「俺は今日大変な一日でなぁ…… すこぶる機嫌が悪いんだ
運が悪かったんだよ。……お前等は」
「手加減はしねぇ、死にてぇ奴だけかかってこい!!」
プロフィール
身長 | 184cm |
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体重 | 88kg |
生年月日 | 1968年6月17日 |
血液型 | O型 |
背中の刺青 | 応龍 |
出身地 | 横浜市 |
好きな物 | 玉子握り |
嫌いな物 | ピーマン |
CV | 黒田崇矢、野島健児(『2』での少年期回想) |
モーションアクター | 三元雅芸(『2』以降) |
演者 | 北村一輝(劇場版)、船木誠勝(序章)、滝川英治(舞台版)、竹内涼真(Beyond the Game) |
概要
『龍が如く』シリーズでお馴染みの主人公であり、シリーズ及び発売元であるSEGAの看板キャラクターでもある。
関東最大の暴力団組織「東城会」の二次団体である「堂島組」で舎弟頭補佐を務め、組織内では「堂島の龍」の異名を持ち、極道(ヤクザ)として名の知れた存在であった。
親友を庇って刑務所に入り、出所後に東城会の内部抗争に巻き込まれるなど幾つもの困難を乗り越え、一時は東城会四代目会長にまで昇りつめたものの、澤村遥らかけがえのない者達との生活を優先し引退、カタギとして生きる道を選んだ。
中盤期のタイトルでは児童養護施設「アサガオ」を経営している。
だが引退後も定期的に裏社会に関わり続け、その度に東城会の窮地を救い続けた事から、東城会が活動の拠点とする神室町を中心に「堂島の龍」と「桐生一馬」の名は「伝説の極道」を表す名として語り継がれている。
シリーズにおいては、『1』から『6』までの間、派生作品含むほぼ全ての作品で主人公を務め続けた。
その後、主人公を春日一番と交代した『7』では、新主人公の導き役としてプレイヤーの手から離れたが『7外伝』では単独主人公、最新作である『8』では春日とのダブル主人公として主役を飾っている。
人物像
容姿
彫りが深く、それでいて威圧的な鋭い目元が印象的な精悍な顔立ち(『5』で出会った中嶋曰く、シリアスな顔)。
髪型は少年時代より短髪を逆立てたオールバック風で、顎に薄っすらと髭を蓄えている。
体格は常人より比較的長身で非常に筋肉質。背中には応龍の刺青が描かれている(背中一面のみに彫る甲羅彫と呼ばれる方式である)。これは神室町・ピンク通り裏にある龍神会館にて彫師を営む二代目歌彫の最高傑作として彫られた物で、以降、歌彫は龍の刺青を彫っていないという。尚、『0』の時点では色の入っていない筋彫で、色が入った状態は『1』以降で見られる。
基本的に襟を立てたワインレッドのシャツの上に極道(黒)にもカタギ(白)にも染まり切らない桐生自身の生き様を示す様なライトグレーのスーツ、ブラックの腕時計、白い蛇柄のエナメル靴を着用。
特にカタギとなって以降もこの衣装を愛着しているため、その言動も相まって周囲からヤクザ呼ばわりされたり、チンピラに因縁をつけられたりすることも多々ある。
ちなみに、実在役者などの有名人をモデルにしたキャラクターの登場が本シリーズの特徴の一つであるが、前総合監督・名越稔洋曰く「桐生一馬のモデルは存在しない」とのこと。
性格
普段は冷静沈着でクールな性格をしており、多少のことで感情を荒げたりすることはないが、その内面には極道でありながら強い正義感と情の厚さを兼ね備えており、義理人情や仁義を大切にしている古き良き極道である。
面倒見も良く、時には組織の若衆どころか町で出会った一般人を相手に相談を持ちかけられたり、困ってる人や女性や子供に優しい一面もある。押しに弱い性格から面倒事に巻き込まれてしまうこともしばしば。また「女は殴る趣味はない」との事で、しばしば女の敵は見逃してしまう。実際に劇中ではその男気のある気質からか、メインストーリー、サブストーリー問わず登場する女性キャラから好意を向けられる事も多い。更に桐生自身もナチュラルに女性を誑し込む言動を見せる事から拍車を掛けており、知ってか知らずかかなりの色男と言える。
己の私利私欲の為に罪のない人々を傷つける救いようのない外道共(神宮京平、玉城鉄生、巌見恒雄等)には決して容赦しない一方、一度自分に牙を向けてきたり、殺そうとした人間であっても、根っからの悪党ではない人物や自らがその人となりを認めた人物(浜崎豪、南雲剛等)に対してはそれまでされた事を水に流し、受け入れる懐の深さも併せ持つ。
そうした気質故か極道としてのカリスマ性も高く、引退後も彼の生き様に憧れて極道に足を踏み入れる者が数多く存在する。しかし、自分で無い誰かのために決断する機会は圧倒的に多いものの、不器用な一面から自己犠牲等の極端な選択を良かれと思ってしてしまう彼の決断は結果的に裏目に繋がる事も多く、皮肉にも桐生と関わった事で不幸になる者も多く、桐生を慕い舎弟となった極道の中には彼の為に自らの命を投げ出す形で非業の死を遂げた者も居り(田中シンジ、島袋力也等)、桐生自身もそれらがトラウマとなり現在も心に深く刻み込まれている。
また、そうした彼の名声や実力に目を付け、良からぬ企みから懐柔しようとする者も存在するが、如何に魅力的な条件掲示や報復による脅迫があろうと頑として拒否するなど、強大な力に屈服しない不撓不屈の精神の持ち主でもある。
反面、身近な人間との絆を重んずる人情深さは、皮肉にも自身にとっては 最大のウィークポイント でもある。シリーズ全体を通し、実力だけでは敵わないと踏んだ敵対者によって、親しい人間や親しくなった人間を人質に取られ、抵抗できない状態にされた上で、窮地に追い詰められてしまう場面が各作品に最低一回は存在する。
更に『5』では寂しさで荒れて暴れていた事が発覚したり、大事な人達が死ぬ時は泣き崩れたりと独りの寂しさに耐えきれず、人との繋がりが無いと生きていけないと言う弱さを見せている。
また、口下手で不器用な性格であり、しばしばトラブルや口論の原因となることが多く、トラブルメーカーとしての側面もある(例『1』のユウヤ戦など)。
ふざけたことに対しては興味がないような態度をみせるが、実は好奇心旺盛な一面がある。
天然でノリがいいところもあり、頼まれると断れない性格も手伝って様々な事に挑戦している。
サブストーリーではポケットサーキットやメスキングなどの遊びに子供たちに混じって熱中するなど、その本領が良くも悪くも発揮され、その仁義に生きるシリアスさとコミカルな天然というギャップから高い人気を得ている。
『8』では春日を始めとした大勢の仲間に囲まれたことで、以前よりもノリが良くお茶目な面を見せることも増えており、春日達に冗談や真面目にボケるなど、これまでにはない一面も見せ始めている上、春日達と悪ノリして紗栄子達に正座させられるなど、コミカルな面も多くなっている。これは余命僅かとなったことで、これまで表に出さなかった本来の性格や、これまでになかった大勢の仲間達に囲まれて過ごす日々の影響もあると思われる。
また、服装にこだわりはないが案外派手好きでもあるらしく、『5』のタクシーのカスタマイズでは和柄にすると「意外にこういうのがしっくりくる」と評したり、『0』では傍からみればサラリーマンに見えないような格好を気に入って一張羅にしたり、『7外伝』では計画のためとはいえ蒼天堀でバブルの頃のようにかなり豪快に遊ぶなど、根っこの部分では極道らしい性格といえる。
カラオケではロックやバラード曲を好んで歌う。『0』に登場したロック調のナンバー「JUDGEMENT-審判-」は、サブストーリー「ハガキ職人・桐生」にてラジオに投稿する際のラジオネーム(ペンネーム)「ジャッジメントカズ君」に名前を使うほど愛着を見せていた。
また、遥や同伴したキャバ嬢、その他仲間たちの歌唱の際にはノリが良すぎるレベルの合いの手を入れてくる。
「L!O!V!E!ラブリー、ハルカァ!!」
また、オリジナルカラオケ曲「ばかみたい」は海外のTwitterで謎のブームのネタ素材として使われ、一時はネットミームとして世界規模の人気を博したことも(詳細は該当記事にて)。
名(迷?)セリフなど
記事冒頭にも載せた台詞「運が悪かったんだよ。……お前等は」が有名であるが、実は1作目の印象的なシーンで発したのみであり後発作品ではあまり言っていない。他には「死にてぇ奴だけ掛かって来い!!」も人気であり、こちらは後の作品でも(コメディシーンでのセルフパロディ含め)よく使われる。
