「俺はよぉ……勇者のつもりで戦ってんだよ」
「……悪くねえな!成り上がりって生き様!いっちょドーンとかましてみっか!」
「どん底までいきゃあ、後は上しか行く道がねぇ…」
「嫌われんのは慣れっこだよ、それに、嫌われたっていいじゃねぇか…それが何だってんだ、大事なのは、いつだっててめぇの心ん中にある、ただ、それでも迷ったり悩んだ時はさ…俺を呼んでくれや、話聞くぜ、それがダチってもんだろ?」
CV:中谷一博
概要
『龍が如く6』で表舞台から姿を消すことになった桐生一馬の後を継ぐ、シリーズの新主人公。1977年(昭和52年)1月1日生まれ。『龍が如くONLINE』で初登場。その後『龍が如く7』にて家庭用機で初登場する事になった。
全体的に桐生と対照的な個性を持ちつつ、一部では共通点があるというキャラデザインがされている。
元東城会系三次団体「荒川組」若衆だが、数々の冒険を繰り広げる中で様々な顔を持つようになり、「元極道のカタギ」の枠に収まらない器の人物へと成長を遂げる。
呼称も、名字(+さん、チャン)に固定されがちだった桐生とは異なり、「春日(+さん、君)」「イチ(荒川組時代の愛称)」「一番」「イッチャン」など人によって呼び方がだいぶ異なっている。
『7』以降の作品ではパーティ(春日一行)のリーダー及び勇者担当となっている。
なお『ONLINE』と『7』は一部の設定以外はストーリーや時間軸が異なっており、春日の経歴なども若干異なっている。その為、以下の概要はそれらを分けて記述する。
人物像
容姿
髪はやや茶色混じりの黒髪で、カーリーパーマのボンバーヘッドが特徴。
こうした奇抜な髪型になったのは後述する服役期間を経て出所した後であり、少年期、荒川組在籍時代は(2000年代初頭にして既に時代遅れ感はあるが)パンチパーマでありマトモな髪型であった(ただし『ONLINE』と『7』ではこうした過去の髪型も若干異なっている)。
『7』では極道に入った20代の頃はツーブロックのパンチパーマにしており、髪には強いこだわりがあった様子。序盤の戦闘を終えた際には弟分の安村光雄に対して怪我よりも髪が崩れていないかを確認する発言をしている。
長い服役期間から出所後、再びパンチに戻そうとヘアサロンに入るが、担当した若い女性美容師がパンチの当て方を知らなかったため、現在のボンバーヘッドにされてしまい、非常に不服だった模様で、以降出会った人物達からは度々その特徴的な髪型を指して「モジャモジャ頭」と呼ばれたりなど何かとイジられる羽目になる。
曰く「パンチは俺のポリシー」らしいが、今の髪型が似合っていると褒められ「もう少し今の髪型でいるか」と思い直す場面も。
また、やや日本人離れした濃い顔立ちをしているが、これは自身の母親の出自が影響している。
服装はワインレッドのスーツと黒茶の革靴、ワイシャツで桐生の服装と色が反転した物になっている。また、首には金のネックレスを付けており、それを見せつけるようにワイシャツのボタンをはだけさせている。
背中に彫られた刺青は「龍魚(龍になりかけた昇り鯉)」であり、桐生の「応龍」と、その兄弟分・錦山彰の「緋鯉」の両方の要素が盛り込まれている。ちなみに龍ではなく龍魚なのは龍を背負うには相応の格が必要であり、自分は到底そこに及んでいないからとのこと。
いつか自分が成り上がる事で龍魚を龍に並ぶ存在として認知させるという密かな野望も持っている。
性格
クールなイメージだった桐生とは対照的にフランクで明るく、喜怒哀楽が非常に激しい性格。
一方で義理人情に厚く、また一度心に決めたことはなんとしてもやり遂げるという一本気な側面も持つ。老若男女問わず、困ってる人を見捨てられない心優しい性分は、桐生はじめ歴代主人公たちと共通する。損得勘定とは無縁であり、たとえ自分を陥れたり裏切ったりした人物であっても、体験を共有したり美点を見出した相手に対しては強い友情や仲間意識を持つ傾向があり、多くの人物が最終的に春日の人柄に惹きつけられている。
桐生が無口で口下手かつ要領の悪いところを見せていたのに対して、春日は頭の回転が早く弁が立ち、ときには口先のみでトラブルを解決することもある。特に、相手が祭り上げられただけの元一般人とはいえ「法の矛盾」「法のグレーゾーンについて」で論戦、圧倒するなど、敵対する相手を舌戦で追い詰める場面をよく見せており、それまで桐生が敵に言い負かされそうになると暴力に訴えがちだった旧シリーズとは一味違う展開を演出してくれる。
この口の上手さは組の宴会の際の司会業で鍛えられたことがきっかけである。
刑務所に長らく収監されていたため、世俗には疎い部分があり、出所後に神室町に戻った際は、道行く人々が当然のように使用するスマートフォンや電子タバコを初めて見て戸惑う表情を浮かべていた。パソコンに関しては入所前から存在したはずだが、当時は縁がなかったのか(もしくは薄型軽量化で別物にみえたのか)出所後に初めて存在を知ったような言動をみせていた。
