「てめえの裁量で幹部会とは どういう了見だ! 錦山!」
「なに お前のためなら 足の一本や二本……」
CV:渡哲也
演:塩見三省(劇場版)、本田博太郎(序章)、名高達男(舞台版)、唐沢寿明(Beyond the Game)
概要
かつては天才的な銃の腕を持つ凄腕の元ヒットマンでもあった。身長177cm、体重70kg。
二挺拳銃と軽い身のこなしでターゲットを次々と亡き者とし、「東城会の殺し屋」と呼ばれていた一方で、義理人情に溢れており、神室町にある診療所「柄本医院」に好意で経費及び生活費を援助したり、組のシマであるホストクラブ「スターダスト」からみかじめを取ろうとしなかったりする。その他、孤児の養護施設である「ヒマワリ」を私財で創設する等、持ち前の手腕をヒットマンとしてでなく、後世の支援者という形でも活用している。
前述のヒマワリにて、幼少時代から桐生一馬や錦山彰を世話し続けていたが、特に桐生に対する愛情と信頼は絶大なもので、真拳派壊滅時や蛇華に桐生が囚われた際には犠牲を厭わずに桐生の窮地を救ったこともある。
劇中の活躍
龍が如く0 誓いの場所
1988年(当時43歳)、この当時から実力は折り紙付きで、風間の一派である「立華不動産」社長・立華鉄には東城会の跡目すら狙える器と評価されており、また二代目会長代行・二井原隆にも昔に戻って若い頃の風間本人を10億円で買えるならば迷わず支払うと言われる程に名が知られている。
神室町再開発計画が成功し力を持った堂島宗兵が分不相応である東城会の跡目になってしまうことを恐れ、妹であるマキムラマコトを守ろうと動いていた立華と協力し彼に「カラの一坪」を手に入れさせるために暗躍する。
その後、風間組で開帳した賭場が何者かの手引きで警察に摘発されたことで刑務所に収監されるが、自身の後釜を巡る問題が起きる事など堂島組の動きを予想し、マコトの安全のために、東城会の秘密組織である日侠連総裁・世良勝を東城会の跡目にすべく動かしたり、更には立華に協力者として桐生を推薦した上で手を組んで問題を解決させるように全てを託す。その後はカラの一坪に関する情報を握っているために久瀬から狙われ、カラの一坪での事件がきっかけで立場が危うい状態になっていたが、後に桐生や世良によって全ての問題が解決したことで事なきを得る。事件後は刑務所を訪れた桐生と面会し、彼から堂島組に復帰したことを聞かされる。
龍が如く / 龍が如く極
本編から12年前の1993年(当時48歳)、劉家龍率いる中国マフィア「蛇華」に捕らわれて監禁・拷問されていた桐生を助けるために足を負傷し、それ以来歩く際には杖を使用している。
『ONLINE』のキャラストーリーにて、この出来事で風間組が弱くなったと言う根も葉もない風聞が流れてしまい、それを払拭するため、ケンカを売ってきたヤクザを致命傷を外して射撃し、今も衰えてないことを知らしめた。
この頃になると、カラの一坪事件以降、力を失った堂島に代わり、堂島組の実権の殆どを掌握。堂島組内で着々と経歴を重ねる桐生に組を任せる事を期待していたが、由美を連れ去った堂島を止む無く殺害した錦山の罪を桐生が被った事で流れてしまう。
その後は事件のショックで記憶を無くした澤村由美を介抱し、彼女の言動から堂島を殺害したのは錦山だと悟り、由美の存在を彼には知らせなかった。
それから更に経ち、東城会に出入りしていた神宮京平と由美が恋仲になった際も、極道社会とは縁が切れるかもしれないと考え、傍観していた。
しかし、二人の仲が途切れた後に権力に取り憑かれた神宮が、フリーの記者にスキャンダルとして強請をかけられたことがきっかけで、世良に頼み由美とその子供である遥に刺客を差し向けたところを間一髪で助け、昔のよしみで神宮に手を貸してしまった世良を説得。由美を神宮の目から欺くべく、遥をヒマワリに預けて、由美を架空の戸籍や整形手術によって別人物である「美月」に変身させる。
そして由美、世良と共謀して神宮失脚のための100億を盗んだ工作の後、跡目争いによる自らの死期を悟った三代目会長の世良から「極道の未来を託せる男を選んで欲しい」と名前が空白のままの遺言状を託され、極道として東城会の未来を桐生に託すために遺言状に名を綴る。
そして桐生の出所後の2005年12月(当時60歳)、暗殺された世良の葬儀に彼を呼び出し、由美について話そうとするが、錦山の陰謀により狙撃されて重傷を負い、田中シンジの手引きでアケミの元に身を寄せることになる。
その後、自身の味方に付いていた近江連合の幹部・寺田行雄に芝浦の埠頭に連れられ、そこで桐生に美月と由美についてや100億円事件の真相を伝えるが、その直後に襲撃してきた風間の宿敵・嶋野太が投げた手榴弾から自身の身を顧みずに遥を庇って致命傷を負い、死ぬ間際に桐生に世良の遺言状を渡した上で「桐生の親を殺したのは自分であり、ヒマワリは自分が殺した人間の子供を養うために作ったものだったこと」を告白し、最後は許しを乞いながら桐生の腕の中で息を引き取った。