『0』での「俺は誓って殺しはやってません」(略してちかころ)のような、真剣な場面にもかかわらずプレイヤーからのツッコミを誘う迷セリフも人気である。
また、本シリーズのストーリー展開は、重要人物との会話において、何も知らされておらず「なにぃ?」等と都度驚く桐生に事件の背景や真相が語られることで場面が進んでゆくパターンがよく見られるため、ファンの間ではそうした場面で恒例となる桐生の反応「え?」「なにぃ?」「何だと?」「どういうことだ?」「何が言いてぇ?」等が彼の語録ネタとして扱われることも(※)。こうした聞き返しの口癖集は海外ファンの間でもウケが良いとか(記事)。
※本シリーズのプロデュースや脚本、演出などを担当する横山昌義曰く「主人公はユーザーと同じ目線に立たないといけないので、聞き返したり、ユーザーと同じ疑問を同じ瞬間に返したりというのを心がけて脚本を書いていると「なに?」にいきつくんですよ。でも同じひとつの話の中で「なに?」が続くと不自然な感じになってしまうので、言い方だけ変える。「それは?」「つまり……」みたいに、変えながらやってるんですけど、(初代から『5』くらいまでの間で)500回くらい見ました。」とのこと(上記記事より)。
つまり、「組織に頼らず情報源の乏しい一匹狼の極道が全国規模で繰り広げる裏社会の、それも時には政府や外国組織の動向すらも絡む巨大な陰謀に立ち向かう」というストーリー展開を桐生のキャラ設定を守りつつ毎回作るためには、こうした聞き返し表現が彼の口癖になるほど増えてしまうのは制作上避けられなかったようである。
この点の反省なのか、シリーズの二代目主人公であり多弁かつ多人数で行動する春日は、パーティー内で質問役や説明役が分散され、「語録ネタ」が生じるような単調さを感じさせない会話シーンが演出されている。
経歴
物心がつく前から児童養護施設「ヒマワリ」で育つ。錦山彰、澤村由美とは同じ施設で育った幼馴染の間柄で、堂島組の幹部であり施設の創設者でもある風間新太郎のことは実の父のように敬愛している。そして後に風間への憧れと恩を返す為に錦山と共に中学卒業後すぐに風間と同じ堂島組に入門し、17歳で盃を受け正構成員となる。当時のことを回想する『0』のシーンによれば、風間に向かって叫んだ『志望動機』は「いい車乗って、肩で風切って、まわりの人間に頭下げられて…そういう人間になりてえって」「施設上がりの人間は夢を見ることも許されねえってのか!?」とのことで、孤児故の劣等感が増幅させたものとはいえ、年齢相応の俗っぽい部分もあったようである。
その経緯から極道引退後の『3』にて、風間を倣い自身も沖縄で養護施設「アサガオ」を開き、由美の忘れ形見「澤村遥」を始めとした9人の子供たちを引き取る。そこでは互いに血の繋がらない者同士だからこそ思いやるという教育方針で不器用ながらも彼女たちの成長を見守り、同時にそれが桐生の生きがいにもなっていた。前述した「ばかみたい」のMVの中でも幼少期のヒマワリ(『0』のカラオケ)や沖縄のアサガオでの愛犬マメ(『5』のカラオケ)を見て物思いにふけっている。
極道として生きてきた過去や殴り合いの喧嘩を求める武闘派の極道としての自分の性については、その後ろめたさも自覚しており、現在は極道と間違えられる度に自分はカタギだと訂正しているが、敵相手には時折自らを極道と名乗ることもあり、相手に絡まれた際は喧嘩を避ける方法を取らずに暴れてしまう等、引退した今でもはっきりとは踏ん切りをつけられていない。シリーズを通じて愛用する、白でも黒でもないグレーのスーツはその象徴ともいえる。
一方、極道という物に対しては、自身がその立場で生きてきた事から、自分も同じだと理解こそ示しつつも、後に極道としてのし上がる夢に拘る獅子堂康生の「何で俺等からヤクザの夢、奪ったんや!?」という問いに対し、「俺達ヤクザ者が持ってる夢なんてのは、毎日を必死に生きている人達の夢に比べたら、ゴミみてえなモンだからだ」と答える等、誰かを踏み躙る事無く、善良且つ必死に生きる堅気達の喜びや幸せも見てきた立場もあって、真っ向から全否定している(これは同時に、ヤクザの物語を描きながらも、ヤクザという物を否定してきたシリーズの総論とも言える)。
戦闘スタイル
桐生の戦闘スタイルはステゴロをメインとし、戦闘力は極めて高い(現在では「堂島の龍スタイル」と呼ばれる)。『0』や『1』など若きの戦闘スタイルにはステゴロのチンピラスタイルの他にボクサーのようなラッシュスタイル、怪力任せな壊し屋スタイルなどを使用している(詳細は後述)。
その強さは街のチンピラ程度など物の数秒で倒し、百人以上のヤクザが襲い掛かろうが一人で撃破する。遂には中国マフィアやCIA、殺し屋、さらに虎でさえ素手で制圧してしまうほどである。
スピンオフ『OF THE END』では、ガンスミスから受け取った対物ライフル「XK.50対物狙撃銃」を駆使してゾンビを狩る。本来は反動が凄すぎる為、本場の軍人たちですら固定して扱うものなのだが、まるで突撃銃感覚で連射する姿はもう人間じゃない。
また、上述のセリフ欄でも述べた「誓って殺しはやってません」と言うモノがあるが、「ヒートアクション」や「極み」で「どう見てもそれ後で死ぬよね!?」と言う内容の攻撃があり、そこに突っ込まれるのはもはやお約束。
また街中の日常のワンシーンから天啓を得て習得する技もいくつかあり、酔っぱらいのポールダンスからルチャドーラー張りのアクロバティックな投げ技を閃いたり、だだっ子のスネキックからダウン状態からの反撃技を閃いたり、ティッシュ配りのお姉さんから高速移動で群れた相手を叩きのめす連続攻撃を閃いたり…と、どこがどうしてそうなったと言わんばかりの技を習得する。
『4』からは複数主人公制の作品も度々あり、その際、シナリオの展開によってプレイヤーの前に立ちはだかることがある。
『4』では冴島編にて対決。中ボスながらシリーズ屈指の強技・虎落としを連発してくる。
『5』では同じく最終章にて冴島を選択した場合のみ対決可能。『4』とは違いある程度成長した状態で対決する、かつ冴島が大幅強化されているので前作よりは難度が低い。
いずれも決着は付かず、この2人は作中で互角の扱いになっている。
『7』では終盤にて春日らと激突。体力が減るごとに、通常(喧嘩)→ラッシュ→壊し屋→堂島の龍スタイルに変化する。どのスタイルも火力が凄まじい。なお「女性をターゲットにした行動は攻撃含め一切行わない」という弱点が存在する。
なお、終盤の堂島の龍スタイルの桐生に対し、ストリートミュージシャンの強スキル「コール&レスポンス」を使用してしまうと、カウンターが成立してしまったが最後、カウンター→カウンターにカウンター→カウンターカウンターにカウンターという無限ループが発生、レベル99ジョブレベル99のキャラですら一瞬で体力が消し飛ばされるハメになる(双方スーパーアーマーでカウンターし続けるため。流石にプレイヤー体力とボス体力でのダメージレースでは勝ち目がない)。
一応身代わりアクセサリーが発動するとカウンターが中断されるが、大抵追い討ちが来て再ループで抹殺される。死にたくなければ受け身の女々しい戦法ではなく男らしく正面切って戦うことを推奨する。
『7外伝』では大道寺一派として身に着けた「大道寺式活殺術」と各ガジェットを駆使して戦う「エージェント」スタイルを会得している。本作における応龍スタイル(『6』『極2』に類似したアクション)は獅子堂康生との初戦にて解禁している。
『8』では、癌に身体を蝕まれている影響から従来のヤクザスタイルと『0』に登場した「ラッシュ」「壊し屋」の3つで戦う。
- チンピラスタイル
『0』の頃より桐生が当時から身に付けていた戦闘スタイル。ヒート状態時に放つオーラは青色。スタイルチェンジ時に「行くぜ!」とクラッキングをして構えをとる。やや中腰の状態で両腕を顔面に構え、やや大振りな一撃を連続して繰り出す荒削りな我流喧嘩殺法ながらパワーとスピードのバランスに優れるスタイルとなる。『0』では道中出会うアメリカ人の老人・バッカスを師匠として技を強化していく。
- ラッシュスタイル
『0』で出会ったホームレスの男・カモジの動きを参考に身に付けた戦闘スタイル。ヒート状態時に放つオーラは桃色。スタイルチェンジ時には「来い!」と言いながら、小ジャンプしてファイティングポーズをとる。背筋を伸ばしたボクサーの様な構えを取り、敵の攻撃を回避しつつ、一撃の軽い拳打と蹴りを威力を補う様に連続して繰り出すスピード型のスタイルとなる。『0』では、前述のカモジを師匠として技を強化していく。RPGとなった『8』ではアクション時代の特徴を落とし込み、「攻撃力、防御力が低く、路上武器を使用できないが、瞬発力、回避率が高く、通常攻撃で2回攻撃が可能」となっている。