上述のような浦島太郎状態だったものの、物語が進むにつれて現代社会にも徐々に順応しており、スマートフォンの使い方を覚え、『7』では戦闘時に助っ人を(有償で)召喚する「デリバリーヘルプ」でも華麗なタッチパネルさばきを見せたり、イベントムービー中に留守電に自分の声を設定している描写があったりなど、しっかりと使いこなしていることが窺える。サブストーリーの中には「ソージー」なるお掃除ロボットの開発援助などを行い、また「ドラゴンカート」では自在にカートを操作している辺り、特に機器に関して苦手意識があるわけでもなく、寧ろ知識が乏しかっただけで元々そちらの才能があったようにも感じさせる(この辺りも桐生と共通している)。
極道として
物語スタート時点で「堂島の龍」という肩書きで知られ、極道界隈でも有名人であった桐生に対し、春日は飽くまで無名の末端ヤクザだった。決して無能というわけではなく上記の通り機転の効く方だが、自身よりも義理人情を重んじる性格が災いしヤクザ商売はさっぱり覚えが悪く、特に若頭の沢城丈からはケジメ寸前まで激怒されている。
出所後は家族のように慕っていた荒川組にも見捨てられ、頼るべき友人や仲間も居らず、帰るべき場所もアテもない、下っ端故金もコネもない、まさに「人生のドン底」と呼ぶべき状況から物語が開始される。
性格や境遇という意味でも、桐生とは全く対照的なキャラクターといえる。それ故に桐生ではシュールに映ったコミカルなパート(変なイベントに巻き込まれる、カラオケに行くなど)もピッタリハマる。
また、桐生は巻き込まれ、放っておくこともできずなし崩し的に、或いは無視を決め込んだが、別件で繋がってしまい…とサブイベントに関しては消極的な事が多い(勿論見過ごせない不義理の場合は自分から首を突っ込む)が、春日はシノギに影響を出す程のお人好しで義理人情の塊であるため、桐生なら首を突っ込まなかった様な頼まれ事やトラブルに自ら進んで関わりにいくことが多い。
ただし、育ての親である風間新太郎に心酔している桐生同様、春日も自分を救ってくれた命の恩人である荒川真澄に心底惚れ込んでおり、荒川を侮辱したり危害を加える者に対しては、普段の明るさが嘘のように激昂することもある(『7』の服役時代のエピソード、および終盤で顕著)。
ちなみに、春日は組に在籍中、命の恩人である荒川真澄以外眼中になかったのか、桐生一馬の顔を知らない(名前自体知らないかは不明で終始、彼を『あんた』及び『ドラゴン』としか呼んでない)が、『8』では『桐生さん』と呼んでいる。
しかし、当時桐生以上にその名を轟かせていた真島吾朗に劇中で出会った際は、「この人が東城会にいたあの片目の狂犬(嶋野の狂犬)だろう」とある程度察していた。
趣向
『7』においては、幼少期に一世代前の『ドラゴンクエスト』シリーズをやり込んで育ったらしく(カラオケでその様子が描写されている)、常々人生をドラクエに例え、年甲斐もなく「勇者」というヒーロー像に憧れを抱くなど、強い影響を受けている模様。そのため「相手のターンを待たずに一方的に攻撃するのは卑怯」という心情があり、本作での戦闘はリアルタイムによるコマンドシステムを主体としたRPG形式のバトルアクションが導入されており、桐生が主人公だった前作シリーズとは一味違った戦闘が展開されている。アクションの演出も、古き良きファンタジーRPG作品を彷彿とさせる派手な演出が数多く見られる(ずっと俺のターンが可能なゲーム等をプレイした時の反応が気になるところである。尤も、普通のプレイヤーでも大抵バランスブレイカーっぷりを考慮してその手の技は封印するが)。
『7』の舞台である異人町では、ハローワークで様々な職業に転職し、それぞれの職業に因んだ戦術を体得していくという、上述のドラクエシリーズに例えるなら「ダーマ神殿」の転職システムを彷彿とさせる形で成長していくことになる。
なお、足立、ナンバとの3人パーティでの最初の戦闘以降、突如として敵が山のような大男や奇抜な出で立ちの変人に変貌したり、有料で助っ人を召喚する「デリバリーヘルプ」や極技でのハデハデな演出、カチコミの際に敵の本拠地上空に暗雲が立ち込める…などなど、これまでにはないファンタジックな演出が数多く登場しているが、実はこれらは春日の妄想に依るところが大きく、こうした怪現象が実際に起こっているわけではない模様。そのため、戦闘・イベント中会話で春日がこうした(彼にしか見えない)変化を語りだした際は、仲間たちから「そういうことにしておこう」といった生暖かい対応をされている。(なお、後に桐生も同じ現象を体験し「春日が言ってたのはコレか」と何故か納得していたが、当然周りは桐生までおかしなことを言い出したことについていけず困惑していた)
漫画も読んでいた様で、「長い刑務所暮らしの後、最終回が気になり立ち読みしたが、作者が休載しまくっていたせいかまだ続いていた」という話が出る為、その特徴と、2000年初頭に既に連載していた漫画ということから恐らくこの漫画のファンでもあるようだ。
来歴
共通部分
1977年(昭和52年)1月1日、無名の風俗嬢であった母の務める神室町のさびれたソープランドのマットの上で産まれる。
母親は子供に「一番」という名前を付けたあと失踪してしまい、当然父親も不明で、頼りのいなかった春日は、同ソープの店長や場末のスナックのママ、ぼったくりバーのキャッチ、前科持ちのホームレスたちに育てられて幼少期を過ごした。中学を卒業する頃には頼りであった養父の店長が他界し、貧困の為、高校には行かずアルバイトなどで生計を立てて暮らしていた。未成年でありながら、既に酒や女、賭博の味を占め、金が尽きるとチンピラやヤンキーに喧嘩を吹っ掛けて金を巻き上げるという荒れた生活を送っていた。
