「勇者よ、目覚めなさい」
概要
正式タイトルは『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』で、ドラゴンクエストシリーズの第4作。1990年2月11日にファミリーコンピュータ(以下FC)用ソフトとして発売され、その後リメイク版として2001年にプレイステーション(以下PS)版、2007年にニンテンドーDS(以下DS)版が発売されている。
旅立ちの際にキャラクターメイクをして出発する前作とは大きくシステムが変更され、本作は5つの章立てに分かれたオムニバス形式になっている。また、学習機能を組み込んだAIが搭載され、馬車の登場によりパーティーに入れられない味方も一緒に連れて歩けるようになった。シリーズでお約束の「教会で冒険の書に記録する」方式になったのも本作からである(前作では各地の王様がセーブ担当だった)。
前作から更に容量が倍増したこともあり、進化したグラフィック表現やアニメーション処理を大規模に組み込まれていたり、楽曲の追加などで見た目や演出の面が大幅に強化された。また、「カジノ」「ちいさなメダル」などの寄り道・収集要素が登場し、旅をする楽しみが強化されている。
前作のDQ3に引き続き、本作でもデフォルトで男女いずれかの勇者を選べる。ちなみにDQ3(ファミコン版)では男女いずれを選んでも勇者のグラフィックは同じだったが、今作では男女で異なるデザインが採用された。また、キャラクターは前作と違って固定になったが、成長時に呪文を覚えるか否かはある程度ランダム性がある。
ストーリーは5つの章をそれぞれに「導かれし者」と呼ばれるキャラが存在し、それぞれのストーリーを順に追っていくというもの。第五章でその「導かれし者」たちが集結し、人類を滅ぼそうとする最終ボス(デスピサロ)を倒しに行くというストーリー。またリメイク版には序章と第六章(表題はない)が追加された。
「DQ1」~「DQ3」を意識した展開もあり、過去作をプレイした人ならどこが似ているかわかるであろう。
FC版 | PS版 | DS版 | |
---|---|---|---|
ジャンル | RPG | 同左 | 同左 |
発売日 | 1990年2月11日(日) | 2001年11月22日(木) | 2007年11月22日(木) |
価格 | 8500円+税 | 7140円→廉価版2625円 | 5490円→廉価版2940円 |
販売元 | エニックス | エニックス | スクウェア・エニックス |
開発 | チュンソフト | ハートビート | アルテピアッツァ |
CERO | A(全年齢対象) | A(全年齢対象) |
各章立て
CV:CDシアター版 / ドラゴンクエストヒーローズ・ヒーローズ2
序章(リメイク版のみ)
第一章「王宮の戦士たち」
第二章「おてんば姫の冒険」
第三章「武器屋トルネコ」
第四章「モンバーバラの姉妹」
- エドガン
- 先代キングレオ王(CV:宮内幸平)
第五章「導かれし者たち」
第六章(リメイク版のみ)
敵キャラ
CVあり
CV:CDシアター版 / ライバルズ
Ⅳからの敵
ボスキャラ
学習AI
発売前から大々的に取り上げられていた要素として、学習型のAIを搭載している。学習方式は非常にシンプルで、5章以後は全ての敵に対して4段階で学習状態が記録されており、戦闘を繰り返していく毎にLv0から最大でLv3まで学習され、Lv3になると敵の耐性を完全に学習、それに合わせた攻撃を行ってくれるようになる。
ただし、この方式には地味に落とし穴もあり、AIの学習レベルが上がりきるまでは仲間たちが敵に対して効かない行動を試す事も少なからずある。「ザラキ大好きクリフト」「DQ4はAIがバカ」などと言われてしまう事があるのだが、こうなってしまうのは初見の敵はAI学習Lvが0な事に加えて、クリフトの使える攻撃呪文はザキ・ザラキだけ+戦闘開始直後は誰もHPが削れていない事が多い…という3つの条件が合わさるため。
他の呪文を使えるキャラに関しても同様で、学習レベルが上がるまでの間は効かない呪文を連打したりしやすい。