- 壊し屋スタイル
『0』で出会った借金取りの女・タツ姐の動きを参考に身に付けた戦闘スタイル。ヒート状態時に放つオーラの色は黄色。スタイルチェンジ時、「ンンッ!」と左脚を力強く踏みしめて構えをとる。両腕を下に広げ、腰を落としたやや低い体勢を取り、スピードは鈍重ながら、周辺の看板や大型バイク等の重量物を手にとると同時に力任せに振り回して叩き付ける豪快なパワー型のスタイルとなる。『0』では、前述のタツ姐を師匠として技を強化していく。『8』では「瞬発力が低い代わりに攻撃力、防御力が高く、通常攻撃が組み技でガードを崩せる」となっている。
- 堂島の龍スタイル
『0』の劇中に於ける神室町を舞台にマネーゲームを繰り広げる大富豪・ファイブビリオネアと不動産による戦いを行うシミュレーションゲーム「神室町マネーアイランド」を完全クリアする事で身に付ける戦闘スタイル。ヒート状態時に放つオーラは『0』では白色、『極』では赤色。スタイルチェンジ時、「オォッ!」と雄叫びをあげて構えをとる。背筋を伸ばし、左腕は自然体で下げながら、右腕のみを構える独自の構えを取り、チンピラスタイルをベースにプロレス・古武術・中国拳法の様な動きを織り交ぜたより洗練された体捌きで攻撃するマルチ型スタイル。
『0』に於いては他の3つのスタイルの様に特定の師匠はいないが、『1』以降の作品に於いては、武術家の古牧宗太郎が宗家を務める古武術「古牧流」の技を会得して織り交ぜる事で更に技を強化している。このスタイルは『極2』を例外として『5』まで使われた。
- 喧嘩スタイル(仮称)
ゲームエンジンがドラゴンエンジンとなって以降の桐生の戦闘スタイル。(仮称)とあるのは『7』における第1形態のスタイルがこれと同一アクションのため。構えは堂島の龍スタイルと同じだが、攻撃モーションが一新されている。トリプルスウェイやオート武器掴みなどラッシュ、壊し屋スタイルの要素も含まれている。
『7外伝』ではこのスタイルをベースに「応龍スタイル」、『8』では「ヤクザスタイル」となっている。
- エージェントスタイル
大道寺一派のエージェントになった『7外伝』に至るまでに身に着けたスタイル。「大道寺式活殺術」と呼ばれ小綺麗とも称される洗練された格闘術と、各ガジェットを用いた変幻自在の戦いをモットーとする。ヒート状態時に放つオーラは水色。
時計から極細のワイヤーを射出し、敵を捉えて拘束し投げ飛ばす「蜘蛛」。AIを搭載した自律戦闘型のドローンを呼び出す「蜂」。タバコの形状を模した小型爆弾「蛍」。小型のジェット噴射機構を仕込んだ靴「蛇」。これら4つのガジェットを駆使することでタイマンから集団まで制圧が可能となる。
- 専用ジョブ:堂島の龍
『8』において戦闘面で弱体化した桐生は、前述のヤクザスタイル・ラッシュスタイル・壊し屋スタイルの三種類のスタイルで戦う。
更に桐生操作時のみの固有能力として、極覚醒によってターンベース式からアクションに変化し、短時間ながら敵を一方的にタコ殴りにすることが可能。
本編での活躍
龍が如く0 誓いの場所
堂島組の若衆として登場。
中学校を卒業した後、恩師である堂島組若頭の風間に憧れて彼と同じ堂島組に入ったが、その後は大した夢も持たず、日本中が異様な好景気に浮かれている中、借金取りなどの雑務でその日暮らしの日々を送っていた。
1988年12月(当時20歳)のある日、「神室町再開発計画」に於いて障害となっていた所有者不明の一坪の土地「カラの一坪」なる場所で自身が取り立てを行なった債務者が何者かによって殺害されたのが原因で、殺しの疑いを掛けられる。その地を欲していた堂島組から責任を負わされそうになり、更にその矛先が風間にも向けられる事になった為、堂島組からの離脱を決意する。
離脱後、風間との繋がりがある不動産会社である立華不動産社長「立華鉄」と手を組み、事件を起こした真犯人の解明と、堂島組より先にカラの一坪を手に入れるべく行動し、堂島組の若頭補佐である久瀬大作や阿波野大樹、そして渋澤啓司の三人と対立するが、兄弟分の錦山や後の東城会三代目である日侠連総裁・世良勝の協力もあり、土地の所有者であった「マキムラマコト」を守り抜く。
そして争いの中で桐生は頭角を現して行き、最終的に同じく龍を背中に背負う渋澤を下し、「龍」として成長していく。
騒動が終結した後は堂島組へと復帰し、同じくマキムラマコトを守るべく奮闘していた嶋野の狂犬「真島吾朗」と初めて顔を合わせ、彼との長きに渡る因縁が始まるのであった。
龍が如く / 龍が如く極
堂島組の舎弟頭補佐として登場。舎弟頭補佐という役職は組長のその名のとおり弟分達の頭の補佐役であり、名誉職の扱いが多い(錦山曰く「名ばかり」「邪険にされる事もねぇが、かといって出世の本筋でもねぇ微妙な立ち位置だ」)。一方で桐生はその手腕から、堂島組長の妻・堂島弥生から組を継ぐ逸材と思われていた。
その手腕から裏社会では「堂島の龍」として広く名が知られており、桐生を組長とする3次団体の組を作って堂島組から独立させようとする動きまであった(後述の通り実現しなかったが)。
1995年の10月1日(当時27歳)、自身の舎弟・田中シンジと共に借金の取り立てを行い、その取立金を風間組に収める道中に、嶋野組の組員・檜山に因縁を付けられる。桐生は簡単にはねのけるが、それを嶋野組若頭・真島吾朗が見ており、桐生に因縁を付けたけじめとして、檜山を暴行する。桐生が止めるまでそれは続き、桐生に組を持ったらこれぐらい厳しくしないといけないと伝え去っていった。
『極』ではここで桐生が真島とは違う「筋が通ったやり方」を貫くと言った事が原因で、真島が「筋が通れば自らと喧嘩する」という解釈をし、以降彼から様々な方法で狙われる様になる。
風間組の事務所に着くとシンジから幼馴染である由美が堂島組組長・堂島宗兵に攫われたと聞き、堂島組の事務所に駆けつける。しかしそこにいたのは拳銃を持つ錦山と怯える由美、そして射殺された堂島の遺体だった。事情を察した桐生は、極道としての順調な街道を捨て、病気の妹がいる錦山の身代わりへと自分がなって、幼馴染2人を庇うを決意。背中に背負う応龍が、嘗て黄帝のために殺生を犯し、神獣の座を追われた様に、極道社会に於ける最大の禁忌「親殺し」の汚名を被る事を決意して2人を逃がし、駆け付けた警察に拘束される。
逮捕後、殺人罪により懲役10年を罰せられ、組からは一番重い処罰である絶縁を覚悟していたが、三代目会長となっていた世良の計らいで破門となる。
それから10年後の2005年12月(当時37歳)に仮出所した桐生だったが、彼の周囲は一変しており、由美は行方不明になり、錦山は直系「錦山組」組長として東城会の大幹部に昇進し、東城会では100億円の紛失や、会長の世良が急死したなどの凶報が相次ぎ、不穏な空気が流れていた。
桐生は真相を知る為に風間に会うべく世良の葬式に潜り込むが、風間と再開した途端、何者かによって風間が狙撃され、駆け付けた嶋野太らから桐生が風間を殺そうとしたと勘違いされ襲われる。何とか神室町まで逃げてきた桐生はそこで謎の少女・遥とかつて桐生を取り調べた刑事・伊達真と出会う。由美のことを知る遥と、同じく一連の事件を追う伊達と共に、桐生は行方不明の由美を捜索するが、その中で遥の存在が100億円の在処の鍵だと分かり、嶋野や真島など多くの極道から狙われる事になる。
伊達と共に遥を守りながら、真相に近づいていく中で桐生は風間と再会し、そこで由美の行方と事件の全容を知ることになる。だがそこに嶋野が組を率いて駆け付け、その際に風間は遥を守り致命傷を負ってしまい、桐生に自分が桐生の両親を殺した事を伝え息絶える。
その後、悲しみを乗り越え桐生は世良と風間の遺言書に従い、東城会四代目を襲名し、事件の黒幕・神宮京平を打ち破り、錦山との因縁にも決着をつけた。
戦いの中で、極道となる切っ掛けとなった最も憧れた存在、その志と苦楽を長く共にした最も親しかった兄弟分、そしてその想いを打ち明けられなかった最も愛した幼馴染という大切な人を何人も喪ったこともあり、極道で居続ける理由を無くしたからか、東城会四代目会長の座に居続ける選択はせず、就任式と同時に引退。五代目会長には桐生と同じく風間に恩義がある近江連合の幹部・寺田行雄を推薦し、天涯孤独となった遥の親代わりとして共にカタギとして生きる道を選ぶ。
