「次の仕事が入りました 『コードネーム浄龍』としてのね」
「元々今私が生きているのは この人に救ってもらったからだ それも今回だけじゃない
──────私は彼に 2度助けられている」
CV:東地宏樹
概要
秘密組織「大道寺一派」のエージェントの一人で、桐生一馬(浄龍)の管理者。花輪は偽名のため、本名は不明。
吉村以外のエージェントから敬語で接せられていることから、一派の中でもかなりのベテランに位置することが窺える。
服装は上下黒のスーツと紺色のシャツで、常にサングラスを掛けている。
言葉遣いなどは落ち着いていて丁寧でありいつも敬語だが、周囲から「一言多い」と内心思われる程、会話の節々に嫌味や皮肉を挟む性格だが、本人は鶴野裕樹と吉村に指摘されるまでその自覚がなかった(吉村曰く「みんなお前を気ぃ遣って言わねぇだけだ」とのこと)。
なお、身体能力は一般人の平均より低めなようで、『8』にて本人曰く「階段をのぼるだけで息が切れる」とのこと。だが『7外伝』では桐生と花輪が戦う場面があり、特段弱いというわけではない。
基本的に組織に忠実であろうとする花輪と、独断専行が多い桐生は意見が対立することもしばしばだが、それでも互いを信頼し尊重する様子が描かれていく(花輪自身も桐生の性格は理解しており、ある程度の諦めがある)。花輪は時に桐生を脅迫するようなことを言っているが、「桐生の大切なものを守るためにも大道寺を敵に回すべきではない」と忠告しているというのが大きい。
劇中の活躍
龍が如く7外伝 名を消した男
桐生や他のエージェントと共に、ある人物からCIA経由で一派で依頼された横浜港での金塊輸送の護衛任務に当たっていたが、突如謎の集団に襲撃され頭部を負傷し、彼らに拉致されかけるも桐生に助けられる。
後日、一派への護衛依頼がフェイクであることが判明し、その中で襲撃グループが極道関係者の可能性が高いとして、横浜の極道組織である星龍会の様子を探るため、伊勢佐木異人町に桐生を派遣する。その後、襲撃グループの首謀者「ミスターX」の正体である近江連合直参渡瀬組若頭・鶴野裕樹を連行していたところ、今度は先日の襲撃騒動で指揮を執っていた渡瀬組若頭補佐・獅子堂康生に拉致され、拷問を受けることになってしまう。幸い重傷を負いながらも、自身がいる大阪・蒼天堀のビルへ向かった桐生に助け出される。そして桐生に敗北した鶴野から、自身を攫った理由が、東城会・近江連合の同時解散計画に桐生を協力させるためだったと知る。
その後、一派の大阪支部に監禁していた鶴野を桐生が逃がしたため、罰として彼を処刑するよう命じられたが、助けられた恩義からそれを拒んだことで自身も処刑されそうになる。しかし、その展開を予想していた一派の主任や、500億もの資産を手土産に戻ってきた鶴野の甲斐あってか、桐生と共に解散計画の協力を命じられる。
そして解散当日、使用者責任の罪で逮捕されていた近江連合若頭・渡瀬勝が出所後に訪れた工事現場にて、鬼人会会長・三代目西谷誉に渡瀬が殺害されそうになった際に、西谷をリムジンで跳ね飛ばして窮地を救い、桐生たちを近江連合本部まで送り届けた後、近江の残党との戦いを終えた彼らを迎えに行った。
その後、春日一番との決闘を終え大道寺に帰還した桐生に対し、一派からの任務の報酬として、成長したアサガオの子供たちが自身の墓参りをしている姿を隠し撮りした映像や、4歳になったハルトが描いた絵を見せた。
そしてエピローグにて、無期限の休暇を貰った桐生に偽造の身分証を渡し、旅に出た彼を静かに見送った。
「どうぞお気をつけて… 桐生さん…」
以下、ネタバレ注意
上記の通り桐生に渡した身分証だが、そこにはかつて桐生が福岡でタクシー運転手として暮らしていた時に使用した「鈴木太一」の名が刻まれていた。
桐生はこの名前について大道寺一派の人間には話していなかったが、実は花輪は一派に所属する前、別のツテで桐生のことを知ったことや、桐生と同じく名を消した男だったと明かす。
その正体については劇中で明らかにはならなかったが、鈴木太一のことを知りえる人間、作中で「桐生に二度助けられた」と話すこと、そして花輪を担当している東地氏は、過去に『5』にて、東城会会長護衛役・森永悠を演じていたことから考えると、花輪の正体は森永悠その人ではないかと思われる(森永と花輪は同じく「植物(森、花)+終わりがない事(永、輪)」であることも考察に含まれている。
龍が如く8
一派から命じられた茜捜索任務のため、ハワイ・ホノルルシティにある一派のセーフハウスにて桐生と3人の部下と共に駐在し、春日一行のサポート役に徹していた。
以下、ネタバレ注意
物語中盤、春日一行の活躍により茜と彼女が連れていた少女・ラニの保護が完了し、至急帰国の準備を整えていたが、同行していた三田村英二が突如裏切り、彼がセーフハウスの場所を漏洩していたため、ラニを奪おうと乗り込んできたバラクーダの構成員にウォン・トー共々銃撃され、腹部に銃弾を1発受けて花輪は死亡する。
この時点でもハワイには花輪の部下である大道寺エージェントが3名ほど残っているが、「花輪達の死に責任を感じる春日に非はない、花輪や自分たちの責任である」と言って気を遣っており、ナンバからは「花輪の教育が良かったんだろ」とも言われていて、別の場面で登場する大道寺エージェントとはかなり印象が異なっている。
なお、花輪の死を聞いた桐生は比較的落ち着くが、1人で動揺した。また、「監視する側、される側という立場だけだったはずだが、花輪とは色々あった」「働き過ぎだったから少し安め、俺ももうすぐそっちに行く」としみじみ思いに耽っていた。
また最後の報告書にはこう書かれていた、『彼らは私利私欲に走ることなく、自らの使命に文字通り命を懸けている。敬意を払い、対等に接すべき対象であり、それこそが我々の目的達成に繋がる道だろう。』と。
余談(ネタバレ注意)
- 上記の通り、花輪は『7外伝』でメインキャラとして描写されていたにもかかわらず、『8』ではあっさり死亡してしまい、その退場シーンはあまりに呆気ないものであると言わざるを得ない。
- しかしこれについては理由があり、実は『7外伝』の制作は『8』よりも後に行われており、言ってしまえば『7外伝』における花輪の活躍は後付けのストーリーだからである(そのため『7外伝』での花輪の正体について『8』では偽名であること以外は特に触れられることはない)。
- 『8』だけでいえば花輪は唯の脇役に過ぎないが、『7外伝』にて彼の描写が盛られ過ぎてしまったが故に、花輪の死亡を残念に思うファンも少なくない。
- 実際に、制作スタッフも「花輪はもともと退場予定ではあったが、『7外伝』であれだけの人気が出たのは予想外だった」というコメントを残している。
- ただし、とある作品で大活躍を見せていたキャラクターが後の時系列にあたる作品であっさり退場するという例は、龍が如くシリーズにおいても花輪に限ったことでは無い。
- 例として、『0』で活躍を見せていた世良勝は『1』(『極』)であっさり死亡してしまう(なお、世良の例も花輪の場合と同じく、作中時系列が過去にあたる『0』の方が『1』より後に制作されている)。