曖昧さ回避
- 深夜特撮『牙狼〈GARO〉』の主人公・冴島鋼牙の父で先代の牙狼の称号を受け継いだ魔戒騎士、こちらの方が名前の出は古い。→冴島大河(牙狼)
- SEGA発売のアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの登場人物。本項で解説。
プロフィール
「いくら着飾っても いくらええ生活しても 所詮ヤクザ 育ちのええ肉とは違う」
「せやから俺らはもっと焼かれなあかんねん」
「ゴミは焼かれて焦げて真っ黒なって そんで初めて意味がある」
概要
『龍が如く4』にて初登場し、同作と『龍が如く5』で主人公の一人を務めた。
東城会直系「冴島組」組長。元は沖縄第弐刑務所の囚人だった。同じく東城会の大幹部で真島組組長の真島吾朗とは代紋違いの兄弟分の間柄。
かつて、東城会系三次団体「笹井組」の若衆だった頃、25年前のとある事件にて「18人殺し」の罪により、上述の刑務所に死刑囚として25年間服役していた。
しかし、『4』の騒動で18人殺しが冤罪であると判明したことで死刑を免れ、真島と共に東城会六代目会長・堂島大吾を支えるポジションに落ち着いた。
人物像
容姿
身長190cm、体重93kgというかなりガタイの良い筋骨隆々の大男。
頭髪は20歳の頃からザンバラの長髪で一貫していたが、『5』での網走刑務所服役を機に坊主頭となり、以降はサッパリとしたシルエットになった。
背中の刺青は、自身の名前に肖った「虎(=タイガー≒大河)」と、その周りには縁ある笹井組を意識した笹の葉が描かれている。
衣装は基本的に貰い物(『4』では桐生、『5』以降はマタギの奥寺)を着用することになるが、緑のN3-bジャケットや迷彩柄のミリタリーカーゴパンツ・ミリタリーブーツといった、その厳つい風貌を強調する装いが多く見られる。
性格
一人称は「俺」。関西弁口調で話す(ちなみに、真島の兄さんの中の人とは違い、冴島の中の人はれっきとした関西人である)
強面の外見とは裏腹に、自他も認める程のお人好し気質で人情味に溢れる性格をしており、作中ではこうした彼の大らかさや情熱性に触れたことで感化され、改心する悪人や成長する若者も数知れず存在する。
一方で、25年というあまりに長い服役期間の影響や細かいことに拘らないストレート過ぎる精神だけあり、俗世の常識や価値観にはかなり疎く、特にサブストーリーなどでは、若干天然気味な言動を持ち味とした会話になることも多い。
元々教師志望という夢があった様に、相手に対してとりわけ面倒見良く接する人物でもあり、特にサブストーリーなど横暴な振る舞いをするチンピラに対して説教を入れたり、迷いを抱いている相手に激励するなど、相手を正そうとしたり、同胞の先人として教えや傾向も多い。
また、作中では実際に格闘家の先生の立場に立って若い弟子を指導するミニゲームもある(通称「格つく」)。
硬派な人柄であるからか女遊びやカラオケといった娯楽も苦手としていたが、真島によるとカラオケがうまいと評されている。『5』以降の作品ではキャバクラに行くことができる他、カラオケではその美声を遺憾なく発揮している。
刑務所生活で芽生えたのか木彫りを得意とする一面もあり、『4』では天啓の演出として度々見ることが出来る。尤もアイデアを閃くや否やどこからともなく丸太と木槌を取り出しては、芸術家顔負けの勢いで仕上げだすという非常にシュールな内容であるが。
また、好物は焼肉のホルモン焼きで、『5』の冴島編序盤で真島と行った焼肉屋で語った通称「ホルモン理論」(詳細は後述)はファンの間でも名シーンの一つとして挙げられている。
来歴
少年時代に両親を亡くし、義理の妹・冴島靖子の病を治療するために靖子の実父に金を要求され、喧嘩に明け暮れ金を奪う行為を続けていた際、後に渡世の親となる笹井組組長・笹井英樹に戦いを挑むが返り討ちに遭い叩きのめされた。そして笹井に理由を問われ、事情を知った彼の助力で靖子の病は完治。以来東城会直系堂島組傘下に位置する笹井組に所属し、嶋野組組員だった真島の兄弟分となった。
戦闘スタイル
その巨躯とパワーを活かした豪快な喧嘩スタイルを使用。目の前で闘っている敵を振り回したり担ぎ上げたりは朝飯前で、大型バイクやベッドなど、およそ常人一人の力では動かすことが出来ないであろう配置物を軽々と持ち上げるほどの怪力を持つ。