しかし、この「100億円事件」をきっかけに堂島の龍の名は更に広く知れ渡る事になり、この事が後のシリーズに大きく関わってくる事になる。
龍が如く2 / 龍が如く極2
「100億円事件」の翌年である2006年12月(当時38歳)、遥と共に錦山や由美、風間たちの墓参りに来ていたところ、五代目に就任した寺田が訪れる。墓前でしばし談話をしていたが、突如現れた関西の極道組織「近江連合」の凶弾により寺田は殺され、再び東城会は動乱に巻き込まれることになる。
桐生は寺田の書状を持って東城会に戻り、東と西の戦争を阻止するために堂島組長の1人息子である堂島大吾を六代目会長に推薦する。当時、神室町で酒に溺れる生活を送っていた大吾に活を入れ、近江の動向を探るために関西の近江連合本部へと向かう。
その過程で、大阪・蒼天堀のキャバレー「「グランド」にて「関西の龍」の異名を持つ近江連合直参「郷龍会」二代目会長・郷田龍司と運命的な出会いを交わす。争いを求める龍司は、両組織の間で五分の盃を交わし戦争を避けようとしていた桐生を妨害する為、部下と結託し近江連合会長であり自身の養父・郷田仁を拉致する暴挙に出る。桐生は、なんとか龍司によって拉致された仁を救出するが、救出の際暴れまわった事で、突如現れた「ヤクザ狩りの女」の異名を持つ大阪府警第四課主任・狭山薫に逮捕という名目で身辺保護される。
その後、自分と似た境遇にあった狭山と徐々に男女の関係になっていくが、その間にも東城会と近江連合の溝は深まり事態は深刻な状態になる。その影響で、桐生が東京と大阪を行き来しているうちに、遥が近江連合直参の千石虎之介率いる千石組に捕らわれてしまう。桐生はすぐさま遙が拉致された建物に乗り込み、大勢の組員を相手に奮戦し、最終的には千石が差し向けられた二頭の虎を素手で撃破する人外ぶりを見せた。
そんな中、風間や嶋野など昔の東城会に恨みがある韓国系マフィア「真拳(ジングォン)派」の存在が露見(なお、ここで桐生が1980年(当時12歳)に発生した真拳派襲撃事件の現場にいたこと、間接的に当時の真拳派のボスを死亡させるきっかけを作ったことが判明する)し、彼らが東城会や近江連合、警察など様々な組織にスパイを送り込み、事件を起こしていることが発覚。桐生は伊達や真島に大吾、そして狭山と共にスパイを捜索。そしてその真拳派について調査するにつれて、郷龍会が真拳派と繋がっていること、狭山の母親が真拳派の人間だったこと、狭山の異父兄が龍司であることが判明する。
様々な因縁が交錯する中、桐生は全ての因縁を終わらせるべく近江連合や真拳派の待つ決戦の地へと向かう。しかしそこに死亡したはずの寺田が現れ、寺田もまた真拳派の生き残りであり、復讐の為に全てを偽っていたことを知らされる。
なんとか真拳派の襲撃を退けた桐生達だが、寺田は近江連合の幹部であり事件の黒幕・高島遼に殺され、死の間際に時限爆弾を起動し、更に桐生も高島による銃撃で大きなダメージが残る。その後、高島は龍司との銃撃戦に敗れ死亡し、最後はお互いに銃撃によるダメージが残った状態で「伝説の龍」の名を賭けて龍司と死闘を繰り広げることになる。
辛くも勝利した桐生はその深手から爆弾から逃げ切る事を諦め、狭山に一人で逃げる様に促すが、傍にいる事を望んだ狭山は拒否。桐生はその決断を受け入れ、爆弾が爆発するまでの数十秒間、狭山にキスという形で愛を注ぐ。だが寺田が仕掛けていた時限爆弾も高島を脅かす為のもので、爆発しない様に細工が施してあり、桐生達は無事に生還を果たすこととなる。
事件後は真拳派の人間でありながらも風間の恩義に報いて桐生達を救った寺田に感謝し、彼の墓参りに行くのであった。
龍が如く3
近江連合と東城会の抗争事件から数日後、風間や寺田、錦山らが眠る墓地で狭山と再会。
南に隠棲した応龍の如く、沖縄で養護施設を営むことを伝え、同じくアメリカへ旅立つという彼女と別れ、真島に大吾と東城会を託し、遥と共に沖縄へと発った。
それから半年後の2007年7月(当時39歳)、養護施設「アサガオ」で孤児の子供たち9人と平穏な日々を送っていたが、現地の極道から土地立ち退きを迫られてしまう。その後退去事件はなんとか解決し、桐生は現地の極道である「琉道一家」と親交を交わすようになる。
しかしそれからまた2年後の2009年3月(当時40歳)、琉道一家の組長・名嘉原茂と東城会六代目を継いだ大吾が風間似の男に撃たれてしまう。またその際にアサガオの権利書を奪われてしまう。桐生はアサガオを守り、事件の真相を確かめるために再び神室町に舞い戻る。神室町では東城会内で大吾が意識不明の状態になってしまった為、跡目争いが勃発。東城会は柏木修率いる二代目風間組、真島吾朗率いる真島組、峯義孝率いる白峯会、浜崎豪率いる浜崎組、神田強率いる三代目錦山組の五つの派閥に分裂していた。
そんな中桐生は伊達やかつての面々と事件の裏を調べる中で東城会、CIA、中国マフィア「蛇華」、海外組織「ブラックマンデー」、そして日本政府など様々な組織が裏で動いている事を知る。桐生はその中で知り合った政治家の田宮との約束を交わし、風間似の男の正体を知る。その正体は風間の双子の弟でCIAの工作員「風間譲二」であった。さらに大吾達を撃ったのも彼ではなく、彼の後ろにいたブラックマンデーの首領「アンドレ・リチャードソン」だったことが明らかになる。
真実を知り譲二と和解した桐生であったが、ブラックマンデーや政治家、もう一つの沖縄の極道組織で東城会系の五次団体である「玉城組」と繋がり東城会を裏切ろうとしていた峯率いる白峯会によってアサガオを壊されてしまう。その後、桐生は闘牛場で玉城組組長・玉城鉄生を倒し、大吾を殺そうとしていた峯のいる病院へ向かい、峯を打ち倒して事件に決着をつけた。
事件終結後、今回の事件で全てを失った浜崎に腹いせで刺されて負傷、安静を余儀なくされた。
龍が如く4 伝説を継ぐもの
2010年3月(当時41歳)、1年前浜崎に刺された傷も完治し、沖縄で遥やアサガオの子どもたちと平穏な日々を送っていたがある日、突如アサガオ前の浜辺に流れ着いた冴島大河という東城会系の元組員と出会う。冴島が刑務所から脱獄してきた事を見抜き、どうしても東京に行かなければならないと語る冴島に対し、最初は「復讐」という不純な動機だと予想し、それを止めるべく拳を交えたが、戦いの中で彼の事を理解すると交通費と服を間接的に手渡し、沖縄から出る冴島を影から見送った。
だがそれから数日後、今度は1年前に桐生を刺した浜崎がアサガオに辿りつく。浜崎もまた冴島と共に脱獄してきた身であり、その目的は東城会の未来の為だと言う。浜崎から、現在東城会は警察との裏取引きで姿を変えようとしている事と、更にそれには5年前の100億円事件も関係している事を聞かされ、桐生は悩んだ末に再び神室町へ向かう事を決意。沖縄で出会った冴島の妹だという「リリ」と共に神室町へと向かった。
神室町では同じくリリを守ろうとする秋山駿や谷村正義と僅かな行き違いから拳を交えるが後に和解、共に事件の謎を解き明かしていくことになる。
終盤には黒幕の一派である上野誠和会をたった1人で壊滅させるが、若頭の葛城勲に僅かな隙を付かれ、リリを殺害されてしまう。リリの死後は、妹の死に途方にくれる冴島を諭し、同じ”伝説の元極道”として他人から掛けられる期待や願望に答え、彼らの夢を叶えなければならないと語った。
そして、その言葉通り騒動の幕を閉じるべく、今回裏で警察と取引を行っていた大吾と4年ぶりに決闘しケジメを付けさせた。事件後は東城会本部にて東城会直系「冴島組」創立の見届け人となる。
龍が如く5 夢、叶えし者
2011年初夏、遥が大阪の芸能プロダクション社長・朴美麗にアイドルとしての才能を見出されスカウトを受ける。その際、朴からアイドルの育て親が元ヤクザだと世間に知れるとマズい為、アサガオから出ていく事を求められる。最初は断ったものの、子供達の将来やアサガオの経済的事情を考え、自身が出て行けば遥のアイドルとしての成功とアサガオへの経済援助を約束するという朴の条件を呑む。桐生と一緒にいる事を選んだ遥に対して「子ども達に将来の可能性を潰す生き方はして欲しくない」という気持ちを伝え、アサガオを出て行く決断をする。
その後、沖縄から福岡まで流れ着き、孤独に耐えられず荒れた日々を送っていたが、ある日「永洲タクシー」の社長・中嶋洋太郎と出会い彼に目を掛けられ、福岡・永洲街でタクシードライバーとして働く事になった。その時は周囲に自らの存在がバレないように「鈴木太一」という偽名を使っていた。
