概要
大物政治家・大道寺稔の弟子たちとその配下によって構成された一大組織。
日本の政治の暗部で暗躍し、必要とあらば非合法な作業にも手を出す所謂秘密結社で、存在を知る者からは"『フィクサー』の残党"とも呼ばれている。
末端のエージェントは「死んだことになっている者たち」で構成されており、全員本名を隠しコードネームを使って行動している。
組織の存在は勿論、死亡した筈の人物を利用している都合上エージェントの正体を外部の人間に知られることをタブーとしており、場合によっては違反者の命をもって制裁を加えることも辞さない。
さらに日本全土に支部が存在し、ありとあらゆる箇所に監視の目があるため、組織の目から逃れることはほぼ不可能。
また、上述の通り「存在自体を秘匿されている」、「秘密結社・政財界との太いパイプ」など、実際の日本のヤクザ・極道よりも総じて海外のマフィアに近い組織形態をしていると言える。
このように、一見すると凄まじく厳格かつ非道な組織体制にも思えるが、
- 成果を上げた者に対しては『信賞必罰』の理念のもと十分な報酬を与える
- 『契約』を遵守している以上は桐生の自由行動を咎めはするものの黙認する
- 手練の人物に対しても戦闘指南を行い、ガジェットや戦闘技術を記した教本を支給するなどサポートが手厚い
- 500億円もの大金を対価として提示されたからとはいえ、二度も命令に背き粛清対象となった桐生に対し生きるチャンスを与える
など組織としてはホワイトかつ柔軟な運営を行っており、「闇の組織」ではあっても「悪の組織」ではないことがうかがえる。
各作品での動向
荻久保を失脚させた東京都知事・青木遼の増長を止める為、「渡瀬組若頭の鶴野裕樹から贈られた約500億円分の資産の見返り」として、東城会と青木の私兵である近江連合を解散させるという渡瀬勝と堂島大吾の計画に桐生と花輪を協力させる。
そして、この計画に反対していた近江連合幹部二名を秘密裏に一派のエージェントとして引き込んだ。
先の騒動で荻久保が失脚したことに加え、青木の暴走により癒着先の民自党が下野したことで徐々に影響力が失われつつあった。
そんな中、横浜星龍会若頭の海老名正孝とハワイの宗教団体「パレカナ」を率いるブライス・フェアチャイルドが持ち掛けたあまりにも都合が良すぎる核廃棄物処理の提案に疑問を持った一派は真相を探る為に春日一番の母親である岸田茜の捜索を桐生に命じ、目的を同じくする春日一行にも協力した。
茜の確保は成し遂げたものの、この事件で花輪が死亡した。
構成員
創設者
『6』に登場する大物政治家。
かつては大日本帝国海軍の将校だった。
第二次世界大戦中に軍の資金を横領し独断で進めた「超大和型戦艦の建造」が露見することを恐れて戦艦を隠蔽した際に当時の巌見造船社長・巌見兵三との間に発生した「尾道の秘密」を守るべく暗躍した。
『6』の終盤で老衰のため息を引き取ったが、「昭和のフィクサー」の影響力は死んでも尚健在のようで、大道寺の死後も一派は政界に強力なパイプを持っている。
幹部
『7』に登場する民自党の幹事長。
戦後間もない1960年代に横浜流氓・横浜星龍会間での血で血を洗う情勢を憂い、両者と後に伊勢佐木異人町に参入するコミジュルの三者に分業体制の偽札製造を持ち掛け、その後「肉の壁」と呼ばれる鼎立構図を形成し、結果的に異人町の治安維持に大きく貢献した。高齢なこともあり、『7』本編の2019年時点では寝たきりの状態で登場する。
また、『7外伝』冒頭でのチュートリアルを兼ねた護衛任務にて荻久保の孫娘が護衛対象として登場している。これによって彼も一派出身であったことと、彼を失脚させた青木遼が一派にマークされていたことが判明した。