『5』ではその怪力に拍車がかかり、「道路標識や路上に設置されている配電盤、電柱並みのサイズのパイプを引き千切って振り回す」「自分めがけて突っこんできた自動車を受け止める」「猟銃でも仕留め切れない規格外の巨大ヒグマを素手で殴り倒す」といった人外ぶりを発揮した。
また、外見通りタフネスも相当なもので、ただでさえ高い体力に加えヒート状態中にいわゆるスーパーアーマーを身につけるスキル「金剛の気位」が一度発動してしまえば解除されるまで相手の投げ以外では全く怯まなくなる。
ただし見た目通り移動速度は速くない。
本編での活躍
龍が如く4 伝説を継ぐもの
1985年4月下旬(当時20歳)、笹井組長を直系に昇格させるため、都内のラーメン屋で上野誠和会幹部18名を6連発リボルバー拳銃6丁を用いて襲撃。直後警察に「幹部十数名を殺した」と出頭、警察は殺人容疑で逮捕する。裁判で死刑判決が確定すると、即日「東京刑務所」に送られ2010年3月1日まで25年間服役する(なお、服役期間中の時系列である『0』では名前のみ登場しており、近江連合の間でも伝説的人物として話題になっていた)。
それから25年後の2010年3月(当時45歳)、死刑執行まであと数日と迫っていたが、突如「沖縄第弐刑務所」なる施設に移送され、そこで偶然にも収監されていた元東城会の幹部・浜崎豪と出会い、彼が提案する脱獄に参加し、見事成功するが、浜崎とは生死不明のまま離れ離れとなり、独りで桐生一馬の営む養護施設「アサガオ」の近くの浜辺に流れ着く。そこで桐生と澤村遥に手当てをしてもらっていた。途中冴島の復讐を止めるため桐生と喧嘩することにもなったが、根負けした桐生から交通費を借りて真相を確かめるべく神室町に向かう。
そして神室町で、廃人となった笹井、変わり果てた真島との再会と喧嘩も束の間、上野誠和会若頭・葛城勲とその組員により拘束され、真犯人である葛城から「襲撃事件において冴島が発砲した銃弾は全てゴム弾であり、誰一人殺していなかった」という真相を告げられる。
その後、靖子と再会する事は出来たが、城戸の裏切りと靖子の死を受けて無気力状態となり復讐さえも行わないとしたが、桐生から浜崎の最期の願いを聞いて覚悟を決め東城会を守るべく立ち上がり、ミレニアムタワーでの決戦では自身の言葉により道を誤った城戸と対決。実力差から終始圧倒し、これに勝利する。
殺人罪も冤罪となり、また既に25年という傷害罪としても長すぎる刑期を過ごしていた事から釈放される。東城会六代目会長・堂島大吾、東城会直系真島組組長・真島吾朗、元東城会四代目会長・桐生一馬の推薦を受けて東城会直系冴島組を旗揚。亡き「兄弟」浜崎豪の願いを果たし、再び人生を歩み始める。ちなみに冴島組は直系団体の記念すべき100団体目だった。
龍が如く5 夢、叶えし者
東城会に復帰こそしたものの、その為には再び身を洗わなければならないと考え、北海道の網走刑務所に入って3年間身を洗う事を決意する。
その前夜の2010年12月、兄弟分の真島と共に神室町で行きつけの焼肉屋・韓来でシャバ最後の食事をする。そこで真島に対し、極道という物の理想を念入りに焼かなければ美味くならないホルモンに例えて語り、戦争等、最後は力による困難に直面して自分を焼く事の常識を現代の極道達は忘れてしまった事を嘆いた。その上で堅気崩れの軍勢(冴島曰く、生焼けの連中)ばかりとなって弱体化した東城会の現状を把握し、それまで自分達がトップである大吾を支える事を誓い合う。
網走に収監後、それから2年後の2012年12月(当時47歳)、木工班の釘原広志に慢性的な暴行を受けながらも決して手を出さず、模範囚として仮釈放の権利を得るべく早くシャバの東城会に戻ろうとしていた。
しかし、仮釈放の寸前に月見野の極道組織・北方組の五分盃の交渉中に真島が殺害されたという報道と東城会本家から自らの破門通告が入り、その真相を確かめるべく同房だった北方組の元組員・馬場茂樹と共に再び脱獄することになる。
しかし、脱出中に吹雪が吹き荒れる雪山で遭難。馬場とも逸れてしまい、更に泣きっ面に蜂と言わんばかりにその山を縄張りにする巨大ヒグマ、通称ヤマオロシに襲われるが、吹雪の雪山という徐々に体力が奪われる状況にもかかわらず、前述の通り、まさかの素手だけで撃退する。その後、ヤマオロシを追う猟師の奥寺に助け出され、その恩返しとして猟師を手伝いながら、彼と共に馬場を救出。引き続き月見野に向かう。