それからしばらくたった2012年12月(当時44歳)、2006年以来東城会と近江連合の戦争が再び起きようとしていた。大吾は全国の極道組織と手を結び近江連合に対抗出来る戦力を整える為、福岡に訪れていた。そして現地の極道組織「山笠組」組長・斑目忠と盃を交わした後、桐生のタクシーに乗車し、東城会の現状を語るが、タクシーから降りたのを最後に姿を消してしまう。
その後、大吾の護衛役であった森永悠や相沢聖人と共に大吾の行方を捜す事になり、大吾誘拐の疑いがある斑目率いる山笠組や、七代目近江連合若頭・渡瀬勝率いる渡瀬組と対立することになる。しかし両組織共に大吾が姿を消した事とは関係がなく、大吾の行方は分からずじまいのままになった。そして大吾不在の東城会を乗っ取ろうとする会長秘書・青山稔や近江連合の陰謀に巻き込まれ、真島吾朗死亡のニュースをきっかけに東京に戻ることになる。
東京では、同じく真島死亡のニュースをきっかけに脱獄してきた冴島や裏で黒幕を追い遂に姿を現した大吾と再会するが、黒幕である近江連合七代目会長・黒澤翼に三人とも銃で撃たれてしまう。何とか致命傷は避けられた桐生と冴島は、秋山や騒動に巻き込まれた品田辰雄と共に黒澤の呼び掛けで神室町に侵攻しつつあった近江連合の軍勢を迎え撃つことになる。
そして黒澤の下に駆け付けた冴島や大吾の手により、騒動は終結したかに思われたが、黒澤の真の狙いは東城会の乗っ取りそのものではなく、余命いくばくもない自分が叶えられなかった夢を"ある人物"に引き継がせる事だった。
その人物を知るべく大吾からの連絡で東城会本部へと向かった桐生の目の前にいたのは、大吾の護衛役であり黒澤の息子・相沢聖人であった。黒澤は東城会や近江連合の全てを息子に託そうとしていた。
自分でも状況が理解出来ない相沢だったが、五代目の寺田以降、桐生のコネで成り立っていた東城会の現状と、その桐生の様に才能だけで生きている極道の存在に以前から不満を持っていた為、この機会を活かし、それを変えるべく桐生に戦いを挑む。それに対し桐生は「才能だけで強くなった奴はいない、逃げずに乗り越えることで強くなれる」と説き、相沢との最後の戦いに挑む。
激闘の末、勝負には勝ったものの闘いの中で銃撃の傷口が開き、桐生は大雪の中意識を失いかける。だが、そこに桐生との幸せな時間を思い出し、芸能界からの引退を宣言した遥が駆け付け、その声で桐生は目を覚ます。降りしきる雪の中、再会を果たす桐生と遥。その先には、かつてのような穏やかな日々が訪れる……はずだった。
龍が如く6 命の詩。
相沢との戦いの後、病院に搬送された桐生だったが搬送先の病院で突如警察に逮捕されてしまう。
今回の事件で奥手に回ってしまった警察が成果を作ろうと、伝説の極道である桐生を主犯にし逮捕したのだった。控訴するよう大吾は桐生を促すが、遥、そして沖縄で待つアサガオの子供たちとの平和な暮らしを迎えるため桐生は3年の刑期を受け入れ再び身を洗う決意をする。
それから約4年後の2016年12月(当時48歳)、桐生がアサガオに戻るとそこに遥の姿はなかった。桐生が逮捕された後も、遥は想像以上に世間からバッシングを受けた事から、アサガオの子供達に迷惑をかけまいと姿を消したのであった。自分の行動を責める桐生だったが今となってはどうすることも出来ず、伊達や秋山など神室町の旧知を頼り、遥の足取りを追う。そこでも一向に手掛かりはつかめず途方に暮れていたが、そこに突然、伊達から「遥が神室町で事故に遭い、意識不明の重体になった」との電話が入る。
病院へ駆けつけた桐生の前には、集中治療室で眠り続ける遥の姿と赤ん坊の姿があった。その赤ん坊の名は澤村ハルト、遥の子だった。
突然の事実に驚く桐生だがやがてそれは「失踪中の遥に何があったのか?」「ハルトの父親は誰なのか?」「そしてこの事故は本当に偶然起きた物なのか?」という疑問に変わる。そして桐生はその疑問の答えを捜すべくハルトを連れ、遥の携帯に残っていた位置情報を元に広島・尾道仁涯町を訪れる。
広島では現地の極道組織「広瀬一家」の南雲剛や広瀬徹、スナックを経営する笠原清美と知り合い、後に彼らが広島で遥の面倒を見てくれていた人物だと知る。
その後、真相を追う中で尾道に隠された「尾道の秘密」に辿り着き、それがきっかけでハルトの父親が広瀬一家の組員・宇佐美勇太であった事、更に勇太は香港マフィア「祭汪会」総帥であるビッグ・ロウの隠し子で、それが原因で同じく総帥の血を継ぐハルトが祭汪会から狙われている事を知る。
桐生はハルトを守りながら広瀬一家の面々と協力し尾道の秘密に辿り着くが、それを守っていたのはなんと広瀬一家の組長・広瀬徹であった。広瀬は広島の極道全てを束ねる陽銘連合会会長・来栖猛こと巌見兵三の子分で、これまで来栖からの命令で尾道の秘密を守る為に大勢の人間を殺害しており、秘密の番人として同じ様に桐生にも襲い掛かる。
しかし桐生には敵わず、尾道の秘密の正体「超大和型戦艦」の詳細を知った者達を殺せなかった広瀬は、突如現れた来栖に撃たれてしまう。そして南雲達に、尾道の秘密を守る為に彼らの父親を殺した過去を語った末に息絶え、桐生はかつての自分と風間に似た彼らの親と子の関係に、悲しみを募らせる。
そして来栖もまた息子である巌見恒雄との親子の関係を拗らせしまった1人であり、父親の全てを無理やり引き継ごうとした恒雄の手によって殺されてしまう。恒雄は以前から東城会も乗っ取ろうと考えており、東城会の古参幹部・菅井克己と手を組み大吾や真島を警察に逮捕させるなど着々と準備を進めていた。
更に彼らは計画に邪魔な存在である桐生を消す為に、清美を誘拐し元夫である東城会の幹部・染谷巧に対して桐生の殺害を命令する。染谷が桐生に敗れると、今度は桐生に染谷の殺害を命令し、それが出来なかった桐生の代わりに染谷が自害するが、それでも彼らは清美ママを解放しなかった為、桐生から激しい怒りを買う。
全てを終わらせるべく、彼らを殺す覚悟で桐生は南雲と共に、二代目来栖猛の襲名式を行っていた恒雄と菅井の所まで殴り込む。しかし今度は遥とハルトが彼らに誘拐されてしまい、手が出せず菅井や恒雄から執拗な暴行を受けて窮地に追いやられてしまうが、遅れて到着した勇太達の手によって遥とハルトは解放され、自由の身を得た桐生は恒雄と最後の一騎打ちに挑み、死闘の末に勝利する。
遂に黒幕を打ち破った桐生だったが、苦し紛れに放った菅井の銃撃から遥やハルト、勇太を守り重傷を負う。そして最後に遥たち家族の幸せを願い息絶えた。長きに渡って名を馳せた伝説の極道の生涯はここに幕を閉じた。
遺書となった大吾への手紙には今回の騒動の中で様々な親子の形を見て、自分もまた大吾との間にあった筈の親と子の関係から逃げ、東城会会長として責務を全て彼に任せきっていたとし、そんな自分の命には価値などないから広島への報復は止めてほしいと書き記してあった。
…しかし実は生き延びており、かつて超大和型戦艦の製作を依頼した「昭和のフィクサー」大道寺稔の弟子である政治家と裏で"ある取引"をしていた。その内容は今回の騒動を桐生が公にしない代わりに、東城会と陽銘連合会の戦争を避ける為、大吾を刑務所から釈放させるというもの。それらを公にしない保証として、桐生は政治家に自らの死亡診断書の作成を依頼し、死を偽装する道を選んだのであった。
その様子を見ていた伊達から「遥やハルトに二度と会えなくなる」と止められるが、逆に自分が消えて情報を漏らさない限り仲間達が狙われる事も無く、仲間達の幸せの為に死ねるなら本望とし、伊達を証人として政治家との間に取引を結んだ。これにより桐生は世間一般では死んだ事になり、真実を知るのは桐生の身内では伊達だけとなった。
そして最後にはアサガオで遥や勇太、アサガオの子供達に見守られながら必死に歩こうとするハルトの姿を遠くから見届けると、桐生も1人何処かへと歩み、消えていくのだった…。
龍が如く7 光と闇の行方
2019年12月(当時51歳)、表舞台から完全に姿を消した筈の桐生だったが、大吾と渡瀬による東城会・近江連合解散宣言の場に現れ、渡瀬のピンチを救う。尾道の秘密を巡る騒動から3年、桐生は大道寺の弟子達(通称"フィクサーの残党")の管理下で「この世に存在しない筈の人間」として生活していたが、渡瀬に発見され、彼の用心棒として雇われ連れて来られたのだった(その経緯は下記)。
生きている事を大吾達に驚かれる中、新主人公・春日一番に語りかけ、彼やその仲間の背中を守りながら、解散宣言を反対する近江連合の幹部達を撃破する。戦い終了後は春日に1つ借りておくと言葉を残し、大吾達と共にその場を後にした。
