概要
狩猟に使用される銃の総称。日本で所持するためには狩猟免許と銃砲所持許可証が必要。用途は狩猟に限らず、有害鳥獣駆除と標的射撃(競技)への使用も可能。
日本の制度では狩猟に使用できる銃は、大きく分けて銃内のタンクに空気を圧縮して小さな金属製の弾を発射する空気銃と、火薬の力で弾を発射する装薬銃の2種類が、更に装薬銃のうち散弾銃とライフル銃の2種類が存在する。
ただし『猟銃』という言葉は、あくまでも銃の用途を表す言葉なので特定のタイプの銃を示すものではないため、例えばグリズリーなどの大型で危険な獲物相手の猟では比較的強力な弾が発射できるタイプのライフル銃が、鳥などが相手の場合は散弾銃、といった具合に獲物によって変化するし、同じ獲物を相手とする場合でも獲物を追い立てる「勢子」は威力が弱いが軽い銃、狩場で勢子が追い立てた獲物を待つ「待子」は確実にとどめがさせる銃といった具合に役割や猟のやり方で違う銃を使う場合もある。
或いは、罠をメインとした猟で「とどめをさす為だけに使う銃」も猟銃であるとも言える。
ちなみに地域によっては猟銃として所持できる銃に差があり、例えば日本では猟銃として売られているものであっても軍用銃の条件を持っているから駄目、火縄銃等の古式銃は駄目等と厳しいが、アメリカでは地域によっては拳銃やカスタムパーツてんこ盛りでサイレンサー付きのAR-15、先込め式のマスケット、バレットM82のような対物ライフル、更にはヘリにドアガンとして搭載されたミニガンを私有地内の害獣駆除に使用した例もある。
なお日本では「手負いの獣の方が危険」という観点から「人間相手であれば、行動に支障が出る程度のダメージを与える事が出来るが、野生動物を一撃で殺すには威力不足」な弾を使用する銃は猟銃として認可されない場合が多い。
また、銃刀法では口径が制限されており、ライフルでは5.9mm以上、10.5mm以下(一般)、12mm以下(トドなどの大型獣)となっており、例えば.600NE弾仕様等の大口径銃は猟銃であっても認可されない。更に狩猟法では使用目的も制限されており、一般の口径5.9mmを越えるライフルはクマ、ヒグマ、イノシシ、オスジカ等の狩猟鳥獣捕獲のみとなっている。
最終的には都道府県公安委員会の裁量に任されており、判断を行うもののあいまいな知識や思い込みで認可がされる時されない時があるといい加減と言える面がある。
意外にも狩猟法では威力そのものは特に規制されておらず、法律上は弱装弾の使用は可能。
余談ではあるが、狩猟目的ではなく競技目的であれば上記の目的では威力不足とされる弾を使用する銃も認可される。(猟銃も競技銃も同じ「猟銃・空気銃所持許可証」が発行されるため)