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「……影とは主のために身も心も同化させ、それを一生貫く覚悟を持って生きること」
「そしていつか私の影がまた生まれ……同じ覚悟で生きる……
─────つまり……ハン・ジュンギとは永遠の命を持った存在なのです」
CV:中村悠一/イ・ジウン(韓国語台詞)
概要
横浜・伊勢佐木異人町を拠点とする「異人三」と呼ばれる三大組織の一角である韓国系マフィア「コミジュル」の参謀を務める銀髪の男性。漢字表記は「金龍洙」。
後に主人公・春日一番のパーティメンバー(春日一行)の一人となる。
かつては、『龍が如く6』に登場した韓国マフィア「真拳(ジングォン)派」のボスだったハン・ジュンギの影武者という役割を担っていた。
本物のハン・ジュンギは『6』にて死亡しており、その時ヨンスは「真拳派の敵対勢力に対して睨みをきかせる」為に神室町に残留していた。
上記の通り彼は影武者のため、『6』でハンと激闘を繰り広げた桐生一馬の事は知らない。しかし劇中にて桐生と対面し言葉を交わした際、目の前の男(桐生)が本物のハンと知り合っていただろう事を察している。
なお、キム・ヨンスという本名で呼ばれるのは『7』の絆ドラマのみで、本編では一貫してハン・ジュンギとして扱われている。
人物像
派手な柄物ジャケットを素肌に着用するという目立つ装いだった本物のハンとはうって変わって、黒のモッズコート・カーゴパンツ・ミリタリーブーツと軍装品で統一した特殊工作員のような服装をしている。
かつて本物のハン・ジュンギから影武者として自らの振る舞いを覚えさせられた事もあって、相手の言動や気持ちに直接反論せず尊重しながら伝え、どんな相手であろうと常に敬語で話すなど、本物が持っていた公明正大且つ紳士的な性格をしっかりと受け継いでいる。
加えて、ヒットマンらしく冷静沈着に物事を見極めて判断し、正体を知らない相手には感情らしい感情を一切見せない。
反面、春日一番たちに興味を持ちだしてからはやや小馬鹿にした様な慇懃無礼な物言いをしたり、「友人」として打ち解け合ってからは気さくに冗談や軽口を言うなど、良くも悪くも本物以上に人間味の深い一面も覗かせている。
敬愛するボスの顔を持つ故か割とナルシストな側面もあり「顔がいい」といった賛辞に対しては否定せず受け止める、そしてその顔を維持するために努力は惜しまない部分もあり、筋トレによる体脂肪率のキープなどにも努めている(尚、筋トレ関連のトークは止まらなくなる上に自慢も多いので春日一行からは割と塩対応されている)。
しかしストイックな反面、食い意地は割と張っているらしく、『7』では勝手に向田紗栄子のケーキを食べた足立宏一の禊にちゃっかり乗っかろうとしていたり、宴会トークで最適な選択肢を選ばないとキレ散らかすなど食事に対してはこだわりが案外強い。
「春日とカスって言葉、似てますよねぇ!?」
「テンション上がりますねぇ!!」
ちなみに、ヨンスに言わせると「本物のハン・ジュンギは話し方やファッションセンスなどが品行方正であり、自分の及ぶところではない」との事で、死して尚も本物に対して深い敬意を示している。
また、意外にもゲーム好きとの事。
『8』ではソンヒからプライベートな情報が度々語られ、その様はまさに姉弟のそれである。
そのひとつがドラマ好きであるというもので、よくレンタルショップに赴いては、見たいドラマを見つけたと一気借りしてくるとのこと。
が、借りたら借りっぱなしにする悪癖があるらしく延滞料金でカモにされている(尤もヨンス自身は「コミジュルは元より資金難であるためキャッシュアウトは慎重にしなければならない」とハワイ土産すら最安値を狙う程キッチリしている性格なので、恐らく自腹であることで気を抜いているのと忙殺が原因。ソンヒサイドでは「そういえばアイツ、借りたDVD返したのか?仕方ない、期限の確認くらいしてやるか」というトークが聞け、逆にヨンスサイドでは「しまった…また借りたDVDを返し忘れてしまった」と案の定ソンヒの懸念が的中している様子を見せている)。
