AR-57
えーあーるふぁいぶせぶん
民間で入手可能な5.7mm弾を使う銃はFNH社のPS90とFive-seveNしかなかった。
そこで民間の需要を満たすためかAR-15系統のロアレシーバーを使用した5.7mm弾を使用する銃の開発がアメリカで始まる。
そして完成したのがラインラントアームズ社のAR-57であった。(後にエアロプレシジョン社により販売されていた)
動作形式はP90と同じくロッキングシステムのないシンプルブローバック。
マガジンはP90同様上方に装填する。排莢は本来のマガジン投入口から行う。まさに逆転の発想である。
中身を取り出したSTANAGマガジンをカートキャッチャー代わり使用できるが、リップ部分を切断しなければ入らず、30発程度のサイズのマガジンでは容量不足でカートキャッチャーとしては微妙である。
そのため安価なマガジンをベースに下部を切り取って袋を取り付けるといった改造を行ったものを使った方が無難である。
利点
- 装填がP90に比べ楽に行える。
- ピカティニーレールが4面についているためカスタマイズの自由度が高い。(M203等も装着できる。)
- ストックとグリップ、セレクターといったものを好きなものに変更できる。
- AR-15さえ持っていればアッパーレシーバーだけでいいのでPS90の新品を買うより安く、新規の登録の必要もなく5.7mm銃を入手できる。
- レシーバー次第ではフルオート射撃ができる。
- マガジンなどの一部を除けばAR-15と操作が同じ。
欠点
- 光学機器を乗せるスペースが小さい。(マガジンの都合でレールの延長も出来ない)
- 一定以上の短銃身化が困難。
- 5.7mm弾やP90用マガジンが高い。
一方で、Five-seveNマガジン互換のCMMG MK57も登場している。こちらはアッパーレシーバーと共に専用のロアレシーバーが必要である。ロアレシーバーの自由度を犠牲にした分、光学照準器の搭載がしやすく短銃身化が可能となった。ラインナップされているバレル長は5インチと8インチのみと、ピストルカービンの趣が強い。
2020年1月には新しいアッパーと.223口径のノーマルロアーレシーバーで使えるバナナスタイルの40連マガジンが発表された。これによりAR-57同様アッパーとマガジンを交換するだけで5.7mm弾が撃てる銃となった。また16インチバレルのライフルモデルも発売された。
同じく2020年2月にはDiamondback FirearmsがFive-seveNのマガジンを利用したピストルDBX57BGFBを発表した、レシーバーのデザインはAR-15系統に似ているものの、互換性は無い。
趣味銃と思われたが、ベネズエラにて使用されている事が判明。
2019年のクーデターにてグアイド支持派の兵士が使用しており、ロアフレームはフルオート仕様に加え、マグプルのアングルドグリップにトリジコンSRSを装着している。(銃口に装着されているものははサウンドサプレッサーなのかバレルジャケットかは不明)
これが私物の不正規装備なのか正規購入された装備なのかは不明。(なお、私物であってもベネズエラ陸軍はP90を保有しており、一応は弾薬の心配はないと思われる)
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