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.300AACBlackout弾

すりーはんどれっとえーえーしーぶらっくあうと

.300AACBlackout弾とは米国AAC社によって製造された中間弾薬。

概要編集

略称は.300BLK、.300AAC等。他には7.62×35mm弾とも。

5.56mmNATO弾は世界でかなり普及した弾薬だが、長年ストッピングパワーが問題視されていた(ちゃんと当てられてないだけという説もあるが)。特に苛烈な戦闘が想定される特殊部隊などではAKの7.62×39mm弾や7.92×33mm Kurz弾のように殺傷力が強く(これもまた思い込みという説がある)、尚且つ消音性を重視した上で、更にM4のような既存の銃に大きな改造を施さずとも対応出来る銃弾が求められていた。

そこでAAC社はRemington Defenseと共にワイルドキャット弾である.300 Whisper弾や.300-.221弾等を元に発展させたこの弾薬を開発した。

通常弾だけでなく亜音速弾も最初から用意されている。


開発に当たっては銃側の改造が極力少なくて済むように、弾薬の全長・底面径は5.56×45mm弾とぴったり一致するものとなっている。このため銃のレシーバー、ボルトキャリアなどはそのまま流用でき、交換が必要なのは銃身だけ。

マガジンもM4等で使用されるSTANAGマガジンにそのまま装填することができる。但し薬莢の形状の関係で若干装弾数が減り、30発装填の場合は28発になる。

その他の5.56mmNATO弾用の弾倉でも基本的には対応可能だが、形状や材質によっては給弾に問題が起こる可能性がある為、Magpulは本弾薬に併せた設計の30連P-MAGを別で発売しており、後述の民間品.300BLK対応ARに標準で装着されている。


開発を主導したAAC社はこの弾薬を使用できるPDWとしてハニーバジャーも開発していたのだが、人事等でごたついて計画が塩漬けになっている間にSIG SauerがMCXをリリースしてしまい、ハニーバジャーの開発は頓挫してしまった。後にQ LLCからハニーバジャー2.0が発売されている。


上述したように銃身さえ取り替えれば対応できるので、近年は普通のAR-15のバリエーションとして出す企業も増えている。(例:ダニエルディフェンス、スパイクタクティカル等。)

それに追従するようにHK33等の他の銃も対応銃身が登場している。こちらではマガジンは銃により給弾の問題は様々で、そのまま使うものもあれば対応したマガジンを出すものもある。

ただし、5.56mm弾と混同して使うと5.56mm対応のバレルに.300BLKを装填して撃ってしまい、バレルが破裂する可能性があるのが唯一のネックである。(その為、マガジンに付ける弾薬名が書かれたゴムバンドやステッカー等や、銃の側のダストカバー等に大きく弾薬名を書いたものが登場している)

また、装薬量の関係から9インチ程度の銃身が適正とされ、それ以上の銃身長の銃とはトラブルを起こすほどではないが相性があまりよくないとも言われている。

また、弾薬のサイズが近い.300 Whisper弾と共用可能と、とされる銃もあり、そのような銃であれば自作する必要のあるワイルドキャット弾からファクトリーロード弾へと切り替えたり、逆も容易となっているが、自動式の場合はSAAMI規格外かつ腔圧が高い.300 Whisper弾はトラブルを引き起こしやすく、場合によっては射手に危険を及ぼす可能性が高いため注意が必要となっている。

軍用、特に特殊部隊用としての採用が近年じわじわ増えてきており、昨今ではDEVGRUに当弾薬の対応品であるNoveske DGN4が納入されるなど、これからの活躍が期待される弾薬である。

また、弾頭のサイズや重さから狩猟用としても注目され、中・小型向けのバーミントライフル用弾薬として採用するメーカーも増えている。

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