しかしある日、評判の悪いヤクザの下っ端を病院送りにした報復として、そのヤクザの組に囚われてしまう。
彼らから想像を絶する拷問を受けて死の恐怖に怯えた春日は、とっさに自分は武闘派極道「荒川真澄」率いる荒川組の一員で手を出したら組が黙っていないと嘘をついてしまう。だが、荒川と敵対していたそのヤクザ達は逆に彼を呼び出しその真意を確認しようとし、荒川もこれに応じ、一人で春日やヤクザたちの元を訪れる。
会った事もないヤクザの名を口走った事に後悔し死を覚悟した春日だったが、荒川は春日を本当に自身の部下の様に接し、自らそのケジメとして、その場で指を詰めて彼を救った。
そして礼を言おうとする春日を荒川は殴り飛ばし、ここまでして春日を救った理由は「お前の為ではなく荒川組の看板を傷つけないため」と語る。(「"その子を返してください"なんて頭下げちまったら看板が廃れてしまう」とも)
「それなら"こんなガキ知らない"としらばっくれても良かったはず」と再度問う春日に「こんな自分のことを知ってくれてたガキの前でカッコつけたかったのかも」とも言っており、見ず知らずの自分を救ってくれた荒川に男惚れした春日は翌日、周囲の反対をよそに荒川組の門を叩いた。
初めこそ、荒川や組員から相手にもされず追い出されてしまい、時には沢城ら組員に殴られもしたが、なおも春日は組に入れてほしいと毎日事務所の門の前に立ち続け、その100日目に荒川に「ヤクザなんかになろうとするのは止めろ、親が悲しむ」との忠告を受けるも「親は既におらず、頼れる親族もいない天涯孤独である」事を打ち明けたことで懇願が実を結び、ついに憧れの荒川と親子盃を交わし、荒川組の組員に加わった。本当の親を知らぬ春日は、以降は荒川を実の父のように慕って邁進し、荒川たちも彼を「イチ」と呼び、親密な関係を築いていった。
龍が如くONLINE
そんな生活が続いた数年後の2000年(平成12年)12月31日、春日は荒川から呼び出され、同じ組の若頭である沢城が犯した殺人の罪を被ってほしいと懇願される。春日自身も、かつて組長から受けた大恩をようやく返せると喜んでそれを引き受け、翌日2001年(平成13年)1月1日、24歳の誕生日に神室署に出頭する。服役中も荒川から何度も手紙を送られており、いつか仲間たちが暖かく迎え入れてくれることを信じ、その長い服役期間を耐え忍んだ。
そして17年後、ようやく釈放され故郷である神室町へと戻ってくる。
だがそこで彼を待っていたのは、激変した街と落ちぶれた過去の仲間たち。そして、信じがたい「裏切り」の事実だった…。
龍が如く7 光と闇の行方
物語の改変もあり、春日の経歴も『ONLINE』から一部変更されている。
まず幼少期については、初代『龍が如く』に登場した高級ソープ「桃源郷」で1977年(昭和52年)元日に産まれ、店長の春日次郎が養父として春日を育てたことになっている。少年時代はソープの事務所で数世代前のドラクエシリーズを遊んで過ごし、勇者への憧れを強めていたという。
また、荒川組在籍中は若衆頭(新米組員の面倒見役)を務める傍ら、荒川の一人息子で奇しくも春日と同年同日に産まれた荒川真斗の世話役も任されていた。
服役についても、春日は荒川から身代わりを頼まれたのは2001年(平成13年)元日で、その日の内に警察に出頭している。当初は懲役15年の判決を言い渡されていたが、服役中の2002年(平成14年)夏、先輩囚人に目をつけられた際、彼らが敬愛する荒川のことを侮辱する発言を受けて傷害事件を起こし、刑期が3年も伸びてしまった。
当初出所する予定だった15年目には荒川から手紙が送られており、再会が遠のいたことへの心痛を伝えられ涙する場面もあった。
劇中の活躍
2016年、桐生一馬という犠牲の末、東城会は広島の陽銘連合会と盃を交わし「尾道の秘密」と「澤村ハルト」に関する一連の騒動に終止符を打つ。トップである堂島大吾や真島吾朗、冴島大河らは東城会の立て直しを図り、一時は中国マフィアが流れ込んだ神室町もこれまで通り東城会が支配し続けていた。
しかし2019年(『ONLINE』では2018年)、関西の敵対組織「近江連合」と警察の共謀によりその支配は取って代わられてしまう。警察と近江連合によって「表」と「裏」両方の世界が徹底管理された神室町はかつての熱を失い、緩やかな死へと向かい始めていた。
そんな中、春日は長年の刑期を終え、ついに出所の時を迎える。
以下から『ONLINE』と『7』でストーリーが明確に分岐する。
龍が如くONLINE
- 第一部
出所時の出迎えが無い事に疑問を感じながらも、万感の思いで神室町に帰還するが、年月や近江の支配により、懐かしの店は潰れ、親しかった住民達の姿は消えていた。
困惑する春日の前に一人の男が現れる。男の名は北村義一。若き日の春日を何度か捕まえた事がある捜査一課の刑事だった。北村は春日に会わせたい男がいると語るが、春日はそれを無視し、荒川組事務所へと帰りを急ぐ。しかしもぬけの殻となっており、春日は東城会と神室町の現状を知るべく、追いついた北村に従い、ある場所へと連れて行かれる。