その後、脱獄先の月見野で真島の死の真相を知る北方と出会うが、真相を知る直前に北方は謎の男に撃たれてしまう。北方を撃った男を追い詰める冴島だったが、その正体は馬場であった。実は馬場は北方組の元組員では無く、真島の死にも関係する騒動の黒幕の一派だったのである。馬場は吹雪で遭難した自分を助け出してくれた冴島の男気と優しさに触れた事で冴島の殺害を躊躇し、自殺しようとしたために力づくで止め、お互いの信念と拳をぶつけた後は馬場をその場から見逃す。
その直後、入れ替わる様に府警の芹沢和彦が現れ、彼に逮捕され東京へと移送される。そして移送の最中、芹沢から見逃す代わりに馬場の仲間である森永悠を追うように強いられ、それを呑み、再び神室町に降り立つ。情報を得る為、サイの花屋に会うべく賽の河原に向かい、そこで森永の兄弟分である相沢聖人と出会うが、そこで花屋から森永が既に死亡している事と森永殺しの重要参考人である勝矢直樹の存在を知る。
勝矢を追って神室町ヒルズに向かい、そこで同じく勝也を追っていた桐生と再会し、更に近江連合若頭・渡瀬勝も駆けつける。しかし勝矢は犯人ではなく彼もまた嵌められた1人であり、勝矢は黒幕を誘き寄せる為にあえて、黒幕の作戦に乗ることを考え、冴島達もそれを呑み4人は死闘を繰り広げる。
死闘の果てに弱った4人の前に姿を現したのは芹沢だった。そして芹沢こそが騒動の黒幕であり、その正体は府警ではなく近江連合七代目会長「黒澤翼」だった。そして黒澤に肩を撃たれるが、勝矢やそこに駆け付けた大吾の犠牲もあり、窮地を脱する。その場から姿を消した黒澤は死を偽装し黒澤の暗殺を狙っていた真島がいる真島組事務所まで出向き、遥を人質にし彼を誘拐する。
真島が生きている事を知った冴島は彼らがいるミレニアムタワーの屋上まで出向く。そこでライブ中の遥がスナイパーである馬場に狙われている事を知り、既に弟分と認めた彼と正式に兄弟盃を交わす事を決めた冴島は、道中同行する品田辰雄に馬場を止め、その伝言を伝える事を頼み込む。自分は黒澤の元に向い、彼に命令に従い真島と戦わされることになる。決着は付かなかったものの、その間に馬場は品田に鎮静化され、冴島達も駆けつけた大吾と勝也が黒澤を屈服させた事で助かり、騒動の幕は閉じた。
龍が如く6 命の詩。
『5』での騒動の後、相沢との戦いで重傷を負った桐生が運び込まれた病院に仲間達と共に駆けつけるが、そこで今回の脱獄の罪を償う為、再び逮捕されてしまう。ただ今回の騒動は警察の落ち度もあった為、酌量の余地があり3年程の刑期で済んだ。
しかし『6』の騒動の際にはずっと逮捕されていた為、真島や大吾と同じくエンディングまで一切登場せず出所後に桐生の死を知る。そして2016年12月(当時51歳)、桐生が死亡してから少し経った頃に釈放され、結果的に桐生を殺した広島の陽銘連合会に戦争を仕掛けるかどうか真島や大吾と話し合うが、桐生の遺言書に従い陽銘連合会と五分の杯を交わす事で騒動に決着を付ける。
龍が如く7 光と闇の行方
2017年(当時52歳)に実施された東京都知事・青木遼による「神室町3K作戦」で東城会が崩壊した後は行方を眩ませていたが、実は、渡瀬と大吾による東城会と近江連合の同時解散計画に協力していたことが後に判明する。しかし、作戦決行直前に渡瀬が組員の「使用者責任」の罪で逮捕され、2年間服役する事になり、東城会が神室町から撤退後、渡瀬が出所するまで、実業家のニック・尾形の計らいで、堂島・真島と共に身を隠していた。
その後、2019年12月(当時54歳)、近江連合若頭代行・荒川真澄に事の真相を問いただすために近江連合本部に侵入してきた春日一番達の前に真島と共に立ちはだかり、激闘を繰り広げるが、大吾と荒川の制止によりすぐに和解する。
翌日、近江連合本部で行われた、渡瀬の出所祝いの席で、渡瀬と大吾から同時解散宣言が行われ、共に解散届けを提出するため大阪府警に行くところを阻止しようと、出席していたほぼ全ての近江連合幹部からの反乱が起き、渡瀬と大吾を守るために、荒川や真島、春日達、そして突如として現れた謎の用心棒と共に共闘し、反乱者達を撃退した。
事件終結後、荒川親子のお別れ会に渡瀬や大吾、真島らと共に参列し、渡瀬と大吾が元組員たちの受け皿として蒼天堀で立ち上げた警備会社に就職したことが示唆されており、その席で春日を誘ったが、「受け皿が必要なのは蒼天堀も異人町も同じ」だと丁重に断られた。