しかしながら、呪文の無駄撃ち等を避けるテクもなくはない。それが初手で勇者がアストロンを使う事である。アストロンを使うと3ターンの間無敵になる代わりに何も出来ないが、ターン経過によって学習レベルが上がるためにアストロンが解けた後は仲間たちが効果的な攻撃手段を選んでくれやすくなる。また、いちいち初見の雑魚敵に対してもアストロンで様子見するのがめんどくさいというのであれば新しい敵が多く出現する区間に入ったらライアンやアリーナ、トルネコといった、肉弾戦主体の仲間を複数出しておくのも手である。学習Lvはキャラクター全体で共有のため、戦った分を後から出した後衛キャラが生かしてくれる。
発売当時にはこうしたAIの仕様などがわからなかった事などから上記のようなAIがバカなのではないかという風評が立つことになったが、しっかりと仕様を把握してやってみると結構気の利いた行動をしてくれる事も多い。特に本作ではAIが行動を決定するタイミングはプレイヤーが命令する場合と違い、行動するその時に判断・決定な為に敵の行動に合わせて後出しじゃんけんを適切にしてくれるというメリットは大きい(MPを長期的に節約するという概念は無いため、そこはプレイヤーがしっかり「じゅもんせつやく」で管理する必要があるが・・・)。
プレイヤーが選ぶ作戦によって微妙にキャラクター毎に行動パターンが異なっていたりと、時代を考えると驚異的な作り込みがなされていたりする。
小ネタ・バグ技
ドラクエシリーズではお約束となっているバグ技だが、本作でも存在する。有名なのが「8逃げ(8回「にげる」を選ぶと以後全ての攻撃が会心の一撃になる)」や「カジノで838861枚コインを買おうとすると4ゴールドで買えてしまう」、「メタル系モンスターがせいすいで一撃死」など。いずれもプレイヤー有利な為、裏技として非常に広く用いられた。
発生原理は非常にシンプルで、せいすい以外は単純にメモリのオーバーフローや管理の都合が原因である。
このバグ技は「初期ROMでしかできない」と言われているものの、本作の場合「3」の品薄で騒動が起きた事の反省から初期出荷量を凄まじい数にしており、初期ROMでない個体を見つけるのが非常に困難、というか現在においても未だにその後期ROMを発見した/所持しているという報告が出ていなかったりする。そのため、「後期の修正が入ったROMなど存在しないのでは」と囁かれていたり、これらのバグ技が出来ないROMを見つけたらそちらの方が貴重である。
余談
同じ群像劇のファイナルファンタジー6とは異なり、『誰が真の主人公か』で揉めることは少ない(勇者がメインの主人公のオムニバス形式、という意見で概ね一致している)が、哀しき悪役(リメイク版では善悪両方キャラ)であるピサロの位置付け、男勇者を選んだ時と女勇者を選んだ時のシンシアの位置付けの違い(恋人か親友か)、前衛向きの主人公と後衛向きの主人公(後者は縛りプレイに使われやすく、商人のトルネコは外伝も作られている)の扱いの差で論争になることはあった。
関連イラスト
関連タグ
シリーズ | ドラゴンクエスト / DQ、天空シリーズ、ドラゴンクエストⅤ、ドラゴンクエストⅥ |
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スタッフ | 堀井雄二、鳥山明、すぎやまこういち、中村光一 |
街・城 | エンドール、モンバーバラ、アッテムト、天空城 |
武器 | 天空装備、キラーピアス、せいぎのそろばん、銀のタロット、はじゃのつるぎ、まどろみの剣、奇跡の剣、魔界の剣、炎の爪 |
防具 | 羽帽子、踊り子の服、ピンクのレオタード、魔界の鎧 |
道具 | 進化の秘法、ちいさなメダル、時の砂、うまのふん、しんじるこころ |
呪文 | ミナデイン、メガザル |
派生 | トルネコの大冒険 ドラゴンクエストモンスターズ3 |
書籍 | プリンセスアリーナ |
NL | 勇シン、勇アリ、クリアリ、クリミネ、ピサロザ、ピサ女勇、ライマー |
表記ゆれ | DQ4、ドラゴンクエスト4、ドラゴンクエストIV、ドラクエ4、ドラクエIV、ドラクエⅣ |
他関連 | レトロゲーム、エンドール武術大会、DQ4成人祭 |