そこには巨大スクリーンがあり、謎の男が写し出される。"X"を名乗る男は春日に荒川の殺害を依頼する。当然それを断る春日だったが、Xや北村から荒川が神室町と東城会を近江に売った張本人で、現在の神室町の支配者である事を聞き、Xの暗殺依頼の狙いは近江を神室町から追い出す事だと知る。
真相を確かめる為、荒川に会うべく春日は現在の荒川組の事務所を調べ上げ、ミレニアムタワーへと向かい、待ち構えていた沢城率いる近江の組員を倒していき、遂に荒川と再会する。
荒川との再会に喜ぶ春日だが、荒川はそうでもなく春日に用済みだと伝え、笑みを浮かべながら銃を発砲する。撃たれた春日は倒れ込み、走馬灯の様に、かつて荒川が言った「ヤクザが笑うのは本当にヤバい時だけ」という言葉を思い出す。
三週間後、春日は病院のベットの上で目を覚ます。至近距離で撃たれながら何故か急所が外れていたのと、Xが事態を予測し救急車を手配してくれていたお陰で助かったのであった。
Xに恩義を感じる春日だったが、同時に発砲前に浮かべた笑みと急所を外した点から荒川が自らに助けを求めていると予想し、Xの神室町から近江を追い出す作戦に乗る中で、荒川と再会し彼を救う事を決意。
現在、神室町を支配しているのは荒川の傘下の「近江四天王」と呼ばれる四つの組で春日はこれらを潰すべく仲間を集める。そして北村を始め、ある男の意思を継ぎ神室町を取り戻そうとする街金融社長・秋山駿、かつて春日が通っていたスナックのママの孫・瀬戸真弓、春日が荒川組に属していた頃の弟分・安村光雄、神室町の半グレのトップ・辻隼人らと力を合わせ、近江四天王に立ち向かっていく。
修行や仲間割れを経て春日たちはより成長し、近江四天王を続々撃破する。そして遂に四天王最後の1人で、かねてより因縁のある荒川組若頭の沢城に辿り着き、「本物の龍」の名を掛け最後の一騎打ちに挑み、死闘の末に勝利した。後日春日が病院で目を覚ますと、携帯に一本の電話が入る。
「俺に用があるんだってな。……なら、蒼天堀に来い。全部、終わりにしようじゃないか。……イチ。」
それは春日が救おうとしている荒川からの電話だった……。
- 第二部 黄龍放浪記
1999年を舞台に郷田龍司を主役とする第二部。第四章より登場。
東城会本家より荒川組に課された龍司とハン・ジュンギの暗殺の仕事を荒川に任される。
二代目代行・二井原隆の命により、出所してきた元堂島組若頭補佐・久瀬大作とペアを組み、福岡に滞在していた2人を襲った。
相変わらず武闘派の久瀬を鎮めながらも、当時の春日も「殺しの荒川組」の一員であった為、敵には容赦が無く、真拳派の意向でそれまで行動を共にしていた龍司を裏切って殺害する事を躊躇していたハンから拳銃を奪い取り、龍司に向けて発砲し、彼を海へと沈めた。
………というのは見せかけで、実は龍司を殺したと見せかけて匿っていた(その理由は龍司がハンを庇ったのを見て、悪い奴ではないと考えたため。ちなみに、銃を使うのは初めてだったため、龍司が生き延びられるのかは殆ど運任せだった)。
龍司が蒼天堀に向かった後は、彼の助っ人として参戦した。事件終結後は、殺しは行っていないが荒川から「殺しの荒川組」として認められる。
龍が如く7 光と闇の行方
- 荒川真澄の裏切り
2019年12月(当時42歳)、出所した春日は早々に、彼が出てくるのを待ち伏せていた元刑事で免許センター職員の足立宏一に呼び止められる。自身の経歴を洗いざらい話してみせる足立を警戒して距離を置きつつ、ヘアサロンで髪を整え(春日本人はパンチパーマを所望していたものの、ヘアアーティストがパンチパーマを知らなかった為ボンバーヘッドになってしまう、それを見た足立は爆笑していた)、春日が被った殺人事件で犠牲になったヤクザの墓参りを行うが、なおもしつこく足立に付きまとわれることになる(特に「むしゃくしゃしてたから」なんて理由で人を射殺するイカれ野郎が墓参りなんて殊勝な態度を見せるわけがない、と足立は分析しており、別の犯人がいると睨んでいた)。
丁度そのとき、近江の幹部の墓参りに向かう荒川の姿を確認し、春日は再会を喜び声をかけるが、荒川はまるで気付かぬ素振りでそのまま目的の墓へ向かってしまい、取り巻きのヤクザの下っ端や足立からも制されてしまう。
その後、足立から現在の神室町と東城会の悲惨な状況を語られ、それを作り出したのが荒川であり、その褒美として荒川が近江の実質的なナンバー2・若頭代行になった事を知らされる。当然、荒川を信望する春日にはそんな話は信じられず、そのまま神奈川へ向かおうとする足立の車から降りると、一人荒川組の事務所を目指した。18年振りに戻った神室町は、春日の知る面影をまるで残しておらず、当時の荒川組事務所も現在はもぬけの殻となっており、出生の地である桃源郷もほぼ廃墟と化している有様であった(『2』以降半グレのアジトなどに使用されていた事を考えると、原因はおそらく、『1』での桐生と真島の攻防、取り分け真島組によるトラックによる突撃と床抜きが致命的だったと思われる)。
昔から世話になっていた知人達も長い月日の中で故郷に帰ったり、ライフスタイルを改めたりと面影を残しておらず、自分だけが取り残されている思いを強くする。