龍が如く2 / 龍が如く極2
回想にて登場。
前作での死の間際の桐生への告白は、彼の心にトラウマに近い形で焼き付いていた。(肉親を殺したことについては、育ててもらった恩などから許しているとは語られている)
また、本編から26年前の1980年(当時35歳)、東城会の勢力拡大と海外勢力一掃のため、兄貴分である堂島に、韓国マフィア「真拳(ジングォン)派」を始末するように命じられたが、その命令を無視して真拳派の若い構成員二人(後の寺田と、警視庁の倉橋渉)を逃がす。
その後、同様に真拳派のボス(郷田龍司の実父)にも和解を持ちかけたが、自身の危機を察して単身忍び込んでいた、少年時代の桐生に銃を向けられたことでやむなくボスを殺害し、結果的には真拳派を壊滅させることとなる。しかし、彼の義理人情の厚さは後々悲劇を招く事となった。
『龍が如く維新!』では
土佐藩参政「吉田東洋」として登場。主人公・坂本龍馬やその兄弟分・武市半平太の育ての親という、龍が如く本編と同じような役回りとなっている。土佐で最も規律に厳しい男と恐れられているが、裏では、身分制度で犠牲になって親兄弟を失った龍馬や武市を始めとする子供たちを支援していた。
現在の土佐の社会に疑問を持ち、武市に「土佐勤王党」を設立するよう命じたり、龍馬と共に土佐藩に対するクーデターを仕掛けようとしていたが、その決行前夜の高知城での作戦会議の際に「謎の覆面の男」に斬殺される。
評価
上記のように作品内での評価は良い部分だけが強調されがちな人物であるが、『0』では渡世の親である堂島を蹴落とすために桐生や立華を利用するなどのやり手のヤクザらしい狡猾な一面も見せた(尤も、立華に関しては妹であるマコトを助けたい気持ちから風間に交渉を持ちかけ、その上で風間の計画に乗っている)。
あの残忍な嶋野も対立こそしているがその計算高さは認めている他、渋澤啓司もカラの一坪について、最初は堂島組のお家騒動に過ぎなかったと前置きした上で、その件に何人も堅気を巻き込んで死なせたのは結局、堂島に弓を引いた風間であり、自分の目論見のために立華達の犠牲を割り切って実行したのだと指摘しており、実際この件について風間がどこまで犠牲を想定していたかは不明にせよ、最終的にはリスクを承知で立華達を奔走させた事は事実だと言える。
また、『1』のリメイクである『極』にて新規追加された錦山の過去回想にて、間接的な錦山に対する扱いの悪さなどにより、プレイヤーの誰もが認める好人物という評価は難しくなったようである。
『ONLINE』では彼へのフォローも幾分か入っており、錦山が松重を殺害した後に風間組だろうと見境なく他所のシマに手を出す錦山に対して引け目を感じ、破門処分を通告しようとした世良を説得し、直系昇格を認めさせたというエピソードも補完されている。なお、こちらでは錦山のことを「彰」と呼んでいる。
劇中でヒットマンとして現役の頃は『2』の回想シーンのみだが、ここではヒットマンとして既に多く人物を殺害してきた身ながら、ジングォン派壊滅を躊躇する一面を見せ、ボスの男を逃がそうとしたり、後の寺田や倉橋も若いという理由で逃がす等、情を排するヒットマンとしては詰めの甘い行動を取っている他、後に龍司率いる郷龍会の神室町侵攻や寺田、倉橋等のジングォン派復讐劇が勃発した事を考えると、大きなミスだったと言える。
ただ、寺田に関しては東城会に対して復讐心はもっていはいたが、命の恩人である風間に対してはそれ以上に恩義を感じており風間の存命中には決して敵対せず、「2」及び「極2」の終盤での神室町爆破計画で神室町の至る所に爆弾を仕掛けるもあらかじめ爆弾の信管を外していたことを桐生に話していたあたり、風間との恩義で何とか踏みとどまったといえる。(一応、協力者が裏切った際の最後の切り札としてあらかじめ信管を抜いていたとも捉えられるが)
余談
- 組長を務める風間組は元々堂島組傘下であったが、堂島死後に直系団体へと格上げとなった。その際堂島組の勢力を吸収したものの、風間の方針に従わず桐生への復讐を企むものもいた。風間の死後は、若頭である柏木修が2代目組長となり、柏木の退場後は真島組に吸収された模様。
- 『3』では瓜二つの外見をした実弟「風間譲二」が登場している。ラウを射殺した譲二に対して桐生は、風間が自分の眼前で死去したにもかかわらず、彼を「おやっさん」と呼び掛けており、その事から桐生にとって彼がどんなに大きな存在だったかが窺われる。
- 『維新!』では、CVが『3』で玉城鉄生を演じた石塚運昇氏になっているが、これは当時渡氏が体調不良だったためである。『0』では再び渡氏が声を務めているが新録ではなく、『1』や『3』の風間譲二役として収録された台詞を流用している。
関連タグ
荒川真澄:同じく主人公におやっさんと呼び慕われている東城会系組織の組長。かつてヒットマンとして活躍していた過去も共通している。