さらに「スイカに輪ゴムを巻き付けて爆発させる動画を延々見続ける」という嗜好が明かされ、それを聞いたナンバと紗栄子から心配されていた
忙しい上にソンヒのわがままにも付き合わされるためか案外気苦労も多いらしく、口内炎に悩まされたり(ソンヒに食べきれない分を押し付けられるせいで)カレー屋に行けなくなるなど微妙に苦労人な一面もある。
『7』のDLCで本物のハンのジャケットを着せる事も可能、その上でジョブをホストにすると(表の職業がホストクラブのオーナーであることもあって)メチャクチャ似合う。
経歴
キム・ヨンスとしての彼がハン・ジュンギとして影武者となった訳は彼の父にある。
ヨンスの父は所謂「古いタイプの男」であったようで、ハンが真拳派をまとめ始めた時は「あんな若造が」と見下し、歯牙にも掛けて居なかったらしい。
しかし実際に真拳派をまとめ上げ、勢力を強め、因縁の神室町に進出する程の力量を発揮し、ハンの実力に気づいた時には時既に遅し、完全に時流に乗り遅れた哀れな遺物と化してしまっていた。
それでもヨンスの父はなんとかしてハンに取り入ろうと思案し、遂に「実の息子に薬を盛り、昏倒している間に勝手に顔をハン・ジュンギそっくりに整形、手土産の影武者として差し出す」という暴挙に出る。
息子を影武者として差し出されたハン本人は「そこまでやるか」とドン引きしていたらしい。
しかし、「顔を変えろ」とあしらう事もなく「それもアリ」として実際に影武者になれるよう常にそばに置き、自分の趣味や仕草、言葉遣いや性格を学ばせ、ヨンスの方もハンの器の大きさに惚れ込み、彼自身も望んで影武者となれるよう努力した。
結果としてハンの留守を預かりつつ留守を気取らせない程精巧な影武者となる事ができた。
しかしヨンスは上述通り、肝心な時に別の場所に居たせいで、「影武者として本人の代わりに死ぬ」という本来の役割を果たすことが出来なかった。
『6』におけるハン・ジュンギの死とそれに伴う真拳派壊滅後、敵対組織からの追撃から逃れる為に構成員は散り、ヨンスも在日コミュニティを頼ろうとしたが、マフィアである彼は受け入れられなかった(話している本人は「今思えば当然のこと、彼等には彼等の生活があり、そこに私のようなものが入り込めば彼等の生活が脅かされかねなかったのだから」と自嘲している)。
「同胞を見捨てるのか」と激昂して掴み掛かった事で通報され警察に連行されるが、その警官は偽物でその正体は、コミジュルの総帥であるソンヒの指示で送られた構成員だった。
しかし生き残っても肝心の本物のハン・ジュンギも居ない、仇の殺し屋も既に死亡しており復讐も出来ないという現実は彼を打ちのめし、暫くは廃人同然の生活を送って居た。
が、実はコミジュルは本国から送られ、神室町で散った真拳派が集まって出来た組織である事を教えられる。残党の寄せ集めという非常に非力であり裏社会を生き抜けるはずもない組織ではあったが、しかしそんな彼らをも受け入れる余地のあるグレーゾーンである異人町だからこそ存在できた組織だった。
彼はコミジュルに救出された恩を返すため、命の恩人であり兄として慕っていた本物のハンと並ぶ「姉」として、ソンヒの為にコミジュルの参謀となる。
影武者で無くなったのにも拘らず、ヨンスがハン・ジュンギとして生き続けるのは、ハン・ジュンギを名乗る男が居るという情報を流すことにより、散り散りになってしまった同胞達を自分と同じ様にコミジュルに集め救う為。
その際ほぼ間違いなくハン・ジュンギとしての名声を掠め取ろうとする偽物を粛清する腹積りで襲ってくる事も覚悟の上であり、その上でその全てを返り討ちにしつつコミジュルに迎え入れる。
その為に彼は過去を完全に捨て、ハン・ジュンギとしてあり続けていた。
戦闘スタイル