同時に、"近江連合"荒川組構成員とのいざこざで、先程の話が真実だと痛感した春日は、再び春日を追って現れた足立の言葉に折れ、現在、警視総監を務める堀ノ内十郎の鼻を明かすため荒川を探っている彼と協力関係を結ぶ。
その後、今夜町内の高級中華料理店「平安樓」に荒川が出向くという話を知った二人は店に侵入し、近江連合組員やかつての兄貴分・沢城の妨害を撥ね退け、なんとか荒川の元へとたどり着いたが、それを出迎えたのは自身に銃口を向ける荒川の姿だった。実の父のように敬愛した荒川からの無情の銃弾で胸を射抜かれた春日は生死の狭間をさまよった。
「すまねぇなぁ…イチ…死んでくれ」
- ホームレスとして異人町へ
なんとか意識を取り戻した春日だったが、神室町から遠く離れた横浜の「伊勢佐木異人町」のホームレス街に打ち捨てられていた。信頼した荒川に裏切られ、18年を無駄にし、帰る場所も何もかもを失った春日だったが、捨てられた自分の命を救ってくれたホームレス・ナンバや、食い扶持を稼ぐ為に一時バイトをしていた風俗店の店長・野々宮勲が経営していたスナックの雇われママ・向田紗栄子と協力し、このドン底から成り上がることを決意する。
また、こうした仲間たちとの邂逅と同じく、横浜を牛耳る極道・マフィアの三大派閥、通称「異人三」とそれぞれ対立していたが、紗栄子との出会いのキッカケにもなった4人の共通の知人・野々宮勲の変死の捜査に乗り出した末に、この三派閥がせめぎ合うことで形成されていた“肉の壁”というパワーバランス、その裏で三者が結託して長年隠し通してきた偽札製造業などを各組織代表の三名から明かされる。
更には、異人三の一つである中国マフィア「横浜流氓」の参謀で、今回、組織の方針を無視した独断で野々宮殺害に動いた馬淵昌の背後に、近江連合とNPO法人「ブリーチジャパン」の暗躍が浮き彫りとなっていく。そして、馬淵を追って潜入したブリーチジャパン横浜支部に飾られた新聞記事をみた春日は、その発足人の一人で現在の東京都知事でもある青木遼が、出所時に神室町で「病死した」と伝えられていた荒川真斗であることを知る。
- 青木遼こと荒川真斗との対立
実は真斗は、表向きは死亡したことにした上で新たに「青木遼」という別人の戸籍を入手し、海外の病院で胚移植手術を受けて長年悩まされてきた障害を克服していた。しかし、「ヤクザの息子」というレッテルに苦悩してきたコンプレックスの反動から「ヤクザを利用して表の世界で成り上がる」という野心に駆られ、アメリカの名門大学(会話から察するに恐らくハーバード大学)を卒業し、帰国後は留学先で知り合った小笠原肇と共にブリーチジャパンを立ち上げて政治活動家として活動。耳当りの良い主張の裏で近江と繋がり、邪魔者を封殺しながら知名度を上げ、ついには政界へと進出した。
その後、「神室町3K作戦」という政策を完遂するため、父・荒川に東城会の内部情報を渡すよう要求。結果、荒川の提供した情報により的確に東城会のライフラインが摘発され、会長を含む大幹部は神室町から失踪し、東城会は事実上消滅。
また、近江連合の流入こそ許したものの、入り込んで日が浅いためか長年根を深く張っていた東城会程の勢いはなかったため、真斗こと青木はその功績から「やり手の若き政治家」として支持を集め、都知事として大成した。そして今回、新たな躍進の足掛かりとして今度は横浜の違法入国者たちを退去に追い込み、自身の傘下であるブリーチジャパンから議員を排出しようと目論み、馬淵を使って異人三のパワーバランスを崩そうとけしかけていた。
口実をつけて直接再会した真斗から、上述のようなこれまでの事情を明かされた上で、今回の件から手を引くように要求された春日だが、ホームレス生活や異人三との接点から知った、自身のような行き場のない者たちの「最後の受け皿」となっている異人町を守ること、また味方であっても不要ならば容赦なく粛清する真斗の現状を「兄弟」として見過ごせず、以後対立を激化させていくことになる。
以降の展開は青木遼の記事で詳しく語られている。
また、本作の外伝作品である『名を消した男』では、最終章にて『7』本編と同様に近江連合本部で桐生と出会うが、目立った活躍は無い(ちなみに春日がアクションで戦っている姿を見ることができるのはここだけ)。
なお、桐生は春日の素性を、渡瀬組若頭の鶴野裕樹を通じて知った(元々桐生は10年服役していた際に春日の存在を噂話か何かでうっすら聞いた記憶があったとのこと)。
以下、最新作『8』のネタバレ注意
龍が如く8
- ハマの英雄、再びどん底へ
2023年冬(当時46歳)、前作での活躍により周囲から「ハマの英雄」と呼ばれるようになっており、ハローワークの契約社員として真面目に働き出しながら、亡くなった荒川の親っさんの後を引き継ぎ奮闘していたが、異人町のハローワークが暴露系VTuberに「ヤクザに仕事を斡旋しているヤクザ御用達の場所」とデマを流されたことが原因なのか契約解除を食らう羽目になった。
その一年前には、春日が紗栄子とデートへ出かけ、その終わり際にプロポーズしてこっぴどく振られ、一年間も謝罪のメッセージを放置されるという悲劇に見舞われていた(これに関しては、プロポーズで最も大切な言葉が抜けていたことや、時代錯誤な言葉を連発していたことなど、春日が原因でもある)。
