛み止めが欠かせなくなる身体になりながらもしぶとく生き延びており、辰巳と再合流するが、あろうことか今度は助けられた恩人であるはずの無関係の堅気の人間(しかもそれは山村を育てた人である)を自分の生存を知る人間は生かしておかないという理由で撲殺するという超ド級の暴挙に出た為、再び氷室と田村の怒りを買ってしまう。最期は氷室と田村の銃撃を受けても(前述の痛み止めの効果か)高笑いを崩さなかったが、氷室に頭を撃ち抜かれ遂に死亡した。なお、美南誘拐の件が侠和会に横浜進出の正当な理由を与えるきっかけになるなど、丸神の足を盛大に引っ張る形となった。


  • 辰巳龍三(たつみ りゅうぞう)

演:武田幸三

丸神会事務局長三田組組長(秋元組シマ継承)

血気盛んないわゆる「イケイケ」であり、三田からは可愛がられているが、侠和会と争う事しか頭に無い節があり、同じく侠和会への報復を目論む菊村と意気投合するが、穏健派である沖田らとの対立を深めてゆく。背中には三田を庇って撃ち込まれた、摘出できない弾丸が残っている。

なお氷室から「こんなヤクネタの世話させられてる三田会長には同情するよ」と皮肉られているが、後の展開を顧みると本気の同情に聞こえてしまうのがまたなんとも言えない。

次第に他の幹部からも侮られるようになっていき、絶縁された菊村との密会を迫田に暴かれて激高して沖田を撃とうとするも、あろうことか三田会長を誤射してしまうという不義理になったことで自身も絶縁されてしまい、菊村に夫を殺害された国本夫人の姿を見た三田会長からも見放されてしまう。最期は菊村と共に氷室と田村の銃弾を浴びるも(この時三田を撃とうとした菊村を止めようとしており、それが文字通り致命的な隙となった)立ち上がろうとするが皮肉にも親である三田会長の手で止めを刺された(余談だがこのシーンで血糊がカメラのレンズに飛び散ってしまうが、そのまま収録・放送された)。

彼自身は決して野心家というわけではなく、むしろ忠臣なのだが、慎重に事を進めようとする沖田理事長や他の幹部達への思いやりを持てず独断行動に走り、あろうことか侠和会を潰すべく三田会長の大事な子であるはずの沖田達までも弾こうとするという暴挙に出るなど、見方を変えれば「三田会長その人ではなく、会長に忠実な自分自身に忠誠を誓っていた」という節があり、結果的にそれが「親である三田や自分の巣である丸神を踏み躙る不忠義者」という最悪の形で結実してしまったのは否めないだろう。


  • 迫田常夫(さこだ つねお)

演:中野英雄

丸神会最高顧問 迫田組組長

関東で名を馳せた堂島組若頭補佐ではない。

『沼津の迫田』として名を馳せ、丸神会に参加することもなく一本独鈷(どこにも所属しない独立した組)として活動していた大親分だが、辰巳に手を焼く沖田の要請により最高顧問として丸神会に加盟する。その場で丸神会内の引き締めに着手。若頭の岩尾を使い辰巳の不穏な動きを暴くが、結果的に沖田を庇った三田が撃たれる事態になってしまう。

その後は理事長の沖田をも凌ぐ勢いで発言力を増していき、藤代組跡目騒動で氷室と初めて対面。秋本亡き現在は氷室の良きライバルのような立ち位置。

時に地面師を利用したり暗躍する岩尾を窘めるなど、曲がった事は許さない性格であり、岩尾はそんな迫田を強く慕っている。


西日本睦会編集


玄誠会や四国会を含む12団体を主体にして結成された反侠和会同盟組織。当初は侠和会と争うつもりではなく、他所への侵略を繰り返す侠和会に攻め込まれないよう自衛のために設立された組織であった。しかし侠和会を敵視する二代目の福本の暗躍ならびに暴走により侠和会と事を構える気の無かった幹部の反感を買い、それを見越した氷室によって徐々に裏から切り崩され後に福本は死亡、最終的に中川が会長に就任し侠和会の直参になった。しかし中川が体調不良により引退し、さらにその後目もとんでもない不忠義者であったことが原因で当面の間執行部の合議制による集団指導体制をとることになった。


  • 高坂 玄(こうさか げん)