荻久保が「今の内閣で他に並ぶ者はいない」とまで評価された指折りの実力者だっただけに、失脚によって一派の政治的な影響力は著しく損なわれたものと思われる。
- 主任(CV:中博史)
『7外伝』に登場する、幹部である事以外全て詳細不明な車椅子の老人。
劇中の描写から、一派の中では一定の影響力があると思われる。
管理者
『7外伝』『8』に登場する管理者の一人。
桐生の唯一と言える外の世界との接点。指示役として桐生に指令を通達すると同時に、その行動を逐次監視する役割を持つ。
戦闘の際は警棒を手に取り、『ロストジャッジメント』の渡辺基祐に近いスタイルで戦う。
『7外伝』に登場する管理者の一人。
組織のためなら平気で仲間を見捨てる危険な男で、組織に従順でない桐生を良く思っていない。
戦闘の際は『3』のアンドレ・リチャードソン(ショットガン所持時)に近いスタイルで襲い掛かる。
エージェント
かつて日本の裏社会で猛威を振るった「堂島の龍」。
一派の存続に関わる「尾道の秘密」を知ったために取引を持ちかけられ、その口をつぐむ代わりとして自らの死を偽装させ、一派のエージェント「浄龍」として活動している。
しかし、桐生の訃報を全く信じていなかった渡瀬の行動の結果、協力関係を結んだ渡瀬組だけでなく大吾、真島、冴島ら東城会の幹部にも生存を知られることとなる。
- 如安
『7外伝』に登場。
浄龍のかつての肩書を知っており、面白がって彼に因縁をつけ戦うも敗北し、その後裏取引の警護の最中に突如現れた襲撃者に撲殺された。
戦闘の際にはムエタイで襲い掛かる。
- 来汰(CV・モデル:岸田タツヤ)
『7外伝』に登場。
劇中では、裏取引の警護と大道寺からの脱出を試みる浄龍の迎撃を行った。
戦闘の際は傘型の捕縛ガジェットを使い、『3』のアンドレ・リチャードソン(ショットガン所持時)に近い動きで襲い掛かる。
- 無進(CV・モデル:中澤達也)
『7外伝』に登場。
大道寺からの脱出を試みる浄龍の前に立ち塞がる。
戦闘の際は刃物が仕込まれた靴を用いて、『3』のアンドレ・リチャードソン(素手)に近いスタイルで襲い掛かる。
- 円禅(CV・モデル:川崎健太)
『7外伝』に登場。
大道寺から脱出しようとする浄龍の前に立ちはだかる。
戦闘の際には小太刀を持ち、撒菱を撒くといった『維新!』の忍者に近い動きで襲い掛かる。
- 才剛(CV・モデル:勝矢)
『7外伝』に登場。
大道寺を脱出しようとする浄龍を迎え撃つ。
戦闘ではブラスター型のガジェットを片手に装備し、『5』の金井嘉門に近いスタイルで襲い掛かる。
その他
- 大道寺住職(CV:塾一久)
『7外伝』に登場する「大道寺」の住職。
桐生の数少ない話し相手で、彼に対し未だ煩悩に囚われていることを指摘した。
実は仏門に身を置く僧侶ではなく、花輪を一派の世界に導いた元エージェント。かつては大道寺稔の金庫番も務めていた。
『6』に登場する、広島一帯を支配する極道組織。
明言はされていないが、一派の存続に関わる「尾道の秘密」を密かに守っているこの組織の組員も実質的な一派の構成員である。実際、鶴野もこの組織のことを「一派の兵隊」と見做していた。
- 政治家(名前・素顔共に不明)
『6』の終盤に登場。
「尾道の秘密」を知った桐生一馬に取引を持ちかけ、秘密を守る見返りとして逮捕されていた大吾の釈放と桐生の死亡届の偽造を行った。
余談
来汰、無進、円禅、才剛役の俳優陣はVシネマシリーズ『日本統一』で「山崎一門」の組員を演じている。なお、才剛役の勝矢氏は『1』以来の出演(跡部組若頭役)である。