その後、フィクサーの残党の情報を基に、騒動の黒幕である東京都知事・青木遼の次の行動を予測し、その調査をコミジュルに依頼する。そしてそれを伝える為に再度春日達の前に現れるが、親しき者達を殺され荒れていた春日を見ると考えを変え、コミジュルの情報を「宝」、自らを「宝の番人」と例え、彼らと対立する。春日達相手に相変わらずの圧倒的な力を見せつけ、戦い後も汗1つかかず、その姿は気絶した春日に巨大な応龍と対峙する夢を見させる程だった。
戦いにより春日の頭が冷えると和解し、春日に「考えて動く(※)」事を教え、コミジュルが調べた青木遼の情報を伝える。その際、コミジュルの総帥・ソンヒに自らの正体を明かされそうになるが、既に自分は存在しない筈の人間の為、それをやめさせ、更に春日に協力を求められても、フィクサーの残党達との契約違反になってしまう事を理由に断る。
そして最後には、いずれ春日が"本物"になる為に、自分が伝えた言葉や自分との戦いの中で感じ取ったものを信じて、「信じた仲間をずっと信じて前に進め」と助言し、彼らに後を任せて去っていった。
本編外ではデリバリーヘルプで100万円で彼を呼べる他、DLCを購入すれば一番製菓の社員として雇う事が出来る。
また、シリーズ恒例の裏ボスである亜門のサブストーリーにも関わり、亜門一族に新たな龍になり得る男として春日を推薦していた事が明らかになる。そして春日たちが亜門を撃破して帰路につくと、亜門の前に現れ、彼が、春日が桐生の伝説を引き継ぐ存在になると予想すると「春日は自分の跡継ぎでも代わりでもなく、春日は春日らしくまっすぐ必死に生きればそれでいい」と語り、その背中を見送るのであった。
龍が如く7外伝 名を消した男
『6』から『8』までの桐生の動向が描かれる。
「桐生一馬」としての名と人生を捨ててから2年後の2018年(当時50歳)、桐生はフィクサーの残党こと「大道寺一派」の隠れ蓑である寺「大道寺」の100人目の僧となり、同時に一派から命を受けて任務をこなすエージェント・コードネーム「浄龍」として活動を開始する。
その後、『7』本編と同時期、一派における桐生の管理役・花輪喜平から横浜港の金塊密輸取引現場での警護という新たな指令が下される。この仕事は、桐生や一派にとっても簡単な任務の筈だったが、彼らの前に謎の一団が現れる。取引は中止を余儀なくされ、更に奇遇にもその一団に桐生の生存を嗅ぎつけられてしまう。現場から姿を消した彼らを放っておく訳にも行かず、桐生は、再び裏社会へと足を踏み入れる。
一団のメンバーが刺青を入れていた事から、現場周辺で活動している極道・横浜星龍会に手がかりがないか偵察に向かったが、その帰り際、再び昨日と同じ一団に襲われる。
彼等の正体は近江連合の若頭である渡瀬を組長とする渡瀬組の組員達であり、一団を率いてきた渡瀬組若頭・鶴野裕樹は桐生の生存を探るべく昨日の襲撃を起こした事を語る。
自らの正体を隠す為、桐生は鶴野達と拳を交え、撃破に成功するが、今度は渡瀬組若頭補佐・獅子堂康生に襲われ、彼との戦いの最中で花輪が連れ去られてしまう。
鶴野の目的は渡瀬の命令の元、これから起きるとある作戦を成功させる為に桐生を仲間に迎え入れたいというものだった。参加した暁には大道寺からの解放を提示されるが、その為には花輪が犠牲になる事を伝えられると桐生は拒否する。
鶴野は代わりに花輪の居場所を教えるのを条件にして、桐生を大阪の便利屋・赤目を通じて、大阪湾に浮かぶコンテナ船「キャッスル」へと招待する。そこで行われる闘技場にて桐生の器量を見極めるのが鶴野の目的であった。
圧倒的な強さで勝ち上がった桐生はその日、闘技場の管理人であった獅子堂から花輪が監禁されているビルを聞き出し、そこに乗り込み鶴野ら渡瀬組員を撃退。
花輪の救出と共に、渡瀬が大吾達と共に近江連合と東城会の同時解散を画策している事を知る。
その後、そのまま一派の手によって鶴野への尋問が行われ、桐生の手で鶴野の処刑が命じられる。が、桐生はこれを拒否して鶴野を逃したことで、今度は桐生が捕まり、花輪が桐生の処刑を命じられる。花輪もまたこれを拒否し処刑されそうになるが、これは一派の上層部である主任が2人の関係性を試す為に行なった命令であり、更に逃げ出した鶴野が持参した500億円の資産によって桐生は命拾いをする。
更に渡瀬達への協力も許可され、桐生はキャッスルにて近江連合・東城会同時解散の一番の弊害でキャッスルの所持者でもある三代目西谷誉と彼が率いる鬼仁会への対処を鶴野と話し合うが、そこで西谷本人と対峙する。
桐生はこれも撃退するが敵地である為、一旦キャッスルから逃走する。そして西谷を船から引きずり出すべく鶴野に資金調達を依頼して、渡瀬組組員らと共に蒼天堀で豪遊して挑発し、更にはキャッスルを強奪することで西谷をおびき出すことに成功する。
再度、西谷を撃破し生け捕りにしようとするも、獅子堂が西谷への過去の恨みから彼を殺害してしまい、鶴野もこれを承知していた為、桐生は怒りを見せた。
そしてそのまま翌日を迎え、鶴野ら渡瀬組組員達と出所した渡瀬を出迎える。しかしそこで獅子堂が解散否定派の裏切り者だと発覚し、他の渡瀬組組員や獅子堂の裏工作によって生きていた西谷率いる鬼仁会を連れ、桐生、渡瀬、鶴野の3人に襲い掛かる。
渡瀬が西谷に脇腹を刺されながらも3人はこの危機を乗り越え、迎えに来た花輪の送迎の元、近江連合本部へと向かった。
その後『7』本編で描かれた様に大吾と渡瀬による東城会・近江連合解散宣言によって荒れる会場にて渡瀬のピンチを救った。戦い終了後は久しぶりに再会した大吾、真島、冴島から生存を隠すべく避けようとするが、春日に1つ借りておくと言葉を残し、その場を後にした。
そのまま大吾達と近江連合本部を出ようとするが、そこへ獅子堂が現れる。本部で桐生や春日に敗れた近江連合幹部達を獅子堂は焚き付け、最後の闘いを挑んだ。激闘の末、桐生は獅子堂を撃破し、翌日大吾と渡瀬の手によって大阪府警に解散届が無事提出された。
その後『7』本編同様、春日を導くべく拳を交え、その後は隠れ蓑である大道寺に帰還する。
それから翌年、2020年。桐生は花輪から褒美として、アサガオの子供達の様子を隠しカメラで撮影した映像を受け取り、その姿に感動と自らの孤独感から大粒の涙を流した。更に一派から長期休暇を授与されると、最愛の女性・澤村由美が生前、結婚式場として夢見ていたハワイの「ナナーラ・ヒル記念教会」へ向かう事を決める。
2023年、後述の任務でハワイへ渡航した桐生は目的地の教会に訪れる。そこで、かつて自身が由美に贈った名前入りの「指輪」を祭壇に捧げ、新たな任務へと出向くのであった。
龍が如く8
本作では春日と共にW主人公を務める。
東城会・近江連の大解散から約4年後の2023年冬(当時55歳)、大道寺一派からの命を受けて、ある人物を探し出し保護するべく、花輪と共にハワイ・ホノルルシティに降り立った。
『7外伝』に付属する零章では、由美の指輪を祭壇に捧げて教会を去った後、以前よりその人物を探し出す為、ハワイの情報屋と通じていた事が語られ、その情報屋から背中に龍と魚の様な刺青を入れた日本人男性が近くにいるとの情報を得る。
桐生がそこに出向くと、自らの母親である「茜」を探してハワイに旅立ったものの、そこで彼女の家政婦をしていた不二宮千歳に身包みを剥がされ、更に地元警察から追われていた春日を発見。彼の窮地を救った。
春日の前に現れた時は少し痩せ細り、髪は白髪で前髪を下ろし、服装は黒いシャツに灰色のズボンでこれまでの彼とは異なった出立ちとなっていた。
春日を茜の家まで送り届けるが、そこで春日が探している茜という人物は、桐生が大道寺一派からの命を受けて探していた人物と同じだった事を知る。
そんな中、現地で活動する山井豊率いる山井一派に周りを取り囲まれ、珍しく桐生は戦闘を避けるが、山井の部下で春日とは既に面識があるエリック・トミザワに見つかる。春日がトミザワを助けたいという思いから山井組との戦闘になり、桐生も加勢し難を逃れる。
しかしこの戦闘により、山井に桐生の生存がバレてしまい、更に春日やトミザワと行動する中で、桐生は自らが癌に侵されている事を告白する。
本編から3年前の2020年(『7外伝』のエピローグ後)、大解散の後に桐生は放射性廃棄物一時貯蔵施設にて作業員として働いていた。広島の騒動で名を消してから自分が腐っていくのを感じていた桐生は「誰かがやらねばならない仕事」へ真っ先に踏み入れる作業員たちの姿に感銘を受け、自ら志願し仕事をしていたのだった。