その後、ハローワークをクビとなり途方に暮れていた頃、同じく無職に追い込まれた足立やナンバから、「最近横浜星龍会がきな臭い動きを見せている」という知らせを聞き本部へ向かい、そして新しく星龍会の若頭となった海老名正孝という男からの紹介により春日は、前作で終身刑(無期懲役)となり収監されていたはずの沢城丈と再び出会うことになる。詳細は避けるものの、沢城は現在星龍会の一員として活動しており、そんな彼から春日はある依頼をされる。
それは「ハワイで春日に会いたがっているある女性に会ってほしい」というもの。そのある女性とは、荒川真澄が唯一愛した女性、そしてヤクザの追跡から逃れられず死んだと思われていたはずの春日の母親・茜であった。
最初は茜の生存に困惑するも、かつての上司である沢城が自身に深々と頭を下げる姿を目にしたことでそれを承諾、春日は単身ハワイへ向かうこととなる。
その後、春日はハワイ行きの飛行機に乗り込み、同乗していた足の不自由な男性・三田村英二と出会う。春日は三田村を車椅子に乗せるのに難儀している人のところに何気なく近寄って行き、「こういう時は遠慮なくベルトを掴むといい、相撲取りがまわしをとるみたいなイメージだ」と中々為になる知識(おそらく真斗を介護していた頃の経験によるもの)を披露しつつ楽々と車に載せ替えるいつもの人情的行動を見せていた。
そして、2ndティザートレーラーでは何故かハワイらしきビーチに全裸で倒れていたが、ストーリートレーラーによると「海外で無警戒にタクシーに乗ったことで路地裏に連れ込まれ、運転手に銃で脅されている」シーンと「ある女性に薬を盛られ昏倒している」シーンが存在するのでそのどちらかで身ぐるみを剥がされ浜辺に放置された模様。
春日がなぜ自分が全裸なのかわかっていない事から恐らく後者だろうか?
戦闘スタイル
- 専用ジョブ:勇者、フリーター
本人が好きなドラクエで言う「勇者」ポジションのキャラクター。
具体的に言うと体力・攻撃力・スピードのバランスがよく、これといった弱点がない。
代わりに、仲間たちのように無二の個性(状態異常耐性など)を持っているわけでもない。
(とは言え、勉強やコミュを経て人間力を高め、様々な耐性を得てカバーすることは可能である。要はプレイヤーの努力次第)
また、会社経営イベントを進めることにより、金稼ぎ解禁とともに札束ビンタやサテライトレーザー等強力な固有技を全ジョブで使用できるのも特徴、しかしその分MP消費が重いので考えなしの使用は御法度。
また『8』では、動画配信者のアサクラとのイベントを進めることで、彼の我流格闘術を習得する事ができる。
- 勇者
ナンバの「勇者だって最弱の雑魚であるスライムといい勝負をする様な所から魔王を倒せるくらいレベルアップする=ドン底から成り上がるモノだろ」という発破によって「勇者になりたい」という幼い頃の夢を再び志し、その後街中でまさに某ゲームに出てくる勇者の剣のように真っ直ぐ地面に突き刺さっていたバットを引き抜いたことにより得たジョブ。(武器強化工場の跡継ぎ娘曰く「開発会社の倒産により少数生産で終わった伝説のレアバット、"勇者シリーズ"」らしい)
バットや鉄パイプといった長柄の武器を装備する、という、元ネタを強く意識した戦闘スタイルになる。
単体攻撃と範囲攻撃が揃っており、仲間全体の回復(ベホマラー)や自分限定だが不意の死亡回避の保険(リザオラル)、号令で攻撃力を上げてサポート(バイシオン)等、やりたいことが一通りできるため、転職せずずっとこのジョブでいればストーリー攻略で困る場面はほぼない。
因みに、真島の兄さんが使っていた『バットヌンチャク戦法』を春日も使う。
- フリーター
ストーリーの進行に応じて『7』では荒川組組員→見習いホームレス→フリーター、『8』ではハローワーク社員→無職→フリーターと名前が変化する。
こちらはステゴロの喧嘩殺法(プロレス技や環境利用)をメインとしたスタイル。桐生のバトルスタイルに近いともいえる。
仲間のサポートもできる勇者と違い、スウェイ&チャージという唯一のバフ技を除き全て攻撃技で、上がるステータスも攻撃と俊敏性のみ、しかし武器は素手(武器による攻撃力補正0なので男女全ジョブ中最低の攻撃力)という極端なスタイルでありハッキリ言って強みが全くない、強いて言うなら高会心技(はぐれメタ…もといはぐれホームレス狩りに使える)があることくらいか。
因みに前作までのヒートアクションの一部は「路上凶器の極み」としてこちらに纏められている。
ラストバトルではこれに固定されるが、その戦闘ではそれまで一切育てていなくても全ての技が解放されている上、そもそもラスボスが途轍もなく弱いため普通にやっていれば負ける方が大変である。(周回前提のDLC追加の高難易度版では一転非常にキツいのでやりこむなら育成必須)
『8』では、前作の使い勝手の悪さから打って変わって攻撃力のステータスが大幅に上昇。
属性攻撃が付与されないのは変わらないが「何でもできる勇者」と「純粋なアタッカーのフリーター」として明確に役割が差別化され、非常に使いやすいジョブへ進化した。
- スジモン召喚士
『8』で追加された新たな職業。
上述2種の職業とはうって変わって、スジモンを召喚して(?)戦う魔法職となっている。
スジモンバトルのストーリーの進行で獲得。