- 専用ジョブ:ヒットマン
本物のハン・ジュンギのスタイルであった徒手空拳から一転して、メリケンサックをはめ、蹴り技や投げ技をも使用するようになり、更にはカランビットナイフ(刃が鎌状で指掛け用の輪を備えた逆手持ち用のナイフ)、銃器、毒薬、スタンガン、等ありとあらゆる手を尽くして戦うスタイルとなっており、見た目も相まって文字通りの「ヒットマン」である。
豊富な属性攻撃技、バステとデバフを伴う攻撃技が多く、素早さと会心率も高いことから、往年のRPGに当てはめると「アサシン」や「ローグ」といたポジションである。
本物へ深い敬意を持って立ちふるまいをコピーしておきながらファイトスタイルがまるで違うのは、ソンヒやコミジュルを守るためには手段を選ばないという現在のヨンスの立場や心境がよく表れているとも言えよう。
劇中の活躍
龍が如く7 光と闇の行方
2019年12月(当時33歳)、横浜流氓の参謀・馬淵昌に捕らえられていた春日たちを助ける形で初登場。その後、部下に命までは取るなと厳命した上で襲撃させて春日たちの実力を試した。そしてソンヒの命令により、コミジュルを探っていたナンバを連行しようとするが春日たちに阻止され戦闘になるが返り討ちにされた後、春日たちの手助けでアジトから逃走したナンバを捕まえるよう部下に命じていた。
その後、クーデターを起こした馬淵や、ナンバから偽札の情報を聞き出していたブリーチジャパンや近江連合によってアジトが襲撃された際には、駆け付けた春日たちに時間稼ぎをさせている間、ソンヒと共に偽札製造の証拠隠滅を図っていた。
騒動終結後、春日たちと共闘するつもりでいたソンヒを説得し、そして彼女に春日たちに同行するよう命じられた後は、コミジュルの情報網を使って敵の情報を提供するなどして春日の仲間として最後まで戦い抜いた。
龍が如く8
2023年(当時37歳)、ソンヒと同じく裏社会の人間として、カタギの春日たちとは関わらないようにしていたが、物語終盤、ハワイへの援軍として派遣され、桐生たちと行動を共にするソンヒとは逆に、春日たちと行動を共にする。
また、本作ではカラオケを歌えるようになった。
服装は最初は前作と同じものだったが、ハワイに来た際に春日たちから「見てるこっちが暑い」という理由(本人も暑がっていた)で、黒一色ではあるもののTシャツ、スリムカーゴ、スニーカーという軽快な装いになった。コーディネートは千歳の見立てによるもの。
ちなみに、絆ドラマによるとソンヒに無断でヨナという自身を慕う部下に仕事を投げてハワイ行きの飛行機に飛び乗った事が判明。しかしソンヒはそれを承知の上で黙認してくれていた模様である。
彼曰く「趙もソンヒも、自分に全部押し付けて桐生さんに同行してずるい」らしい。
なお、そのヨナもヨナで自分に憧れるギフンという同僚に仕事を投げてハワイに来てしまう等大概であるが(そのギフンも来てしまうなどで収拾がつかなくなっていた)。
一応フォローしておくと、ハワイで楽しみたかったわけではなく春日を助けに来たと言う理由なので完全に職務放棄をしたわけではない。
余談
- 担当声優の中村氏は『7』の仕事を引き受けた際に演じるキャラクターのことは聞かされていなかったため、演じるにあたって「生きていたのではなく別人」と知り大きく驚いたらしい。
- 『6』では韓国語台詞も中村氏が声を当てていたが、『7』以降は韓国人声優のイ・ジウン氏が声を当てている。
- ヨンスの父親が息子を影武者として差し出して以後の進退は語られておらず、当のヨンスからは「好きな酒に溺れて死ねたのだから本望だろう」と切り捨てられている。暴飲の結果体を壊して死んだのか、酒を飲んでいる時に殺されたのか、はたまた文字通り酒によって溺死させられたのかは不明。
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Theory of Beauty(『龍が如く7』戦闘BGM)