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AR-15

えーあーるふぃふてぃーん

旧アーマライト社が開発し、コルトディフェンスが販売する 5.56X45NATO/.223レミントンを使用するフルサイズライフル/カービン
目次 [非表示]

アメリカで最も愛された、最も邪悪な銃。

概要編集

AR-15は旧アーマライト社、およびコルトディフェンス社の製品名である。米軍の制式採用名M16/M4カービンと根本的には同一のもの。

勘違いされがちだが、AR-15の「AR」は「アサルトライフル」ではなく「ArmaLite Rifle」の略である。

主に米国でのAR-15(クローン)を指す場合のスラングでもある。

他の会社はAR-15のクローンを製造することはできても、「AR-15」の名称は使用することができない。(詳細はM16/M4カービンも参照のこと)


民間市場ではオリジナル、クローン問わずAR-15の名称で呼ばれ、銃身長や連射機構が各州の法規制に対応されているものの、本質的には同じ銃である。

特に互換性を謳っている製品は別メーカーのパーツでも使用可能である。例えばブッシュマスターのロアーにSIGのアッパーが取り付けられる等。

初期のコルト製及びそれを模したクローンでは上下フレームを繋げるピンの径がM16とは異なっており、軍用モデルとの互換性を排していたが、対応したピンへと交換する事で互換性を持たせることが出来る。

ただし、フルオートシアの入ってるロアと組み合わせて犯罪に使われるのを恐れ、対策、若しくは他と互換性のないモデルもある。(多くのセミオート用アッパーはフルオートシアの逃がし加工を省略してシアがひっかかってしまうようになっている程度でセミオート用ロアとは互換性が保たれているが、完全に互換性のないものもあり、HK416の民間モデルのMR223系等がそれに該当し、他社製のロアと組み合わせられなくなっている。)



現在はパテントが米国政府に移譲されている(米国では政府の資産は民間に均等分配しても良いという日本では考えられない風習が有る)ため、米国内外でクローン(派生型コピー品)が盛んに製品化され、口径、作動方式など様々な改造を施されたARが存在する。


代表的なものに、機構はそのままで拡大・強化した7.62mm版がある。AR-15のアクセサリー(機関部用の部品も含む)の多くがそのまま使用できることから原型にあたる(が構造が少し異なる)7.62mm口径のAR-10より多くのクローンが登場している。

他に有名なものには短銃身・拳銃化したARピストルなどがある。

しかし、上記のモデルは言わば「真っ当」なバリエーション展開である。米国民間市場での例を挙げれば、使用弾薬のバリエーションだけでも米国内で購入できる小銃弾・拳銃弾のほぼすべてを網羅している。それどころか、ワイルドキャット弾薬(カスタム弾薬、廃れた弾や薬莢と玉の組み合わせを変えた等)、ベルトリンク式、クロスボウ前装銃、果ては空き缶やテニスボールショットガン.50口径、洗車用に放水するものに換装するキットまで存在する。

一見普通に見えるアッパーフレームであってもボルトフォアードアシストが無いもの、専用のボルトグループとセットで排莢向きが逆になってるもの、部品交換で排莢向きだけでなくボルトフォアードアシストの向きや有無を選択ができるもの、大口径単発式で再装填の為に毎回テイクダウンする必要のあるもの、もある。

更には銃規制に合わせて、マガジンは固定式でクリップ式給弾にされていたり、メンテナンスの為のテイクダウンを行わないとマガジン交換や給弾ができないというモデルまで登場している。

動作機構もダイレクトインピンジメント式やガスピストン式、ボルトアクション、ポンプアクション、中折れの単発式だけでなく、レバーアクションまで登場している。


こうした豊富(すぎる)バリエーション展開やアフターパーツの多さもあり、アメリカ合衆国の一部の州のように規制の厳しくない国・地域ではカスタムベース、射撃競技、サンデーシューティング、狩猟と幅広い需要がある。