そんなある日、同僚の1人がフォークリフトを運転中に突然の発作で意識を失い、事故を起こすが、その際放射線廃棄物が入ったタンクを倒してしまう。
倒れたタンクから汚染水が漏れ出し、周囲が騒然となる中、咄嗟に意識不明の同僚を助けに向かう桐生だったが、頭上からタンクが落下し衝突、その衝撃でマスクが壊れ、放射能を直接吸ってしまう。「直ちに人体に影響する数値ではない」放射線量であった為、桐生はこの事故が直接的な原因とは断言していないが、実際にこの後癌を発症してしまった。
症状は既に癌が全身に転移し手術ではどうにもならないまでに進行しており、医者からは余命半年と明言され「何故こんな状況で外をブラつけるのか」と疑問視される程であった。
抗がん剤治療も拒否する桐生に対し、春日達は一刻でも早く桐生を入院させるべく、茜の探索により一層力を入れる。
茜を狙うハワイのマフィア・バラクーダのアジトまで乗り込み、そこで新たに千歳が仲間となる。そして今度は4人で、同じく茜を追う中華系マフィア・ガンジョーのアジトまで乗り込むが、そこでハワイの宗教団体「パレカナ」の代表ブライス・フェアチャイルドがバラクーダとガンジョーを裏から操る真の黒幕だと知る。
更にブライスは茜が連れているラニという子供を追っていると知ると桐生はラニに遥を重ね、怒りを見せた。
ブライスの追っ手から逃げる最中に現れた山井一派に囲まれた4人であったが、トミザワが出した車により難を逃れる。しかし桐生は彼等を逃がす為の足止めに徹し、その場に残るが、その時、遂に体に限界が来てしまい、吐血し山井の前で意識を失う。
桐生が目を覚ますと、そこは大道寺一派が用意したセーフティハウスのベッドの上だった。山井は以前より桐生に憧れていた為、倒れた彼を意外にも保護し手当を行い、春日達へ無傷のまま桐生の身を返却したのだった。
起き上がると桐生は再び戦いの場に戻ろうとするが、春日や花輪に止められ、春日を助けに日本から来たナンバの付き添いの元、帰国した。
日本では横浜の春日のアパートを根城にする。
ナンバの提案によりエンディングノートを作成。それを埋めるべく向田紗栄子やソンヒも協力に乗り出し行動を共にする。途中、星龍会の海老名正孝の不穏な動きを察知し顔を合わせるなどあったが伊達との再会もあり、エンディングノートを順調に埋めていく。
しかしそんな中、突然、登録者数500万人以上を誇る暴露系VTuber・多々良ひそかに自らの生存を動画で公開されてしまう。情報源が海老名であった事から、自分達が嵌められた事に気付いた桐生達は再度、海老名への接触を図るが、そこでハワイから連絡を取った春日から三田村英二の策略により花輪が射殺された事を知る。
春日から海老名と行動を共にする沢城丈が海老名と一枚岩ではない事を告げられた桐生達は新たに趙天佑をパーティーに引き入れ沢城の元へ向かった。
春日の言う通り沢城は海老名と一枚岩ではなく、海老名が釣り餌として用意した第二次大解散を実際に行う狙いがあった。そして沢城はそれを成し遂げる援軍として大吾、真島、冴島を呼び出せないか桐生達に持ちかけるのであった。
3人と話をする為、桐生は、現在彼等が暮らしている雪国へと向かい、そこで3人の現状と海老名の出生の秘密を聞く。ただ3人は自分達が動くと、元ヤクザ達が東城会の復興を願う為に動こうとせず、桐生の挑発に乗り拳を交えても尚動こうとしなかった為、騒動終結後は春日のサポートをするよう願い、その場を後にした。
横浜に帰還後、突如一般人達から盗撮や襲われる被害に遭う。今度は大吾達との接触を盗撮され、それが多々良ひそかに動画のネタにされ、更にその場で彼等が話していた事とは真逆の「東城会の復興を企てている」というデマを流され、桐生は極道解体に対抗する主犯にされてしまう。
周りから身を隠すべく桐生は日本に帰って来た春日達と合流し異人町のホームレス村にて身を隠していた。
そこで春日に海老名が春日の異母兄弟である事を伝え、ヤクザのせいで人生が狂った海老名に対して、東城会四代目としてそういったヤクザの体制を変えるチャンスがあったにもかかわらず、何もしなかった自身について負い目を感じた桐生は、「ヤクザの過去を引き受ける」として海老名を引き留める選択肢を選んだ。
翌日、最終決戦を前にいつものグレーのスーツに赤いシャツ、そしてオールバックのヘアースタイルに身なりを改めた桐生はナンバ達と共に海老名が決戦の場として指定したミレニアムタワーへと乗り込む。襲い来る星龍会組員を次々と倒し、途中駆けつけた大吾達の助けもあり、海老名のいる最上階へと辿り着いた。
海老名の前では、四代目としての役割を熟さなかった自らを自省しつつも、海老名の暴走を見過ごすわけにはいかないとし、最後のケジメとして戦いを挑んだ。
死闘の末、桐生が勝利するもその身体は既に限界を迎えていた(戦闘開始時のムービーにて、桐生と海老名の攻撃が同時にヒットした瞬間、桐生のみ吐血するシーンがあることからもその兆候がうかがえる)。
海老名は自身を殺す様に懇願するが、それに対して桐生は元ヤクザ達に「生きて償う」チャンスを願い、同じく海老名に対しても彼等の様に生きて欲しいと願った。
そして最後はヤクザ達の過去を引き受けた1人の元ヤクザとして涙ながらに謝罪し、そのまま意識を失った。大吾やナンバなど仲間達が駆け寄り呼びかけるが意識は戻らずドクターヘリにて緊急搬送され、集中治療室へと運び込まれるのであった…。
それから約1ヶ月後。
とある病院の病室にお見舞いに来た遥と息子のハルトの姿があった。ベッドの上には誰も居なかったものの、遥は病室用名札の名前を見つめ微笑みを見せた。
一方、車椅子を押されながら同院の放射線治療室へ向かう男の姿があった。痩せ細りながらも生気のある目をした男は担当医から名前を尋ねられ、取り戻した自らの本当の名を名乗る。
「桐生一馬だ」
スピンオフ・その他の活躍
龍が如く OF THE END
2011年4月(当時42歳)、「ヒマワリ」に招待された遥が何者かに誘拐されたため、再び単身神室町へと舞い戻る。
遥を人質に取られているという怒りから普段の桐生とは思えないほど荒れており、自衛官の制止を力ずくで振り切り、かつての組員たちの協力で強引に隔離エリアに入り神室町の惨状を知る。倒しても倒しても起き上がるゾンビたちに囲まれていたところを同じく隔離エリアに取り残されていた自衛隊員の浅木美涼に助けられ、以降は行動を共にする。
その後神室町ヒルズにて真島、賽の河原で秋山と再会し、共にゾンビを撃退すべく行動する。大吾から伝説の武器屋ガンスミスについての情報を聞き、居場所に向かい、龍司と再会。ガンスミスから対物狙撃銃を受け取り、誘拐した張本人であり事件の黒幕・二階堂哲雄とその協力者・DD、そして人質となった遥の待つミレニアムタワーに向かい、ケジメをつけるために龍司と共闘。タナトスにより完全体オオイカヅチへと変貌した二階堂を倒し、最後は再興している神室町で、共に死線を潜り抜けた自衛官の浅木や、亡くなったおやっさんの遺志を継ぎたこ焼き屋を続けている龍司と挨拶を交わし、遥と共に平和な日常へと帰って行った。
龍が如く 見参!
伝説の剣豪「宮本武蔵」として登場。
徳川家剣術指南役・丸目長恵の誘いを受け、徳川家康次男である結城秀康の暗殺計画に加担するも、任務完遂後、丸目と佐々木小次郎により口封じのために追われる身となる。戦友となった真島五六八の決死の協力もありなんとか死地を越え、彼の義理の妹・浮世の元でしばらくは平穏に暮らしていたが、後に自身の首にかかった賞金が原因で浮世は賞金稼ぎによって殺されてしまう。
今際の際の浮世から「剣で人を救える道もある」と諭され、祇園では偽名として“桐生一馬之介(きりゅう かずまのすけ)”を名乗り、用心棒や集金、他の店への出張営業など、報酬さえ頂戴出来ればなんでもこなす「掛廻(かけまわり)」として生活しながら、かの地にて自身を貶めた人物への報復の機会を待ち続けることになる。
龍が如く 維新! / 龍が如く 維新!極
兄弟分である武市半平太と結託し、身分制度に支配されている土佐藩をぶっ壊すためにクーデターを起こそうとするも、育ての親だった吉田東洋を「覆面の男」に暗殺され、濡れ衣を着せられてしまう。真犯人の行方を追い脱藩し、京で「斎藤一」と名を騙り情報収集を進めていた。
一年後、覆面の男が用いた「天念理心流」の型から、京都守護職の組織「新撰組」の中に当時の犯人が在籍していることを突き止め、その内情を探るために入隊志願者として潜伏する。
因みに本編の「桐生ちゃん」よろしく、新撰組の先輩隊士の“沖田の兄さん”から「一(はじめ)ちゃん」と呼ばれている。…高校生探偵かな?
