「蒼天堀はお前の庭じゃねえんだよ 檻なんだよ 檻!」
「こうなりゃよ…… 地獄の果てまででも追いかけてあの女殺すぞ」
CV・モデル:鶴見辰吾
概要
『龍が如く0』に登場する五代目近江連合直参「佐川組」組長にして、キャバレー「グランド」のオーナー。
普段は飄々とした振る舞いで気に入った相手を「ちゃん」付けで呼ぶなど、ヤクザらしからぬ遊び人然とした印象を与える人物。一方で、10万円のフグの懐石や100g・1万円の松坂牛等の高級料理よりも屋台のおでんの大根が一番美味いと語る庶民的な一面も見せている。
しかし、その裏では狡猾な策略家という顔を持ち、無許可で行動した者を容赦なく締め上げる、職業相当の恐ろしい一面も見せている。
特に目をつけた相手を蛇のように徹底的に執着して追い詰めるというやり口はプレイヤーに恐怖を与え、終始真島の行動を封じていた。
反面、世良や嶋野といった切れ者相手には後手に回る事も多い。優秀な極道の割にはどこか飛び抜けられない印象なのは、後述の「子は親に逆らえない」という信条からだろうか。
経歴
近江連合の直参組長という立場だが、そこと敵対する東城会の幹部・嶋野太とは代紋違いの兄弟分である。その関係からとある過去の罰によって「穴倉」に入れられていた真島吾朗の後見人を頼まれ、「グランド」の支配人として雇い入れる。この時には真島を蒼天堀という檻に閉じ込めるように目論んでいた。
「カラの一坪」を巡り近江連合も関東進出を狙い参戦すると、佐川は「カラの一坪」の重要人物である「マキムラマコト」の存在を知る。そこで、裏社会への復帰を目指す真島を利用しマキムラマコトの殺害を命じるのだった。
劇中での動向
嶋野との繋がりで東城会へ復帰させるという名目で真島を利用する。
だが、これまでにもキャバレーで何億円稼いだら復帰させると言いながらも蔑ろにし額を釣り上げていったそうなので、冗談か本気かは分かりにくいものだった。
しかし、後々の発言からすると今回ばかりは本当に復帰させるつもりだったらしい。
物語が進む中でマキムラマコトを匿っていたほぐし快館の店長・李文海を爆殺、約束を反故にした真島への拷問、自身を負傷させた世良勝率いる日侠連への突入など、「カラの一坪」のために手段を選ばず行動していく。
真島を拷問した際には自分の体験(親に内緒で自分が拾った文鳥「豆太郎」を飼い猫の餌にされ、佐川自身がその猫を殺した)から、「子は親に逆らえない」と説いていた。
以下、ネタバレ注意
だが、佐川の思惑とは裏腹に、最終的に「カラの一坪」は日侠連の元に渡った。それどころか近江連合と繋がって勢力拡大を狙っていた嶋野は、自分の立場の悪さを悟り、会合していた近江連合の本部長を証拠隠滅のために撃ち殺す。
結果、近江連合の神室町進出計画は失敗したばかりか本部長を殺されるという大損に発展し、この件を一任されていた佐川はその責任を取らされ近江から「始末」された。
佐川自身も己の死を確信したようで、真島との最後のやり取りは清々しさすら感じさせた。
「……あの世で待ってるぜ 真島ちゃん」
余談
- 劇中は戦闘シーンはなかったものの、真島と共に風俗街「椿園」内にある日侠連のアジト「弁天屋」へ突入した時に真島とは別行動していたが無事最奥まで辿り着いていたことから、直参組長に恥じない強さを持つと思われる。
- 当初、真島とは主従に近い関係であり、「子は親に敵わない」という考えを持つ佐川だったが、真島ならば親に逆らえるかもしれないという期待を感じさせる場面もある。
- 堂島組へ殴り込みに行く時に「狂犬」の目になった真島に対してどこか楽しげに話しかけていることからも窺える(この時、佐川にとって真島が勝手に動くことは決して歓迎すべき事態ではないのだが…)。
- 今となっては馴染み深い「狂犬」という呼び方は、佐川の発言が初出と思われる。
- 真島もまた彼との最後の会話で「出来ることならアンタとは死ぬまで会いたくない」と憎まれ口を叩きつつも、別れ際に「執着する大事さ」を学べたことを感謝したり、「またな」といつかどこかでまた会える事を期待する様な発言をした。
- 上述の「〇〇ちゃん」と言う呼び方を含め、西谷誉と同様に真島に影響を与えた人物と言えよう。