本編外ではデリバリーヘルプにて100万円で彼を召喚可能で、登場する際に落下するマンホールのフタを事も無げに片手でキャッチしてぶん投げると言う地味だが人外の域の行動を見せている(マンホールのフタの重量は大体40キロ、古いモノは80キロする)。また、DLCを購入すれば一番製菓の社員として雇う事が出来る。
龍が如く7外伝 名を消した男
最終章にて登場。解散計画に反対していた渡瀬組若頭補佐・獅子堂康生に真島が苦戦していた際には手を貸すが抑えつけられなくなり、反対派の象徴である獅子堂が声を上げたことで、解散宣言の際に倒した近江の組員が本部の入り口に集まりだしたが、桐生たちと共にこれを鎮圧し、本部を後にした。
また、DLCにて真島や大吾と共に闘技場の追加ファイターとしても登場。
龍が如く8
2023年(当時57歳)、雪の深い地域で真島や大吾となにやら作業をしていた際に桐生と再会する。
『7』『7外伝』の後、冴島たちに何が起きたのかを知ることが出来るのは、物語中盤が過ぎたあたりである。
以下、本作の重大なネタバレ注意
結論から言うと多々良チャンネル…というよりその背後にいる黒幕の一人によって警備会社を一年で潰されていた。
元暴5年対策として、東城会・近江連合が持っていたコネをフルに使い、役所とマスコミに根回しをしていたのだが、その手段として金などの黒寄りのグレーなものがあったことを暴露され結果、資金繰りが拙くなり会社は倒産。
その後、部下からは東城会復活を望まれ、極道第二次解散を謳いながらもその出自から腹に一物抱えているのが確実な海老名正孝から偽りの旗振り役を打診されるという、極道解散の理想からは程遠い状況になってしまう。
雪深い漁村に真島や大吾と隠れ住んでいたのは、「極道が本当に解散するのに自分たちのヤクザとしてのカリスマが邪魔になる」と考えたため。だが、事の真相を聞き出す為に彼らを訪ねた桐生は「一度のしくじりでビビッて縮こまっているだけ(意訳)」と一蹴し、これに大吾は激昂し(ちなみに真島は安い挑発だが敢えて「買うたる」、冴島は多勢に無勢だから参戦と冷静)5対3の大喧嘩に発展。
最終的には、桐生の命がけの決意に一念発起し、最終決戦の地ミレニアムタワーの上層階でヘリからの機銃掃射にあい身動きが取れなくなっていた桐生たちの元に駆け付けた(その際冴島はヘリに向けてロケットランチャーをぶっ放すが、どこで調達したのかは不明)。
龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii
日本とハワイを巻き込んだ大事件から半年後の2024年、ハワイで行方不明となった真島を迎えに行くが、当の真島は記憶喪失により兄弟分である冴島のことを忘れており、真島と久々の兄弟喧嘩を行うことになる。
外伝・その他の活躍
龍が如く OF THE END
名前のみ登場。幹部会によると商談のために中国にいることが判明。
なお『5』では、本作の舞台の2011年には冴島は刑務所にいるはずだが、これは本作がパラレルワールド故の設定のため。
龍が如く 維新!
新撰組二番隊隊長「永倉新八」として登場。髪型は『5』以降の坊主頭で、羽織の袖を破り両腕を露わにしている。
新選組の中では副長・土方歳三と並び、局長・近藤勇に忠誠を誓っている。一番隊隊長の狂犬・沖田総司とは兄弟分で、彼のブレーキ役でもある。沖田からは「新八っちゃん」と呼ばれる。斎藤一(坂本龍馬)とは入隊試験の際、手合わせをして以来、実力を認めている。また、彼が池田屋事件で桂小五郎をわざと逃がしたり、新撰組の禁句である前局長・芹沢鴨のことを聞こうとした際はあえて忠告し、見逃している。
実は彼も「新撰組最大の秘密」の一端であり、沖田や六番隊隊長・井上源三郎と合わせ、とある人物が永倉の名を騙っていることが後に判明し、近藤に忠実なのもそれがきっかけである。
その後、京の大火が発生し近藤が殺害された後、龍馬が新選組を脱退しようとした際には、「龍馬に協力する事は近藤さんと共に生きるという事でもある」と返して龍馬に引き続き協力する意思を見せる。
物語終盤、龍馬の土佐での最終決戦に同行。高知城までの道のりの間で見廻組の佐々木只三郎が立ちはだかった際には、龍馬を足止めさせないためにその場に残って戦いを引き受ける。ラストシーンにも登場したため勝利していたことがわかる。
関連イラスト
- 龍が如く4
- 龍が如く5以降