それまで使用されていたM16A1までの主力小銃の置き換えのために製造されたモデルである。M16シリーズの詳細は「M16」を参照。
概要
使用弾薬が.223レミントン弾(.223Rem 米軍制式名M193)から、外寸がほぼ同寸ながら貫通力に優れるFN社のSS109弾(5.56mmNATO弾 米軍制式名M855)に改められた。
.223レミントン弾とSS109弾は飛翔特性が異なるため前モデルから銃身が変更されたほか、照準器がL型の2段切り替え式からダイヤルノブで上下・左右に精緻な調整ができる構造となった。
その他、変更・改良が加えられた箇所は次のとおり。
- ハンドガードが円錐形に。左右2分割から上下2分割となったほか、上下同一部品となったため部品の種類が削減された。M203グレネードランチャーは従来のものも使用可能。
- ハンドガード、ストックなどの樹脂部品の材質が変更されたほか、ストックの寸法と形状が見直されて、前後方向にやや長くなった。
- フラッシュハイダーのスリットが上側と側面のみとなり、下側に発射炎やガスが噴出しない形状となった。
- レシーバーの外形に手が加えられ、排莢ポート後部に空薬莢を前側に弾き返す突起が付けられた。左手で射撃する場合に、空薬莢が射撃の妨げとならないよう右斜め前に排莢させる工夫である。
- マガジンキャッチボタンの周囲に誤操作を防ぐ突起が設けられた。
- フルオート射撃が出来なくなり、代わりに3点バースト射撃機能が付与された。
フルオート射撃機能の削除は徒な弾薬の消費を防ぐ為のものであったが、バースト射撃の使い勝手が悪かった為に不評であった。
これは本銃の撃発機構に由来するもので、セレクターをバースト射撃にセットして3発撃ち切らずに1発或いは2発射撃した後、次に射撃すると3発発砲されず、3発のうちの前回の残数しか発砲されなかった。
つまり、セレクターを3点バーストの位置に入れて射撃しても必ず弾が3発出るとは限らなかったのである。これは、トリガーユニットに組み込まれた発砲数を数える(つまり3連射をカウントして発砲を止める)部品がトリガーを戻した時点でリセットされない構造であった事が原因であった。
このため、特殊部隊SEALsを抱える海軍が中心となってフルオート射撃が可能なM16A3が開発された。
また、キャリングハンドルの脱着やレイルマウントで直接光学照準器を搭載する機能はM16A4以降の銃に付与された機能で、本銃では不可能である。
関連項目
XM16/M16A1/*M16A2*/M16A3/M16A4