通常攻撃が素手であるため、『7』のフリーター並みに攻撃力は貧弱。しかしこのジョブ限定で武器とは別にスジモンの装備枠が設けられており、
自身が所持している5属性のスジモン(「ホット」「クール」「ナチュラル」「ポジディブ」「ネガティブ」)から1体選出して装備する。
なお強さにもランクがあり、レア度やレベルによって数値が上下する。(最大999)
ジョブランクが低い状態だと攻撃力はもちろん魔力も平均以下であるため、転職したばかりの状態では(絆連携含め)非常に火力が出し辛い。
その代わりジョブランク上昇による攻撃力・魔力の上昇率が非常に高いため、上2つのジョブと比較して大器晩成型のジョブである。
さらに、スジモンの強さがそのまま極技の威力に直結するため、最終的には最大値999を出せる伝説のスジモンを装備するのがマストとなる。
しかしそこに至るまでにはスジモンバトルのストーリー進行が必須であるうえ、伝説のスジモンはスジモンバトルではなく春日自身が戦闘しなければゲットすることが出来ないため、メインストーリーの進行も行わなければならない。
「強いスジモン(およびストーリーの進行)」「足りないところを補う継承技」「レベリングができる環境」が揃って初めて真価を発揮できる、上級者向けのジョブといえるだろう。
余談
中の人について
- 春日を演じた中谷氏は過去の同シリーズで、桐生一馬の兄弟分「錦山彰」の声を務めている。
- 過去の出演者が別役で登場するという例はシリーズ内では珍しくない話ではあるが、春日一番に関してはオファーではなくオーディションで決定していたことが「新・龍が如くプロジェクト」発表後のインタビューにて制作陣から明かされた。
- ちなみに春日一番は当初名前やビジュアルのほうが先に決まり、その上でスタッフ間でも声のイメージで意見が飛び交うほど難航したため、大規模なオーディションを実施していたとのこと。
- そして最終選考時の中谷氏による錦山とはまた違う演技とアドリブから伝わる作品愛が監督たちの心を捉えたとのこと。
- 前述通り、最新作となる『8』では春日と桐生とのダブル主人公なこともあり、PV公開時には「『0』以来のコンビ復活」と話題になった。
名前について
- 「春日一番(かすが いちばん)」というキャラクター名については、TGS2017のセガゲームスブースでのトークショーによると、「世界でも通じる名前」として“一番”という名のほうが先に決まり、同時に「不幸な生い立ちを持つ主人公にせめてめでたい名前を付けてやりたい」という気持ちを込めて“春日”という性を付けたことが語られている。
- ゲーム内での経緯としては、『ONLINE』では名の「一番」はソープ嬢だった母親が名付け、その後、養父として引き取ったソープランドの店長から性をもらったことになっている。『7』では母が名付け親という設定は触れられておらず、店長の春日次郎が自身の名前(次(=2)郎)や春日自身の誕生日(1月1日)に因んで名付けたものと思われる。
- また、『7』の主題歌「一番歌」の中には「カスが一番取る下剋上」という歌詞があるが、春日自身は実際、ソープ生まれという経緯から幼少期より周囲より「カス」と蔑まれており、恐らくこの点もかけたネーミングと思われる。
- その特徴的な名前故か、序盤に偽名と間違われ、以降は「偽名じゃなくて本名」と良く言うようになる。また作中では会う人物によって姓か名かで呼び方が分かれることが多く、大抵は「春日」、「春日さん」、名前呼びは弟分のミツや、出所間もなくひょんなことから友人となった実業家のニック・尾形、上述通り当初の自己紹介で偽名と勘ぐったナンバなどがいる。また、名前については荒川組の上役たちからの「イチ」、紗栄子からの「イっちゃん」などの愛称を付けられることもある。
ドラクエについて
- 『7』では春日を始め、彼の趣向を理解する面々から『ドラゴンクエスト』にまつわる単語(「パーティー」「勇者」「薬草」など)がたびたび飛び出している。特に春日については、物語中盤で既に世間では死人扱いされている伝説の極道に打ちのめされ昏睡した際にドラゴン退治をする夢を見ておなじみのレベルアップ音まで口ずさんでいる。そのため、春日が主人公としての『龍が如く』のタイトルには「どん底から龍のように成り上がる」ことと「ドラクエ主人公のように人生を渡る」という意味合いをかけていると思われる。
- なお、ここまで他社のゲームのネタが多分に含まれているが、制作陣によるとドラクエの生みの親である堀井雄二氏には承諾を得ているとのこと。また余談ではあるが、『7』の物語が開始される2000年(平成12年)12月31日時点でのドラクエシリーズ最新タイトルは、奇しくも本作とナンバリングが同じ『ドラゴンクエストⅦ』だったりする。
最底辺から勝ち取った"人気主人公"の座
- 彼が発表された当初その評判は相当に低かった。直近の作品である『6』は数々の問題点により炎上状態になっており、そんな中突如発表された「モジャモジャ頭のチンピラ」を新主人公ですと出されたところで受け入れられるわけもなかったのである。(7では打倒大道寺が出来ると期待していた層の望みを絶ったというのもある)
