「ただのし上がりたいだけやったら、目先のことだけ考えとったらええ。せやけど、てっぺん獲る気なんやったら、“勝ち方”を考えなアカン。三日天下やない、ホンマの天下の獲り方をな」
CV:楠見尚己
演:大島宇三郎(舞台版)、阿部亮平(Beyond the Game)
概要
東城会直系「嶋野組」組長。身長195cm、体重149kgと力士の様な肉体の持ち主。
太眉とスキンヘッドが特徴的で、劇中で度々見せる、口を大きく開いての恫喝は非常に迫力がある。
若頭の「嶋野の狂犬」こと真島吾朗とは親子の盃を交わした関係。
全盛期は風間新太郎と並んで堂島組の勢力拡大の立役者となった屈指の武闘派であり、現在でも有事の際は率先して前線に立つ。戦闘では、『1』では巨体を生かした攻撃を受けても怯まない上での力任せの攻撃を使い、最終決戦では刀を用いた大振りの攻撃の他、走行車に投げ飛ばすといった技も使用。『極』では、カツアゲ君に似た格闘スタイルと冴島大河に似た剣術で戦う。刺青の図柄は虎と桜。
その性格は豪快にして冷酷残忍、そして暴力的な外見とは裏腹に非常に狡猾な一面もあり、相手の心理を読んだ一見無意味に見える一手を打つなど策士としても優秀である。
また、強欲で部下任せな渡世の親である堂島宗兵を内心では軽蔑し、「頭の足らん小物」と見下している。
その一方で風間のことは「(自分が天下を取るためには)一番の邪魔者」と、良い感情を抱いていないながらも、長年のライバルとして実力を高く認めている。
自身も周りを何度も裏切りながら上り詰めてきたため「一度裏切った人間は何度でも裏切る」という考えを持つ。また酷薄で、部下の命を大して重要視していない冷徹な人間。
そんな人柄故か、若頭である真島は渡世の親として一定の敬意を払いつつも、そのやり口には思う所があったようで、後に事実上のクーデターを起こして反旗を翻している。
劇中の活躍
龍が如く0 誓いの場所
1985年(当時37歳)、4月21日に上野誠和会襲撃の件で東城会・柴田組長に逆らった真島を拷問部屋「穴倉」に送る。1年もの間拷問を耐えた真島を破門という形で命を奪わず、代紋違いの兄弟分である近江連合の幹部・佐川司の元に預けていた。
それから3年後の1988年12月(当時40歳)、真島に「マキムラマコト」なる人物を殺すよう佐川を通じて命じるが、その真意は真島がマコトを殺せず逆に助けに奔走すると読み、自身は表立って動くことなく堂島組と近江連合両方を牽制しつつ、自身の最大のライバルである風間の動きと繋がりを暴くというものだった。
この策は見事的中し、風間と日侠連総裁・世良勝の密かな繋がりを暴くことに成功。
最終的には近江へ「カラの一坪」を売り渡す算段は失敗し、世良から真島経由で東城会内部の裏切り者について問いただされた際には自身の身の潔白をするため、佐川の護衛対象だった近江の本部長を殺害する(これによって佐川は本部長死亡の責任を取らされ、近江の構成員に殺害された為、間接的に兄弟分である佐川も殺害した事になる)。
そして、「狂犬」に変貌し堂島組を弱体化させた真島を再び子分として迎え入れた。
龍が如く / 龍が如く極
2005年12月(当時57歳)、三代目会長だった世良の死後、次期会長の跡目を手中に収めるために100億円を求め、鍵を握る澤村遥の身柄を確保するため、中華マフィア「蛇華」総統・劉家龍や、近江連合の幹部・寺田行雄と100億の山分けを条件に協定を結ぶなど暗躍する。自身が50でラウに30、寺田に20とするなど金にがめつい一面を見せ、ラウからはケチな男と批判されていた。
世良の葬式会場では、潜入していた桐生一馬と偶然鉢合い、狙撃され重傷を負った風間を桐生が暗殺したと勘違いし、部下を引き連れて始末しようとするが敗北する。
物語終盤、芝浦の埠頭にて遥を捕えるため、桐生や風間組を襲撃するが敗北し、最後の足掻きとばかりに風間に向け手榴弾を投げた直後、風間側に付いていた寺田により射殺される。
その後、手榴弾の致命傷により風間も死亡し、長きに渡る風間との争いは相討ちという形で幕を閉じる。
リメイク版の『極』では、追加シーンである錦山彰の回想にて登場。自分の組を任されたが、風間が寄越した部下の暴走や柏木修からの叱責などで精神的に参っていた錦山に対し「風間は桐生に組を持たせたがっていた」「(錦山組は)桐生が出所した後の受け皿でしかない。その時のお前の扱いは見えている」などと唆し、カタギとして生きてゆくことを勧めた。これは風間の子飼いである錦山に風間への不信感を植え付ける目的と思われ、事実この発言が錦山を闇堕ちさせる間接的な要因となっており、目論見は成功してしまったと言える。
ただし、前述通り錦山組は桐生のために立ち上げられた組であるため、指摘自体は間違いとは言い難い。
『ONLINE』における真島のストーリーでは、遥誘拐を命じた際、他の傘下から横取りする形で遥の身柄を抑えた真島に引き渡しを命じるも、これを拒否され、反旗を翻されていた事が判明した。
龍が如く2 / 龍が如く極2
回想にて登場。1980年12月(当時32歳)、当時堂島組を脅かしていた韓国マフィア「真拳(ジングォン)派」への襲撃に風間とともに参加。抹殺に消極的で密かに数人を救った風間と異なり、見つけ次第笑いながら一味を射殺していた。この一晩でジングォン派の死者33名、うち風間が殺害した明確な描写があるのは1名のみであることから、「18人殺し」を上回るであろうキルスコアを挙げたと思われる。
この一件により堂島組は直系に昇格するほど勢力を拡大し、事件から7年後の1987年に自身も組分けして「嶋野組」を設立するに至る。
『龍が如く維新!極』では
桂小五郎率いる長州藩の志士「吉田稔麿(リメイク前は『5』の金井嘉門)」として登場。
劇中では、池田屋事件での戦闘において大型の金砕棒を用い、新撰組二番隊隊長・永倉新八をも手負いに追い込む活躍を見せるが、三番隊隊長・斎藤一(坂本龍馬)に倒された。
余談
- 組長を務める嶋野組元々堂島組傘下であったが、ジングォン派の制圧での功績などから直系団体へと格上げとなった。『1』では終始敵ということもあって、サブイベントで嶋野組構成員が黒幕だったというケースが多い。
- 嶋野の死後、嶋野組は新藤浩二率いる錦山組に吸収され、錦山組が東城会最大の勢力として台頭する事となる。しかしその後の錦山組は数々の問題行動の結果解散に追い込まれており、彼らを制御していた嶋野・錦山の手腕を証明する結果となっている。
- 一貫して恐るべき悪党といった立ち位置の彼だが、『0』では真島とマコトが恋愛関係になることを前提とした策略を巡らせたことから、一部のファンから「カプ厨」「恋愛小説家」などと見かけに似合わぬ愛称で呼ばれている。
関連動画
Pray Me(『龍が如く』戦闘曲)
Pray Me -Revive-(『龍が如く極』※PC・海外版 日本版1戦目 『龍が如く維新!極』戦闘曲)
Receive You Reborn(『龍が如く極』戦闘曲 ※日本版最終戦)
関連タグ
中嶋洋太郎:同シリーズの中の人つながり。こちらは嶋野と違い温厚な性格である。