演:宮内洋

初代玄誠会会長。

仮面ライダーV3ではない。

西日本睦会を結成した張本人であるが、侠和会と闘うためではなく侠和会に自分たちの領地を奪われないように組織を立ち上げた。

福本とは対照的に義理や人情を大事にしており、氷室のことも敵であっても認めている。

後に体調不良により引退し会長の座を福本に譲るが、肝心の福本にやりたい放題され自身の意を徹底的に踏み躙られるなど、尾本に劣らぬレベルで不憫な目に遭う。


  • 福本 貞夫(ふくもと さだお)

演:松田ケイジ

玄誠会幹事長→二代目玄誠会会長。

柳ヶ瀬連合会や広島の総会屋のビジネスや手形詐欺のビジネスの邪魔をされたことで氷室を恨んでおり、西日本睦会の会長就任後は坂下組をけしかけて工藤を銃撃するなど徹底抗戦の構えを見せる。

極道としては文句なしの最大の敵(実際氷室からも的を射た戦略だと評価を受けた)だが、いかんぜん私情を優先するあまり周りが見えていなかった節があり、当初侠和会と争わない為に結成したはずの睦会のやり方と矛盾する行動をとったことで切り崩しを許してしまい、最後は会のリコール選挙において中川に敗れ権力を失い、氷室率いる侠和会の襲撃により射殺された。


  • 中川 至道(なかがわ しどう)

演:沖隆二郎(16・17) / 小林功(18-)

呉 西日本睦会 中川組組長→三代目侠和会若頭補佐 三代目西日本睦会会長→広島ブロック長

西日本睦会には渋々入った様子であり、福本の行動に納得しおらず暗殺計画なども知らされていなかった。ちなみに氷室が引くレベルでかなり酒癖が悪いらしく、「カラオケで高音が出ないから」という理由で福本を殴ったこともあるらしい。(どのタイミングかは不明。睦会加盟後に親睦会あたりのイベントにでも行ったのだろうか?)

福本の死後西日本睦会を継ぎ、川谷との親子盃を交わし侠和会入りし後に広島ブロック長も兼任するが肝臓の病気による体調不良で引退してしまい、これが原因で広島での抗争に発展してしまう。


至誠会編集

九州に拠点を構える極道組織。五代目会長である川端は権田との五分の兄弟分かつ侠和会との親戚付き合いのある組織であり無碍にできない存在であった。会長は博多、熊本と交互に選出される決まりがあったが、博多派が熊本の席を取り上げたことが原因で侠和会と睦会の代理戦争が始まってしまう。


  • 川端 忠雄(かわばた ただお)

演:梅宮辰夫

五代目至誠会会長。

権田会長とは五分の兄弟分であり、工藤にとっても絶対に顔を汚す事ができない相手である。人情深い人物でもあり、「このまま侠和会と信闘会で潰しあってくれれば」と言った部下を「人としてそういう事を考えるな」と諌めるなど、業界全体のことを考えて行動する思慮深い人物。

信闘会との抗争が始まった際には仲裁に入り手打ちへと事を進める。後に氷室が八神を討ち取った際には情状酌量を汲んでか処分を下すことは無かった。

本編の途中で熊本派理事長である石上晋介(演:中野裕斗)ともども病気で急死してしまい、それに伴う跡目問題が原因で博多派と熊本派の内部抗争が始まってしまう。

なお、後に彼自身は博多派の人間であった事が語られている。

出番は権田共々極めて少ないが、梅宮氏の貫禄ある演技により強烈な印象に残るキャラクターである。


  • 黒木元誠(くろき げんせい)

演:松山鷹志

熊本 阿蘇一家総長→三代目侠和会若頭補佐七代目至誠会会長→三代目侠和会若頭補佐 九州ブロック長 七代目至誠会会長

サムライテニスプレーヤーではないし、未確認生物専門の刑事でもない。

六代目至誠会会長になる予定だった人物であったが、宮島が強引に六代目となってしまった事を不服として反旗を翻す。

侠和会が熊本派に加勢した際に力を強め、宮島を追い落とした後に七代目至誠会会長に就任し、後に沖田の頂上作戦によって逮捕された際に林田に後を託し引退した。


  • 宮島嘉門(みやじま かもん)

演:原元太仁

六代目至誠会会長。

博多派の数が勝るのを良いことに熊本の席を取り上げ、挙句に睦会と組んで熊本派と抗争を始めるという暴挙に出た為に侠和会の怒りを買ってしまい阿蘇一家と組んだ侠和に追い詰められ、最終的に跡目を狙う理事長であった林田の加勢によるクーデターにより引退に追い込まれた。



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