- また、彼が初めて主人公を張ったのは『龍が如くONLINE』…つまりソシャゲである。人気作品がソシャゲを出すとその利率の高さから大抵そちらに注力され新作が出なくなり、飽きられると共にシリーズごと衰退…という事例や、何かしらの問題やトラブルによる爆死が発生したコンテンツの最後に死に水もとい出汁の一滴も残らず搾り取って使い捨てるための最後の身売り先にソシャゲを出す…という前例は数多くあったこともあり、『龍が如く』もそうなるものと半ば決めつけられていた。
- そうした中で、家庭用機としての正統続編である『7』が発表されるも、やはり主人公はモジャモジャ頭のチンピラで、挙句バトルシステムがアクションではなくRPGのようなコマンドバトルに一新されるとなっては最早「龍が如く衰退の象徴」として春日がバッシングの槍玉に挙げられる事もある種当然であった。
- が、蓋を開けてみれば「改善の余地はあれど新鮮味のあるコマンド方式」「"妄想癖"によるド派手で非現実的な描写の解禁」「いつものバカゲー要素たっぷりのサブクエ」「万人受けする人情味と魅力あふれる春日一番の性格」「レジェンドを超えつつも向こうにも本気を出せない(出さない)都合があり、かつ多勢に無勢による勝利で、負けたレジェンド側の格を落とさない扱い(2戦ともゲーム的都合で勝ったように見えるだけで実際はこっちはヘトヘトだが向こうはピンピンしている)」「法整備が進み極道が生きにくくなる時勢の中で"極道モノ"からの転換の必然性」、そしてなにより「ラスボスとの決着の描写」を含む「『7』の"春日一番の物語"としての完成度の高さ」というこの上ない"質"の暴力であっという間に批判的意見を吹き飛ばし、衰退の象徴どころか前作で落ち込んでいた『龍が如く』シリーズ復活の立役者となった。
- 結果、ユーザーに「龍を継ぐ男」として認められ、まさに泥に塗れた鯉が龍となったのである。
『龍が如く維新!極』では
- 幕末が舞台の外伝タイトル『龍が如く維新!』のリメイクである本作ではリメイク前作品からキャスティングが一部変更され、『7』からも足立、真斗、趙、馬淵などが新たな配役で登場しているが春日はと言うと、新撰組三番隊隊士「春日一之丞(かすが いちのじょう)」として、スキル編成で使用できる隊士カードという形で登場している。隊士能力は漢気ノ真髄。攻撃力を短い時間大幅にアップさせる。
- 恐らく特徴的な髪型がパンチもボンバーヘッドも時代背景に合わない事や、中谷氏が演じる岡田以蔵(錦山)が続投であることが原因だと思われる。
関連イラスト
関連動画
Ascension Point(『龍が如く7』神室町通常戦闘曲)
Yokohama Crackhouse(『龍が如く7』伊勢佐木異人町通常戦闘曲)
Knavish(『龍が如く8』伊勢佐木異人町通常戦闘曲)
Waikiki Down Beat(『龍が如く8』ホノルルシティ通常戦闘曲)
関連タグ
龍が如く 春日一行 主人公 東城会 極道 ヤクザ ホームレス 成り上がり 勇者 ドラゴンクエスト 龍魚
難波悠 足立宏一 向田紗栄子 ハン・ジュンギ 趙天佑 ソンヒ 桐生一馬
秋山駿…春日と同じく一度どん底を味わった主人公その①にして、元祖ワインレッドスーツの主人公。ただしコチラはストライプ入りでワイシャツは黒。また、本編外ではあるがホームレス生活の経験者で、サブストーリーで一番製菓(一番ホールディングス)社長となった春日同様、コチラも金融会社「スカイファイナンス」の社長として成り上がった人物でもある。
品田辰雄…上記と同じく一度どん底を味わった主人公その②。両者の違いとして、バットを得意武器にしている春日に対し、品田は元プロ野球選手としてのポリシーから「これは人を殴るものじゃない」としてバットを一切武器にしない。
錦山彰…余談の項でもあったように、中の人が同じ。また声優以外でも「背中に彫られた鯉の入れ墨」「社交的で明るい性格」なにより「性根が全くヤクザに向いていない」等、どちらかと言えば桐生よりも錦山と共通する要素も多く、「春日は錦山のIFの姿ではないか?」と推察する声も多い。ちなみに、春日の選挙カーと錦山の自家用車のナンバーは同じである。
海藤正治…スピンオフ『ジャッジアイズ』シリーズに登場するキャラクター。春日と同じく東城会系三次団体に在籍した過去を持つ元・極道であり、続編『ロストジャッジメント』のDLCシナリオ『海藤正治の事件簿』にて主人公を務めた。ときに乱暴かつ横柄な態度になることもあるが、面倒見と気風の良さや、何処かヌケた茶目っ気のある人柄、また組員たちとの関係性(敬愛する組長、敵対する若頭、愛着ある弟分)など似通った部分が多い。…ついでに言えば、片や「モジャモジャ頭」、片や「ゴリラ」と、周囲から外見でイジられる点でも似ているかもしれない。
勇者(ドラゴンクエストⅣ)…名実ともに正真正銘の「勇者」で、自身の出自を知らぬまま養父(+養母)に育てられ、襲撃によって故郷を失い天涯孤独の身となるなど境遇が似ている。また2種類選べる姿のひとつが春日寄りの個性的な髪型をしている。
ネス(MOTHER2)…舞台が現代社会(こちらは90年代のアメリカをモデルにした完全に架空世界)、武器のバリエーションにバットがあったり、因縁の深い幼馴染がいたりと、何かしら共通点があるRPG主人公。