主なAR-15(クローン)一覧編集

*注 urlは外部サイトへのリンク、M4カービンは民間用の16インチ

コルトディフェンスCE1000,2000,LE6920シリーズ(M4カービン)/LE901シリーズ(SCAR、ACR等に準じた派生型)/LE6940シリーズ(Fサイト省略形)/AR15A4(M16) オリジナルAR
S&WM&P15(M16,M4) コルトのライバルS&Wが製造するAR
ナイツアーマメントSR-15(M4カービン)/SR-25(.308win仕様)/SR-30(.300BLK仕様) 高価で特殊部隊等での採用例が多い
H&KMR556/MR223(HK416 作動機構をガスピストン式にしたもの)/MR762/MR308(HK417 416の7.62mmNATO弾仕様)
ブッシュマスターFAXM-15(M4カービン)/MOEカービン(マグプル仕様)/バーミンター,プレデター(狩猟用カスタム)/450(.450BM仕様)/300BLK(.300BLK仕様)/XM-10(.308win仕様)/カーボン15ピストル/BA50(.50BMGのボルトアクションライフル、AR-15にカテゴライズされるか微妙だが) 民間用ARでは最も知名度が高い、反面、マスコミなどから不当に非難されることも多く残念である
北方工業公司CQ 5.56(M16A2) 80~90年台に掛けて外貨獲得のためアメリカ市場向けに安価に製造されていた。(HPに記載がないので、現在では恐らく流通していないと思われる)
SIG SAUER USASIG516(作動機構をSG550シリーズと同様にしたもの)/M400(M4カービン)/SIG556xi(550のロアレシーバーをAR風にしたもの)/MCX(5.56mm,.300BLK、SIG516の近代化版)/SIG716(SIG516の7.62mmバージョン)/MPX(9mm,.40sw,.357sigのサブマシンガン(ピストル弾カービン))
ブラボーカンパニーUSAAR-15用のアッパー,ロアーレシーバー,バレル,ハンドガードなどを製造
DPMS FA口径、タイプのバリエーションが非常に多い
CMMGMk4(M16/M4)/Mk47(7.62mmX39仕様) 6.8SPC,9mmX19,22LR,.300BLK等口径バリエーションが多い
57center.comAR-57
FightLite IndustriesMCR(ベルトリンク式)/SCR(銃規制対応の曲銃床仕様)
F&D DefenseXAR(銃身根元で折り畳み可能)/FD308(7.62mmガスピストン式)/FD338(.338ラプアマグナム仕様のガスピストン式)
マテバMTB-15(.223Rem),MTB-300(.300BLK)
BrownellsBRN-PROTO(プロトタイプAR-15),BRN-601(モデル601),XBRN16E1,BRN-16A1,BRN-605,XBRN177E2,BRN-4(HK416)

銃犯罪の歴史編集

上記の通り、民間市場で合法的に購入できる銃器の中でも射程や殺傷力に優れ、市販のパーツでカスタマイズも容易であることから、AR-15を使用した銃犯罪が度々起こっている。

国民銃的な存在であることや、比較的安価、ということもあって一定以上の性能を求めるとなるとAR-15を選ぶ、ということもあって個体数は非常に多く、AR-15の占める割合は高い。


1997年に発生したノースハリウッド銀行強盗事件では、犯人がXM-15 Dissipator(照準延長モデル)に100発ドラムマガジンを付けて銃撃した。

当時のロサンゼルス市警察の装備は、射程に劣る拳銃や散弾銃しか装備しておらず、火力不足を補うべく近所にある銃砲店からAR-15を購入して対抗しようとした(最終的にAR-15を装備したSWATが対処した)。


2022年ではサンディフック小学校銃乱射事件(死者26人)の被害者の遺族は、事件に使用されたAR-15相当品を製造したレミントン・アームズ社を訴えていたが和解が成立。

レミントン社が遺族に対して7,300万ドルの支払いを行うことを決めている。


2024年ではドナルド・トランプ暗殺未遂事件で犯人がトランプ氏を狙撃する際に使用され、8発の銃撃の内、流れ弾に当たった聴衆1名が死亡した。

当のトランプ氏は書類を確認する為に頭を伏せた事、犯人が射撃クラブの入部を断られる程に射撃能力が劣っていた要因が重なり、耳元を掠める軽傷で済んだ(本銃は訓練した一般人でも100メートル先にあるコインを撃ち抜ける程の命中精度を誇る)。


政府が何らかの規制法案を建てない限り、今後もAR-15を使用した銃犯罪が絶えない事だろう。

一方でむやみに規制したところで、すでに出回ったAR-15が管理されていない個体を含め数多くあることや個人レベルでの製造方法が確立してしまっており、規制が難しいこと。犯罪に使用されたとしても同等の性能のあるものが存在しなければ抑止力とならず対抗ができない、野生動物に対する対抗手段を失い生存そのものが脅かされる事となる、AR-15だけ規制したところで別の銃が使われるだけ、と簡単には規制出来ないのが現状である。


ドールズフロントラインに登場する戦術人形編集

STAR-15(ドールズフロントライン)の記事へ。

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