ゲスト出演
原作でゴルフをやるイベントがあった関係か、有料のDLCキャラとしてゲスト出演。
購入すれば、PS3版及びVita版、両方の機種でDLが可能。
バーディ時にスタンドごとマイクを取り出して唄おうとするなど、意外にノリノリである。
また、彼の紹介映像には、他社の格ゲーのキャラクター参戦シーンを彷彿とさせるシーンがあった(当の本人は参戦していないが)。
- 太鼓の達人ぽーたぶるDX
セガ作品より収録曲の一つである、『Machine-gun kiss』の踊りキャラとして登場。
『OF THE END』名義のため、桐生→真島→龍司→秋山→遥の順に出現し、桐生達は銃を構えている。
魂ゲージがノルマに達すると、画面下の背景が神室町からキャバクラ店内に変化し、ゲージが満タンになるとキャバ嬢が盛り上げる。
余談だが、他にもセガ作品として、初音ミクProject-DIVA2ndから『激唱(裏譜面付き)』や、初代アウトランの『Magical Sound Shower』も収録されている。
『龍が如く』本編からではなく、そのスピンオフ『龍が如く OF THE END』から参戦。
真島吾朗とのペアユニットでお互いの銃火器や拳で暴れあう。
参戦理由について本作のディレクター・森住惣一郎氏によると、実は『龍が如く』本編の客演は考えておらず、親和性の高さを考慮した結果、スピンオフ作品かつパラレルワールドの『OF THE END』が最適だったと発言している。
『OF THE END』は『龍が如く4』のその後を描いたパラレルワールドであり、しっかりと追って作られたスピンオフ作品かつ現代で武器もたくさん出ているので汎用性が高い作品であるため採用となった(なお、派生タイトルは他にも『見参!』や『維新!』もあったが、いずれも時代背景が全く異なり、本編のストーリーと絡みたくない上に次回作のスピンオフ作品に影響が出てしまうため没となったとのこと)。
タカラトミーのTCG。「百万超邪_クロスファイア」のコラボという形で登場。
呼称
呼び名 | 人物 |
---|---|
桐生 | 錦山彰、柏木修、久瀬大作、阿波野大樹、渋澤啓司、尾田純、嶋野太、伊達真、サイの花屋、別所勉、高島遼、千石虎之介、名嘉原茂、神田強、浜崎豪、冴島大河、黒澤翼、舛添耕治、足立宏一、獅子堂康生、三代目西谷誉 |
一馬 | 風間新太郎、澤村由美、狭山薫 |
桐生さん | マキムラマコト、立華鉄、ユウヤ、麗奈(0)、一輝、堂島大吾、ユキ、小雪、峯義孝、秋山駿、谷村正義、冴島靖子、葛城勲、品田辰雄、広瀬徹、笠原清美、小清水寛治、巌見兵三、巌見恒雄、ハン・ジュンギ、春日一番、難波悠、向田紗栄子、趙天佑、キム・ヨンス、ソンヒ、花輪喜平、鶴野裕樹、住職、エリック・トミザワ、不二宮千歳、三田村英二、海老名正孝 |
桐生ちゃん | 真島吾朗、麗奈(1&極) |
桐生はん | 林弘、渡瀬勝 |
兄貴 | 田中シンジ、島袋力也、南雲剛、宇佐美勇太、田頭直人、松永孝明 |
叔父貴 | 新垣幹夫 |
おじさん | 澤村遥、太一、綾子、志郎、理緒奈、エリ、光雄、宏次、泉 |
4代目 | 森永悠、相沢聖人、染谷巧、菅井克己 |
カズマ君 | ポケサーファイター |
鈴木さん | 中嶋洋太郎、浜子、サバイバーのマスター |
浄龍 | 赤目、吉村 |
おじいちゃん | ハルト |
スタイル
- ノーマルタイプ
シリーズを通して身に包む服装のスタイル。
前述の通り、ライトグレーのスーツにワインレッドのシャツ、白蛇柄のエナメル靴を着用している。
- ノーマルタイプ(シャツのみ)
ジャケットを脱ぎ、シャツの袖を捲った沖縄や広島など暑い地域でのスタイル。
沖縄では一部限定だったが広島では常にこの格好だった。
- 半裸
本気になった際になるスタイル。どんな服装だろうが上着とシャツを同時に一瞬で脱ぐ「早脱ぎ」をするが、どのような仕組みになっているのか不明。
- 沖縄タイプ
沖縄では平均気温が高いため、半袖のアロハシャツと白いスラックスを身につけている。
- タクシードライバー
福岡でタクシードライバーを務めていた際に着用していた服。
勤務時はドライバーとしての制服に身を包み、運転の際はピンクのネクタイを締めるが、運転以外の際はネクタイを外して胸元を開け、カーキグレーのジャケットを上から羽織る。
M-65フィールドジャケット風のデザインな点は、ロバート・デ・ニーロ主演の名作映画"Taxi Driver"のオマージュだろうか。
- チンピラスタイル
堂島組でまだ下っ端の若衆だった頃の若き日のスタイル。
時代がバブルで浮かれる中、首にネックレス、白いシャツに黒のスーツという地味な服装をしている。
- 不動産屋
立華不動産に勤めることになった際、前述の黒いスーツから買い替えたもの。
ストライプの入った白いスーツに、オレンジの地に鎖柄の入ったシャツという堅気のスーツとしては奇抜な物で、錦山からも笑われていた。
- ドラゴンマスク
養護施設「アサガオ」の一人である太一に見せるために変身した覆面レスラー。
背中の刺青が丸見え。額に『龍』があるのが特徴。
- エージェント「浄龍」
大道寺のエージェントとしての装い。
無地の黒スーツに白シャツ、赤紫がかった灰色ネクタイにサングラスが基本だが、本作独自のシステム「コーディネート」によってスーツスタイル以外にTシャツや裸ジャケット、ボディスーツなど様々な服装に着替えることが可能となっている。
- 中年期
病気により余命僅かとなってからのスタイル。
頬は若干痩せこけ、髪は白髪が目立つようになってしまい、病による衰弱ぶりがうかがえる。
服装はエージェントとして目立たず行動するためか、黒のシャツに灰色のズボンと、浄龍の時と同じく地味な服装となっている。
だが、劇中終盤では…?(詳細は「本編での活躍」項を参照)
余談
TVドラマ『西部警察』での加納竜の役名も「桐生一馬」であるため、作品タグと併用するのが望ましい場合もある。
関連動画
Force Addiction(『龍が如く0』チンピラスタイル通常戦闘曲)
Parry Addiction(『龍が如く0』ラッシュスタイル通常戦闘曲)
Crash Addiction(『龍が如く0』壊し屋スタイル通常戦闘曲)
Receive You ~Tech Trance Arrange~(『龍が如く0』堂島の龍スタイル通常戦闘曲)
Funk goes on(初代『龍が如く』『龍が如く8』神室町通常戦闘曲)
Funk goes on 極(『龍が如く極』通常戦闘曲)
Push Me Under Water(『龍が如く2』神室町通常戦闘曲)
Outlaw's Lullaby(『龍が如く2』蒼天堀通常戦闘曲)
Deep Under Water(『龍が如く極2』神室町通常戦闘曲)
Lullaby Of Outlaws(『龍が如く極2』蒼天堀通常戦闘曲)
Bruise(『龍が如く3』神室町通常戦闘曲)
Ryu-Kyu Humming(『龍が如く3』琉球街通常戦闘曲)
The Myth(『龍が如く4』桐生編通常戦闘曲)
Smile Venomously(『龍が如く4』戦闘曲(冴島vs桐生、桐生vs秋山・谷村))
Isolated fight(『龍が如く5』桐生編通常戦闘曲)
The maximum ill luck(『龍が如く5』桐生戦戦闘曲(冴島選択時))
KAMURO again(『龍が如く6』神室町通常戦闘曲)
Town Bully(『龍が如く6』尾道仁涯町通常戦闘曲)
Rolling Eyes Fall Down the Dragon Wall(『龍が如く7』桐生戦戦闘曲)
Obedience(『龍が如く7外伝』エージェントスタイル通常戦闘曲)
Bring It On(『龍が如く7外伝』応龍スタイル通常戦闘曲)
Stigma(『龍が如く8』伊勢佐木異人町通常戦闘曲)
Blood Maker(『龍が如く見参!』通常戦闘曲)
関連イラスト
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